20 / 21
20.
しおりを挟む義父に抱かれた後、ローディアは自分の部屋に戻ろうとベッドから起き上がろうとした。
しかし、義父から話があると素肌のまま抱き込まれた。
「ローディアに紹介した男、彼とはそろそろ終わりじゃないか?」
「あ、はい。ご紹介頂きありがとうございました。とても……勉強になりました。」
ローディアはその男性との浮気は、自分の体のことを知るための学びのように感じていた。
体中のあらゆるところの性感帯を知った気がする。
「次を紹介しようか悩んだんだが……」
「お義父様、大丈夫ですわ。私、浮気してみて思ったのです。3人以上は誰が相手でも大差ないかと。」
ローディアはディクソン以外の男性に抱かれて思ったことがある。
義父に抱かれて、新たな快感や焦らされて強請ることを覚えた。
ライボルトに抱かれて、何度も気絶しそうなほどの激しい交わりや体位を知った。
義父に紹介された男性は、自分の体の魅力を引き出してくれた。
後は、相手が変わるだけで行為自体に大差はないだろう、と。
抱かれた男の数を数えたいわけではないのだ。
それならば、もう他の誰かと体を繋げる必要はないと感じたのだ。
「私、思ったのです。自分が信用している人じゃないとキスも中に出されることも嫌なんだって。」
義父にはどちらも気持ちいい、嬉しいとさえ感じた。
紹介された男性は、向こうがキスも中出しもしない人で、それで納得していた。
ライボルトは学生時代と変わらずに求めてくれる激しさが嬉しくて、許した。
しかし、たとえ義父が信用している人でもローディアは知らない人。
ディクソン以外の3人の男と体を繋げた今、別の男を受け入れてもキスも中出しもされたくないと気づいた。
それならば、ディクソンと義父、ライボルトの3人だけでローディアは満足なのだ、と。
そう言うと、義父は嬉しそうに笑った。
「光栄だな。私もディクソンも、ローディアを知る男が増えないことは嬉しい限りだ。」
「ディクソンも?彼は私たちの関係を?」
「知ってるよ。気づいて相談に来た。アイツは初恋探しで面倒な女に好かれてね。精神的にやられた。」
「あら。……ここしばらく誘われないのはそれが原因でしょうか?」
「ああ。自分の口からは言えないようでね。しばらくローディアを抱けそうにないらしい。それで、君の浮気相手が増えないかを心配していた。」
「私、そんなに節操がないと思われているのかしら。」
「違うよ。君が魅力的だから不安になってるだけだ。だから提案した。私がローディアを抱く回数を増やすと。週3と言うと週2だと言われたから仕方ない。それで妥協したよ。いいかい?」
ローディアは魅力的な提案だと思った。
以前はディクソンと義父に週1回ずつ抱かれていたのに、ディクソンの誘いが無くなったことで体が疼いてしまうのだ。
浮気相手を増やしたくないと思いながらも、過ぎる快感を知ってしまった体は抱かれたがっていた。
ライボルトとの回数を増やそうかと考えていたくらいだ。
夫公認で義父が抱いてくれるのであれば昼間に出かけることもないので気兼ねしなくて済む。
実は、義父と体を繋げることが一番気持ちがよく、それでもディクソンに義父との浮気を知られては彼がどう思うかが不安で回数を増やしたいと言い出せなかったのだ。
話がついていることにホッとした。
「ありがとうございます。」
提案を受け入れると、義父は再びローディアを抱き始めた。
ディクソンよりも義父の方が性欲が強いのは間違いないと感じた。
1,267
お気に入りに追加
1,510
あなたにおすすめの小説
欲に負けた婚約者は代償を払う
京月
恋愛
偶然通りかかった空き教室。
そこにいたのは親友のシレラと私の婚約者のベルグだった。
「シレラ、ず、ずっと前から…好きでした」
気が付くと私はゼン先生の前にいた。
起きたことが理解できず、涙を流す私を優しく包み込んだゼン先生は膝をつく。
「私と結婚を前提に付き合ってはもらえないだろうか?」
[完結]本当にバカね
シマ
恋愛
私には幼い頃から婚約者がいる。
この国の子供は貴族、平民問わず試験に合格すれば通えるサラタル学園がある。
貴族は落ちたら恥とまで言われる学園で出会った平民と恋に落ちた婚約者。
