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3、変革のシトリン
164、シトリンとジェットバス、芸術家に自由に制作させてはならぬ
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宝石箱を開けたフィロシュネーは「あら」と目を瞬かせた。
箱に灰色の小石が入っていたからだ。
「これ、宝石?」
兄アーサーからのメッセージカードを見ると、説明書きがある。
『空国では王族の瞳を連想させることから「移ろいの宝石」と呼ばれている。季節やちょっとした刺激で変質する最高級の魔宝石だ。部屋の浴槽にこの石を入れてごらん、ジェットバスが楽しめるよ。鑑賞用の宝石というよりは玩具に近いかもしれぬ』
ジェットバスというのは、浴槽の底や壁から空気や湯がポコポコと湧く特殊な風呂だ。風呂文化を楽しむ青国が魔導具製作技術に優れた空国と友好を深めた結果、最近になって開発された上流階級用の風呂である。
「石を浴槽に入れる……?」
試しに、とフィロシュネーは半露天風呂に通じる戸を開いた。
絶景の海景色を望める浴槽は陶器製で、お湯は透明に澄んでいる。
「わーっ、海を見ながらお風呂が楽しめるのね……! どれどれ……っ」
透明な湯に石を入れてみると、レモンイエローの光が気泡と一緒にあふれ出す。光をほわほわさせながら、石は美しい宝石の黄水晶へと変わった。
「石が変わったわ! 不思議……」
フィロシュネーは不思議な石に目を丸くしつつ、ジェットバスに身を浸してみた。
透明な湯が浴槽の中でボコボコと水流を暴れさせていて、楽しい。
「ふふっ、気持ちいい! これは確かに玩具ね」
浴槽の傍には照明の色を切り替えるスイッチもあって、赤や紫、オレンジや青と、お湯の色がカラフルに染まる。
「気に入ったわ、このお風呂……!」
フィロシュネーはにこにことして、そうだ、と思いついた。
――この楽しいお風呂体験を、サイラスにも贈りましょう。
あの娯楽から縁遠そうな男が泡の中でくつろいでいる姿を想像すると、わくわくする。不思議な石を手で掬い取って風呂からあがり、フィロシュネーは世話役用の続き部屋で待機していた専属侍女のジーナを呼んだ。
「ジーナ、わたくし、この石の楽しさをサイラスに教えてあげたいと思うのだけど、どう思いまして? 彼のお部屋はどこだったかしら。今から訪ねますって先触れを遣わしてもいいかしら」
赤毛の侍女ジーナは湯上りの世話をしてくれる。
この侍女は紅国にも一緒に行った仲であり、『当て馬研究会』と『当て馬を幸せにする会』のメンバーでもあって、仲が良い。
「姫様、明日になさってはいかがですか? 湯冷めしてしまいますよ」
「思い立ったら期日って言うでしょう?」
「思い立ったが吉日でしょうか?」
「それに、船で夜を過ごすのは初めてだもの。ちょっとお散歩したい気分だわ……夜のデッキでデートをするの。恋愛物語みたい!」
話すうちに気持ちが固まっていく。
「ジーナ、お部屋に訪ねていくのはやめましょう。デッキに呼び出して待ち合わせをするの……それがいい……!」
「決めてしまわれたのですね、姫様。……でも、夜のデッキでデートというのは確かにロマンチックですね」
「ジーナの同じビジョンを共有して共感してくれるところが大好きよ」
* * *
呼び出したサイラスと船上から眺める夜の海は、黒い鏡のように平らで穏やかだった。
ちゃぷり、ちゃぷりと水音がする。
出航初日ということもあって、招待客は何人も船の縁に集まって海を眺めて乾杯していた。
自然の力と呪術の力とで進む船体の上部には、風を受けて船を進めるためのマストと帆が立ち並んでいる。
風は穏やかで、柔らかな音楽が遠くから響いていた。
「『シークレットオブプリンセス』では、夜の船上でヒロインはアランを尾行していたのよね。見失って探そうとしたら、尾行に気付いていたアランがすぐ後ろにいて、声をかけられてびっくりしたのよ。そして一緒にデートをしたの……あのシーンをどう思いまして?」
