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しおりを挟む国王陛下に謁見する日、ローレンスはメロディーナと子供たち、侍女のアンナを連れて登城した。
謁見前に子供2人共がローレンスの子、つまりオリオールの血筋に間違いないかが検査され、無事に我が子と認められてメロディーナとの婚姻も認められた。
そして子供たちをアンナと王宮の侍女に預けて国王陛下に謁見した。
後継者でありながら逃げたことを咎められるかと思えば、そうでもなく、無事にオリオール侯爵になることが許された。
『そなたの父が侯爵代理の身分を手放したくないがために、『一人前になるまで』と継承を遅らせようとしていたことに気づいていながら内輪の問題だと関知しないのもよくなかった。
成人した時点か、学園を卒業した時点か。本人同意の上で正しい時期に代理から継承されるよう、規定せねばならん。』
とのことだった。
国王陛下は父の言葉を鵜呑みにしたわけではなかったが、まさかその裏に乗っ取りが隠れていたとは思わず、継承が数年先になるくらいは構わないだろうと父の申し出を安易に了承したことを悔やんでいたようだ。
そのせいもあり、ローレンスが逃げ出したことに対しては苦言も何も言えなかったのだろう。
少し拍子抜けしたが、無事にオリオール侯爵となり、貴族社会に戻った。
翌日からは、ローレンスは4年間、オリオールから離れていた間に領地で何があったかを把握し、以前の仕事に戻るだけだったが、大変なのはメロディーナの方だった。
侍女の選定に加え、メロディーナ自身の教育が必要だったからだ。
元子爵令嬢が侯爵夫人になったのだ。
侮られないように、短期間で礼儀作法を取得しなければならなかった。
「メロディーナ、大丈夫か?紹介してくれた夫人は厳しくて有名らしいが。」
「大丈夫よ!ちゃんと学べることが嬉しいわ。あなたもダンスとか大丈夫なの?」
「あ……それは大丈夫じゃないな。うん。ははっ……」
忘れていた。自分の教育も必要だった。
「領地にも向かわないといけないし、忙しいな。」
「そうね。でも、毎晩ちゃんとこの時間を取ってね。それは前と変えないで。」
平民として暮らしていた時、子供たちを寝かしつけた後は2人の時間を取っていた。
その日にあったこと、子供たちのこと、仕事のこと。
いろんな話をした後は、メロディーナと体を繋げた後、抱き合って眠ることが多かった。
今日から、子供たちは違う部屋で寝ている。
ベッドで2人きり。
メロディーナは明らかに誘っていた。
もちろん、誘いに乗らないわけがない。
オリオール侯爵になって、入籍後、初めて抱くから初夜だな、とか思いながらメロディーナと交わった。
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