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あずみ君、苛立つ
また怒られる・・・
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屋敷に残されたあずみは、一度は自分のベッドにもぐったものの、やはり電話が気になって居間へ降りて来た。
家の電話は、居間に置いてあるからだ。
如月家の家電は、子機はなく、線につながった電話が1台。
電話がかかってくるなら、そこで待つしかないのだ。
お手伝いの鈴木さんに怒られないよう、今日は自分の布団を居間の床に敷いて転がった。
鶴屋は、少し鈍臭いところがあるけれど、嘘はつかない。だから、ここで待っていれば如月からの電話が入るはず・・・
鶴屋がまさか原チャリで事故ッているなんて、この時のあずみは知る由もなく、ただただ如月の電話を待っていた。
そして朝がきてしまった。
そして、また、出勤してきた鈴木にあずみはこっぴどく怒られた。
「電話がかかってくるはずだったんです!」
とは、言い訳してみた物の、鈴木はあずみがスマフォを持っていることも知っているし、そもそもこの時代に、家電なんて置く意味あるの?という時代に、
「家電に?かかってくる?」
といった具合で、あずみの言い訳なんて立て板に水。
今日もまた、とてもつもないお手伝いを言い渡されているとき、家の電話が鳴った。
あずみは、鈴木に得意満面な笑みを向けると、慌てて電話を取った。
けれど、その電話は如月からではなかった。
その電話は病院からで、鶴屋の入院告げる物だった。
あずみは、「鶴屋さんが昨晩、バイクで事故をされて・・・」
と言われた段階で血の気が引き、鈴木に電話を替わってしまったから、はっきりしたことはわからなかったが、あずみのために昨晩飛び出した鶴屋を思い出していた。居間のテーブルには食べかけのシチューの皿、その横にはアンパンが2つ転がっていた。元気づけようとしてくれた鶴屋に、何であんなに冷たい態度をとってしまったのか。うれしそうな顔で新品のパンツを見せていた鶴屋に怒鳴ってしまって、本当に申し訳ないと、心から詫びた。
(鶴屋に何かあったらどうしよう・・・僕が悪いってすぐわかっちゃうよね・・・あ、でも僕、もういいから風呂の湯を入れてくれって言ったよね。けど、鶴屋が寝ないで二人を見張るからって、飛び出したんだよね。じゃあ、僕のせいじゃないか・・・うん、僕のせいじゃないな!あ、ってことは、夕べ風呂入ってないや。)
などと考えていたら、急にお腹が減って、机の上のアンパンをかじりながら、夕べのシチューを温めにキッチンへ向かった。
「あずみさん!何やってるんですか!」
「何って・・・朝ごはんを・・・」
「それどころじゃないでしょ!」
お手伝いの鈴木に怒られ、顔を洗い、渋々着替え、鈴木の運転で鶴屋の入院している病院へと向かった。
車に乗せられたばかりの時は、(なんで僕が鶴屋の見舞いになんて)などと不貞腐れ、どちらかと言うと、空腹がアンパン2個で満たされないことに不満を感じていたが、病院が近づくにつれ、鶴屋にした仕打ちの一つ一つが脳裏に浮かび、思い出したくないと思えば思うほど鮮明に、夕べの一部始終を再現したように思い出し、鶴屋の言葉もしっかりと聞こえるようでだんだん恐ろしくなり耳をふさぎ、目を閉じて震えていた。
「はい、つきましたよ。」
「僕、ここで待ってる。」
「ダメです!ご主人様の言いつけです。」
「え・・・お兄様が・・・」
「はい。」
「僕に・・・鶴屋を見舞えと?」
「はい!」
あずみは、シートベルトにしがみつき、抵抗を図ったが、鈴木から難なく車から叩き降ろされ、半ば引きずられるように鶴屋の病室の前へと連れてこられた。どんな姿でいるのか、息はしているのか、ひょっとして機械のような何かにつながれているんじゃないか・・・等々考えると、怖くなって眼を固くつぶった。