「実を申しますと現実味がない物語だと思っていました。貴族のお嬢様が夜の船上で何をやらかしているのかと。ですが、現実にも似たようなお姫様がいることがわかったので物語の見方が変わりそうです」
サイラスはフィロシュネーの肩にショールをかけて、宝石箱を受け取る。
「黄水晶ですね」
「お湯に漬ける前は石ころみたいだったの。見た目が変わるので、『移ろいの宝石』と呼ばれているのですって」
「ほう」
会話する視界に、マストの影にこそこそと身を隠すような怪しい動きの令嬢が見えたので、フィロシュネーはサイラスの袖を引いた。
「アリス・ファイアハート侯爵令嬢……」
「紅国のご令嬢ですね」
「サイラスはご存じ?」
「あまり存じません」
令嬢の視線を追いかけると、一風変わった集団がいる。
「はぁ、バルトュス様……」
アリスが悩ましげに名を呼ぶので、フィロシュネーは「ああ」と納得した。
「すとーかー、でしたっけ」
「!! フィロシュネー姫殿下? お、お見逃しください。憧れの方を見ているだけなのです……!」
フィロシュネーに気付いたアリスが慌てた様子で振り返る。フィロシュネーはその隣に並んで、噂の「バルトュス様」――空国で天才といわれている有名な画家を見た。
「ふぅん、あの方が……初めて見ましたわ」
背後でサイラスが「なぜコソコソと隠れる必要が? 何か後ろめたいことがあるのですか?」と尋ねてくる。
「よろしい、サイラス? つまりわたくしたちは『アランを尾行するヒロイン』みたいなものです。アランはあそこにいる画家のバルトュスよ」
「すると俺たちにはバルトュスを見失い、後ろにいつの間にかバルトュスがいる展開が待っているのですね」
今のところ、バルトュスはこちらに気付いていない。真っ白なキャンバスを持て余すようにスケッチブックをめくり、彼の後援者たちにあれこれと言われている。
「バルトュス、その絵のテーマは少し古いような気がするわ。もっと現代的なものにしてみたらどうかしら? 流行しているのは殿方が押し倒されている絵よ」
「そうだ、もっと過激な絵を描け。話題にならない絵に価値はない」
「バルトュス、なぜ海を描いているの? 人間を描きなさい」
「言うとおりに描かないと支援を打ち切るぞ。誰のおかげで食っていられると思っているんだ」
「あれはなんです、アリス様? いじめ?」
「いえ、彼らのおかげでバルトュス様の才能が磨かれているのです」
「空王陛下みたいにマゾなのですか?」
サイラスが空王アルブレヒトの性癖を把握している。フィロシュネーは「空王陛下、麻縄はご卒業済みよ」と教えてあげた。
「だから何です? マゾはマゾですよ」
「あっ……そ、そう」
この会話は空国の船の上でしていて大丈夫? 誰かに聞き咎められたりしない? 外交問題よ? フィロシュネーはアリスに話題を返した。
「アリス様はお詳しいのですわね、さすがですわ~!」
「ストーカーですから! お任せください!」
こっちはこっちで問題がある気がするが、アリスは誇らしげだ。
「芸術家に自由に制作させてはならぬというのが後援会の方針で……結果も出しているのです」
話している間にバルトュスに見覚えのある緑髪の男が近づいていく。フィロシュネーは息を呑んだ。
(あら、フェリシエン……)
緑髪の男は、ルーンフォークの兄であり、《輝きのネクロシス》のメンバーであるフェリシエン・ブラックタロンだ。
「失礼、高名な画家のバルトュス様にご挨拶したいのだが……」
「こいつは落ちぶれブラックタロン家の若造当主ではないか。しっしっ、反国家活動家がなぜ船にいるんだ」
「敬語で話せブラックタロン。爵位も取り上げられて、問題ばかり起こしている家が偉そうにするな」
後援者たちの騒ぎに、バルトュスが振り返る。
「ご挨拶したいのですが……」
とても面倒そうにフェリシエンが言い直すと、バルトュスは口を開いた。
「私は天才である。そして、私の時間は貴重である。その挨拶には果たして天才の時間を浪費するだけの価値があるのだろうか?」
