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黒幕と真相
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「増蔵……」
睨みつける龍之介の前に、着流し姿の横田半三郎が立った。
「本庄殿、こんな遅くに突然訪ねて来るとは、相変わらず礼儀が無いな」
元義父と婿であったにも関わらず、よそよそしさたっぷりな半三郎の言葉だった。
「夜分、誠に申し訳ございませぬ。ですが、火急の用件でございます」
「ほう、何かな?」
「そこにいる増蔵です」
「増蔵がどうかしたか」
半三郎は振り返って増蔵を見た。
増蔵は仰々しく驚いた様子を見せ、
「私に何か御用でしょうか?」
「てめえ……」
龍之介はすぐに飛び掛かって斬り捨てたい気持ちを抑え、まずは秋野屋の事件、本所深川界隈の賭場荒らしの件から今日の全徳寺までの事をあらまし話した。
だが、半三郎は驚くどころか、細い目に侮蔑の色を浮かべて笑った。
「ふふ……何を言い出すかと思えば馬鹿馬鹿しい。増蔵は優秀なうちの中間だ。盗っ人なわけがあるまい」
後ろの増蔵も同調して、
「当たり前でございます。この増蔵を盗賊呼ばわりとは、いくらお侍さまと言っても酷い侮辱です。あ、今やお侍さまとも言えませんでしたかな」
などと、以前には言わなかった嫌味も付け加えた。
その二人の示し合わせたかのような薄笑いを見て、龍之介は悟った。
――こいつら、グルだったか……。
そして、全てを理解した。
龍之介は一つ深呼吸をして、滾る心を必死に抑えながら、
「横田どの。増蔵の正体を知っていて雇い続けておりましたな? しかも、増蔵にここと言う安全な場所を提供する代わりに、増蔵とその配下一味を己の為に利用していたわけだ」
「何をわけのわからんことを言っているのだ?」
半三郎は平然とした顔で嘯いた。
「増蔵から聞きましたぞ。貴殿は神田松永町の秋野屋に借金があったと……。横田どの、貴殿はその借金を無理矢理帳消しにする為、増蔵に命じて秋野屋を襲わせたのですな?」
「気でも狂ったか、本庄どの」
半三郎は更に笑うと、龍之介はカッと怒りの目を見開いた。
「答えられよ、横田どの!」
龍の咆哮のようなその大喝に、横田半三郎と増蔵も流石に薄笑いを保てず、思わず顔をひきつらせた。
「横田どの、貴殿は将軍家の血が入っていると言う誇りと見栄で贅沢な暮らしをしていた。その為にあちこちに借金をしていた。それの返済に困ったが故に、増蔵とその一味に借入先の秋野屋、及び伊勢屋を襲わせたわけだ」
言い終えるや、龍之介は目にも止まらぬ早業で抜刀し、切っ先を半三郎に向けた。
「知らないでしょう。貴殿のその身勝手な行いで、全てを失ってたった一人で路頭に迷った小さな女子がいる」
「………」
「到底許すわけには行かない……だが、貴殿は俺の息子、源之介の祖父に当たる。貴殿のことはひとまずは目をつぶろう。まずはそこの増蔵をこちらに引き渡してもらいたい」
狂おしいような激しい怒りが、剣の切っ先にまで伝わって震えていた。
「…………」
半三郎も、流石に青ざめた顔になった。
周囲の空気をひりつかせるような龍之介の凄まじい気迫に、半三郎たちは誰も声を発せずにいた。
だが、不意に玄関の戸が開く音がして、
「ち、父上……!」
同時に聞こえた懐かしい声と、小さな少年の姿。
「源之介……」
龍之介が横田家に残して来た一人息子、源之介が、二人の若党に伴われて出て来たのだ。
龍之介の怒気が緩み、剣の切っ先が落ちた。
「騒ぎ声が聞こえたから何があったかと思えば、父上ではございませぬか、お久しゅうございます!」
源之介は喜びの声を上げて駆け寄ろうとしたが、龍之介が剣を祖父の半三郎に向けている姿を見て、不安そうな顔をした。
「父上、何をなさっているのですか?」
「源之介……」
このような時と場所での突然の再会で、龍之介は何から話していいかわからない。
困っているのを好機と見たか、半三郎が口を開いた。
「源よ。この男は家から追い出されたことを逆恨みし、わしに仕返しに来おったのじゃ」
「違う……でたらめぬかすな!」
龍之介も我に返って怒鳴ると、
「源之介、簡単に言うぞ。そこにいる増蔵は盗っ人だ。人殺しもしている。だから俺が捕えに来た」
と、今度は口調を落ち着かせて源之介に言ったが、当の増蔵はどこまでも白々しく、
