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2、協奏のキャストライト
137、太陽神の法廷1~ノーウィッチ外交官はクビにしよう
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裁判とは、事件に関わる人々が法廷で集まり、証拠や主張を交えて審問される会だ。
そこで裁判官が事件の真相を探り、公平な判断を下すのである。
重要参考人である青国の預言者ダーウッドは、フィロシュネーの部屋で背中を丸めるようにして頭を下げた。
「姫殿下。私は悪の呪術師として退場するつもりでしたから……あまり隠そうとしていなかっただけに、探られるとポロポロと証拠があちらこちらから出てまいりますぞ」
「し、仕方ありませんわね……突っつかれそうな心当たりを全部おっしゃい。対策を練るわよ」
フィロシュネーは楽器の練習をするふりをして学友たちを呼びつけ、一緒に対策を考えた。
「内緒なのだけど、我が国の預言者ダーウッドは確かに迎賓館でこっそり寝泊りしていたのよ。でも、それを青国にいたことにしたいの」
セリーナとオリヴィアは清かに声を揃え、こたえてくれた。
「お任せください、姫様。メリーファクト男爵家は、大恩ある姫様と敬愛する王室のために協力を惜しみません」
「ペンブルック男爵家は、もともとモンテローザ公爵派として王室への忠義を第一行動指針としています」
フィロシュネーはテーブルの上に紙を広げた。
書く文言は――『紅国側が知っていること』『知っていることを元に言ってきそうなこと』『それに対してどう反論するか』……。
「頼もしいですわ。紅国側がどんなことを言ってくるかを予想するところから始めましょうか……」
「王室への忠誠心、実に素晴らしい……ありがとうございます」
ダーウッドが深々と頭を下げて感謝の意を示している。
「預言者様はミステリアスな印象でしたけど、意外と接しやすい方なのですね」
セリーナがドキッとするようなことを言っている。
「ええ、そうねセリーナ。王侯貴族も、不老不死の預言者も王様も、あなたと変わらない人として生まれて、人の心を持って生きているのだもの」
フィロシュネーが言うと、オリヴィアも言葉を添えてくれる。
「怖い方かもしれない、自分と住む世界が違う方だわと思っていた方とお話してみたら意外と自分と変わらないって思うのは、わたくしもよくある経験ですわ」
フィロシュネーは仲良しの温度感で紙を囲む学友たちと顔を合わせ、頷き合った。
* * *
裁判の日。
フィロシュネーは冷えた水の入ったグラスを傾けて、気持ちを落ち着かせるようにした。
「ふん。預言のひとつでも披露してやればどうだ」
「……」
隣では、兄である青王アーサーが預言者ダーウッドのフードに覆われた顔を覗き込むようにしている。
「おい。おーい。さすがに居眠りはよくないのではないか」
「……、……、はっ、……何を仰るのですかな。私は今、深淵なる星の声に耳を傾けていたのですが」
「いや、お前……絶対寝てた……」
気の抜けるやりとりだが、状況はシリアスだ。
なにせ三人がいるのは、裁判をする会場――紅国の『太陽神の法廷』と呼ばれる裁判所だ。
紅城クリムゾンフォートに、関係者が集まっている。
太陽神の法廷は、木の温もりが感じられる内装だった。
部屋の北の方角で進行や判決を担当するのは進行や判決を担当するのは「太陽神の最高位司祭兼裁判官」という長い役職名をもつ「フィンスミス裁判官」というお爺さんがいて、両隣にカーリズ公爵とアルメイダ侯爵が座っている。
向かい合うようにして、左、中央、右の三つのまとまりに分かれた長い机と椅子が用意されている。左側に紅国勢、中央に青国勢、右側に空国勢が集まって座っていた。
重要参考人という位置付けで会場中の視線を集めるのは、紅国には馴染みのない『預言者』という役職を持つ不老症の人物。
全身をローブに包んで顔を隠した、小柄で性別もわからないような、神秘的な姿をしたダーウッドだ。
フィロシュネーとアーサーは左右に座って、「罪人ではなくあくまでも参考人ですからね」と無言でアピールしている。
「預言者どの、恐れ入りますがフードは外していただけますでしょうか」
促されて小さく頷き、晒したダーウッドの顔を見て、会場にざわめきが起こる。
「間違いありません! 火炎使いです!」
「ドワーフに化けたところを見ました!」
証人の声が上がる中、疑惑の視線に晒される本人は人形めいて無感情な表情で会場を見ていた。
(これ、参考に話を聞くって雰囲気? 罪人見つけたって雰囲気じゃない)
フィロシュネーがはらはらする中、アーサーが拳を握る。けれど、アーサーが怒号を放つより先に、別の声が場を静めた。
「静粛に! 静粛に!」
長い役職名をもつお爺さん――フィンスミス裁判官が威厳のある声で場を静かにする。
こうして、裁判は始まった。
紅国のアルメイダ侯爵が悪しき呪術師の罪を数える。
「我が国の外交官カーセルド・ゾーンスミス卿、ならびに、青国のウィンタースロット男爵令嬢の姿をした呪術師を火炎を用いて殺害した。スーン男爵令嬢の脱走を手引きした……」
(あの裸の外交官、殺害されていたのね?)
