やる気が出る3つの DADA

5gスマホの行方

「お電話ありがとうございます。ハナモゲラコミュニケーションズのレス・ソントンと申します」

やっと繋がった。

「本日はどうされましたか？」とレス・ソントン。

「5gスマホを落としたんだけどね」

倉橋は極力、平静を装いながら話したが、次に続ける言葉が見つからなかった。

「おーっと、それはそれはちょっと大変ですね。悪用されないためにも至急端末を止めさせていただきます。24桁のお客様識別番号をお願いいたします」とレス・ソントン。こいつもおそらくアンドロイドに違いない。

お願いって？言うの？俺が？この電話で？

はい。お願いします。

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「ありがとうございます。お客様識別番号を確認できました。ではお客様のお名前、住所をお願いします」とレス・ソントン。

倉橋は名前と住所を伝えた。

「ありがとうございます。お客様はハナモゲラgps特定サービスに加入しておりますでしょうか？」

Yes!

「ありがとうございます。それでは5gスマホの位置を特定させていただきますので、しばらくお待ちください」

3秒後

「お客様、疑惑のポイントが浮かびあがりました。28番街のバルバロイゲテモノ横丁の半径1キロメートル以内と出ています。心当たりはありますか」

「あるとも、あるもあるも、大有りだ」と倉橋はレス・ソントンにお礼を言い大急ぎで28番街に向かった。

黒電話から受話器がブラブラとぶら下がったまま、まだ電話は切れていなかった。

「レス・ソントンが担当させていただきました」