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1、贖罪のスピネル
56、父の悲願なんだ。約束なんだ。
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静かになった室内に、過去が流れる。
オルーサは、弟妹たちに謝った。父とフィロソフィアの骸に詫びて、彼らを土に還した。
そして、呪われた大地に向き合った。
大地には暗い霧が立ち込め、植物や動物たちは次々と命を枯らし、あるいはその存在を歪めて魔性の植物や魔性の動物に変貌していた。流れていた川は干上がり、あるいは毒水に変わっている。
「死して詫びるべきだと思う。だが、弟妹たちよ。この大地をなんとかしないと、お前たちは生きていけないだろう」
オルーサはそう言って大地の浄化に取り掛かった。
「俺は、父の傍に一番長くいた。だから、その心がわかる。父カントループは、自分と同じ人類に滅びず続いてほしかったのだ。だから、ここにいる弟妹たちは滅んではいけない。交配し、次の世代をつくり、以前カントループがその一員であったような、『何代も世代を重ねた大地に根付く自然な人類』となるのだ。国をつくり、歴史を紡いでいくのだ」
オルーサはそう目標を掲げて、カントループが改造途中だった新人類の男に少し手を加えて覚醒させた。
男は、『聖女に相応しい英傑であれ』とカントループから魔力を注がれていた。
「我らの英雄」
オルーサは、そう呼んだ。
「哀しい事故があって、我々の創造主と、その娘――お前の恋人フィロソフィアが死んだ。大地が呪われ、我々は危機に陥っている。英雄として改造されたお前には、力がある。大地の浄化を手伝ってほしい」
英雄は大いに悲しみ、けれど道義心を持ってオルーサやオルーサの弟妹たちと共に大地の浄化や人間らしさのある社会構築に努めてくれた。
「英雄! 魔物を倒してくれてありがとう。おかげでその一帯に村をつくれるぞ。よしよし、しめしめ」
「オルーサ。酒を飲んで宴をひらこう。息抜きも大事さ、よしよし、しめしめ?」
「ははっ……! いいね!」
浄化に明け暮れる日々が、数百年。
オルーサの弟妹たちはぎりぎり人が住める環境で生き延び、人間らしく子孫をつくり、世代交代を果たしていった。彼らはオルーサを『呪術王』として崇めた。
「いいぞ、俺たちの国はとても人間の国っぽい。滅亡した人類は蘇った。父の悲願を俺が達成したんだ。ありがとう英雄! 大好き英雄!」
オルーサは英雄に懐いた。自分が父や英雄の恋人を殺したという真実を伏せている、騙しているという罪悪感を心の奥底に封じて秘めたまま。
英雄もまた、オルーサを友と呼んだ。彼らは良好な関係だった。
しかし。
大地の呪いは強力で、浄化を試みる者たち自身が呪いの影響を受けていた。
最初は気づかなかった英雄たちも、やがて呪いの影響で心に闇が広がっていくのを感じ始めた。
彼らは、呪われた大地を救うために汚れた魂を抱えながらも浄化をし続けたが、その心には憎しみや怒り、絶望が広がりやすくなっていった。疲れ果て、苦しみに満ちた心を抱えて、ついに英雄が言った。
「俺はもうだめだ。ここまでだ。これ以上生きていると、逆に呪いを広げたり、悪心を持って人々に害を成す存在になってしまうだろう」
だから、後を託して俺は死を選ぶ。そう英雄が語ってオルーサが縋りつこうとした時、突然遠くから奇妙な鳥の鳴き声が聞こえてきた。
ぴぃ、ぴぃ、ぴるるる……♪
鳴き声は次第に大きくなり、やがて彼らの前に、朱色に輝く美しい鳥が現れた。
鳥が輝く翼を広げて美しい歌声を奏でると、彼らの魂は少しではあるが間違いなく浄化され、心に希望の光が蘇った。
……しかし、鳥は同時にオルーサが隠していた真実を英雄に見せてしまった。
当然、二人の関係には亀裂が入った。
「俺を騙したんだな、オルーサ。数百年にも渡る長い間、真実を伏せて。俺を利用したんだな……!」
この呪われた大地に根付いた人間たちは悪くない。