フィロシュネーは知らなかった真実を知ってちょっとびっくりした。
「紅都の至る所で放火騒ぎを起こした。紅国を支える忠臣にして我が友カーリズ公爵を石に変えた」
カーリズ公爵が茶々を入れる。
「今なんて? アルメイダ侯爵は私を友達だと思ってくださっていたのですか? 驚きで頭が真っ白になりましたよ」
アルメイダ侯爵は相手にする時間がもったいないとばかりにカーリズ公爵を無視して、話を続けた。
「ドワーフに変身してエルフの森を荒らし、紅都で騒乱を起こした。青国のメリーファクト男爵に化けて、メリーファクト男爵令嬢を拐かした」
各事件の関係者が真剣な面持ちで揃っている。
「いと貴き青国の王妹殿下、フィロシュネー姫を石に変えた」
あまり貴く思ってなさそうな声で言うアルメイダ侯爵と目が合って、フィロシュネーは綺麗な社交スマイルをしてみせた。アルメイダ侯爵はさっと視線を逸らしてしまった。やっぱりあまり貴く思っていない様子だ。
「迎賓館『ローズウッド・マナー』にて正体を自白し、青国の預言者どのを青王陛下の即位式で暗殺したと主張した。青王陛下の殺害も仄めかし、騎士たちの目の前で鳥に変身してフィロシュネー姫を攫った……」
「それは、ここにいない呪術師の罪ですね」
青国のノーウィッチ外交官が確認する。
「それは、これから確認するのだ」
アルメイダ侯爵は冷たく言い放ち、進行役のフィンスミス裁判官に進行を委ねた。
「この会合の目的は、真実を知ること。まずは証人の皆様に話を聞きましょう」
証人が順に前に出て、発言をする。
何日の何時に目撃したとか、どちらの方向に去っていったとか、そんな話が多い。
「時間の無駄に思える。話している時間でさっさと呪術師を捕まえれば済む話であろうに。顔はもう隠しても良いのではないか。ほれ」
アーサーは話を聞きながらローブのフードを引っ張り、ダーウッドの顔を隠してた。
そんなアーサーへと、アルメイダ侯爵が話を振る。
「そういえば青王陛下のご主張には、引っかかるものを感じておりました」
「青王たる俺の言葉は特別で、聞くものの心を揺らすものだ。おかしなことではないぞ、アルメイダ侯爵」
アーサーは自信満々でポジティブだ。フィロシュネーは感心した。
アルメイダ侯爵はというと、若干鼻白んだ様子ながらも言葉を続ける。
「……青王陛下のご主張によると、預言者どのは青国から共にいらしたらしい。ですが、そこがおかしいのです」
アルメイダ侯爵は、調査書を配布させた。
「調査によると、フィロシュネー姫が青国を出発してから青国の国内で預言者どのは不在になっていたという噂や、青王陛下が直々にモンテローザ公爵に『預言者は俺の命令でフィロシュネー姫の護衛をしている』と語ったという話もあるのですよ」
短期間なのによく調べている。
(青国の高官にも《輝きのネクロシス》の組織員がいるのでしょうねぇ……)
フィロシュネーは兄の心中を案じた。自国で語ったであろう話が簡単に他国に漏れてしまうのは、よろしくない。
「そして、それを裏付けるように、迎賓館で働く者の中には滞在するフィロシュネー姫の部屋で預言者どのを見たという証言があるのです」
青国のノーウィッチ外交官も、「そういえば見かけたんですよね」と言って、証言を足してしまっている。
「ノーウィッチ外交官はクビにしよう」
「せ、青王陛下……っ!」
ノーウィッチ外交官が涙目になった。
アーサーが自国の外交官の未来を閉ざすと同時に、フィンスミス裁判官は青国勢に発言を許した。
――さあ、反撃の時間よ。
そこで裁判官が事件の真相を探り、公平な判断を下すのである。
重要参考人である青国の預言者ダーウッドは、フィロシュネーの部屋で背中を丸めるようにして頭を下げた。
「姫殿下。私は悪の呪術師として退場するつもりでしたから……あまり隠そうとしていなかっただけに、探られるとポロポロと証拠があちらこちらから出てまいりますぞ」
「し、仕方ありませんわね……突っつかれそうな心当たりを全部おっしゃい。対策を練るわよ」
フィロシュネーは楽器の練習をするふりをして学友たちを呼びつけ、一緒に対策を考えた。
