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74.これから先への決意
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「わぁぁ! 私、ベルン以外の街に来たの初めてです!」
アリーが興奮している。
俺達は出立してから一週間経過して街が見えたため寄って補給する事にしたのであった。
荒野の街の為、物価が高いのだ。
水は三百バルである。
これはベルンでは一食で払うような値段である。
この街の人達は布を被ったり帽子をかぶったり、日除けをしている人が多いのが特徴のように思う。
「俺は、美味い飯が食いたいっす!」
ダンは正直な奴だな。
憎めない部分ではあるのだが。
「あぁ。俺が奢るから好きなの食え。何が食いたい?」
「いいんっすか!? 俺、あそこの混ぜラーメン? が食べたいっす!」
「じゃあ、皆で行くか」
「やったっす!」
みんなを引連れて行く。
店に入ると席に案内された。
メニューを見ると混ぜラーメンとパンしかない。これが美味いってことなんだな。
そう思うと踏ん切りがついた。
「みんな、一緒でいいか?」
四人がコクリと返答を返してくる。
「混ぜラーメン五つください」
「あいよ! ちょっとお待ち!」
注文をお願いすると席で待つ。
少し待つとすぐに来た。
麺は作り置きしている感じなんだろうな。
水が貴重だからスープはないが、これはこれで凄く美味そうだ。
みんな麺を啜って体を弾ませている。
美味くて体が踊っているようだ。
俺もひと口啜る。
うん。これはやみつきになるかもな。
麺は太麺でコシがあって香辛料が絡まってピリッと辛く、凄く美味い。
「うん。美味い」
「テツさん! 美味しいですね!?」
「あぁ。どの店もこんなに上手いんだろうか……ズズズッ」
ダンとウィンも「うまっ」と言って食べている。フルルは無言だが顔が綻んでいる所を見ると美味いのだろう。
あっという間に食べ終わってしまった。
腹いっぱい食ったあとはしっかりと補給分の食料を買っておかないとな。
この街は物価が高いようだから、かなり補給にかかるかもしれないな。
それに、あまり治安が良さそうでは無い。
ゴロツキみたいな奴らも見かけたし、補給をさっさと終わらせて街を出よう。
「食べたら補給物資を買いに行くぞ」
「「「はい!」」」
席を立ち店を出る。
肉屋、八百屋、水屋に行って物資を買う。
次の街までも一週間ほどあるからその分は買っておかないとな。
食料や水はみんなで分担して持っている。
重いものは男達で持つようにはしているが、アリーとフルルも野菜などは持ってもらっている。
「あんた達、この先の街に行く気かい?」
買い求めていた水屋で話しかけられた。
この先の街に何があるのだろうか。
「はい。そうですが、この先の街、何かあるんですか?」
「そうさね。なんだかいい噂を聞かなくてね。今じゃ旅の人も寄り付かないよ」
「そうなんですか。気を付けます。有難う御座います。ちょっと、次の街には寄らないように調整します」
「その方がいいよ? ぼったくられるみたいだしねぇ」
「そんな事が……聞いて良かったです」
「気を付けて、旅しなよ?」
「はい!」
いい人だったな。
次の街はぼったくられる街でいい噂は聞かないと。それならわざわざ寄る必要は無いな。
とばして行こう。
次は、雑貨屋か。
消耗品を買わないとな。
「はぁ。誰だ? 全く……。おい。この路地入ったら隠れるぞ」
「「「はい」」」
誰かに後をつけられている。
路地に入るとさっと隠れた。
後ろから現れたのは明らかにゴロツキの様相の男が三人。
「あぁ? どこに行きやがった?」
「なんだよ! いい女連れてたのにぃ!」
「ゴロズに連れていけば高く売れるのになぁ」
うむ。次の街のことか?
