やる気が出る3つの DADA

Jack Seisex

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~宣言解除後の日常(67)~

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「あのCAが、ミシマタロウだったとは―――」
 倉橋が、呟いた。
「その話は、もういいから」
 イヤホンから、男の声が聞こえている。
 スマホは、倉橋の独り言まで、一々、拾ってしまっているようだ。
 
「さっさと空港警察を、多目的トイレに入れてあげて。また、センターにクレーム来たらしいから」
「マジですか?」
「マジ、マジ、マジ。おまけに、【空港ビルアソシエーション】の古田社長まで、防災センターに出向いてきて、ことの成り行きを見守っているらしいから。【アソシエーション】の社長、この対応の様子を防災センターで、他の警備員とカメラモニターで、一緒にチェックしてるらしい」
「アソシエーションの社長?」
 倉橋は声を上げた。

【空港ビルアソシエーション】の古田社長といったら、日本有数の財閥家に生まれ、ビジネス紙にも、頻繁に顔を出すほどの実力者である。
 空港の経営が、芳しくないところから、業績をV字回復させたことで一般的にも知られている。
 このところ、パンデミック絡みのニュースも多いので、空港全体が幹部を含めて、神経質になっているのかもしれない。
 益々、大事になりつつあるようだ。

「早く、早く、急いで」
 男が、急かしてくる。
「了解っ」
 倉橋は、スマホに向かって怒鳴った。

 この時、倉橋の脳裏に、こんな疑問が浮かんできた。

―――このスマホで、しつこく指示を出してくる警備員の男(まだ、名前もわからない)は、先ほど、ちょっと【VRゲーム】をやっていたようなニュアンスで、話をしていたはずだ。
 だとしたら、ゲーム内では、何のキャラを担当していたのだろう?

 この疑問は、倉橋の頭の中をグルグルと駆け巡って消えなかった。
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