だが、オルーサは許せない。
英雄は、怒りに燃えた。
長年にわたって築き上げた信頼と友情は、一瞬で崩れ去った。
「すまなかった! 悪かった! 俺は、心を芽生えさせたばかりだったんだ! とても後悔しているんだ! 言い出せなかったんだ……嫌われたくなくて、どんどん言い出しにくくなっていったんだ……」
オルーサがどんなに詫びても、もう敵意が加速するだけだった。
英雄の心は自分が利用されたという悔しさとオルーサに対する不信感といった負の感情でいっぱいになり、闇に包まれた。
「英雄、英雄! この鳥を改造して、浄化をもっと楽にできると思うんだ! この鳥はさ、輪廻転生の力もあるようなんだよ。これを研究したら、お前の恋人を転生させられるかも……」
「改造? そうだ。お前たちは、勝手に俺の体や魂を改造だってしやがった……!!」
オルーサの存在自体が、英雄にとって許せないものになってしまった。
彼は、どんどんその闇を深くしていった。
「父の罪も謝るよ! 全部全部、謝罪するよ! 俺が償うよ! 約束するよ、フィロソフィアを転生させて、英雄に返すよう……!!」
オルーサは泣きながら地に額をつけ、許しを願った。
「どうかどうか、許してよう。やめてくれよう。そんなに闇を深めて、呪いを放ったりしないでおくれよう。父の大切な人類が滅びちゃう。父の悲願なんだ。ここまで復興した人類を、生かしたい……」
そしてついに、彼は自分の命を媒体としてオルーサを呪った。
「輪廻転生? やってみろ。ただし、俺はもうお前に協力しない。俺はお前を呪ってやる――」
英雄は、告げた。
「約束を果たすまで、オルーサは死なない。例え人類が滅びても、独りで永遠に生きるんだな。オルーサは誰とも心を通わせることができない。お前は死ぬまで孤独であれ」
そして、オルーサの贖罪は始まる。
オルーサは人類が滅びないよう大地の汚染度をぎりぎり生存可能なレベルに保ちつつ、その傍らで術を研究して神鳥をつくり、転生の秘術に手を届かせた。
魂を扱う神秘の術は繊細で至難の技術だった。まず、広大な世界のどこかに転生している魂を探さないといけない。二人分だ。
フィロソフィアの転生体は王族に生まれるのですぐわかったが、英雄の魂がが再び転生する場所や時期を見つけることは容易ではなかった。
しかも、英雄の魂は闇に染まってしまっていて、その魂の闇の深さは時に彼を魔物の発生源のような存在に変えてしまい、周辺に多大な被害や恐怖をもたらすことも多かった。オルーサは「今回転生した彼らは一緒になれない」と判断するたびに二人を殺し、再度転生するよう促した。
オルーサはフィロソフィアと英雄の魂を探しては、番わせることができる状態での転生を何度も試みた。
「英雄の魂は、少しずつ浄化されている」
オルーサは孤独な戦いを続けながら、少しずつ英雄の魂が浄化される手応えを感じるようになっていた。しかし、彼は呪いの影響を受け続け、人間を下等生物と思うようになっていた。
自分の心に長く巣食う悲痛や孤独、愛情への飢餓に苛まれ、その悪意を世界の自然や人間たちに向けて発散するようになっていた。
オルーサには、人間を全滅させるという選択肢は選べなかった。
人間たちがこの大地に生きる種族であり続けるというのは、彼にとって絶対だった。
「父の悲願なんだ。英雄との約束なんだ。この虫ケラどもを絶やさず、転生した二人を娶せるんだ……」
代わりに彼らを生かしながら虐げることで、自らの孤独や苛立ちをまぎれるようにした。
長くつらい人生を終わらせたい。
許されたい。
オルーサは自らの望む結末を迎えるために、人間たちにとっては恐怖と絶望をもたらす存在となってしまった。
――そうして、悪の呪術師はできあがったのだ。
映像が終わり、室内に静寂が訪れる。
ハルシオンはオルーサの人生を神妙な目で見つめていた。
彼の指先が壊れた赤い宝石を優しく撫でる。
空気を震わせる声もなく、透明な涙が彼の頬を伝い落ちて、ポタリと宝石を濡らした。