入婿の貴方が私を見下すとは良い度胸ね。
私を敵に回したら、どうなるか分からせてあげる。
この子、貴方の子供です。私とは寝てない? いいえ、貴方と妹の子です。
サイコちゃん
恋愛
貧乏暮らしをしていたエルティアナは赤ん坊を連れて、オーガスト伯爵の屋敷を訪ねた。その赤ん坊をオーガストの子供だと言い張るが、彼は身に覚えがない。するとエルティアナはこの赤ん坊は妹メルティアナとオーガストの子供だと告げる。当時、妹は第一王子の婚約者であり、現在はこの国の王妃である。ようやく事態を理解したオーガストは動揺し、彼女を追い返そうとするが――
新しい人生を貴方と
緑谷めい
恋愛
私は公爵家令嬢ジェンマ・アマート。17歳。
突然、マリウス王太子殿下との婚約が白紙になった。あちらから婚約解消の申し入れをされたのだ。理由は王太子殿下にリリアという想い人ができたこと。
2ヵ月後、父は私に縁談を持って来た。お相手は有能なイケメン財務大臣コルトー侯爵。ただし、私より13歳年上で婚姻歴があり8歳の息子もいるという。
* 主人公は寛容です。王太子殿下に仕返しを考えたりはしません。
【完結】気付けばいつも傍に貴方がいる
kana
恋愛
ベルティアーナ・ウォール公爵令嬢はレフタルド王国のラシード第一王子の婚約者候補だった。
いつも令嬢を隣に侍らす王子から『声も聞きたくない、顔も見たくない』と拒絶されるが、これ幸いと大喜びで婚約者候補を辞退した。
実はこれは二回目人生だ。
回帰前のベルティアーナは第一王子の婚約者で、大人しく控えめ。常に貼り付けた笑みを浮かべて人の言いなりだった。
彼女は王太子になった第一王子の妃になってからも、弟のウィルダー以外の誰からも気にかけてもらえることなく公務と執務をするだけの都合のいいお飾りの妃だった。
そして白い結婚のまま約一年後に自ら命を絶った。
その理由と原因を知った人物が自分の命と引き換えにやり直しを望んだ結果、ベルティアーナの置かれていた環境が変わりることで彼女の性格までいい意味で変わることに⋯⋯
そんな彼女は家族全員で海を隔てた他国に移住する。
※ 投稿する前に確認していますが誤字脱字の多い作者ですがよろしくお願いいたします。
※ 設定ゆるゆるです。
【完結】あなたのいない世界、うふふ。
やまぐちこはる
恋愛
17歳のヨヌク子爵家令嬢アニエラは栗毛に栗色の瞳の穏やかな令嬢だった。近衛騎士で伯爵家三男、かつ騎士爵を賜るトーソルド・ロイリーと幼少から婚約しており、成人とともに政略的な結婚をした。
しかしトーソルドには恋人がおり、結婚式のあと、初夜を迎える前に出たまま戻ることもなく、一人ロイリー騎士爵家を切り盛りするはめになる。
とはいえ、アニエラにはさほどの不満はない。結婚前だって殆ど会うこともなかったのだから。
===========
感想は一件づつ個別のお返事ができなくなっておりますが、有り難く拝読しております。
4万文字ほどの作品で、最終話まで予約投稿済です。お楽しみいただけましたら幸いでございます。
結婚記念日をスルーされたので、離婚しても良いですか?
秋月一花
恋愛
本日、結婚記念日を迎えた。三周年のお祝いに、料理長が腕を振るってくれた。私は夫であるマハロを待っていた。……いつまで経っても帰ってこない、彼を。
……結婚記念日を過ぎてから帰って来た彼は、私との結婚記念日を覚えていないようだった。身体が弱いという幼馴染の見舞いに行って、そのまま食事をして戻って来たみたいだ。
彼と結婚してからずっとそう。私がデートをしてみたい、と言えば了承してくれるものの、当日幼馴染の女性が体調を崩して「後で埋め合わせするから」と彼女の元へ向かってしまう。埋め合わせなんて、この三年一度もされたことがありませんが?
もう我慢の限界というものです。
「離婚してください」
「一体何を言っているんだ、君は……そんなこと、出来るはずないだろう?」
白い結婚のため、可能ですよ? 知らないのですか?
あなたと離婚して、私は第二の人生を歩みます。
※カクヨム様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる