10 / 25
第10話
しおりを挟む
隣の席の徳大寺さんは、少し変わっている。
持ち物は女の子らしいものが多いのに、何故かスマホケースは少しごつくて頑丈そうな物だ。
「そのスマホケース、すごく丈夫だよね」
「そうね。高さ1.2m、26方向の落下試験をクリアした、選ばれし強者よ」
少し前まで、徳大寺さんはスマホにケースをつけていなかった。
新しい機種にしたわけでもないのに、なぜ急にケースをつけたのか尋ねてみた。
「えっと……大切なものだから、ちゃんと守らなきゃって思って……壊したくないし」
「そっか。名前はなんていうの?」
「このスマホケース?」
「そう。名前、つけたんでしょ?」
「う、うん……。あの、こ、これはね……朱莉っていうの……」
それは確か、徳大寺さんの名前。 そしてスマホには、僕の名前がついている。
「ケースとスマホって、いつも一緒だから……って思って……」
やっぱり、隣の席の徳大寺さんは、少し変わっている。
でも、とても素直で可愛い人だと、僕は思う。
持ち物は女の子らしいものが多いのに、何故かスマホケースは少しごつくて頑丈そうな物だ。
「そのスマホケース、すごく丈夫だよね」
「そうね。高さ1.2m、26方向の落下試験をクリアした、選ばれし強者よ」
少し前まで、徳大寺さんはスマホにケースをつけていなかった。
新しい機種にしたわけでもないのに、なぜ急にケースをつけたのか尋ねてみた。
「えっと……大切なものだから、ちゃんと守らなきゃって思って……壊したくないし」
「そっか。名前はなんていうの?」
「このスマホケース?」
「そう。名前、つけたんでしょ?」
「う、うん……。あの、こ、これはね……朱莉っていうの……」
それは確か、徳大寺さんの名前。 そしてスマホには、僕の名前がついている。
「ケースとスマホって、いつも一緒だから……って思って……」
やっぱり、隣の席の徳大寺さんは、少し変わっている。
でも、とても素直で可愛い人だと、僕は思う。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
エリア51戦線~リカバリー~
島田つき
キャラ文芸
今時のギャル(?)佐藤と、奇妙な特撮オタク鈴木。彼らの日常に迫る異変。本当にあった都市伝説――被害にあう友達――その正体は。
漫画で投稿している「エリア51戦線」の小説版です。
自サイトのものを改稿し、漫画準拠の設定にしてあります。
漫画でまだ投稿していない部分のストーリーが出てくるので、ネタバレ注意です。
また、微妙に漫画版とは流れや台詞が違ったり、心理が掘り下げられていたりするので、これはこれで楽しめる内容となっているかと思います。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる