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2、協奏のキャストライト
108、青空の商会戦線3~幸せのベルを鳴らして、売る、売る、売る、マッチポンプ、スパダリ!
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セリーナが明るい声で提案する。
「姫様、あちらのガーデン用オブジェのベルをノイエスタル準男爵と鳴らしてみませんか? 愛の女神様の祝福を受けたベルなのですって! 大切な方と一緒に鳴らすと幸せになれるらしいのです」
見せてくれたのは、優美なデザインのオブジェだった。
壁に取り付けて飾るタイプで、綺麗な曲線を描くアーム部分は木の枝をモチーフにしているよう。アームの先に白いリボンが愛らしい金色のベルが吊られている。
木の枝の先端には小鳥のお人形がちょこんと留まっていて、壁側になる枝の根元側には小鳥を狙う猫さんのお人形があるのが、物語性を感じさせる。
「逃げて、小鳥さ~ん」
カラン、カランと軽やかな音をたててベルを鳴らすと、小鳥のお人形が「ちぃ、ちぃ、ぴぴぴ」と鳴いたのでフィロシュネーはびっくりした。しかも、そのあとで猫さんのお人形も「んなぁお!」と鳴くではないか。
「わぁっ、面白いのね」
「買いましょうか、姫?」
サイラスは直前の問いかけを忘れた様子で、「将来住むお家のお庭に置きましょう」などと言うのだ。
「わーっ、素敵!」
「私も恋人と将来の話をしながらベルを鳴らしたいわ」
サクラ役がそれに続き、華やかな声をあげる。
「一家に一台、幸せのベルを!」
今こそ売り時! と商人が売り文句を満面の笑みでとなえて、箱がどんどん運ばれてくる。
「これ売り物だったの」
あ~、行列ができている! すごい。
フィロシュネーはサイラスの顔色をうかがった。俺で商売するなら金をよこせ、と言うのではないかと思ったのだ。けれど。
「よい買い物ができましたね。女神の加護があるといいですね」
目が合ったサイラスは上機嫌だった。この男がお金を使って嬉しそうにするイメージがなかったので、フィロシュネーは戸惑った。
(そ、そうね、あなた……もうお金に困っていないのね)
故郷の村にお金を貢いでいた男は、もういないのだ。
「こちらはなんです? クッキー?」
サイラスはセリーナから商品のクッキーを受け取り、差し出してくる。もうすっかり誤魔化されている。
「姫、召し上がれ」
これは「あーん」というやつではないかしら。
「いただきますわ」
パクリと食べると、クッキーが次々と売れていった。
「宣伝効果がすごいです! さすが姫様……っ、恐れながら、チェスもご披露いただけますか?」
セリーナは何かのスイッチが入ったように生き生きとしている。
「いいでしょう」
そしてなぜかサイラスも謎のスイッチが入ったように乗り気。
「見せつけましょう。これがスパダリの振る舞いです」
それ、スパダリなのかしら。フィロシュネーは不思議に思った。
「あのねサイラス……」
スパダリは、パーフェクトな貴公子だ。乙女の理想の王子様だ。外見がいい。人柄がいい。大人の余裕と包容力があって社会的地位がある……あら、それって割と条件満たされている……?
「なんでしょう、姫?」
「う……ん? なんでもありません」
しかし、商売のために宣伝活動するのがスパダリの振る舞いと言われると「そうね、それがスパダリね」とも言いにくい。
「スパダリって難しい概念なのね」
フィロシュネーはしみじみとした。そして、ちょっぴり欲を出した。
「難しい概念に挑む騎士様に、ご褒美をあげてもいい?」
ちらちらと上目に見ると、察したらしき顔が近づいて止まる。
「俺のお姫様はご褒美をくださるのですね」
「ええ、そうです。頑張ったらご褒美があるの」
ちゅっと頬にキスを贈れば、サイラスはフィロシュネーの髪をひとふさ手に取って、髪にキスを返してくれた。
その仕草が自然に流れるような優美さがあって、いやらしさがなくて紳士的で、様になっていて、……格好いい!
「練習しました」
――何を練習してるのよ! そして、誰と……?
「わあぁ……っ」
周囲が微笑ましそうな顔をして――ガーデンオブジェとクッキーがますます売れる!
「ひ、姫様~~! 素晴らしいです! 今です、宣伝文句を読んでください! 効果が大きいと思うのです」
セリーナがカンペを持っている。目がギラギラとした商人の目になっている。
(誰が見てもカンペを見てるとわかるのに、それで効果あるの?)
疑問に思いつつ、フィロシュネーは読んだ。
「なんとこの魔法チェス、相手の魔力を奪えるのですわ。でもわたくしは平気なの」
「なんということでしょう。俺はどんどん吸われています。しかし、愛しい方に精魂吸われるのは男の本懐……お待ちください、この台本は受け取りようによっては下品な意味にも読める気が……」
サイラスが何か言ってる。
「姫が平気なのはよいとして、この魔法チェスは一般市民用の遊具として危険ではありませんか?」
「実はここだけの話、わたくしもそう思うの」
見ていた客はこの会話でも喜んで魔法チェスを買っていく。ひとりが買うと、我も我もと行列をつくる。行列ができると、それを見たひとがまた並ぶ。
どうも、この会話でも宣伝効果はあったらしい。
「どうしてよ……」
危険って言ったのに。わたくし、お客さんの気持ちがわからない――フィロシュネーは不思議でたまらなかった。
「このアミュレットに今からフェニックスの羽が触れますよ~!」
セリーナは楽しそうにアミュレットをフェニックスの羽にぺたっと付けた。
「おおーー!!」
「これはこの世にただひとつの特別なアミュレットとなりました! はいっ、オークションを始めます!」
あの商売方法、いいのぉ……? フェニックス、にせものよぉ……?
謎のオークションに唖然とするフィロシュネーの耳には、得意分野の話題が聞こえる。
「恋愛物語コーナーだってよ」
「へーえ、娘への土産にするかなぁ……どれが良いのかわからんが……」
「うーん、何ページか読もうとしたがわからん」
なんとおじさまたちが恋愛物語を手にとっている!
「俺も最初は意味がわからなくて同じページを何度も読んでなかなかの苦行でしたが、何冊か読むとお約束がわかってきて楽になりますよ」
いつの間にかサイラスがおじさまたちにアドバイスをしている!
「お嬢様向けはこちら、奥様向けはこちら。男性も楽しめるのはこのシリーズ……」
フィロシュネーは耳を疑った。
(あ、あなた、他人に本がお勧めできるほど何冊も読んでいるの!? 詳しくなっちゃったの!?)
びっくりしていると、カントループ商会の会話が聞こえる。
「殿下! 敵商会の商品の設計書を入手しました」
「カントループです。しかし、よくやりましたねルーンフォーク。素晴らしい~! では全力で模造しましょう」
あっちもこっちも好き放題しているせいで情緒が追いつかない!
「あの方々、悪だと思うの」
あれ、でもそれではわたくしも悪の仲間……?
「姫、よくあることです」
「よくあるのぉ……!?」
驚くばかりのフィロシュネーの視線の先で、壁に貼られていたクラーケン商会の求人募集の紙が剥がされる。そして、同じ場所にメリーファクト商会の求人募集の紙が。しかも給金はクラーケン商会の倍である。
「ねえ、あのやりかた、本当にいいのぉ……!?」
そうこうするうちに、シューエンが颯爽と駆けてきて膝をつく。
「密猟団を捕まえました。青国の氷雪騎士団の手柄でございますっ!」
――喜ばしい報告に、二つの商会が湧いた。
そんな中。
「商会長、クラーケン商会に兄フェリシエンの姿があります」
「では、参りましょう」
ルーンフォークの報告に、ハルシオンが立ち上がる。仮面の商会長の姿で歩み寄る先は、クラーケン商会だった。大きな声が聞こえてくる。
「メリーなんとか商会のやり方は悪どいですね! 私が信仰する商業神の教義に合いませんっ! わが商会は神による天啓を得て、クラーケン商会をご支援申し上げたく参りました」
ハルシオンの企みは、シンプルだ。
メリーファクト商会に喧嘩をふっかけさせる役を任せて、カントループ商会が助けに入るフリをする。敵と手を結び、騙し討ちにしてやろうというのである。
こういうのをマッチポンプという。
『シュネーさん……』
ハルシオンの声が心によみがえる。
『正義のためです。結果的に悪を倒せるのですから、悪どいやり方に思えてもこれは正義です』
そうかしら~、そうかしら~?
