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2、協奏のキャストライト
147、アルメイダ侯爵が妻に負ける日
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朝がまた訪れて、祭りムードの紅都では心配そうな声が交わされる。
「青国の侯爵家の公子様が行方不明なんだってさ」
「また事件か……外交関係にヒビが入ったりしないのかな」
「この場合って、紅国の責任になるの?」
(ヒビが入るのは大歓迎だが、我が国の落ち度にされるのは避けたいものだ)
アルメイダ侯爵邸にて、家長であるシモン・アルメイダ侯爵は不機嫌に邸宅の廊下を歩いていた。
「坊ちゃん、獣人のお客様は一命を取り留めました」
幼少期からアルメイダ侯爵に仕える執事がコソリと教えてくれる。
「そうか。坊ちゃんはよせ」
思い通りにならぬ現実の中でも、喜ばしい出来事はあるものだ。
「完治したのか」
「それが、呪い自体は緩和するしかできず……進行を遅延するのがせいぜいと」
喜ばしい現実も、薄い氷の上に辛うじて置かれている程度らしい。
「他の神殿も頼るといい――死神コルテの神殿以外でな」
「坊ちゃん。お言葉ですが、死霊の呪いなら死の神コルテの神官が専門であると……」
「他を当たれ。坊ちゃんはよせ」
政敵である女王の騎士サイラス・ノイエスタルがコルテ神の神師になったのだ。コルテ神殿に貸しは極力作りたくない。
「はっ」
アルメイダ侯爵が発見したとき、獣人シェイドは負傷し、死霊に呪われて死にかけていた。
放置すれば確実に死ぬ――その命を気まぐれに拾ったのは、シェイドがカサンドラの仲間だと知っていたからだ。
(カサンドラの仲間だからな。恩を売ってやろう。……まあ、あの女は仲間が死んでもなんとも思わない気もするが)
「エリオット殿下に子馬を贈る。手配しておくように」
「かしこまりました、旦那様」
「カーリズ公爵より先に贈るんだぞ」
王弟エリオットのあどけない顔を思うと、苛立ちが少しおさまる。
あの無知な王弟は、今のところ自分にまあまあ懐いている。カーリズ公爵にも懐いているが。
「エリオット殿下の一番の寵臣の座は、私がいただく」
打倒女王を果たした際には、エリオット殿下に紅王としてご即位いただくのだ。
扱いにくい女王と違い、幼君はよき傀儡王となってアルメイダ侯爵の好きにさせてくれるだろう。
「しかしカサンドラのせいで、私の地位が危ぶまれているのだ。愚かな女狐め!」
「あら、あなた」
妻カサンドラの部屋の扉を開けると、カサンドラはソファに横たわる少年を愛でていた。
「なっ!!」
アルメイダ侯爵は驚いた。その少年はたいそう可愛らしい……青国のシューエン・アインベルグ侯爵公子だったのだ。
意識がない様子だが息はある。服をちゃんと着ているので、アルメイダ侯爵は少し安心した。これで裸でベッドの上だったら目も当てられない。
「か、カサンドラ! その公子はどうした……」
「可愛いでしょう? 拾いましたの」
「ひ、ひろっ……」
その公子が行方不明で、大騒ぎなのだぞ。
ばれたらどうなると思っているのだ。カサンドラに常識を求めてはいけないのかもしれないが、次から次へとやらかさないでほしい。
夫の内心をあざ笑うように、カサンドラは艶やかに口の端をつりあげた。
「私の新しいペット……愛人くんです」
「あ、あ、愛人! その少年は他国の公子だ、各国が総出で探している最中なのだ。返してこい」
「いやーん」
いやーんとはなんだ。ちょっと可愛いと思ってしまう自分が腹立たしい!
「そもそも私はお前を諭しにきたのだ。私の妻として生活をつづけたいなら、私の立場を悪くするな!」
しかしカサンドラは気にする様子もなく、白く細い腕を夫に絡めてくるのだ。
ふわりと鼻腔をくすぐるのは、蜜のような香り。
男の理性を溶かすような、官能的な香りだ。
「ぐっ……」
妻の肉感的な紅い唇から、ちろりと濡れた舌が見える。長い睫毛に彩られた美しい瞳に上目に見つめられる。その眼差しには、ぞくりとするほどそそられるものがあった。
誘われている――アルメイダ侯爵は己の理性を総動員して男の本能に抗った。
(このような誘惑になど!)
屈さぬ! と思った瞬間に妻がにやりとして、顔を大胆に寄せる。
チュッ。
軽いリップ音をたてて、小鳥がついばむようなキスがされる。その瞬間、心臓に羽が生えた気がした。実際生えてはいないが、心がキュンッ、フワッとしてしまったのである。頬はカッカッと熱くなって、だらしない表情をしてしまいそうだ。
悦んでしまっている――自覚して、アルメイダ侯爵は焦った。
「ふふっ、あ、な、た……嬉しそうですわね?」
「……!」
そ、そんなことはない!