「内緒なのだけど、我が国の預言者ダーウッドは確かに迎賓館でこっそり寝泊りしていたのよ。でも、それを青国にいたことにしたいの」
セリーナとオリヴィアは清かに声を揃え、こたえてくれた。
「お任せください、姫様。メリーファクト男爵家は、大恩ある姫様と敬愛する王室のために協力を惜しみません」
「ペンブルック男爵家は、もともとモンテローザ公爵派として王室への忠義を第一行動指針としています」
フィロシュネーはテーブルの上に紙を広げた。
書く文言は――『紅国側が知っていること』『知っていることを元に言ってきそうなこと』『それに対してどう反論するか』……。
「頼もしいですわ。紅国側がどんなことを言ってくるかを予想するところから始めましょうか……」
「王室への忠誠心、実に素晴らしい……ありがとうございます」
ダーウッドが深々と頭を下げて感謝の意を示している。
「預言者様はミステリアスな印象でしたけど、意外と接しやすい方なのですね」
セリーナがドキッとするようなことを言っている。
「ええ、そうねセリーナ。王侯貴族も、不老不死の預言者も王様も、あなたと変わらない人として生まれて、人の心を持って生きているのだもの」
フィロシュネーが言うと、オリヴィアも言葉を添えてくれる。
「怖い方かもしれない、自分と住む世界が違う方だわと思っていた方とお話してみたら意外と自分と変わらないって思うのは、わたくしもよくある経験ですわ」
フィロシュネーは仲良しの温度感で紙を囲む学友たちと顔を合わせ、頷き合った。
* * *
裁判の日。
フィロシュネーは冷えた水の入ったグラスを傾けて、気持ちを落ち着かせるようにした。
「ふん。預言のひとつでも披露してやればどうだ」
「……」
隣では、兄である青王アーサーが預言者ダーウッドのフードに覆われた顔を覗き込むようにしている。
「おい。おーい。さすがに居眠りはよくないのではないか」
「……、……、はっ、……何を仰るのですかな。私は今、深淵なる星の声に耳を傾けていたのですが」
「いや、お前……絶対寝てた……」
気の抜けるやりとりだが、状況はシリアスだ。
なにせ三人がいるのは、裁判をする会場――紅国の『太陽神の法廷』と呼ばれる裁判所だ。
紅城クリムゾンフォートに、関係者が集まっている。
太陽神の法廷は、木の温もりが感じられる内装だった。
部屋の北の方角で進行や判決を担当するのは進行や判決を担当するのは「太陽神の最高位司祭兼裁判官」という長い役職名をもつ「フィンスミス裁判官」というお爺さんがいて、両隣にカーリズ公爵とアルメイダ侯爵が座っている。
向かい合うようにして、左、中央、右の三つのまとまりに分かれた長い机と椅子が用意されている。左側に紅国勢、中央に青国勢、右側に空国勢が集まって座っていた。
重要参考人という位置付けで会場中の視線を集めるのは、紅国には馴染みのない『預言者』という役職を持つ不老症の人物。
全身をローブに包んで顔を隠した、小柄で性別もわからないような、神秘的な姿をしたダーウッドだ。
フィロシュネーとアーサーは左右に座って、「罪人ではなくあくまでも参考人ですからね」と無言でアピールしている。
「預言者どの、恐れ入りますがフードは外していただけますでしょうか」
促されて小さく頷き、晒したダーウッドの顔を見て、会場にざわめきが起こる。
「間違いありません! 火炎使いです!」
「ドワーフに化けたところを見ました!」
証人の声が上がる中、疑惑の視線に晒される本人は人形めいて無感情な表情で会場を見ていた。
(これ、参考に話を聞くって雰囲気? 罪人見つけたって雰囲気じゃない)
フィロシュネーがはらはらする中、アーサーが拳を握る。けれど、アーサーが怒号を放つより先に、別の声が場を静めた。
「静粛に! 静粛に!」
長い役職名をもつお爺さん――フィンスミス裁判官が威厳のある声で場を静かにする。
こうして、裁判は始まった。
紅国のアルメイダ侯爵が悪しき呪術師の罪を数える。
「我が国の外交官カーセルド・ゾーンスミス卿、ならびに、青国のウィンタースロット男爵令嬢の姿をした呪術師を火炎を用いて殺害した。スーン男爵令嬢の脱走を手引きした……」
(あの裸の外交官、殺害されていたのね?)