「あの方々、悪だと思うの」
フィロシュネーは心の底からそう思った。
「姫様、あちらのガーデン用オブジェのベルをノイエスタル準男爵と鳴らしてみませんか? 愛の女神様の祝福を受けたベルなのですって! 大切な方と一緒に鳴らすと幸せになれるらしいのです」
見せてくれたのは、優美なデザインのオブジェだった。
壁に取り付けて飾るタイプで、綺麗な曲線を描くアーム部分は木の枝をモチーフにしているよう。アームの先に白いリボンが愛らしい金色のベルが吊られている。
木の枝の先端には小鳥のお人形がちょこんと留まっていて、壁側になる枝の根元側には小鳥を狙う猫さんのお人形があるのが、物語性を感じさせる。
「逃げて、小鳥さ~ん」
カラン、カランと軽やかな音をたててベルを鳴らすと、小鳥のお人形が「ちぃ、ちぃ、ぴぴぴ」と鳴いたのでフィロシュネーはびっくりした。しかも、そのあとで猫さんのお人形も「んなぁお!」と鳴くではないか。
「わぁっ、面白いのね」
「買いましょうか、姫?」
サイラスは直前の問いかけを忘れた様子で、「将来住むお家のお庭に置きましょう」などと言うのだ。
「わーっ、素敵!」
「私も恋人と将来の話をしながらベルを鳴らしたいわ」
サクラ役がそれに続き、華やかな声をあげる。
「一家に一台、幸せのベルを!」
今こそ売り時! と商人が売り文句を満面の笑みでとなえて、箱がどんどん運ばれてくる。
「これ売り物だったの」
あ~、行列ができている! すごい。
フィロシュネーはサイラスの顔色をうかがった。俺で商売するなら金をよこせ、と言うのではないかと思ったのだ。けれど。
「よい買い物ができましたね。女神の加護があるといいですね」
目が合ったサイラスは上機嫌だった。この男がお金を使って嬉しそうにするイメージがなかったので、フィロシュネーは戸惑った。
(そ、そうね、あなた……もうお金に困っていないのね)
故郷の村にお金を貢いでいた男は、もういないのだ。
「こちらはなんです? クッキー?」
サイラスはセリーナから商品のクッキーを受け取り、差し出してくる。もうすっかり誤魔化されている。
「姫、召し上がれ」
これは「あーん」というやつではないかしら。
「いただきますわ」
パクリと食べると、クッキーが次々と売れていった。
「宣伝効果がすごいです! さすが姫様……っ、恐れながら、チェスもご披露いただけますか?」
セリーナは何かのスイッチが入ったように生き生きとしている。
「いいでしょう」
そしてなぜかサイラスも謎のスイッチが入ったように乗り気。
「見せつけましょう。これがスパダリの振る舞いです」
それ、スパダリなのかしら。フィロシュネーは不思議に思った。
「あのねサイラス……」
スパダリは、パーフェクトな貴公子だ。乙女の理想の王子様だ。外見がいい。人柄がいい。大人の余裕と包容力があって社会的地位がある……あら、それって割と条件満たされている……?
「なんでしょう、姫?」
「う……ん? なんでもありません」
しかし、商売のために宣伝活動するのがスパダリの振る舞いと言われると「そうね、それがスパダリね」とも言いにくい。
「スパダリって難しい概念なのね」
フィロシュネーはしみじみとした。そして、ちょっぴり欲を出した。
「難しい概念に挑む騎士様に、ご褒美をあげてもいい?」
ちらちらと上目に見ると、察したらしき顔が近づいて止まる。
「俺のお姫様はご褒美をくださるのですね」
「ええ、そうです。頑張ったらご褒美があるの」
ちゅっと頬にキスを贈れば、サイラスはフィロシュネーの髪をひとふさ手に取って、髪にキスを返してくれた。
その仕草が自然に流れるような優美さがあって、いやらしさがなくて紳士的で、様になっていて、……格好いい!
「練習しました」
――何を練習してるのよ! そして、誰と……?
「わあぁ……っ」
周囲が微笑ましそうな顔をして――ガーデンオブジェとクッキーがますます売れる!
「ひ、姫様~~! 素晴らしいです! 今です、宣伝文句を読んでください! 効果が大きいと思うのです」
セリーナがカンペを持っている。目がギラギラとした商人の目になっている。
(誰が見てもカンペを見てるとわかるのに、それで効果あるの?)
