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2、協奏のキャストライト
134、そんな王様に育てた覚えはありません!/お前に育てられた覚えはない
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青王アーサーは有言実行の人物だ……と、青国の預言者ダーウッドは理解している。
王族の言葉は重い。
実行できないことは言わない。
自信がないときは不言実行。
脳筋気味で血気盛んな若者とはいえど、アーサーは基本姿勢として自分の発言の重さと影響力を心得ている。
だから、ダーウッドはアーサーを青王として崇めているのだ。
(預言者らしい振る舞いをしよう。私を預言者だと信じるアーサー様を落胆させてはならない)
そう思いながらも、ダーウッドは困惑していた。
「これは紅国風のナイトローブか。なかなか着心地がいいな」
スポーンと豪快に裸になったアーサーが使用人の手を借りることもなくサッサと就寝用のローブを身にまとっている。
「お前はまさか手伝われないと着替えができない、などと申さぬだろうな?」
「は」
「お前、念のため確認するがシュネーの着替えを覗いたりしておらぬだろうな」
「……」
ダーウッドは背に汗をかきながら冷静を装った。
「当然でございます」
「おい今の間はなんだ……ふむ、まあよい。寝るぞ。来い」
アーサーがベッドをぺしぺし叩いて呼んでいる。
宣言通り、青王アーサーは自分の寝所に預言者を引っ張り込んで、「寝るぞ」と言い出したのだ。
「妹と寝るより俺と寝るのだ。なぜならお前の王は妹ではなく俺だから。当たり前ではないか」
その強引さは妹フィロシュネー姫とそっくりだった。
(このご兄妹は、預言者を何だと思っておられるのか)
預言者は抱き枕ではないのだ。
フィロシュネー姫にも、何度言おうかと思ったことか。
しかし、フィロシュネー姫は「ひとりで寝るのが寂しい」というおこちゃまな理由を考えれば可愛いとして。
アーサーに至っては、アーサーは……そんな可愛らしいものだろうか?
成人済の男子ではないか。
再会した時に閨がどうのと仰っていたではないか。
果たしてアーサーの「寝る」は抱き枕としての「寝る」なのだろうか?
もう少し大人の「寝る」なのではあるまいか?
ダーウッドは焦った。
動揺が薄い胸の中で暴れている。しかし、預言者としては動揺を表に出してはいけない。
預言者とは神秘的で、王にとって頼れる存在だ。
いつも「なんでもわかっていますぞ」といった顔をしているべきだ。
こんな風に寝所で迫られたりはしないはずなのだ……。
そんな変な王はいなかったのだ。
「へ、陛下っ、私にそのような……お、お許しください?」
夜伽を、夜の奉仕をせよと?
この私に? 神聖で特別な存在のはずの、預言者に?
ベッドの中で抱きすくめられて、体温が上昇する。
頬が紅潮する。鼓動が落ち着かない。
「そ、そんな王様に育てた覚えはありませんぞ!」
別に甲斐甲斐しく育てたわけでもないのに、この時ダーウッドの脳にはそんな思いが湧いた。
「俺はお前に育てられた覚えがないが」
こたえるアーサーの声は、腹立たしいほどに落ち着いていた。眠そうですらある。
「陛下が健やかにご成長なされたのは喜ばしいことでございますが、私にそのような。あのへんた……のせいで、影響を受けてしまわれて、そ、そんな」
「お前、また俺の友を変態呼ばわりしたな。やめるように」
ダーウッドは追い詰められた思考で逃げ道を探した。
青王陛下がお求めなのだ。
とりあえずできることをして満足させて差し上げなければならない……だろうか?
どのように? どうやって?
「私は陛下のためにここまでできます」という忠誠心を示すべきなのか?
「嘆かわしい。とんでもないことです。破廉恥な……ご参考までに、私に奉仕の経験はございませんが、知識はございます。く……口は敷居が高く思いますゆえ、手でもよろしいですかな……」
「お前は何を申しているのだ? 全く理解できぬ。……いいか、俺は眠い。静かにせよ」
アーサーの手がぽんぽんと背中を叩く。
「お前、シュネーの夜に侍る時もこんな風に騒がしいのか。シュネーが寝不足になってしまうだろうに。……なんだその顔? いいか、俺の騎士はきっちりとお前の素行を報告しているのだぞ」
アーサーの言葉に、ダーウッドはぎくりとした。
《輝きのネクロシス》のことや、自分の企みやらが全部知られているのではと思ったのだ。
だが。
「お前は毎晩シュネーと同衾してすやすやと抱き枕になっていたのだと、知っているのだぞ。いくら中性といえど、臣下としてどうなのだ? お前たちは仲が良すぎなのではないか? 許せぬ」
「ぴっ……?」
「なんだその鳴き声。鳥か。結局、鳥なのか? ふむ……預言者の生態とは謎である……」
アーサーはむにゃむにゃと目を閉じて、「まあいい。眠い」と呟いた。
「今後は慎むのだぞ。……今回は許す。黙って寝るように……シュネーはこれのどこがいいのだ。今度もっとふかふかした抱き枕を兄さんが買ってあげよう……いや、兄さんが抱き枕になる……」
シスコン全開な寝言を言いながら、アーサーは健全に眠りに就いた。
妹フィロシュネー姫そっくりの寝相で、すやすやと――少年のよう無垢な寝顔で。
色っぽい気配なんて、皆無だった。
単に、眠るだけなのだ。
たぶん、お寂しくて添い寝がほしかっただけなのだ。
――子どものよう!
