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11.遊園地デート
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当日。
私と優斗君は深夜バスでおちあい、西のテーマパークへ向かった。
私は西のテーマパークへはじめて行けるというワクワクよりも、かなり緊張しドキドキしていた。男子と二人でお出かけなんて初めてだし、それでドキドキしていたのもあるけれど、一番の原因は親友の咲乃だ。
この前咲乃と電話した時に、今度テーマパークへ優斗君という友達と一緒に行くということを話した。すると彼氏かどうか疑われたが、違うと否定した。
すると咲乃は
「ねえ、もしかしてさ、告白でもされるんじゃないの?」
と言い出した。
思わず「はあ?」と返してしまった。
「私が告白されるわけないじゃん」
しかし咲乃いわく
「いや、だってさ、テーマパークに誘われたんでしょ?しかも二人でって。クリスマスにもご飯行ったみたいだしさ、可能性あるかもよ」
とのことだ。
そんなこんなで私はあらぬことを考えてしまいドキドキしているのだ。絶対にないと言い聞かせても、以前のクリスマスの時の言動とか考えてみると、ないことないかもと考えてしまうのだ。
深夜バスの中で寝ながら色々と考えているうちに、テーマパークに到着した。
バスを出てがっかりした。
あいにくの雨。小雨だけど。
私は念のためにと持ってきていた傘をカバンから取り出した。
「あ、佳歩ちゃん傘持ってきてたんだ」
「うん、一応ね」
「用意周到だね!俺、傘持ってこなかったよ。狭くなるけど入れてもらってもいい?」
「…うん、いいよ」
それってつまり相合傘というやつでは?私は流れで優斗君と相合傘になってしまい胸が高鳴る。
パークと一緒に歩いているうちにふと思った。これってアタックのチャンスではないかと。私は友達に対してもあまり自分から積極的にいかない方だ。しかし、このままでいいのか佳歩よ。もしかして何もしなければ趣味の合う友達程度で終わってしまうかもしれない。ちょっとアタックしてみよう私は勇気を振り絞った。そして、さりげなく優斗君の袖をつかんだ。アタックになってないって?私にとってはだいぶ大きな一歩だけど。
それから私たちは、最新のアトラクションに乗ったり、ドリンクやチュロスを食べたり、存分にパークを楽しんだ。ジェットコースターに乗った時は腰が抜けてしまって恥ずかしかったけど、優斗君は優しく声をかけてくれた。そしてしばらく笑いあった。
外でアトラクションに並んでる最中は手が冷たかった。すると、優斗君は「寒いでしょ」と言って手をにぎり、「めっちゃ冷たいね」と無邪気に笑った。私は心臓がバクバクしてはじけそうだった。そしてそのまま手をつないでいた。
お昼ご飯を食べるころには手を放してしまった。少し残念に思った。
この日一番心臓がはちきれそうだったのは、午後、室内系のアトラクションに並んでる時だった。私はスクリーンに映っている映像に夢中になって列が前に進んだことに気づかなかった。すると、急に手をつかまれた。「前に進んだみたい」と優斗君は私の手をひいた。手をつかまれたのが突然だったから口から心臓が飛び出そうになった。さらにドキドキしたのは、そこからずっとアトラクションに乗るまで手をつないでいたことだった。
フォトスポットで写真を取った時もかなりドキドキした。自撮りだったのもあって、かなり距離が近かった。優斗君が臆することもなく顔ぐっと近づけてきたときは、バクバクしすぎてもはや口から心臓が飛び出ているんじゃないかと思った。
私たちは閉園まで思う存分遊んだ。
しかし、結局、告白はされなかった。ドキドキした時や、もしかして…と思う場面はあったが、告白みたいなことがある空気ではなかった。
なんだ、やっぱ勘違いじゃん。勝手にちょっと舞い上がっていた自分がむなしくなった。
私と優斗君は深夜バスでおちあい、西のテーマパークへ向かった。
私は西のテーマパークへはじめて行けるというワクワクよりも、かなり緊張しドキドキしていた。男子と二人でお出かけなんて初めてだし、それでドキドキしていたのもあるけれど、一番の原因は親友の咲乃だ。
この前咲乃と電話した時に、今度テーマパークへ優斗君という友達と一緒に行くということを話した。すると彼氏かどうか疑われたが、違うと否定した。
すると咲乃は
「ねえ、もしかしてさ、告白でもされるんじゃないの?」
と言い出した。
思わず「はあ?」と返してしまった。
「私が告白されるわけないじゃん」
しかし咲乃いわく
「いや、だってさ、テーマパークに誘われたんでしょ?しかも二人でって。クリスマスにもご飯行ったみたいだしさ、可能性あるかもよ」
とのことだ。
そんなこんなで私はあらぬことを考えてしまいドキドキしているのだ。絶対にないと言い聞かせても、以前のクリスマスの時の言動とか考えてみると、ないことないかもと考えてしまうのだ。
深夜バスの中で寝ながら色々と考えているうちに、テーマパークに到着した。
バスを出てがっかりした。
あいにくの雨。小雨だけど。
私は念のためにと持ってきていた傘をカバンから取り出した。
「あ、佳歩ちゃん傘持ってきてたんだ」
「うん、一応ね」
「用意周到だね!俺、傘持ってこなかったよ。狭くなるけど入れてもらってもいい?」
「…うん、いいよ」
それってつまり相合傘というやつでは?私は流れで優斗君と相合傘になってしまい胸が高鳴る。
パークと一緒に歩いているうちにふと思った。これってアタックのチャンスではないかと。私は友達に対してもあまり自分から積極的にいかない方だ。しかし、このままでいいのか佳歩よ。もしかして何もしなければ趣味の合う友達程度で終わってしまうかもしれない。ちょっとアタックしてみよう私は勇気を振り絞った。そして、さりげなく優斗君の袖をつかんだ。アタックになってないって?私にとってはだいぶ大きな一歩だけど。
それから私たちは、最新のアトラクションに乗ったり、ドリンクやチュロスを食べたり、存分にパークを楽しんだ。ジェットコースターに乗った時は腰が抜けてしまって恥ずかしかったけど、優斗君は優しく声をかけてくれた。そしてしばらく笑いあった。
外でアトラクションに並んでる最中は手が冷たかった。すると、優斗君は「寒いでしょ」と言って手をにぎり、「めっちゃ冷たいね」と無邪気に笑った。私は心臓がバクバクしてはじけそうだった。そしてそのまま手をつないでいた。
お昼ご飯を食べるころには手を放してしまった。少し残念に思った。
この日一番心臓がはちきれそうだったのは、午後、室内系のアトラクションに並んでる時だった。私はスクリーンに映っている映像に夢中になって列が前に進んだことに気づかなかった。すると、急に手をつかまれた。「前に進んだみたい」と優斗君は私の手をひいた。手をつかまれたのが突然だったから口から心臓が飛び出そうになった。さらにドキドキしたのは、そこからずっとアトラクションに乗るまで手をつないでいたことだった。
フォトスポットで写真を取った時もかなりドキドキした。自撮りだったのもあって、かなり距離が近かった。優斗君が臆することもなく顔ぐっと近づけてきたときは、バクバクしすぎてもはや口から心臓が飛び出ているんじゃないかと思った。
私たちは閉園まで思う存分遊んだ。
しかし、結局、告白はされなかった。ドキドキした時や、もしかして…と思う場面はあったが、告白みたいなことがある空気ではなかった。
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