「この増蔵が盗っ人など、何を証拠に。おやめください」
「てめえ……」
龍之介の剣の切っ先が再び上がる。
源之介は何が何だかわからずに、そこにいる面々を見ていたが、
「父上、何のことかよくわかりませぬが、増蔵はわたしにとてもよくしてくれますよ。良い家来です」
「それは表向きの顔なんだ。本当のこいつはな……」
龍之介が再び説明を加えようとすると、半三郎が遮った。
「もうよい! くだらぬ言いがかりはよせ!」
そして龍之介に向かって、
「刀を納めろ。もう縁は無いとは言え、我が横田家の屋敷内で実の父のお主が剣を抜いて騒いだ、なんてことが目付衆に知られたら、源之介の将来はどうなる?」
「…………」
痛いところだった。
正義は龍之介にあるとは言え、源之介のことを言われては龍之介は言葉が出ない。
「そもそも、この屋敷には二度と足を踏み入れるなと言ったはずだ。源之介ももうお主の息子ではないのだ。帰れ」
そして半三郎は後ろの孫を見て、
「源よ。この男は昨年も賭場で大暴れしたように、気がおかしい乱暴者なのだ、すぐに追い返すから中へ戻って早く休みなさい」
と、源之介に言うと、供の若党に連れて行くよう促した。
源之介は後ろ髪を引かれるような複雑そうな顔で龍之介を見ながらも、半ば強引に若党に連れられて邸内へと戻った。
「本庄どの、これ以上は無用。さあ、帰っていただきたい」
と、更に半三郎は、左右の中間たちに命じた。
龍之介は悔しそうな顔で口を引き結びながらも、剣を下ろした。
「…………」
中間三人に両腕を掴まれた龍之介を背後に、半三郎は増蔵と共に玄関へ向かった。
「増蔵よ、本庄に賭場で揉め事を起こして騒ぎになるよう、お前に細工を頼んで本当に良かったわ」
「ええ、うまく追い出せて正解でしたな」
「横田の子さえ成せればあのような男は当家には無用じゃ」
二人は、わざと聞こえるように言いながら、戸を開けて中へ入った。
――子さえ成せば? 最初から横田の血を引く子供ができたら俺を追い出すつもりだったのか?
聞いた龍之介は愕然とした。
――あの賭場に誘ってくれたのは睦助だ……あの賭場での騒ぎは、あの親父が増蔵に命じて、増蔵が睦助を使って仕組ませたこと……そうか、そうだったのか……。
龍之介は、一年経って初めて知った事の真相に、ぐらぐらと大地が回るような眩暈がした。
「さあ、本庄どの」
横田家の中間たちが龍之介の両腕を引っ張るのに抵抗する力も起きなかった。
龍之介は潜り戸から外に追い出され、閂が下ろされる音を背に聞いた。
月光だけが淡く降り注ぐ暗い通りに、龍之介は呆然と立ちすくんだ。
その足下へ、白猫のゆみが歩いて来て、にゃあと小さく鳴いた。
龍之介はそれに気付くと、気の抜けたような顔でゆみをちらと見た後、振り返って横田家の門をじっと見た。
ゆみは、少女の姿に戻ると、龍之介の背に声をかけた。
「おじさん……」
龍之介は応えず、じっと横田家の冷たい門を見つめていたが、夜風がさっと龍之介の髪を吹き流して行くと、提げたままの刀を納めて、ゆみを振り返り見た。
「ゆみ、お前……俺が横田家から追い出された真相を知ってたな? 」
「え?」
「お前にこの屋敷に忍び込んで源之介の様子を見て来てくれって頼んだ日、聞いたんだろう?」
あの日の夜、横田家から戻って来たゆみが横田邸内での話をした時、何度か何かを言いかけてやめたのがあったのを思い出していた。
「ええっと……その……」
ゆみはどう答えていいか焦っていたが、龍之介は微笑を見せた。
「いいんだ。俺が悲しむと思って黙っててくれたんだろう?」
「え? うん……」
「優しい子だな、おめえは……」
龍之介は、ゆみの頭を撫でた。
先程まで凄惨な斬り合いをしていた手だったのに、それを感じさせないような温もりのある手だった。
撫でられているうちに、ゆみは自然と涙がこぼれて来た。
「なに泣いてるんだよ」
龍之介は笑った。
「だって、父上……あんなことって……ここまで来て……」
ついにゆみは堪えきれず、声を上げて泣き出した。
「おい、泣くな。さあ、ちょっと遠いが、紺屋町に帰ろう。俺たちの家に」
龍之介は、手をゆみの頭から肩へ下ろし、ぽんぽんと叩いた。
「また緑橋で蕎麦食べて帰ろう。いや、今日はもっといい店行くか。天ぷらも沢山乗せてやるぞ」
龍之介は、わんわん泣いているゆみの手を取り、南へ向かって歩いた。
