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色鮮やかなオオゴチョウ
おまけのおはなし「十人十色」
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「愛茉、今日の髪型めっちゃ可愛いね」
「でしょー?これね、桔平くんがしてくれたの」
自慢げに髪型を見せつけてくる愛茉は、本当に可愛い。マジで天使だわ。
この愛らしい顔にピッタリなアッシュブラウンのゆるふわパーマは、どっちも天然なんだって。真っ黒で直毛な私からすれば、めちゃくちゃ羨ましい。
しかも愛茉の可愛さを更に引き立たせるヘアアレンジをしているのが、浅尾っちという事実。今日は大人っぽい柄のスカーフを一緒に編み込んだザックリ三つ編みスタイルなんだけど……何なのあの人、天才すぎない?
「洋服と合ってるよね」
「服もバッグも靴も、桔平くんチョイスです」
「マジで?スタイリストになれるじゃん、浅尾っち」
可愛い彼女が、自分の手で更に可愛くなるっていうのがいいんだろうな。何となく浅尾っちの気持ちが分かる。
にしても、このトータルコーディネートはすごすぎ。透け感のあるフリルブラウスに小花柄のインナーを合わせて、膝丈のペンシルスカートで全体のラインを引き締めている。甘くなりすぎずに愛茉の可愛さを最大限引き出すなんて、マジでセンスの塊じゃん。
「私はガーリーなの似合わないからなぁ。ちょっと羨ましい」
「えー、私は七海みたいにかっこいいスタイルが羨ましいけど」
「まぁ、愛茉には似合わないだろうね。背低いし」
「七海とか楓お姉さんみたいな、かっこいい女性になりたかったんだけどなぁ」
そういうことを言っている時点で、可愛すぎなのよ。ほんっと、そのままでいてほしい。
「そういや、愛茉も浅尾っちの髪いじるの好きって言ってたよね。結んであげてんの?」
「うん。最近また長くなってきたから、編み込みしたりお団子にしたり遊ばせてもらってる」
「浅尾っち、相変わらず刈り上げなんだよね」
「もともと髪が多い方らしくて、乾かすの時間かかかるからフェードカットにしてるみたい」
「個性的な髪型が不思議と似合うよね、あの人は……。翔流なんかはダメだろうなぁ」
翔流の髪型は、今時よくある黒髪マッシュ。似合ってはいるけど、ファッションにも顔にも大した特徴がないのよね、翔流って。
かと言って、浅尾っちみたいな派手ファッションや長髪が似合うとも思えない。……想像したら笑えてきた。
「……どうしたの」
「いや……翔流の長髪を想像したら、可笑しくて……」
「翔流くんは、今の髪型似合ってるじゃない。爽やかだし」
「うん、そうだね、うん」
結局、自分に似合うのが一番ってことだよね。翔流は翔流、浅尾っちは浅尾っち。2人とも、自分に何が似合うのかよく分かってるのかもしれない。
翔流はシンプルなのが一番似合ってると思う。私の横に並んでも違和感ないしね。浅尾っちの隣を歩いたら、私はいろいろ気になりそうだわ。
「自分の個性を活かすって大事だよね。そもそも藝大なんて、個性を発揮しないと入れないんだろうし」
私が言うと、急に愛茉が吹き出した。
「ど、どうした」
「ご、ごめん……こ、小林さん思い出しちゃって……」
……ここでそれを思い出したら、ダメでしょ。
「真っ赤な坊主もそうだし……こ、この前……かっぱえびせんのエビみたいな絵の上に“カニ”って書いてあるTシャツ着てて……」
そこまで言って、ツボに入ってしまった愛茉はひたすら笑い続けた。
似合う髪型も人それぞれ。似合う洋服も人それぞれ。……だけど、似合う似合わないの次元を超えた人もいるってことだわね。
「でしょー?これね、桔平くんがしてくれたの」
自慢げに髪型を見せつけてくる愛茉は、本当に可愛い。マジで天使だわ。
この愛らしい顔にピッタリなアッシュブラウンのゆるふわパーマは、どっちも天然なんだって。真っ黒で直毛な私からすれば、めちゃくちゃ羨ましい。
しかも愛茉の可愛さを更に引き立たせるヘアアレンジをしているのが、浅尾っちという事実。今日は大人っぽい柄のスカーフを一緒に編み込んだザックリ三つ編みスタイルなんだけど……何なのあの人、天才すぎない?
「洋服と合ってるよね」
「服もバッグも靴も、桔平くんチョイスです」
「マジで?スタイリストになれるじゃん、浅尾っち」
可愛い彼女が、自分の手で更に可愛くなるっていうのがいいんだろうな。何となく浅尾っちの気持ちが分かる。
にしても、このトータルコーディネートはすごすぎ。透け感のあるフリルブラウスに小花柄のインナーを合わせて、膝丈のペンシルスカートで全体のラインを引き締めている。甘くなりすぎずに愛茉の可愛さを最大限引き出すなんて、マジでセンスの塊じゃん。
「私はガーリーなの似合わないからなぁ。ちょっと羨ましい」
「えー、私は七海みたいにかっこいいスタイルが羨ましいけど」
「まぁ、愛茉には似合わないだろうね。背低いし」
「七海とか楓お姉さんみたいな、かっこいい女性になりたかったんだけどなぁ」
そういうことを言っている時点で、可愛すぎなのよ。ほんっと、そのままでいてほしい。
「そういや、愛茉も浅尾っちの髪いじるの好きって言ってたよね。結んであげてんの?」
「うん。最近また長くなってきたから、編み込みしたりお団子にしたり遊ばせてもらってる」
「浅尾っち、相変わらず刈り上げなんだよね」
「もともと髪が多い方らしくて、乾かすの時間かかかるからフェードカットにしてるみたい」
「個性的な髪型が不思議と似合うよね、あの人は……。翔流なんかはダメだろうなぁ」
翔流の髪型は、今時よくある黒髪マッシュ。似合ってはいるけど、ファッションにも顔にも大した特徴がないのよね、翔流って。
かと言って、浅尾っちみたいな派手ファッションや長髪が似合うとも思えない。……想像したら笑えてきた。
「……どうしたの」
「いや……翔流の長髪を想像したら、可笑しくて……」
「翔流くんは、今の髪型似合ってるじゃない。爽やかだし」
「うん、そうだね、うん」
結局、自分に似合うのが一番ってことだよね。翔流は翔流、浅尾っちは浅尾っち。2人とも、自分に何が似合うのかよく分かってるのかもしれない。
翔流はシンプルなのが一番似合ってると思う。私の横に並んでも違和感ないしね。浅尾っちの隣を歩いたら、私はいろいろ気になりそうだわ。
「自分の個性を活かすって大事だよね。そもそも藝大なんて、個性を発揮しないと入れないんだろうし」
私が言うと、急に愛茉が吹き出した。
「ど、どうした」
「ご、ごめん……こ、小林さん思い出しちゃって……」
……ここでそれを思い出したら、ダメでしょ。
「真っ赤な坊主もそうだし……こ、この前……かっぱえびせんのエビみたいな絵の上に“カニ”って書いてあるTシャツ着てて……」
そこまで言って、ツボに入ってしまった愛茉はひたすら笑い続けた。
似合う髪型も人それぞれ。似合う洋服も人それぞれ。……だけど、似合う似合わないの次元を超えた人もいるってことだわね。
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