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母へと贈るエーデルワイス
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翌朝目覚めると、隣に愛茉はいなかった。どうやら先に起きているらしい。
昨晩は疲れているにも関わらず一度ではまったく収まらなかったので、その後は風呂に入る気力もなく寝てしまった。
ぼんやり霞む目をこすりながら、ようやく体を起こす。浴衣と下着を探すと、布団の脇に折り目正しく畳まれていた。そしてその上に、リボンでラッピングされた小さな箱が置いてある。
中を開ける前にサンタクロースへ礼を言うため、浴衣を着て隣の部屋へ向かった。
「あ、おはよう桔平くん。意外と早く起きたね」
「おはよう」
愛茉は露天風呂に入っていたようで、髪をひとつにまとめていた。そしてオレの顔を見て、少し上気していた頬をさらに赤らめて俯く。
「どうした?」
「浴衣で寝起きの桔平くんって、なんかアンニュイで色っぽいというか……。ちょっと、照れちゃう」
……大丈夫だ。まだ何とか耐えられる。ただ、朝っぱらからオレの理性をぶっ壊しにくるのは止めてほしい。そもそも浴衣姿ってだけで可愛すぎるというのに。
咳払いで煩悩を吹き飛ばして、プレゼントの箱を愛茉に見せた。
「これ、クリスマスプレゼント?」
「うん。愛茉サンタからです。開けてみてー」
「あー、ちょっと先に顔洗ってシャキッとしてくるわ」
せっかく愛茉が選んでくれたものだ。寝起きのぼんやりとした状態で開けたくはない。
氷のような冷水を顔に浴びせて、強引に脳を覚醒させてから部屋へ戻る。それから改めてプレゼントの箱を開けてみると、中には3つのリングピアスが入っていた。
「私は桔平くんみたいに手作りはできないけど。私が選んだもの、身につけててほしいなぁって思って」
はにかみながら、愛茉が言う。まだギリギリ大丈夫だ。
「ありがとう。すげぇ嬉しい。結構いいやつだろ、これ」
「初めてのプレゼントだから、ちょっと頑張っちゃった」
「つけて」
「え、私が?」
「うん。こことここと、ここね」
左耳に2つ、右耳に1つ。いつもつけているリングピアスは基本的に同じもので、変えることはない。単にコーディネートの邪魔をしないからというだけで、それ以上の意味はなかった。
「な、なんか怖いんだけど。ここ軟骨だよね」
「大丈夫だよ。もう穴通ってんだから。ひと思いに、ぶっ刺して」
「……と、通った」
顔を近づけて、真剣な表情で1つずつピアスをつけていく。
そういやメガネをしていないが、もうコンタクトをつけているのだろうか。オレは愛茉のメガネ姿が結構好きだった。
昨晩は疲れているにも関わらず一度ではまったく収まらなかったので、その後は風呂に入る気力もなく寝てしまった。
ぼんやり霞む目をこすりながら、ようやく体を起こす。浴衣と下着を探すと、布団の脇に折り目正しく畳まれていた。そしてその上に、リボンでラッピングされた小さな箱が置いてある。
中を開ける前にサンタクロースへ礼を言うため、浴衣を着て隣の部屋へ向かった。
「あ、おはよう桔平くん。意外と早く起きたね」
「おはよう」
愛茉は露天風呂に入っていたようで、髪をひとつにまとめていた。そしてオレの顔を見て、少し上気していた頬をさらに赤らめて俯く。
「どうした?」
「浴衣で寝起きの桔平くんって、なんかアンニュイで色っぽいというか……。ちょっと、照れちゃう」
……大丈夫だ。まだ何とか耐えられる。ただ、朝っぱらからオレの理性をぶっ壊しにくるのは止めてほしい。そもそも浴衣姿ってだけで可愛すぎるというのに。
咳払いで煩悩を吹き飛ばして、プレゼントの箱を愛茉に見せた。
「これ、クリスマスプレゼント?」
「うん。愛茉サンタからです。開けてみてー」
「あー、ちょっと先に顔洗ってシャキッとしてくるわ」
せっかく愛茉が選んでくれたものだ。寝起きのぼんやりとした状態で開けたくはない。
氷のような冷水を顔に浴びせて、強引に脳を覚醒させてから部屋へ戻る。それから改めてプレゼントの箱を開けてみると、中には3つのリングピアスが入っていた。
「私は桔平くんみたいに手作りはできないけど。私が選んだもの、身につけててほしいなぁって思って」
はにかみながら、愛茉が言う。まだギリギリ大丈夫だ。
「ありがとう。すげぇ嬉しい。結構いいやつだろ、これ」
「初めてのプレゼントだから、ちょっと頑張っちゃった」
「つけて」
「え、私が?」
「うん。こことここと、ここね」
左耳に2つ、右耳に1つ。いつもつけているリングピアスは基本的に同じもので、変えることはない。単にコーディネートの邪魔をしないからというだけで、それ以上の意味はなかった。
「な、なんか怖いんだけど。ここ軟骨だよね」
「大丈夫だよ。もう穴通ってんだから。ひと思いに、ぶっ刺して」
「……と、通った」
顔を近づけて、真剣な表情で1つずつピアスをつけていく。
そういやメガネをしていないが、もうコンタクトをつけているのだろうか。オレは愛茉のメガネ姿が結構好きだった。
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