やる気が出る3つの DADA

「K・ジャックの落書きノート／私小説集」（２4)

「そもそもさ」
　俺は、ヒダリンに話しかける。
　俺は、こいつが左手に寄生してから、何かが変わりだしていると感じている。

「なんだい、ジャック。偽物のＤＡＤＡアーティストめっ」
　ヒダリンは、汚い言葉。

「おい。偽物とは何だ？」

「偽物だろ。ＹｏｕＴｕｂｅで公開している前衛ビデオも、ほとんどのヤツが、気持ち悪いし。なかには、おもろいのもあるけど。ノロイ、ノロ」

「きききき、気持ち悪いだと」
　これは、いただけない。
　マジで切れそうだ（それに、結構、傷つくし）

「おい、ヒダリン。キサマが来てから、何かが変わってしまっているんだ。台無しといった感じだ」
「何が変わったんだい？　ノロノロノロイ」

「ううむ」
　ジャックは、歩きながら思案する。

　判明した！

【死小説】のはずが、全く、怖くなくなってしまったのだ。

　これでは、私小説を書くと宣言する前の【ぼったくり作者】と、大した違いがない。