スッとドアが開くのはわかったが、あずみはまだ目を開けることができなかった。
「あずみ君!」
案外元気な声で名前を呼ばれ、その声に反応するように目を開けると、鶴屋はベッドには寝ているものの、案外元気そうにしていた。額に大きなガーゼを張られたり、手や足に包帯がまかれてはいたけれど、機械的な何かにつながれているわけでもなく、虫の息という訳でもなく、ほぼ通常通りな様子だった。
「なんだ・・・事故にあったなんて言うから、心配してしまいましたよ。」
「え?あずみ君が?感激だなぁ。心配してくれたんだ。」
「ほんのちょっとだけです。あなたが考えて居るほど誠心誠意心配したわけではありません。」
「いいよ。ありがとう。」
あずみを迎える鶴屋のはち切れそうな笑い顔を少し胡散臭いと思いながら、差し出された椅子にちょこんと腰かけた。
「あ、あずみ君来てたんだ。」
その声は雅の恋人の隼人だった。
相変わらず小さくてかわいい仔犬のような風貌だった。
「隼人も来てたんだ。」
如月の昔の恋人、谷中雅の今の恋人が隼人で、あずみよりいくつか年上なのに、その見た目で舐めたような扱いをしていた。
「隼人も見舞い?」
「ううん、僕は教授に言われて鶴屋さんのお世話を・・・」
「あ、そう。」
「そうだ!そろそろ、雅さんが来るよ。」
「別にあいたかねぇ~よ!」
あずみは隼人の言葉にむきになり、強めに言葉を返した。
そもそも如月と雅が付き合っていたのを知った時から、雅のことは嫌いだった。だが、それ以上に大嫌いになる事件があった。それは、なぜか、思いもかけず、雅とキスをしてしまったことがあった。その時の雅は酔っていて、たちの悪い酒癖の一つで何の記憶もないが、あずみは抱きしめられた胸の感触と唇の熱さで、生まれて初めて感じた胸の高鳴りを恋だと勘違いしてしまった。そして、如月の元恋人に恋をしたことで悩みもしたが、すぐにそれは違ったんだと気づき、気づいた瞬間から雅のことがより一層大っ嫌いになった。
「相変わらずだな・・・大丈夫、すぐ帰るから。そんなに会いたくないなら、駐車場で待っててもらうよ。」
「いいよ、そこまで気を使わなくて。」
「ううん。僕ももう行かなきゃ。」
「なんだよ。隼人!帰るのかよ!」
「うん。あずみ君が着たら交代で大学に来てッて云われてるんだ。久しぶりの大学でうれしくて!じゃあね!」
「ちょっと待て!意味が解らん!なんだよ交代って!」
「だから、鶴屋君のお世話の交代だよ。心配しないで、特に大変なことはないから。着替え手伝ったったり・・・ご飯取りに行ったり・・・後買い物くらい・・・トイレとかは看護師さんを呼べばいいからね。」
「当たり前だよ!パシリやらされるだけでも嫌なのに、シモの世話まで出来るかよ!隼人がやればいいだろ!僕は嫌だよ!」
「けど、みんな順番なんだ。今日はあずみ君、明日は山波さん。明後日は雅さん。その次は教授。だから、頑張って!」
「なんでお兄様まで・・・」
「仕方ないだろ。決まったことなんだ。それに、鶴屋君がこうなったのの半分くらいはあずみ君にも責任があるんじゃないの?」
「・・・・責任・・・・半分もあるのかよ・・・・」
「あ、雅さんから電話だ!じゃあね!」
隼人は急いで雅からの電話を取ると、弾むように病室を出て行った。
(あ、そうだ!鈴木さん!)と思ったが、気が付いた時には鈴木の姿も病室から消えていた。
病室に残されたのは、鈴木が持って来たお弁当と思われる風呂敷に包んだ三段のお重と大きめの水筒とあずみだけ・・・・ベッドの上で鶴屋は相変わらずの満面の笑みであずみを見つめていた。
あずみは、一度咳ばらいをすると、取り乱していた自分を隠すかのように上着を脱ぎ、ハンガーにかけ、冷静を装い、今できる精一杯のきれいな微笑みを浮かべて椅子に腰かけた。
だが、置いてけぼりになってこれからどうするんだという不安と、知らないうちに決まっていた順番の怒りで、微笑みと言うより顔を歪めていたという方が正しい。