やはり次の街はロクな街ではないようだ。
しかし、オレの大切な人を狙ってきた輩を許す訳にもいかない。
キョロキョロとしている男達の背後の闇から出る。トントンと肩を叩く。
「あっ?」
その一人の男は頭がコロンと落ちていった。
隣の男が気づいて声をあげようとする。
「なっ────」
ボッという音がしたかと思うと、こちらは頭に穴が空いて奥の闇がみえる。
手前の二人が倒れている音を聞いて、一番前にいた男は後ろを振り返った。
「なんだぁ?……あっ?……ゴフッ」
胸に大ぶりなナイフが突き刺さっている。
口から血を吐いてドサッと倒れた。
動いている者はもう居ない。
こんな街ではこんなこと日常茶飯事なのだろう。街行く人がチラッと見るが倒れている輩を見ると冷たい目をして通り過ぎていく。
関わらない方がいいと察しているのだろう。
この死体は誰が片付けるのかは疑問だが、片付ける気は無い。
「よし、行くぞ」
そのままにして路地を出る。
その後をついてくるアリーと暁の三人。
暗い顔をしているが、死体を見るのは気分が良くなかったのだろうか。
近くの飲み屋に行き席に着く。
「ご注文は?」
「エール五つ」
「はぁい」
皆が暗い雰囲気である。
少しすると冷えたエールが運ばれてきた。
「これ飲んで少し気分を晴らせ。ここから先、これが日常茶飯事になるぞ」
「テツさん、気を使わせてごめんなさい。ちょっと暗くなっちゃった。初めて見るわけじゃないのに……」
アリーは俺がアリーナイトと言われる由縁になった事件で大量の死体を見ている。見慣れている訳でもないが驚くほどでもない。
ダンとウィンは最初こそ驚いた様子だったが、エールを煽って少し落ち着いたようだ。
「師匠! 面目ないっす! 俺! 精神的にも強くなります!」
「自分、慣れてるつもりになってました。まだまだでした」
「私も……頑張る……」
暁の三人組はこれから精神的に強くなっていくだろう。
アリーが心配だが、どうにか乗り越えて欲しい。
「私だって……」
両手を胸の前で握り締めた。
ガイさんがこの先に居るかもしれない。
アリーには最後までついてきて欲しい。
アリーが興奮している。
俺達は出立してから一週間経過して街が見えたため寄って補給する事にしたのであった。
荒野の街の為、物価が高いのだ。
水は三百バルである。
これはベルンでは一食で払うような値段である。
この街の人達は布を被ったり帽子をかぶったり、日除けをしている人が多いのが特徴のように思う。
「俺は、美味い飯が食いたいっす!」
ダンは正直な奴だな。
憎めない部分ではあるのだが。
「あぁ。俺が奢るから好きなの食え。何が食いたい?」
「いいんっすか!? 俺、あそこの混ぜラーメン? が食べたいっす!」
「じゃあ、皆で行くか」
「やったっす!」
みんなを引連れて行く。
店に入ると席に案内された。
メニューを見ると混ぜラーメンとパンしかない。これが美味いってことなんだな。
そう思うと踏ん切りがついた。
「みんな、一緒でいいか?」
四人がコクリと返答を返してくる。
「混ぜラーメン五つください」
「あいよ! ちょっとお待ち!」
注文をお願いすると席で待つ。
少し待つとすぐに来た。
麺は作り置きしている感じなんだろうな。
水が貴重だからスープはないが、これはこれで凄く美味そうだ。
みんな麺を啜って体を弾ませている。
美味くて体が踊っているようだ。
俺もひと口啜る。
うん。これはやみつきになるかもな。
麺は太麺でコシがあって香辛料が絡まってピリッと辛く、凄く美味い。
「うん。美味い」
「テツさん! 美味しいですね!?」
「あぁ。どの店もこんなに上手いんだろうか……ズズズッ」
ダンとウィンも「うまっ」と言って食べている。フルルは無言だが顔が綻んでいる所を見ると美味いのだろう。
あっという間に食べ終わってしまった。
腹いっぱい食ったあとはしっかりと補給分の食料を買っておかないとな。