疑問に思いつつ、フィロシュネーは読んだ。
「なんとこの魔法チェス、相手の魔力を奪えるのですわ。でもわたくしは平気なの」
「なんということでしょう。俺はどんどん吸われています。しかし、愛しい方に精魂吸われるのは男の本懐……お待ちください、この台本は受け取りようによっては下品な意味にも読める気が……」
サイラスが何か言ってる。
「姫が平気なのはよいとして、この魔法チェスは一般市民用の遊具として危険ではありませんか?」
「実はここだけの話、わたくしもそう思うの」
見ていた客はこの会話でも喜んで魔法チェスを買っていく。ひとりが買うと、我も我もと行列をつくる。行列ができると、それを見たひとがまた並ぶ。
どうも、この会話でも宣伝効果はあったらしい。
「どうしてよ……」
危険って言ったのに。わたくし、お客さんの気持ちがわからない――フィロシュネーは不思議でたまらなかった。
「このアミュレットに今からフェニックスの羽が触れますよ~!」
セリーナは楽しそうにアミュレットをフェニックスの羽にぺたっと付けた。
「おおーー!!」
「これはこの世にただひとつの特別なアミュレットとなりました! はいっ、オークションを始めます!」
あの商売方法、いいのぉ……? フェニックス、にせものよぉ……?
謎のオークションに唖然とするフィロシュネーの耳には、得意分野の話題が聞こえる。
「恋愛物語コーナーだってよ」
「へーえ、娘への土産にするかなぁ……どれが良いのかわからんが……」
「うーん、何ページか読もうとしたがわからん」
なんとおじさまたちが恋愛物語を手にとっている!
「俺も最初は意味がわからなくて同じページを何度も読んでなかなかの苦行でしたが、何冊か読むとお約束がわかってきて楽になりますよ」
いつの間にかサイラスがおじさまたちにアドバイスをしている!
「お嬢様向けはこちら、奥様向けはこちら。男性も楽しめるのはこのシリーズ……」
フィロシュネーは耳を疑った。
(あ、あなた、他人に本がお勧めできるほど何冊も読んでいるの!? 詳しくなっちゃったの!?)
びっくりしていると、カントループ商会の会話が聞こえる。
「殿下! 敵商会の商品の設計書を入手しました」
「カントループです。しかし、よくやりましたねルーンフォーク。素晴らしい~! では全力で模造しましょう」
あっちもこっちも好き放題しているせいで情緒が追いつかない!
「あの方々、悪だと思うの」
あれ、でもそれではわたくしも悪の仲間……?
「姫、よくあることです」
「よくあるのぉ……!?」
驚くばかりのフィロシュネーの視線の先で、壁に貼られていたクラーケン商会の求人募集の紙が剥がされる。そして、同じ場所にメリーファクト商会の求人募集の紙が。しかも給金はクラーケン商会の倍である。
「ねえ、あのやりかた、本当にいいのぉ……!?」
そうこうするうちに、シューエンが颯爽と駆けてきて膝をつく。
「密猟団を捕まえました。青国の氷雪騎士団の手柄でございますっ!」
――喜ばしい報告に、二つの商会が湧いた。
そんな中。
「商会長、クラーケン商会に兄フェリシエンの姿があります」
「では、参りましょう」
ルーンフォークの報告に、ハルシオンが立ち上がる。仮面の商会長の姿で歩み寄る先は、クラーケン商会だった。大きな声が聞こえてくる。
「メリーなんとか商会のやり方は悪どいですね! 私が信仰する商業神の教義に合いませんっ! わが商会は神による天啓を得て、クラーケン商会をご支援申し上げたく参りました」
ハルシオンの企みは、シンプルだ。
メリーファクト商会に喧嘩をふっかけさせる役を任せて、カントループ商会が助けに入るフリをする。敵と手を結び、騙し討ちにしてやろうというのである。
こういうのをマッチポンプという。
『シュネーさん……』
ハルシオンの声が心によみがえる。
『正義のためです。結果的に悪を倒せるのですから、悪どいやり方に思えてもこれは正義です』
そうかしら~、そうかしら~?
「あの方々、悪だと思うの」
フィロシュネーは心の底からそう思った。
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