「俺が青王だ……そうだな……? お前の王は俺だな……」
寝言がむにゃむにゃと呟くので、ダーウッドは胸が突かれるような思いでそっと頷いた。
「わ、私のアーサー陛下……青王陛下……」
本当にただ眠るだけなのですね。
「私が間違っておりました。邪推してしまった私を、お許しください」
寄り添う王の体温はあたたかで、規則正しい寝息と鼓動は確かな存在感を感じさせる。
(クラストス様の御子様。私の青王様……)
ダーウッドはそれを好ましく感じながら、アーサーの言葉を思い出す。
『兄さんは青王で、神様だ。預言者が選んだ特別な王様なんだ。ダーウッドが神にしてくれたんだぞ』
過去にも、同じようなことを言っていた。
『俺は、この国の王子なんだ。そのうち預言者に神様にしてもらう予定なんだぞ』
……アーサーは、ダーウッドが自分を神様にしてくれたと信じているのだ。
(けれど私には、そんな特別な能力はない。アーサー様、あなたさまの傍にいる私は、あなたさまを神様にすることができないのです。申し訳ありません。あなたさまは……人間なのです……)
ここにいるのがアーサーの信じているような特別で神秘的な預言者だったら、どんなによかっただろう。
アーサーを神様にすることができたら、どんなに……。
心の中で罪悪感と無力感が渦巻く。
そして。
青王の寝顔は健やかで、「まだまだおこちゃま」という無邪気さで、見ていると忠誠心のような親心のような――そんな愛しさもまた、湧いてくるのだった。
王族の言葉は重い。
実行できないことは言わない。
自信がないときは不言実行。
脳筋気味で血気盛んな若者とはいえど、アーサーは基本姿勢として自分の発言の重さと影響力を心得ている。
だから、ダーウッドはアーサーを青王として崇めているのだ。
(預言者らしい振る舞いをしよう。私を預言者だと信じるアーサー様を落胆させてはならない)
そう思いながらも、ダーウッドは困惑していた。
「これは紅国風のナイトローブか。なかなか着心地がいいな」
スポーンと豪快に裸になったアーサーが使用人の手を借りることもなくサッサと就寝用のローブを身にまとっている。
「お前はまさか手伝われないと着替えができない、などと申さぬだろうな?」
「は」
「お前、念のため確認するがシュネーの着替えを覗いたりしておらぬだろうな」
「……」
ダーウッドは背に汗をかきながら冷静を装った。
「当然でございます」
「おい今の間はなんだ……ふむ、まあよい。寝るぞ。来い」
アーサーがベッドをぺしぺし叩いて呼んでいる。
宣言通り、青王アーサーは自分の寝所に預言者を引っ張り込んで、「寝るぞ」と言い出したのだ。
「妹と寝るより俺と寝るのだ。なぜならお前の王は妹ではなく俺だから。当たり前ではないか」
その強引さは妹フィロシュネー姫とそっくりだった。
(このご兄妹は、預言者を何だと思っておられるのか)
預言者は抱き枕ではないのだ。
フィロシュネー姫にも、何度言おうかと思ったことか。
しかし、フィロシュネー姫は「ひとりで寝るのが寂しい」というおこちゃまな理由を考えれば可愛いとして。
アーサーに至っては、アーサーは……そんな可愛らしいものだろうか?
成人済の男子ではないか。
再会した時に閨がどうのと仰っていたではないか。
果たしてアーサーの「寝る」は抱き枕としての「寝る」なのだろうか?
もう少し大人の「寝る」なのではあるまいか?