この街は物価が高いようだから、かなり補給にかかるかもしれないな。
それに、あまり治安が良さそうでは無い。
ゴロツキみたいな奴らも見かけたし、補給をさっさと終わらせて街を出よう。
「食べたら補給物資を買いに行くぞ」
「「「はい!」」」
席を立ち店を出る。
肉屋、八百屋、水屋に行って物資を買う。
次の街までも一週間ほどあるからその分は買っておかないとな。
食料や水はみんなで分担して持っている。
重いものは男達で持つようにはしているが、アリーとフルルも野菜などは持ってもらっている。
「あんた達、この先の街に行く気かい?」
買い求めていた水屋で話しかけられた。
この先の街に何があるのだろうか。
「はい。そうですが、この先の街、何かあるんですか?」
「そうさね。なんだかいい噂を聞かなくてね。今じゃ旅の人も寄り付かないよ」
「そうなんですか。気を付けます。有難う御座います。ちょっと、次の街には寄らないように調整します」
「その方がいいよ? ぼったくられるみたいだしねぇ」
「そんな事が……聞いて良かったです」
「気を付けて、旅しなよ?」
「はい!」
いい人だったな。
次の街はぼったくられる街でいい噂は聞かないと。それならわざわざ寄る必要は無いな。
とばして行こう。
次は、雑貨屋か。
消耗品を買わないとな。
「はぁ。誰だ? 全く……。おい。この路地入ったら隠れるぞ」
「「「はい」」」
誰かに後をつけられている。
路地に入るとさっと隠れた。
後ろから現れたのは明らかにゴロツキの様相の男が三人。
「あぁ? どこに行きやがった?」
「なんだよ! いい女連れてたのにぃ!」
「ゴロズに連れていけば高く売れるのになぁ」
うむ。次の街のことか?
やはり次の街はロクな街ではないようだ。
しかし、オレの大切な人を狙ってきた輩を許す訳にもいかない。
キョロキョロとしている男達の背後の闇から出る。トントンと肩を叩く。
「あっ?」
その一人の男は頭がコロンと落ちていった。
隣の男が気づいて声をあげようとする。
「なっ────」
ボッという音がしたかと思うと、こちらは頭に穴が空いて奥の闇がみえる。
手前の二人が倒れている音を聞いて、一番前にいた男は後ろを振り返った。
「なんだぁ?……あっ?……ゴフッ」
胸に大ぶりなナイフが突き刺さっている。
口から血を吐いてドサッと倒れた。
動いている者はもう居ない。
こんな街ではこんなこと日常茶飯事なのだろう。街行く人がチラッと見るが倒れている輩を見ると冷たい目をして通り過ぎていく。
関わらない方がいいと察しているのだろう。
この死体は誰が片付けるのかは疑問だが、片付ける気は無い。
「よし、行くぞ」
そのままにして路地を出る。
その後をついてくるアリーと暁の三人。
暗い顔をしているが、死体を見るのは気分が良くなかったのだろうか。
近くの飲み屋に行き席に着く。
「ご注文は?」
「エール五つ」
「はぁい」
皆が暗い雰囲気である。
少しすると冷えたエールが運ばれてきた。
「これ飲んで少し気分を晴らせ。ここから先、これが日常茶飯事になるぞ」
「テツさん、気を使わせてごめんなさい。ちょっと暗くなっちゃった。初めて見るわけじゃないのに……」
アリーは俺がアリーナイトと言われる由縁になった事件で大量の死体を見ている。見慣れている訳でもないが驚くほどでもない。
ダンとウィンは最初こそ驚いた様子だったが、エールを煽って少し落ち着いたようだ。
「師匠! 面目ないっす! 俺! 精神的にも強くなります!」
「自分、慣れてるつもりになってました。まだまだでした」
「私も……頑張る……」
暁の三人組はこれから精神的に強くなっていくだろう。
アリーが心配だが、どうにか乗り越えて欲しい。
「私だって……」
両手を胸の前で握り締めた。
ガイさんがこの先に居るかもしれない。
アリーには最後までついてきて欲しい。
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