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6.
しおりを挟む休憩室に連れて行かれたディクソンは当分戻っては来ないだろう。
周りの視線もうるさいので、言伝てを頼んで先に帰ることにした。
ディクソンは馬車を借りて勝手に帰って来るだろう。
早く帰宅しようと思ったのには理由がある。
義父に抱かれたい。そう思ったから。
湯あみを済ませ、義父の部屋へと向かい扉を叩いた。
「ローディア、お帰り。ディクソンは別か?」
「ええ。アンドレア夫人に捕まっていましたわ。」
「ははっ。洗礼みたいなものだな。じゃあ、私たちも楽しもうか。」
義父はそう言って、ローディアに深く口づけた。
紹介してもらってこの間会った男性は、唇には口づけはしない主義の方だった。
浮気するにしても、それぞれ自分の中で線引きすることはあるという。
子種を中に出すか、外に出すかも様々で事前に確認し合うらしい。
了承を得るのも浮気のマナーの一つだそうだ。
もちろん、体に跡をつけることはマナー違反になる。
義父には口づけも中出しも確認を取られなかったが、嫌だとは思わなかった。
嫌だと言わせないために、考えさせないために、思考力を奪うような愛撫をされた。
そして、今日も嫌だと言うつもりはなかった。
体が悦ぶような夜を、ローディアは過ごした。
ライボルトに指定された宿は、高級なところだった。
父親が押さえている部屋を借りたのだろうと思った。
侯爵ともなると、常に一部屋押さえており、浮気で使うことが多いのだ。
いずれ、ライボルトも気に入ったところを確保して女性を呼び寄せるに違いない。
いや、もうあるのかもしれないが、ここほどではないのかもしれない。
「ローディア。」
部屋に入った途端、ライボルトに抱きしめられて髪や額、頬に口づけされた後、聞かれた。
「唇は?いい?」
「……ええ。」
答えるとすぐに、口の中を貪られた。
ローディアの名前を呼びながら、ライボルトは待ちきれないといった感じで愛撫を始める。
早急だが、求められている感じがして嬉しかった。
繋がった時も、中に出したいと言われて頷いた。
途中、湯舟に浸かったりもしたが5時間の逢瀬の中で4時間は繋がっていた気がした。
「はぁ……もう時間か。ローディア、頭も体も蕩けるかと思ったほど最高だった。一度だけだと言ったが、また会えないか?ちゃんと浮気だと弁える。こんなに体の相性がいいと忘れられない。」
もう時間だと言いながら、再び行為を始めたライボルトは絶倫らしい。6度目か7度目か。
「……ええ。たまになら。」
確かに、一度で終わるには惜しい相性の良さだった。
だが、ライボルトの若さもあって体力がついていかない。
月に一度くらいのお楽しみがちょうどいい気がした。
ローディアとライボルトは、お互いを定期的な浮気相手の一人に組み入れることにした。
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