通りは真っ暗であったが、実の親子のような二人の背に、月が優しく光を注いでいた。
睨みつける龍之介の前に、着流し姿の横田半三郎が立った。
「本庄殿、こんな遅くに突然訪ねて来るとは、相変わらず礼儀が無いな」
元義父と婿であったにも関わらず、よそよそしさたっぷりな半三郎の言葉だった。
「夜分、誠に申し訳ございませぬ。ですが、火急の用件でございます」
「ほう、何かな?」
「そこにいる増蔵です」
「増蔵がどうかしたか」
半三郎は振り返って増蔵を見た。
増蔵は仰々しく驚いた様子を見せ、
「私に何か御用でしょうか?」
「てめえ……」
龍之介はすぐに飛び掛かって斬り捨てたい気持ちを抑え、まずは秋野屋の事件、本所深川界隈の賭場荒らしの件から今日の全徳寺までの事をあらまし話した。
だが、半三郎は驚くどころか、細い目に侮蔑の色を浮かべて笑った。
「ふふ……何を言い出すかと思えば馬鹿馬鹿しい。増蔵は優秀なうちの中間だ。盗っ人なわけがあるまい」
後ろの増蔵も同調して、
「当たり前でございます。この増蔵を盗賊呼ばわりとは、いくらお侍さまと言っても酷い侮辱です。あ、今やお侍さまとも言えませんでしたかな」
などと、以前には言わなかった嫌味も付け加えた。
その二人の示し合わせたかのような薄笑いを見て、龍之介は悟った。
――こいつら、グルだったか……。
そして、全てを理解した。
龍之介は一つ深呼吸をして、滾る心を必死に抑えながら、
「横田どの。増蔵の正体を知っていて雇い続けておりましたな? しかも、増蔵にここと言う安全な場所を提供する代わりに、増蔵とその配下一味を己の為に利用していたわけだ」
「何をわけのわからんことを言っているのだ?」
半三郎は平然とした顔で嘯いた。
「増蔵から聞きましたぞ。貴殿は神田松永町の秋野屋に借金があったと……。横田どの、貴殿はその借金を無理矢理帳消しにする為、増蔵に命じて秋野屋を襲わせたのですな?」
「気でも狂ったか、本庄どの」
半三郎は更に笑うと、龍之介はカッと怒りの目を見開いた。
「答えられよ、横田どの!」
龍の咆哮のようなその大喝に、横田半三郎と増蔵も流石に薄笑いを保てず、思わず顔をひきつらせた。
「横田どの、貴殿は将軍家の血が入っていると言う誇りと見栄で贅沢な暮らしをしていた。その為にあちこちに借金をしていた。それの返済に困ったが故に、増蔵とその一味に借入先の秋野屋、及び伊勢屋を襲わせたわけだ」
言い終えるや、龍之介は目にも止まらぬ早業で抜刀し、切っ先を半三郎に向けた。
「知らないでしょう。貴殿のその身勝手な行いで、全てを失ってたった一人で路頭に迷った小さな女子がいる」
「………」
「到底許すわけには行かない……だが、貴殿は俺の息子、源之介の祖父に当たる。貴殿のことはひとまずは目をつぶろう。まずはそこの増蔵をこちらに引き渡してもらいたい」
狂おしいような激しい怒りが、剣の切っ先にまで伝わって震えていた。
「…………」
半三郎も、流石に青ざめた顔になった。
周囲の空気をひりつかせるような龍之介の凄まじい気迫に、半三郎たちは誰も声を発せずにいた。
だが、不意に玄関の戸が開く音がして、
「ち、父上……!」
同時に聞こえた懐かしい声と、小さな少年の姿。
「源之介……」
龍之介が横田家に残して来た一人息子、源之介が、二人の若党に伴われて出て来たのだ。
龍之介の怒気が緩み、剣の切っ先が落ちた。
「騒ぎ声が聞こえたから何があったかと思えば、父上ではございませぬか、お久しゅうございます!」
源之介は喜びの声を上げて駆け寄ろうとしたが、龍之介が剣を祖父の半三郎に向けている姿を見て、不安そうな顔をした。
「父上、何をなさっているのですか?」
「源之介……」
このような時と場所での突然の再会で、龍之介は何から話していいかわからない。
困っているのを好機と見たか、半三郎が口を開いた。
「源よ。この男は家から追い出されたことを逆恨みし、わしに仕返しに来おったのじゃ」
「違う……でたらめぬかすな!」
龍之介も我に返って怒鳴ると、
「源之介、簡単に言うぞ。そこにいる増蔵は盗っ人だ。人殺しもしている。だから俺が捕えに来た」
と、今度は口調を落ち着かせて源之介に言ったが、当の増蔵はどこまでも白々しく、
「この増蔵が盗っ人など、何を証拠に。おやめください」
「てめえ……」
龍之介の剣の切っ先が再び上がる。
源之介は何が何だかわからずに、そこにいる面々を見ていたが、