「きゃぁ、バルトュス様……!」
と、フィロシュネーの隣でアリスが紅潮した頬を押さえる。バルトュスは、美形だった。
箱に灰色の小石が入っていたからだ。
「これ、宝石?」
兄アーサーからのメッセージカードを見ると、説明書きがある。
『空国では王族の瞳を連想させることから「移ろいの宝石」と呼ばれている。季節やちょっとした刺激で変質する最高級の魔宝石だ。部屋の浴槽にこの石を入れてごらん、ジェットバスが楽しめるよ。鑑賞用の宝石というよりは玩具に近いかもしれぬ』
ジェットバスというのは、浴槽の底や壁から空気や湯がポコポコと湧く特殊な風呂だ。風呂文化を楽しむ青国が魔導具製作技術に優れた空国と友好を深めた結果、最近になって開発された上流階級用の風呂である。
「石を浴槽に入れる……?」
試しに、とフィロシュネーは半露天風呂に通じる戸を開いた。
絶景の海景色を望める浴槽は陶器製で、お湯は透明に澄んでいる。
「わーっ、海を見ながらお風呂が楽しめるのね……! どれどれ……っ」
透明な湯に石を入れてみると、レモンイエローの光が気泡と一緒にあふれ出す。光をほわほわさせながら、石は美しい宝石の黄水晶へと変わった。
「石が変わったわ! 不思議……」
フィロシュネーは不思議な石に目を丸くしつつ、ジェットバスに身を浸してみた。
透明な湯が浴槽の中でボコボコと水流を暴れさせていて、楽しい。
「ふふっ、気持ちいい! これは確かに玩具ね」
浴槽の傍には照明の色を切り替えるスイッチもあって、赤や紫、オレンジや青と、お湯の色がカラフルに染まる。
「気に入ったわ、このお風呂……!」
フィロシュネーはにこにことして、そうだ、と思いついた。
――この楽しいお風呂体験を、サイラスにも贈りましょう。
あの娯楽から縁遠そうな男が泡の中でくつろいでいる姿を想像すると、わくわくする。不思議な石を手で掬い取って風呂からあがり、フィロシュネーは世話役用の続き部屋で待機していた専属侍女のジーナを呼んだ。
「ジーナ、わたくし、この石の楽しさをサイラスに教えてあげたいと思うのだけど、どう思いまして? 彼のお部屋はどこだったかしら。今から訪ねますって先触れを遣わしてもいいかしら」
赤毛の侍女ジーナは湯上りの世話をしてくれる。
この侍女は紅国にも一緒に行った仲であり、『当て馬研究会』と『当て馬を幸せにする会』のメンバーでもあって、仲が良い。
「姫様、明日になさってはいかがですか? 湯冷めしてしまいますよ」
「思い立ったら期日って言うでしょう?」
「思い立ったが吉日でしょうか?」
「それに、船で夜を過ごすのは初めてだもの。ちょっとお散歩したい気分だわ……夜のデッキでデートをするの。恋愛物語みたい!」
話すうちに気持ちが固まっていく。
「ジーナ、お部屋に訪ねていくのはやめましょう。デッキに呼び出して待ち合わせをするの……それがいい……!」
「決めてしまわれたのですね、姫様。……でも、夜のデッキでデートというのは確かにロマンチックですね」
「ジーナの同じビジョンを共有して共感してくれるところが大好きよ」
* * *
呼び出したサイラスと船上から眺める夜の海は、黒い鏡のように平らで穏やかだった。
ちゃぷり、ちゃぷりと水音がする。
出航初日ということもあって、招待客は何人も船の縁に集まって海を眺めて乾杯していた。
自然の力と呪術の力とで進む船体の上部には、風を受けて船を進めるためのマストと帆が立ち並んでいる。
風は穏やかで、柔らかな音楽が遠くから響いていた。
「『シークレットオブプリンセス』では、夜の船上でヒロインはアランを尾行していたのよね。見失って探そうとしたら、尾行に気付いていたアランがすぐ後ろにいて、声をかけられてびっくりしたのよ。そして一緒にデートをしたの……あのシーンをどう思いまして?」
「実を申しますと現実味がない物語だと思っていました。貴族のお嬢様が夜の船上で何をやらかしているのかと。ですが、現実にも似たようなお姫様がいることがわかったので物語の見方が変わりそうです」