気紛れな女王気質の猫が懐くように、すりすりと体がこすりつけられる。その腰の動きは目の毒だ、カサンドラ。
狼狽するアルメイダ侯爵の首筋がやわやわと撫でられる。その撫で方がいかにも「私は慣れてますよ」という雰囲気なので、アルメイダ侯爵はむかむかした。
(大人しくされるままにはならぬぞ。舐めるな! 毅然とした態度で拒絶してやる)
自分の体から引きはがそうと肩を掴むと、妻の肩はあまりにも華奢だった。掴んだ瞬間にグッとくるものがあった。オスの本能が駆り立てられる感触だ。
次の瞬間には、身体が勝手に妻を抱き寄せている。認めたくないが……、
――欲しい。
妻を求める自分がいる……。
「……良いのですよ、旦那様」
ふ、と吐息を紡いで、カサンドラが艶やかに笑む。紅い爪がアルメイダ侯爵の手を取り、胸の鼓動を教えるように指先を谷間へ導くのだ。
ソファで眠る少年が気になる。いや、もうどうでもいい。
(わ、私は誘惑に屈したわけではない。どちらが上の立場か、わからせてやるだけだ)
「あんっ」
アルメイダ侯爵は煽られるまま、妻を抱き上げてベッドに運んだ。はしゃぐような艶めかしい声があがる。可愛いと思ってしまう自分がいる!
(お前の夫は私なのだとわからせてやる……!)
妻を叱り、諭すのだ。夫に従えと言ってやるのだ。私が主人だと教えるのだ……。
アルメイダ侯爵は妻の体に覆い被さり、ベッドに縫い止めるように体温を寄せた。そして、独占欲を丸出しにして妻の唇を貪った。
* * *
知らない部屋にいる。しかも、なんか情事が行われている。
(ちょ、ちょっと。人が寝てるすぐ近くで何をなさって……あと、ここはどこですか……)
「んふふふふ……あなた、気持ちいいのですか? 可愛らしい……」
「あ、アッ……カサンドラ……ッ」
しかもこの夫婦、妻が上手で夫が翻弄されてる……チラッと見たシューエンは慌てて目を逸らして寝ているふりをした。
(僕には刺激が強すぎでございますっ……)
シューエンはとても困った。
「青国の侯爵家の公子様が行方不明なんだってさ」
「また事件か……外交関係にヒビが入ったりしないのかな」
「この場合って、紅国の責任になるの?」
(ヒビが入るのは大歓迎だが、我が国の落ち度にされるのは避けたいものだ)
アルメイダ侯爵邸にて、家長であるシモン・アルメイダ侯爵は不機嫌に邸宅の廊下を歩いていた。
「坊ちゃん、獣人のお客様は一命を取り留めました」
幼少期からアルメイダ侯爵に仕える執事がコソリと教えてくれる。
「そうか。坊ちゃんはよせ」
思い通りにならぬ現実の中でも、喜ばしい出来事はあるものだ。
「完治したのか」
「それが、呪い自体は緩和するしかできず……進行を遅延するのがせいぜいと」
喜ばしい現実も、薄い氷の上に辛うじて置かれている程度らしい。
「他の神殿も頼るといい――死神コルテの神殿以外でな」
「坊ちゃん。お言葉ですが、死霊の呪いなら死の神コルテの神官が専門であると……」
「他を当たれ。坊ちゃんはよせ」
政敵である女王の騎士サイラス・ノイエスタルがコルテ神の神師になったのだ。コルテ神殿に貸しは極力作りたくない。
「はっ」
アルメイダ侯爵が発見したとき、獣人シェイドは負傷し、死霊に呪われて死にかけていた。
放置すれば確実に死ぬ――その命を気まぐれに拾ったのは、シェイドがカサンドラの仲間だと知っていたからだ。
(カサンドラの仲間だからな。恩を売ってやろう。……まあ、あの女は仲間が死んでもなんとも思わない気もするが)
「エリオット殿下に子馬を贈る。手配しておくように」
「かしこまりました、旦那様」
「カーリズ公爵より先に贈るんだぞ」
王弟エリオットのあどけない顔を思うと、苛立ちが少しおさまる。
あの無知な王弟は、今のところ自分にまあまあ懐いている。カーリズ公爵にも懐いているが。
「エリオット殿下の一番の寵臣の座は、私がいただく」
打倒女王を果たした際には、エリオット殿下に紅王としてご即位いただくのだ。
扱いにくい女王と違い、幼君はよき傀儡王となってアルメイダ侯爵の好きにさせてくれるだろう。
「しかしカサンドラのせいで、私の地位が危ぶまれているのだ。愚かな女狐め!」
「あら、あなた」
妻カサンドラの部屋の扉を開けると、カサンドラはソファに横たわる少年を愛でていた。
「なっ!!」
アルメイダ侯爵は驚いた。その少年はたいそう可愛らしい……青国のシューエン・アインベルグ侯爵公子だったのだ。
意識がない様子だが息はある。服をちゃんと着ているので、アルメイダ侯爵は少し安心した。これで裸でベッドの上だったら目も当てられない。
「か、カサンドラ! その公子はどうした……」
「可愛いでしょう? 拾いましたの」
「ひ、ひろっ……」
その公子が行方不明で、大騒ぎなのだぞ。
ばれたらどうなると思っているのだ。カサンドラに常識を求めてはいけないのかもしれないが、次から次へとやらかさないでほしい。
夫の内心をあざ笑うように、カサンドラは艶やかに口の端をつりあげた。
「私の新しいペット……愛人くんです」
「あ、あ、愛人! その少年は他国の公子だ、各国が総出で探している最中なのだ。返してこい」
「いやーん」
いやーんとはなんだ。ちょっと可愛いと思ってしまう自分が腹立たしい!
