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アーサー様と婚約して2年、私は15歳になった。
16歳になったらすぐに結婚するために、準備も始まっている。

この2年でアーサー様に対して思ったこと。
それは、彼はスキンシップが好きだということ。
髪・顔・腕・肩のどこかに常に触れている気がするわ。
私を膝の上に乗せて、お菓子を口に入れてほしいとお願いされる毎日。 

父や母が見ていても気にしないしね。
普通、父親って娘を取られるのを嫌がって、目の前でイチャイチャなんて許さないと思うんだけど?
どうしてうちの両親はニコニコしているのかしら?

でも、15歳の誕生日を境にそのスキンシップも少し変わってきた。
髪や額、頬への口づけに唇が加わった。
膝の上や後ろからのハグは前からも加わった。
腕や肩を抱いていた手が腰を引き寄せることも加わった。
明らかに男だと認識させ、性的な意味合いを含めてきている。

結婚まで1年を切って、年齢的に我慢していた愛情を少しずつ解放しているらしい。
それと、カレンが15歳とは思えないほど顔も体も大人っぽくなってきたせいでもあった。


「ねぇ、アーサー様。一度聞いてみたかったんだけど、どういう女性が好みなの?」

「は?好み?」

「例えば、学生時代にいいなぁって思った人。外見の話ね。」

「外見か…う~ん。カレンかな。」

「私?」

「そう。ナタリーみたいな可愛らしい外見はあまり好みじゃなかった。
 どちらかというと美人系の方が好みだったんだと思う。
 カレンは微笑んでいると凛とした美人だ。
 だけど、親しい人に見せる笑顔はかわいい。そこもいい。」

「へ~。そうだったのね。」

「なんで?」

「姉と婚約破棄した後、アーサー様はどんな人を選んで結婚するのかな?って思ったことがあるの。
 きっとその人が好みの令嬢なんだろうなって。」

「その通り、好みのカレンを選んだな。」

「ふふ。好みの外見で良かった。」

「でも、外見は目が向くキッカケの一つにすぎないよ。
 外見だけだと、自分のことを棚に上げて容姿が衰えたって捨てる奴もいるだろ?
 だから、中身が好みかどうかの方が大事かな。
 外見は歳を取ればお互いに変わる。
 皺が増えて白髪が増えてお腹がたるんでクビレがなくなって…
 それでも愛し愛される関係でいるにはお互いの信頼と愛情が必要だ。」

「皺が増えてもクビレがなくなっても愛してくれる?」

「もちろん。どんなカレンでも中身がカレンなら愛してるよ。」

「私もよ。」

「ちなみに、まだ半分も愛情を出してないからな。結婚したら覚悟しろよ?」

「ええ。ぜ~んぶ受け取るわね!
 ふふ。お姉様もネイド様もアーサー様も私も。みんながまるくおさまったわね。」

「ああ。キレイにおさまったな。」




その後、16歳になったカレンはアーサーと結婚して3人の子供を産んで幸せに暮らしました。


めでたしめでたしです。


<終わり>



 


 
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