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心が寒いゼ
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『オレ、東京の専門学校へ行く事にしたから。』
2日前に、大学の合格発表があり、同じ大学へ行ける事を喜びあった俺(松井勇人)と(水沢中)は、中学からのツレで共に親友と呼べる間柄。
突然、中(アタル)から進路変更を聞いた俺は、戸惑いを隠せない。
「ウソだろ?アタル、専門学校受けたなんて言って無かったじゃん!」
俺は、全くの寝耳に水。
二人で通った進学塾は何の為?
『ゴメン、なんか勇人、同じ大学行こうって張り切ってたから言えなかった。』
「はぁ?.....」
言葉を失うってのはこの事だ。
開いた口が塞がらないっての?俺は、アタルが行きたい学校へ行けばいいと思うし、応援するつもりもあった。
家から通える大学がいいと言ってたのは、アタルの方じゃないか.....
それを今更、別の学校へ行くとか。
しかも、何?
東京って.....
絶対通えないじゃん。下宿するのかよ!
「別に、アタルが行きたいトコ行けばいいし、俺が決める事じゃない。けど、もっと早く言って欲しかった。」
『ゴメン。』
「謝んなくていいって! 」
そう言い捨てると、校門をくぐる。
俺たちの通う高校は、昨年から共学になったが、元は女子校で、ひとクラス36人のうち、男子は10人だけだった。余所の奴らからは、男が少ないことでモテるんじゃないかと思われているが、実際はそんな甘いものじゃない。
事実、俺が入学して付き合った娘はこの学校の生徒ではなく、バスで一緒になった別の高校の生徒で。
ショートヘアーの綺麗な娘だったんだけど...
何故かアタルに乗り換えられてて。
気づけばフラレてたっていう.....
悔しいけど、俺の目から見てもアタルはイケメンだ。
この学校の女子からも人気がある。
ひとりの男に10人の女が集るから、そりゃあ待ってたってこちらに回ってくる女なんかいない。
それでも、アタルは彼女というのは作らなくて、広く浅く多く、という羨ましい付き合い方をしていた。
俺との付き合いを優先してくれる程の親友だと思っていたのに。
「...東京のどこら辺?.....」
一応聞いてみる。別に訪ねて行きたい訳じゃないけど、今までこの地域しか知らない俺は、凄く取り残された感があって、せめて場所だけでも聞いておきたかった。
『学校は新宿に近い。あ、美容の専門な。で、アパートはそこから20分ぐらいの所。』
..... なんだよ、もう住むところまで決まってンじゃん‼
少し腹立たしくて、「へぇ。」と、ひとこと言っただけ。その後は、バスの中でも口をきかなかった。
自分でも、小さい男だと凹んでしまうが、親友だと思って何でも分かり合っていたと思ってた俺は、バカみたいだ。アタルは、そんな事思っていなかったんだ。
「じゃあ、」 『うん。』
それだけ言うと、俺はバスを降りる。
いつもは、降りた後にもう一度バスの中のアタルを見る。
そして、軽く手を上げてバイバイのポーズをするんだけど、今日は振り向きもせず、そのままうつ向いて歩き出した。
ヤッパリ俺は小さい男だ。
そう思ったら、なんだか心が寒くなった。
2日前に、大学の合格発表があり、同じ大学へ行ける事を喜びあった俺(松井勇人)と(水沢中)は、中学からのツレで共に親友と呼べる間柄。
突然、中(アタル)から進路変更を聞いた俺は、戸惑いを隠せない。
「ウソだろ?アタル、専門学校受けたなんて言って無かったじゃん!」
俺は、全くの寝耳に水。
二人で通った進学塾は何の為?
『ゴメン、なんか勇人、同じ大学行こうって張り切ってたから言えなかった。』
「はぁ?.....」
言葉を失うってのはこの事だ。
開いた口が塞がらないっての?俺は、アタルが行きたい学校へ行けばいいと思うし、応援するつもりもあった。
家から通える大学がいいと言ってたのは、アタルの方じゃないか.....
それを今更、別の学校へ行くとか。
しかも、何?
東京って.....
絶対通えないじゃん。下宿するのかよ!
「別に、アタルが行きたいトコ行けばいいし、俺が決める事じゃない。けど、もっと早く言って欲しかった。」
『ゴメン。』
「謝んなくていいって! 」
そう言い捨てると、校門をくぐる。
俺たちの通う高校は、昨年から共学になったが、元は女子校で、ひとクラス36人のうち、男子は10人だけだった。余所の奴らからは、男が少ないことでモテるんじゃないかと思われているが、実際はそんな甘いものじゃない。
事実、俺が入学して付き合った娘はこの学校の生徒ではなく、バスで一緒になった別の高校の生徒で。
ショートヘアーの綺麗な娘だったんだけど...
何故かアタルに乗り換えられてて。
気づけばフラレてたっていう.....
悔しいけど、俺の目から見てもアタルはイケメンだ。
この学校の女子からも人気がある。
ひとりの男に10人の女が集るから、そりゃあ待ってたってこちらに回ってくる女なんかいない。
それでも、アタルは彼女というのは作らなくて、広く浅く多く、という羨ましい付き合い方をしていた。
俺との付き合いを優先してくれる程の親友だと思っていたのに。
「...東京のどこら辺?.....」
一応聞いてみる。別に訪ねて行きたい訳じゃないけど、今までこの地域しか知らない俺は、凄く取り残された感があって、せめて場所だけでも聞いておきたかった。
『学校は新宿に近い。あ、美容の専門な。で、アパートはそこから20分ぐらいの所。』
..... なんだよ、もう住むところまで決まってンじゃん‼
少し腹立たしくて、「へぇ。」と、ひとこと言っただけ。その後は、バスの中でも口をきかなかった。
自分でも、小さい男だと凹んでしまうが、親友だと思って何でも分かり合っていたと思ってた俺は、バカみたいだ。アタルは、そんな事思っていなかったんだ。
「じゃあ、」 『うん。』
それだけ言うと、俺はバスを降りる。
いつもは、降りた後にもう一度バスの中のアタルを見る。
そして、軽く手を上げてバイバイのポーズをするんだけど、今日は振り向きもせず、そのままうつ向いて歩き出した。
ヤッパリ俺は小さい男だ。
そう思ったら、なんだか心が寒くなった。
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