割れた宝石の表面はつるりと涙滴を下へと垂らして、とても綺麗にきらきらと輝いて見えて――フィロシュネーはその美しさを忘れないようにしようと思った。
オルーサは、弟妹たちに謝った。父とフィロソフィアの骸に詫びて、彼らを土に還した。
そして、呪われた大地に向き合った。
大地には暗い霧が立ち込め、植物や動物たちは次々と命を枯らし、あるいはその存在を歪めて魔性の植物や魔性の動物に変貌していた。流れていた川は干上がり、あるいは毒水に変わっている。
「死して詫びるべきだと思う。だが、弟妹たちよ。この大地をなんとかしないと、お前たちは生きていけないだろう」
オルーサはそう言って大地の浄化に取り掛かった。
「俺は、父の傍に一番長くいた。だから、その心がわかる。父カントループは、自分と同じ人類に滅びず続いてほしかったのだ。だから、ここにいる弟妹たちは滅んではいけない。交配し、次の世代をつくり、以前カントループがその一員であったような、『何代も世代を重ねた大地に根付く自然な人類』となるのだ。国をつくり、歴史を紡いでいくのだ」
オルーサはそう目標を掲げて、カントループが改造途中だった新人類の男に少し手を加えて覚醒させた。
男は、『聖女に相応しい英傑であれ』とカントループから魔力を注がれていた。
「我らの英雄」
オルーサは、そう呼んだ。
「哀しい事故があって、我々の創造主と、その娘――お前の恋人フィロソフィアが死んだ。大地が呪われ、我々は危機に陥っている。英雄として改造されたお前には、力がある。大地の浄化を手伝ってほしい」
英雄は大いに悲しみ、けれど道義心を持ってオルーサやオルーサの弟妹たちと共に大地の浄化や人間らしさのある社会構築に努めてくれた。
「英雄! 魔物を倒してくれてありがとう。おかげでその一帯に村をつくれるぞ。よしよし、しめしめ」
「オルーサ。酒を飲んで宴をひらこう。息抜きも大事さ、よしよし、しめしめ?」
「ははっ……! いいね!」
浄化に明け暮れる日々が、数百年。
オルーサの弟妹たちはぎりぎり人が住める環境で生き延び、人間らしく子孫をつくり、世代交代を果たしていった。彼らはオルーサを『呪術王』として崇めた。
「いいぞ、俺たちの国はとても人間の国っぽい。滅亡した人類は蘇った。父の悲願を俺が達成したんだ。ありがとう英雄! 大好き英雄!」
オルーサは英雄に懐いた。自分が父や英雄の恋人を殺したという真実を伏せている、騙しているという罪悪感を心の奥底に封じて秘めたまま。
英雄もまた、オルーサを友と呼んだ。彼らは良好な関係だった。
しかし。
大地の呪いは強力で、浄化を試みる者たち自身が呪いの影響を受けていた。
最初は気づかなかった英雄たちも、やがて呪いの影響で心に闇が広がっていくのを感じ始めた。
彼らは、呪われた大地を救うために汚れた魂を抱えながらも浄化をし続けたが、その心には憎しみや怒り、絶望が広がりやすくなっていった。疲れ果て、苦しみに満ちた心を抱えて、ついに英雄が言った。
「俺はもうだめだ。ここまでだ。これ以上生きていると、逆に呪いを広げたり、悪心を持って人々に害を成す存在になってしまうだろう」
だから、後を託して俺は死を選ぶ。そう英雄が語ってオルーサが縋りつこうとした時、突然遠くから奇妙な鳥の鳴き声が聞こえてきた。
ぴぃ、ぴぃ、ぴるるる……♪
鳴き声は次第に大きくなり、やがて彼らの前に、朱色に輝く美しい鳥が現れた。
鳥が輝く翼を広げて美しい歌声を奏でると、彼らの魂は少しではあるが間違いなく浄化され、心に希望の光が蘇った。
……しかし、鳥は同時にオルーサが隠していた真実を英雄に見せてしまった。
当然、二人の関係には亀裂が入った。
「俺を騙したんだな、オルーサ。数百年にも渡る長い間、真実を伏せて。俺を利用したんだな……!」
この呪われた大地に根付いた人間たちは悪くない。
だが、オルーサは許せない。
英雄は、怒りに燃えた。
長年にわたって築き上げた信頼と友情は、一瞬で崩れ去った。
「すまなかった! 悪かった! 俺は、心を芽生えさせたばかりだったんだ! とても後悔しているんだ! 言い出せなかったんだ……嫌われたくなくて、どんどん言い出しにくくなっていったんだ……」