フィロシュネーは知らなかった真実を知ってちょっとびっくりした。
「紅都の至る所で放火騒ぎを起こした。紅国を支える忠臣にして我が友カーリズ公爵を石に変えた」
カーリズ公爵が茶々を入れる。
「今なんて? アルメイダ侯爵は私を友達だと思ってくださっていたのですか? 驚きで頭が真っ白になりましたよ」
アルメイダ侯爵は相手にする時間がもったいないとばかりにカーリズ公爵を無視して、話を続けた。
「ドワーフに変身してエルフの森を荒らし、紅都で騒乱を起こした。青国のメリーファクト男爵に化けて、メリーファクト男爵令嬢を拐かした」
各事件の関係者が真剣な面持ちで揃っている。
「いと貴き青国の王妹殿下、フィロシュネー姫を石に変えた」
あまり貴く思ってなさそうな声で言うアルメイダ侯爵と目が合って、フィロシュネーは綺麗な社交スマイルをしてみせた。アルメイダ侯爵はさっと視線を逸らしてしまった。やっぱりあまり貴く思っていない様子だ。
「迎賓館『ローズウッド・マナー』にて正体を自白し、青国の預言者どのを青王陛下の即位式で暗殺したと主張した。青王陛下の殺害も仄めかし、騎士たちの目の前で鳥に変身してフィロシュネー姫を攫った……」
「それは、ここにいない呪術師の罪ですね」
青国のノーウィッチ外交官が確認する。
「それは、これから確認するのだ」
アルメイダ侯爵は冷たく言い放ち、進行役のフィンスミス裁判官に進行を委ねた。
「この会合の目的は、真実を知ること。まずは証人の皆様に話を聞きましょう」
証人が順に前に出て、発言をする。
何日の何時に目撃したとか、どちらの方向に去っていったとか、そんな話が多い。
「時間の無駄に思える。話している時間でさっさと呪術師を捕まえれば済む話であろうに。顔はもう隠しても良いのではないか。ほれ」
アーサーは話を聞きながらローブのフードを引っ張り、ダーウッドの顔を隠してた。
そんなアーサーへと、アルメイダ侯爵が話を振る。
「そういえば青王陛下のご主張には、引っかかるものを感じておりました」
「青王たる俺の言葉は特別で、聞くものの心を揺らすものだ。おかしなことではないぞ、アルメイダ侯爵」
アーサーは自信満々でポジティブだ。フィロシュネーは感心した。
アルメイダ侯爵はというと、若干鼻白んだ様子ながらも言葉を続ける。
「……青王陛下のご主張によると、預言者どのは青国から共にいらしたらしい。ですが、そこがおかしいのです」
アルメイダ侯爵は、調査書を配布させた。
「調査によると、フィロシュネー姫が青国を出発してから青国の国内で預言者どのは不在になっていたという噂や、青王陛下が直々にモンテローザ公爵に『預言者は俺の命令でフィロシュネー姫の護衛をしている』と語ったという話もあるのですよ」
短期間なのによく調べている。
(青国の高官にも《輝きのネクロシス》の組織員がいるのでしょうねぇ……)
フィロシュネーは兄の心中を案じた。自国で語ったであろう話が簡単に他国に漏れてしまうのは、よろしくない。
「そして、それを裏付けるように、迎賓館で働く者の中には滞在するフィロシュネー姫の部屋で預言者どのを見たという証言があるのです」
青国のノーウィッチ外交官も、「そういえば見かけたんですよね」と言って、証言を足してしまっている。
「ノーウィッチ外交官はクビにしよう」
「せ、青王陛下……っ!」
ノーウィッチ外交官が涙目になった。
アーサーが自国の外交官の未来を閉ざすと同時に、フィンスミス裁判官は青国勢に発言を許した。
――さあ、反撃の時間よ。
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