ダーウッドは焦った。
動揺が薄い胸の中で暴れている。しかし、預言者としては動揺を表に出してはいけない。
預言者とは神秘的で、王にとって頼れる存在だ。
いつも「なんでもわかっていますぞ」といった顔をしているべきだ。
こんな風に寝所で迫られたりはしないはずなのだ……。
そんな変な王はいなかったのだ。
「へ、陛下っ、私にそのような……お、お許しください?」
夜伽を、夜の奉仕をせよと?
この私に? 神聖で特別な存在のはずの、預言者に?
ベッドの中で抱きすくめられて、体温が上昇する。
頬が紅潮する。鼓動が落ち着かない。
「そ、そんな王様に育てた覚えはありませんぞ!」
別に甲斐甲斐しく育てたわけでもないのに、この時ダーウッドの脳にはそんな思いが湧いた。
「俺はお前に育てられた覚えがないが」
こたえるアーサーの声は、腹立たしいほどに落ち着いていた。眠そうですらある。
「陛下が健やかにご成長なされたのは喜ばしいことでございますが、私にそのような。あのへんた……のせいで、影響を受けてしまわれて、そ、そんな」
「お前、また俺の友を変態呼ばわりしたな。やめるように」
ダーウッドは追い詰められた思考で逃げ道を探した。
青王陛下がお求めなのだ。
とりあえずできることをして満足させて差し上げなければならない……だろうか?
どのように? どうやって?
「私は陛下のためにここまでできます」という忠誠心を示すべきなのか?
「嘆かわしい。とんでもないことです。破廉恥な……ご参考までに、私に奉仕の経験はございませんが、知識はございます。く……口は敷居が高く思いますゆえ、手でもよろしいですかな……」
「お前は何を申しているのだ? 全く理解できぬ。……いいか、俺は眠い。静かにせよ」
アーサーの手がぽんぽんと背中を叩く。
「お前、シュネーの夜に侍る時もこんな風に騒がしいのか。シュネーが寝不足になってしまうだろうに。……なんだその顔? いいか、俺の騎士はきっちりとお前の素行を報告しているのだぞ」
アーサーの言葉に、ダーウッドはぎくりとした。
《輝きのネクロシス》のことや、自分の企みやらが全部知られているのではと思ったのだ。
だが。
「お前は毎晩シュネーと同衾してすやすやと抱き枕になっていたのだと、知っているのだぞ。いくら中性といえど、臣下としてどうなのだ? お前たちは仲が良すぎなのではないか? 許せぬ」
「ぴっ……?」
「なんだその鳴き声。鳥か。結局、鳥なのか? ふむ……預言者の生態とは謎である……」
アーサーはむにゃむにゃと目を閉じて、「まあいい。眠い」と呟いた。
「今後は慎むのだぞ。……今回は許す。黙って寝るように……シュネーはこれのどこがいいのだ。今度もっとふかふかした抱き枕を兄さんが買ってあげよう……いや、兄さんが抱き枕になる……」
シスコン全開な寝言を言いながら、アーサーは健全に眠りに就いた。
妹フィロシュネー姫そっくりの寝相で、すやすやと――少年のよう無垢な寝顔で。
色っぽい気配なんて、皆無だった。
単に、眠るだけなのだ。
たぶん、お寂しくて添い寝がほしかっただけなのだ。
――子どものよう!
「俺が青王だ……そうだな……? お前の王は俺だな……」
寝言がむにゃむにゃと呟くので、ダーウッドは胸が突かれるような思いでそっと頷いた。
「わ、私のアーサー陛下……青王陛下……」
本当にただ眠るだけなのですね。
「私が間違っておりました。邪推してしまった私を、お許しください」
寄り添う王の体温はあたたかで、規則正しい寝息と鼓動は確かな存在感を感じさせる。
(クラストス様の御子様。私の青王様……)
ダーウッドはそれを好ましく感じながら、アーサーの言葉を思い出す。
『兄さんは青王で、神様だ。預言者が選んだ特別な王様なんだ。ダーウッドが神にしてくれたんだぞ』
過去にも、同じようなことを言っていた。
『俺は、この国の王子なんだ。そのうち預言者に神様にしてもらう予定なんだぞ』
……アーサーは、ダーウッドが自分を神様にしてくれたと信じているのだ。
(けれど私には、そんな特別な能力はない。アーサー様、あなたさまの傍にいる私は、あなたさまを神様にすることができないのです。申し訳ありません。あなたさまは……人間なのです……)
ここにいるのがアーサーの信じているような特別で神秘的な預言者だったら、どんなによかっただろう。
アーサーを神様にすることができたら、どんなに……。
心の中で罪悪感と無力感が渦巻く。
そして。
青王の寝顔は健やかで、「まだまだおこちゃま」という無邪気さで、見ていると忠誠心のような親心のような――そんな愛しさもまた、湧いてくるのだった。
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