やる気が出る3つの DADA

Jack Seisex

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「K・ジャックの落書きノート/私小説集」96

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「うるせえよ……」
 俺は、怒鳴りかけてやめた。

 ハングレ風のやくざ者は、アウトロー系の格闘家のようだ。
 顔面にマイク・タイソンそっくりのタトゥーを入れている。小柄だが、喧嘩だけが生きがいのような雰囲気の人物である。

 正直言って、関わり合いになりたくない。

(あ。知ってるぞこいつら)
 なぜだか、地下格闘技系のヤラセ番組に出ている偽格闘家たちもいるようだ。
 顔面タトゥーのやくざ者と敵対するグループである。

「偽ブラックジャック」
 俺は話しかけた。

「何だい。偽前衛アーティスト」
「なぜ、ヤラセ格闘技番組に出ている連中がゾロゾロいるんだ」

「全員客だ。俺の手術を受けている」
「何の手術だ」
「ああ。何人かは、ハングレ組織から、足を洗う時にタトゥー消去の手術をしてやったんだよ。他の連中は、ストリートファイトで喧嘩して死にそうになっていた時に救命措置をしたな……別に、死んでも構わなかったんだが」
 モグリン医師がメスを振り回す。

「救命措置か」
「そうだ。包茎手術もしたかな。まあ、プライバシー守る為だと言って、高額な金を請求したけどな」
「やはり、ボッタクリか」

 そのうち、
「おいコラ」
「出て来い前田!」
「いねえよ。前田なんて」
 ハングレ連中がもめ始めている。

 そして、当然のように
「殺すぞ」
「殺してみろ」
 偽ハングレたちが、ドカドカと乱闘を始める展開となった。

「バカは死んでも治らないというのは、あいつらのことだな」
 左手のヒダリンがあきれている。

 みんなバカばっかりだ。
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