サイラスはフィロシュネーの肩にショールをかけて、宝石箱を受け取る。
「黄水晶ですね」
「お湯に漬ける前は石ころみたいだったの。見た目が変わるので、『移ろいの宝石』と呼ばれているのですって」
「ほう」
会話する視界に、マストの影にこそこそと身を隠すような怪しい動きの令嬢が見えたので、フィロシュネーはサイラスの袖を引いた。
「アリス・ファイアハート侯爵令嬢……」
「紅国のご令嬢ですね」
「サイラスはご存じ?」
「あまり存じません」
令嬢の視線を追いかけると、一風変わった集団がいる。
「はぁ、バルトュス様……」
アリスが悩ましげに名を呼ぶので、フィロシュネーは「ああ」と納得した。
「すとーかー、でしたっけ」
「!! フィロシュネー姫殿下? お、お見逃しください。憧れの方を見ているだけなのです……!」
フィロシュネーに気付いたアリスが慌てた様子で振り返る。フィロシュネーはその隣に並んで、噂の「バルトュス様」――空国で天才といわれている有名な画家を見た。
「ふぅん、あの方が……初めて見ましたわ」
背後でサイラスが「なぜコソコソと隠れる必要が? 何か後ろめたいことがあるのですか?」と尋ねてくる。
「よろしい、サイラス? つまりわたくしたちは『アランを尾行するヒロイン』みたいなものです。アランはあそこにいる画家のバルトュスよ」
「すると俺たちにはバルトュスを見失い、後ろにいつの間にかバルトュスがいる展開が待っているのですね」
今のところ、バルトュスはこちらに気付いていない。真っ白なキャンバスを持て余すようにスケッチブックをめくり、彼の後援者たちにあれこれと言われている。
「バルトュス、その絵のテーマは少し古いような気がするわ。もっと現代的なものにしてみたらどうかしら? 流行しているのは殿方が押し倒されている絵よ」
「そうだ、もっと過激な絵を描け。話題にならない絵に価値はない」
「バルトュス、なぜ海を描いているの? 人間を描きなさい」
「言うとおりに描かないと支援を打ち切るぞ。誰のおかげで食っていられると思っているんだ」
「あれはなんです、アリス様? いじめ?」
「いえ、彼らのおかげでバルトュス様の才能が磨かれているのです」
「空王陛下みたいにマゾなのですか?」
サイラスが空王アルブレヒトの性癖を把握している。フィロシュネーは「空王陛下、麻縄はご卒業済みよ」と教えてあげた。
「だから何です? マゾはマゾですよ」
「あっ……そ、そう」
この会話は空国の船の上でしていて大丈夫? 誰かに聞き咎められたりしない? 外交問題よ? フィロシュネーはアリスに話題を返した。
「アリス様はお詳しいのですわね、さすがですわ~!」
「ストーカーですから! お任せください!」
こっちはこっちで問題がある気がするが、アリスは誇らしげだ。
「芸術家に自由に制作させてはならぬというのが後援会の方針で……結果も出しているのです」
話している間にバルトュスに見覚えのある緑髪の男が近づいていく。フィロシュネーは息を呑んだ。
(あら、フェリシエン……)
緑髪の男は、ルーンフォークの兄であり、《輝きのネクロシス》のメンバーであるフェリシエン・ブラックタロンだ。
「失礼、高名な画家のバルトュス様にご挨拶したいのだが……」
「こいつは落ちぶれブラックタロン家の若造当主ではないか。しっしっ、反国家活動家がなぜ船にいるんだ」
「敬語で話せブラックタロン。爵位も取り上げられて、問題ばかり起こしている家が偉そうにするな」
後援者たちの騒ぎに、バルトュスが振り返る。
「ご挨拶したいのですが……」
とても面倒そうにフェリシエンが言い直すと、バルトュスは口を開いた。
「私は天才である。そして、私の時間は貴重である。その挨拶には果たして天才の時間を浪費するだけの価値があるのだろうか?」
「きゃぁ、バルトュス様……!」
と、フィロシュネーの隣でアリスが紅潮した頬を押さえる。バルトュスは、美形だった。
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