「そもそも私はお前を諭しにきたのだ。私の妻として生活をつづけたいなら、私の立場を悪くするな!」
しかしカサンドラは気にする様子もなく、白く細い腕を夫に絡めてくるのだ。
ふわりと鼻腔をくすぐるのは、蜜のような香り。
男の理性を溶かすような、官能的な香りだ。
「ぐっ……」
妻の肉感的な紅い唇から、ちろりと濡れた舌が見える。長い睫毛に彩られた美しい瞳に上目に見つめられる。その眼差しには、ぞくりとするほどそそられるものがあった。
誘われている――アルメイダ侯爵は己の理性を総動員して男の本能に抗った。
(このような誘惑になど!)
屈さぬ! と思った瞬間に妻がにやりとして、顔を大胆に寄せる。
チュッ。
軽いリップ音をたてて、小鳥がついばむようなキスがされる。その瞬間、心臓に羽が生えた気がした。実際生えてはいないが、心がキュンッ、フワッとしてしまったのである。頬はカッカッと熱くなって、だらしない表情をしてしまいそうだ。
悦んでしまっている――自覚して、アルメイダ侯爵は焦った。
「ふふっ、あ、な、た……嬉しそうですわね?」
「……!」
そ、そんなことはない!
気紛れな女王気質の猫が懐くように、すりすりと体がこすりつけられる。その腰の動きは目の毒だ、カサンドラ。
狼狽するアルメイダ侯爵の首筋がやわやわと撫でられる。その撫で方がいかにも「私は慣れてますよ」という雰囲気なので、アルメイダ侯爵はむかむかした。
(大人しくされるままにはならぬぞ。舐めるな! 毅然とした態度で拒絶してやる)
自分の体から引きはがそうと肩を掴むと、妻の肩はあまりにも華奢だった。掴んだ瞬間にグッとくるものがあった。オスの本能が駆り立てられる感触だ。
次の瞬間には、身体が勝手に妻を抱き寄せている。認めたくないが……、
――欲しい。
妻を求める自分がいる……。
「……良いのですよ、旦那様」
ふ、と吐息を紡いで、カサンドラが艶やかに笑む。紅い爪がアルメイダ侯爵の手を取り、胸の鼓動を教えるように指先を谷間へ導くのだ。
ソファで眠る少年が気になる。いや、もうどうでもいい。
(わ、私は誘惑に屈したわけではない。どちらが上の立場か、わからせてやるだけだ)
「あんっ」
アルメイダ侯爵は煽られるまま、妻を抱き上げてベッドに運んだ。はしゃぐような艶めかしい声があがる。可愛いと思ってしまう自分がいる!
(お前の夫は私なのだとわからせてやる……!)
妻を叱り、諭すのだ。夫に従えと言ってやるのだ。私が主人だと教えるのだ……。
アルメイダ侯爵は妻の体に覆い被さり、ベッドに縫い止めるように体温を寄せた。そして、独占欲を丸出しにして妻の唇を貪った。
* * *
知らない部屋にいる。しかも、なんか情事が行われている。
(ちょ、ちょっと。人が寝てるすぐ近くで何をなさって……あと、ここはどこですか……)
「んふふふふ……あなた、気持ちいいのですか? 可愛らしい……」
「あ、アッ……カサンドラ……ッ」
しかもこの夫婦、妻が上手で夫が翻弄されてる……チラッと見たシューエンは慌てて目を逸らして寝ているふりをした。
(僕には刺激が強すぎでございますっ……)
シューエンはとても困った。
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