「父上、何のことかよくわかりませぬが、増蔵はわたしにとてもよくしてくれますよ。良い家来です」
「それは表向きの顔なんだ。本当のこいつはな……」
龍之介が再び説明を加えようとすると、半三郎が遮った。
「もうよい! くだらぬ言いがかりはよせ!」
そして龍之介に向かって、
「刀を納めろ。もう縁は無いとは言え、我が横田家の屋敷内で実の父のお主が剣を抜いて騒いだ、なんてことが目付衆に知られたら、源之介の将来はどうなる?」
「…………」
痛いところだった。
正義は龍之介にあるとは言え、源之介のことを言われては龍之介は言葉が出ない。
「そもそも、この屋敷には二度と足を踏み入れるなと言ったはずだ。源之介ももうお主の息子ではないのだ。帰れ」
そして半三郎は後ろの孫を見て、
「源よ。この男は昨年も賭場で大暴れしたように、気がおかしい乱暴者なのだ、すぐに追い返すから中へ戻って早く休みなさい」
と、源之介に言うと、供の若党に連れて行くよう促した。
源之介は後ろ髪を引かれるような複雑そうな顔で龍之介を見ながらも、半ば強引に若党に連れられて邸内へと戻った。
「本庄どの、これ以上は無用。さあ、帰っていただきたい」
と、更に半三郎は、左右の中間たちに命じた。
龍之介は悔しそうな顔で口を引き結びながらも、剣を下ろした。
「…………」
中間三人に両腕を掴まれた龍之介を背後に、半三郎は増蔵と共に玄関へ向かった。
「増蔵よ、本庄に賭場で揉め事を起こして騒ぎになるよう、お前に細工を頼んで本当に良かったわ」
「ええ、うまく追い出せて正解でしたな」
「横田の子さえ成せればあのような男は当家には無用じゃ」
二人は、わざと聞こえるように言いながら、戸を開けて中へ入った。
――子さえ成せば? 最初から横田の血を引く子供ができたら俺を追い出すつもりだったのか?
聞いた龍之介は愕然とした。
――あの賭場に誘ってくれたのは睦助だ……あの賭場での騒ぎは、あの親父が増蔵に命じて、増蔵が睦助を使って仕組ませたこと……そうか、そうだったのか……。
龍之介は、一年経って初めて知った事の真相に、ぐらぐらと大地が回るような眩暈がした。
「さあ、本庄どの」
横田家の中間たちが龍之介の両腕を引っ張るのに抵抗する力も起きなかった。
龍之介は潜り戸から外に追い出され、閂が下ろされる音を背に聞いた。
月光だけが淡く降り注ぐ暗い通りに、龍之介は呆然と立ちすくんだ。
その足下へ、白猫のゆみが歩いて来て、にゃあと小さく鳴いた。
龍之介はそれに気付くと、気の抜けたような顔でゆみをちらと見た後、振り返って横田家の門をじっと見た。
ゆみは、少女の姿に戻ると、龍之介の背に声をかけた。
「おじさん……」
龍之介は応えず、じっと横田家の冷たい門を見つめていたが、夜風がさっと龍之介の髪を吹き流して行くと、提げたままの刀を納めて、ゆみを振り返り見た。
「ゆみ、お前……俺が横田家から追い出された真相を知ってたな? 」
「え?」
「お前にこの屋敷に忍び込んで源之介の様子を見て来てくれって頼んだ日、聞いたんだろう?」
あの日の夜、横田家から戻って来たゆみが横田邸内での話をした時、何度か何かを言いかけてやめたのがあったのを思い出していた。
「ええっと……その……」
ゆみはどう答えていいか焦っていたが、龍之介は微笑を見せた。
「いいんだ。俺が悲しむと思って黙っててくれたんだろう?」
「え? うん……」
「優しい子だな、おめえは……」
龍之介は、ゆみの頭を撫でた。
先程まで凄惨な斬り合いをしていた手だったのに、それを感じさせないような温もりのある手だった。
撫でられているうちに、ゆみは自然と涙がこぼれて来た。
「なに泣いてるんだよ」
龍之介は笑った。
「だって、父上……あんなことって……ここまで来て……」
ついにゆみは堪えきれず、声を上げて泣き出した。
「おい、泣くな。さあ、ちょっと遠いが、紺屋町に帰ろう。俺たちの家に」
龍之介は、手をゆみの頭から肩へ下ろし、ぽんぽんと叩いた。
「また緑橋で蕎麦食べて帰ろう。いや、今日はもっといい店行くか。天ぷらも沢山乗せてやるぞ」
龍之介は、わんわん泣いているゆみの手を取り、南へ向かって歩いた。
通りは真っ暗であったが、実の親子のような二人の背に、月が優しく光を注いでいた。
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