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来世の記憶
災禍の出会い
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俺は人とは違うらしい。
まあ、言われてみれば人は大概実験道具、被験者、サンプルでありそれ以上の情が湧かない。サンプルで被験者だから大事にしただけで、それを降りるならば興味のない人間だ。
それが他の人には理解できないらしい。まあ、どうでもいいが。
天職である研究職に就いたわ良いが、連日こもりっぱなしだった上に有給も消化していないということが露見してしまい、厳重注意を受けた。
労働基準法だが何だか知らないが好きなことを好きなだけしたいのに残業になってしまうのが困る。
今日はその有給を消化するため一週間休みを取らされた。なので、朝に会社を追い出された後に家に帰った。
昼間の都会は騒がしい。
大きなビルに特大パネルがあって今話題の俳優のCMが流れる。名前、名前は何だったか。興味ないから覚えていないのは当たり前だが何だか気になる。なんだろうか。後でパソコンでも調べてみるか。
そんな事を思っていると、そのパネルはニュースに切り替わる。
「速報です。昨日○○区のマンションにて、20代の男性が死体で発見されました。警察は強い殺意に満ちた連続殺人と見て捜査を進めています」
連続殺人……?ああ、そう言えばこの前も20代男性が殺されてたような……?
そのニュースを見て戸締りをきちんとしようと俺はそう思って帰路につく。
家について始めに埃っぽい部屋の換気、掃除を行い、風呂入ってお腹が減ったなぁと冷蔵庫を見た。しかし予想通り冷蔵庫には何もなかったのでご飯を買いに外に出た。
既に時刻は夜で、空いている店と言えばコンビニくらいしかない。街灯があるが時刻が時刻なだけに暗い。ふわあっと欠伸をしながら明日はどうしようと考えながらコンビニに向かう途中、黒い車が路肩にとまっていた。車の種類は分からないが、小さい車だ。こんなところに停めることがあるんだなっと呑気にそう思いながら横を通り過ぎようとして、勢いよく後部座席の扉が開いた。驚いてそっちを見ると何か布に薬品をしみこませたそれで口と鼻を覆われて意識が遠くなる。引きずられるように中に運ばれた。
そこで俺の意識が途切れ、気づくとどこかの部屋の中にいた。
どこか、俺の部屋に酷似した場所で一瞬帰ってきたのかと錯覚した。しかし、歩いて扉を開けようとするとがちがちと外側から鍵をつけられているようで開かない。窓を開けると高層ビルの上層のようで目がくらむ高さから昼間の都会を見下ろしてさっと顔色が悪くなる。
ここは一体どこだ!?
すると、タイミングよく扉の鍵を開ける音が聞こえた。誰かが来る。そう身構えてできるだけ距離を取る為に扉から遠い窓に背を向けると扉がゆっくりと開いた。
そして男がそこに現れる。
見たことがある。
ああ、そうだ。特大パネルのCMに出ていたあの俳優だ。俺とはまるで接点のない男だがどう考えても俺をここまで拉致してきたのだろう。そう思いながら何をされるか分からずに睨みつける。
すると彼は俺を見ると恍惚の笑みを浮かべる。
「―――殿下」
―――その瞬間、俺はすべてを思い出した。
ーーーー
沢山のお気に入りしおりありがとうございました。
感想もありがとうございました!とても励みになりした。
のろのろ更新で約1年もかかって完結になります(笑)
今までお読みいただき本当にありがとうございました。
まあ、言われてみれば人は大概実験道具、被験者、サンプルでありそれ以上の情が湧かない。サンプルで被験者だから大事にしただけで、それを降りるならば興味のない人間だ。
それが他の人には理解できないらしい。まあ、どうでもいいが。
天職である研究職に就いたわ良いが、連日こもりっぱなしだった上に有給も消化していないということが露見してしまい、厳重注意を受けた。
労働基準法だが何だか知らないが好きなことを好きなだけしたいのに残業になってしまうのが困る。
今日はその有給を消化するため一週間休みを取らされた。なので、朝に会社を追い出された後に家に帰った。
昼間の都会は騒がしい。
大きなビルに特大パネルがあって今話題の俳優のCMが流れる。名前、名前は何だったか。興味ないから覚えていないのは当たり前だが何だか気になる。なんだろうか。後でパソコンでも調べてみるか。
そんな事を思っていると、そのパネルはニュースに切り替わる。
「速報です。昨日○○区のマンションにて、20代の男性が死体で発見されました。警察は強い殺意に満ちた連続殺人と見て捜査を進めています」
連続殺人……?ああ、そう言えばこの前も20代男性が殺されてたような……?
そのニュースを見て戸締りをきちんとしようと俺はそう思って帰路につく。
家について始めに埃っぽい部屋の換気、掃除を行い、風呂入ってお腹が減ったなぁと冷蔵庫を見た。しかし予想通り冷蔵庫には何もなかったのでご飯を買いに外に出た。
既に時刻は夜で、空いている店と言えばコンビニくらいしかない。街灯があるが時刻が時刻なだけに暗い。ふわあっと欠伸をしながら明日はどうしようと考えながらコンビニに向かう途中、黒い車が路肩にとまっていた。車の種類は分からないが、小さい車だ。こんなところに停めることがあるんだなっと呑気にそう思いながら横を通り過ぎようとして、勢いよく後部座席の扉が開いた。驚いてそっちを見ると何か布に薬品をしみこませたそれで口と鼻を覆われて意識が遠くなる。引きずられるように中に運ばれた。
そこで俺の意識が途切れ、気づくとどこかの部屋の中にいた。
どこか、俺の部屋に酷似した場所で一瞬帰ってきたのかと錯覚した。しかし、歩いて扉を開けようとするとがちがちと外側から鍵をつけられているようで開かない。窓を開けると高層ビルの上層のようで目がくらむ高さから昼間の都会を見下ろしてさっと顔色が悪くなる。
ここは一体どこだ!?
すると、タイミングよく扉の鍵を開ける音が聞こえた。誰かが来る。そう身構えてできるだけ距離を取る為に扉から遠い窓に背を向けると扉がゆっくりと開いた。
そして男がそこに現れる。
見たことがある。
ああ、そうだ。特大パネルのCMに出ていたあの俳優だ。俺とはまるで接点のない男だがどう考えても俺をここまで拉致してきたのだろう。そう思いながら何をされるか分からずに睨みつける。
すると彼は俺を見ると恍惚の笑みを浮かべる。
「―――殿下」
―――その瞬間、俺はすべてを思い出した。
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沢山のお気に入りしおりありがとうございました。
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