そして、冷静になればなるほど(このモヤモヤした気持ちをどうやって解消してやろうか)と考えながらちらりと鶴屋を見た。
鶴屋は相変わらず、ベッドの上でニコニコと微笑んでいるばかりだった。
家の電話は、居間に置いてあるからだ。
如月家の家電は、子機はなく、線につながった電話が1台。
電話がかかってくるなら、そこで待つしかないのだ。
お手伝いの鈴木さんに怒られないよう、今日は自分の布団を居間の床に敷いて転がった。
鶴屋は、少し鈍臭いところがあるけれど、嘘はつかない。だから、ここで待っていれば如月からの電話が入るはず・・・
鶴屋がまさか原チャリで事故ッているなんて、この時のあずみは知る由もなく、ただただ如月の電話を待っていた。
そして朝がきてしまった。
そして、また、出勤してきた鈴木にあずみはこっぴどく怒られた。
「電話がかかってくるはずだったんです!」
とは、言い訳してみた物の、鈴木はあずみがスマフォを持っていることも知っているし、そもそもこの時代に、家電なんて置く意味あるの?という時代に、
「家電に?かかってくる?」
といった具合で、あずみの言い訳なんて立て板に水。
今日もまた、とてもつもないお手伝いを言い渡されているとき、家の電話が鳴った。
あずみは、鈴木に得意満面な笑みを向けると、慌てて電話を取った。
けれど、その電話は如月からではなかった。
その電話は病院からで、鶴屋の入院告げる物だった。
あずみは、「鶴屋さんが昨晩、バイクで事故をされて・・・」
と言われた段階で血の気が引き、鈴木に電話を替わってしまったから、はっきりしたことはわからなかったが、あずみのために昨晩飛び出した鶴屋を思い出していた。居間のテーブルには食べかけのシチューの皿、その横にはアンパンが2つ転がっていた。元気づけようとしてくれた鶴屋に、何であんなに冷たい態度をとってしまったのか。うれしそうな顔で新品のパンツを見せていた鶴屋に怒鳴ってしまって、本当に申し訳ないと、心から詫びた。
(鶴屋に何かあったらどうしよう・・・僕が悪いってすぐわかっちゃうよね・・・あ、でも僕、もういいから風呂の湯を入れてくれって言ったよね。けど、鶴屋が寝ないで二人を見張るからって、飛び出したんだよね。じゃあ、僕のせいじゃないか・・・うん、僕のせいじゃないな!あ、ってことは、夕べ風呂入ってないや。)
などと考えていたら、急にお腹が減って、机の上のアンパンをかじりながら、夕べのシチューを温めにキッチンへ向かった。
「あずみさん!何やってるんですか!」
「何って・・・朝ごはんを・・・」
「それどころじゃないでしょ!」
お手伝いの鈴木に怒られ、顔を洗い、渋々着替え、鈴木の運転で鶴屋の入院している病院へと向かった。
車に乗せられたばかりの時は、(なんで僕が鶴屋の見舞いになんて)などと不貞腐れ、どちらかと言うと、空腹がアンパン2個で満たされないことに不満を感じていたが、病院が近づくにつれ、鶴屋にした仕打ちの一つ一つが脳裏に浮かび、思い出したくないと思えば思うほど鮮明に、夕べの一部始終を再現したように思い出し、鶴屋の言葉もしっかりと聞こえるようでだんだん恐ろしくなり耳をふさぎ、目を閉じて震えていた。
「はい、つきましたよ。」
「僕、ここで待ってる。」
「ダメです!ご主人様の言いつけです。」
「え・・・お兄様が・・・」
「はい。」
「僕に・・・鶴屋を見舞えと?」
「はい!」
あずみは、シートベルトにしがみつき、抵抗を図ったが、鈴木から難なく車から叩き降ろされ、半ば引きずられるように鶴屋の病室の前へと連れてこられた。どんな姿でいるのか、息はしているのか、ひょっとして機械のような何かにつながれているんじゃないか・・・等々考えると、怖くなって眼を固くつぶった。
スッとドアが開くのはわかったが、あずみはまだ目を開けることができなかった。
「あずみ君!」