オルーサがどんなに詫びても、もう敵意が加速するだけだった。
英雄の心は自分が利用されたという悔しさとオルーサに対する不信感といった負の感情でいっぱいになり、闇に包まれた。
「英雄、英雄! この鳥を改造して、浄化をもっと楽にできると思うんだ! この鳥はさ、輪廻転生の力もあるようなんだよ。これを研究したら、お前の恋人を転生させられるかも……」
「改造? そうだ。お前たちは、勝手に俺の体や魂を改造だってしやがった……!!」
オルーサの存在自体が、英雄にとって許せないものになってしまった。
彼は、どんどんその闇を深くしていった。
「父の罪も謝るよ! 全部全部、謝罪するよ! 俺が償うよ! 約束するよ、フィロソフィアを転生させて、英雄に返すよう……!!」
オルーサは泣きながら地に額をつけ、許しを願った。
「どうかどうか、許してよう。やめてくれよう。そんなに闇を深めて、呪いを放ったりしないでおくれよう。父の大切な人類が滅びちゃう。父の悲願なんだ。ここまで復興した人類を、生かしたい……」
そしてついに、彼は自分の命を媒体としてオルーサを呪った。
「輪廻転生? やってみろ。ただし、俺はもうお前に協力しない。俺はお前を呪ってやる――」
英雄は、告げた。
「約束を果たすまで、オルーサは死なない。例え人類が滅びても、独りで永遠に生きるんだな。オルーサは誰とも心を通わせることができない。お前は死ぬまで孤独であれ」
そして、オルーサの贖罪は始まる。
オルーサは人類が滅びないよう大地の汚染度をぎりぎり生存可能なレベルに保ちつつ、その傍らで術を研究して神鳥をつくり、転生の秘術に手を届かせた。
魂を扱う神秘の術は繊細で至難の技術だった。まず、広大な世界のどこかに転生している魂を探さないといけない。二人分だ。
フィロソフィアの転生体は王族に生まれるのですぐわかったが、英雄の魂がが再び転生する場所や時期を見つけることは容易ではなかった。
しかも、英雄の魂は闇に染まってしまっていて、その魂の闇の深さは時に彼を魔物の発生源のような存在に変えてしまい、周辺に多大な被害や恐怖をもたらすことも多かった。オルーサは「今回転生した彼らは一緒になれない」と判断するたびに二人を殺し、再度転生するよう促した。
オルーサはフィロソフィアと英雄の魂を探しては、番わせることができる状態での転生を何度も試みた。
「英雄の魂は、少しずつ浄化されている」
オルーサは孤独な戦いを続けながら、少しずつ英雄の魂が浄化される手応えを感じるようになっていた。しかし、彼は呪いの影響を受け続け、人間を下等生物と思うようになっていた。
自分の心に長く巣食う悲痛や孤独、愛情への飢餓に苛まれ、その悪意を世界の自然や人間たちに向けて発散するようになっていた。
オルーサには、人間を全滅させるという選択肢は選べなかった。
人間たちがこの大地に生きる種族であり続けるというのは、彼にとって絶対だった。
「父の悲願なんだ。英雄との約束なんだ。この虫ケラどもを絶やさず、転生した二人を娶せるんだ……」
代わりに彼らを生かしながら虐げることで、自らの孤独や苛立ちをまぎれるようにした。
長くつらい人生を終わらせたい。
許されたい。
オルーサは自らの望む結末を迎えるために、人間たちにとっては恐怖と絶望をもたらす存在となってしまった。
――そうして、悪の呪術師はできあがったのだ。
映像が終わり、室内に静寂が訪れる。
ハルシオンはオルーサの人生を神妙な目で見つめていた。
彼の指先が壊れた赤い宝石を優しく撫でる。
空気を震わせる声もなく、透明な涙が彼の頬を伝い落ちて、ポタリと宝石を濡らした。
割れた宝石の表面はつるりと涙滴を下へと垂らして、とても綺麗にきらきらと輝いて見えて――フィロシュネーはその美しさを忘れないようにしようと思った。
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