案外元気な声で名前を呼ばれ、その声に反応するように目を開けると、鶴屋はベッドには寝ているものの、案外元気そうにしていた。額に大きなガーゼを張られたり、手や足に包帯がまかれてはいたけれど、機械的な何かにつながれているわけでもなく、虫の息という訳でもなく、ほぼ通常通りな様子だった。
「なんだ・・・事故にあったなんて言うから、心配してしまいましたよ。」
「え?あずみ君が?感激だなぁ。心配してくれたんだ。」
「ほんのちょっとだけです。あなたが考えて居るほど誠心誠意心配したわけではありません。」
「いいよ。ありがとう。」
あずみを迎える鶴屋のはち切れそうな笑い顔を少し胡散臭いと思いながら、差し出された椅子にちょこんと腰かけた。
「あ、あずみ君来てたんだ。」
その声は雅の恋人の隼人だった。
相変わらず小さくてかわいい仔犬のような風貌だった。
「隼人も来てたんだ。」
如月の昔の恋人、谷中雅の今の恋人が隼人で、あずみよりいくつか年上なのに、その見た目で舐めたような扱いをしていた。
「隼人も見舞い?」
「ううん、僕は教授に言われて鶴屋さんのお世話を・・・」
「あ、そう。」
「そうだ!そろそろ、雅さんが来るよ。」
「別にあいたかねぇ~よ!」
あずみは隼人の言葉にむきになり、強めに言葉を返した。
そもそも如月と雅が付き合っていたのを知った時から、雅のことは嫌いだった。だが、それ以上に大嫌いになる事件があった。それは、なぜか、思いもかけず、雅とキスをしてしまったことがあった。その時の雅は酔っていて、たちの悪い酒癖の一つで何の記憶もないが、あずみは抱きしめられた胸の感触と唇の熱さで、生まれて初めて感じた胸の高鳴りを恋だと勘違いしてしまった。そして、如月の元恋人に恋をしたことで悩みもしたが、すぐにそれは違ったんだと気づき、気づいた瞬間から雅のことがより一層大っ嫌いになった。
「相変わらずだな・・・大丈夫、すぐ帰るから。そんなに会いたくないなら、駐車場で待っててもらうよ。」
「いいよ、そこまで気を使わなくて。」
「ううん。僕ももう行かなきゃ。」
「なんだよ。隼人!帰るのかよ!」
「うん。あずみ君が着たら交代で大学に来てッて云われてるんだ。久しぶりの大学でうれしくて!じゃあね!」
「ちょっと待て!意味が解らん!なんだよ交代って!」
「だから、鶴屋君のお世話の交代だよ。心配しないで、特に大変なことはないから。着替え手伝ったったり・・・ご飯取りに行ったり・・・後買い物くらい・・・トイレとかは看護師さんを呼べばいいからね。」
「当たり前だよ!パシリやらされるだけでも嫌なのに、シモの世話まで出来るかよ!隼人がやればいいだろ!僕は嫌だよ!」
「けど、みんな順番なんだ。今日はあずみ君、明日は山波さん。明後日は雅さん。その次は教授。だから、頑張って!」
「なんでお兄様まで・・・」
「仕方ないだろ。決まったことなんだ。それに、鶴屋君がこうなったのの半分くらいはあずみ君にも責任があるんじゃないの?」
「・・・・責任・・・・半分もあるのかよ・・・・」
「あ、雅さんから電話だ!じゃあね!」
隼人は急いで雅からの電話を取ると、弾むように病室を出て行った。
(あ、そうだ!鈴木さん!)と思ったが、気が付いた時には鈴木の姿も病室から消えていた。
病室に残されたのは、鈴木が持って来たお弁当と思われる風呂敷に包んだ三段のお重と大きめの水筒とあずみだけ・・・・ベッドの上で鶴屋は相変わらずの満面の笑みであずみを見つめていた。
あずみは、一度咳ばらいをすると、取り乱していた自分を隠すかのように上着を脱ぎ、ハンガーにかけ、冷静を装い、今できる精一杯のきれいな微笑みを浮かべて椅子に腰かけた。
だが、置いてけぼりになってこれからどうするんだという不安と、知らないうちに決まっていた順番の怒りで、微笑みと言うより顔を歪めていたという方が正しい。
そして、冷静になればなるほど(このモヤモヤした気持ちをどうやって解消してやろうか)と考えながらちらりと鶴屋を見た。
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