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1、贖罪のスピネル
39、ローズ女王陛下は同性愛者です
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広場に戻ると、これから劇が演じられる予定のステージ周辺のテーブルに人々が集まっている。
「姫殿下にはこちらの特別席を用意しております」
ミランダが手を引いて、案内してくれる。
「特別席はステージの目の前に設けられているため、劇を見るには最適な場所に位置しています」
特別席のテーブルは装飾され、上質な生地で覆われた椅子が用意されていた。周囲には花々が飾られていて、飾りの外側に旗が並んでいる。
空色の盾の中に銀色の三日月と星が描かれた旗は、王兄ハルシオンの旗。
寄り添う旗は青地で、中央にカントループ商会の紋章が描かれている。
木目が美しいテーブルに、料理が並べられる。
温もりの感じられる木製の容器に盛られた赤身肉、大きな赤海老。緑の葉っぱにのったウインナー。
小さな皿に盛られた白、赤、黄色の香辛料。
赤ピーマン、黄色いピーマン、焼肉、キノコの順に刺された串焼き。
白い貝殻に乗った貝には旗がたてられた盛り付けには、味だけではなく見た目でも楽しませようという心意気を感じる。
カリッと焼き上げた生地の内側に、彩り鮮やかな赤い野菜や黄色いコーンがたっぷりと盛り付けられている料理が、目を惹く。
半透明の生地で葉っぱをぐるりと巻いた巻物も、気になる。食べて見ると、上品な味わいで美味しい。中にたくさんの具がいっぱい入っていた。じゅわっと中からあったかなタレが溢れて、具の味とタレが混ざって、味わい深い。
夕映えの茜の空に、夜を待てない先取りの花火が打ち上げられて咲く。
その様子を見上げる人々の姿は、印象的だった。
「このようなお祭りは、人々の絆を深め、様々な文化や伝統を共有する場として、とても大切なイベントです」
木製ジョッキを傾けながらサイラスが語るので、フィロシュネーはそっと頷いた。
「サイラス、それはお酒ね? 美味しい?」
大人はお酒が好きだ。
酔うのは楽しくて、気持ちいいらしい。フィロシュネーは興味を抱いた。
「まあまあです」
手を伸ばすと、あげませんよというようにジョッキが遠ざけられる。
「まあまあってなんです、お酒に失礼ではなくて?」
「俺はなぜ酒に礼を尽くさねばならないのですか。とても美味しいです」
目を細めて言い直してくれる男の首には、しなやかで滑らかな黒い皮紐のペンダントがある。
ペンダントトップはシャツの内側に隠れて見えないが、先ほどまではなかった。
「お仕事のご褒美?」
「姫は観察眼に優れておいでですね」
どんなお仕事をしたのだろう。好奇心をそそられるフィロシュネーの耳に、劇の開幕を知らせる声と、拍手が聞こえた。
劇の女王様は悪役にならず、台本通りにちゃんとヒロインを演じていた。
* * *
「お気をつけて。移ろいの術を得意とするのです、あの呪術師は。ルビーに触れてはなりません」
舞台の上で、ク・シャール紅国の女王アリアンナ・ローズが悪の呪術師にその命を脅かされつつ、気丈な声を響かせている。
そんな美しい女王を華麗に助けるのが、青国と空国で『黒の英雄』と呼ばれる傭兵だった。
「ご自分の活躍を観るのって、どんな気分ですの? 嬉しい? 恥ずかしい? 今のお気持ちは?」
フィロシュネーはわくわくしながら傍らの『本物』に問いかけた。
「俺を使って金稼ぎするなら、興行収入の一部は俺にくれてもいいのではないでしょうか」
「あとで交渉してごらんなさいな……」
「ちなみに、現実の呪術師はルビーに魔力を貯めて引き出すのを好んでいただけなので、ルビーには触れても大丈夫です」
本人が現実と作り話の違いを説明してくれる。贅沢だ。
劇の中では、倒れた呪術師のそばに寄った女王の騎士が、呪術師の頭に手を伸ばしていた。女王の騎士は、女性だった。ミランダに少し似ていて、親近感が湧く。
女王の騎士が手を伸ばした先には、真っ赤なルビーを中央に輝かせる黄金のサークレットがあった。
「これがあれば、私は特別な存在になれる」
女王の騎士は強い力に魅了され、サークレットを頭に填めた。そして、呪術を使って逃亡した。
劇中の設定によると、呪術師はサークレットのルビーに魂を宿していて、サークレットを填めたことで女王の騎士は呪術師に体を乗っ取られてしまったらしい。
フィロシュネーは思わず小さな声で呟いた。
「ちょっと。悪役が倒せてないじゃない?」
隣に座っていたサイラスが小声を返してくれる。
「よくあることです」
「そ、そうなの」
――悪役が倒せないのはよくあることらしい。
ひとまず女王を助けた傭兵は、女王アリアンナ・ローズとひとしきり甘い空気を醸し出した。
(これを観てわたくしが気落ちするですって?)
フィロシュネーは奇跡で覗いたハルシオンの言葉を思い出して、複雑な気持ちになった。
(ただの劇じゃない。何に対して気落ちするというのです、ハルシオン様)
「私の国を救ってくれたそなたは勇気と忠誠心にあふれた優れた戦士です。今ここで私は、女王としてそなたをわらわの騎士に任じます。これからは紅国を守るため、共に戦ってください」
しかし、傭兵は女王の申し出に対して、首を横にした。これには、観客の中で紅国の旗を持っている民は「無礼な」と眉を寄せた。
「麗しの女王陛下、俺は青国人です。俺の帰る場所は青国なのです」
劇中の傭兵が気高く声を響かせると、観客の中で青国の旗を持っていた民が「そうだぞ、黒の英雄は青国の英雄なのだ」と嬉しそうに旗を振る。
(そうよ、そうよ。黒の英雄は、わたくしの国の英雄ですもの。愛国心があるのよ)
フィロシュネーは旗を振る民と一緒になってニコニコした。
「帰らないで。呪術師は逃げてしまいました。あの邪悪は討たねばなりません。そなたの力が必要なのです。他国人であるそなたのために、我が国の身分制を説明します」
女王様は、紅国の階級について説明する。
王室は、王や女王、その家族などが所属する階級。王族は最高の権力を持っている。
貴族は、地位や財産を持つ人々。王室に続く高位の身分で、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵と階級がある。
教会は、教皇や司教、修道士、修道女などが所属する階級。彼らは精神的な権力を持ち、社会において重要な役割を果たしている。
裕福な商人階級も、王室や貴族階級と同等の社会的地位を持つことがある。
一般民衆は貴族階級以外の人々で、農民や手工業者、商人などが含まれる。彼らは貴族階級に比べて社会的地位が低く、権力や特権を持っていない。
(説明は、ちょっと眠たくなっちゃうわね)
「女王の騎士は正式な爵位を持ちませんが、女王からの命令を直接受け取る特別な騎士。貴族階級の中で特別な地位にあります」
紅国の階級構造は、空国や青国とそう大きくは違わないようにフィロシュネーには思われた。
違いがあるとすれば、空国や青国に教会がないくらいだろうか。
『シュネー、王族は神の一族なんだよ。我々は、特別なんだ』
父である青王クラストスの、気弱そうでお人好しそうな笑顔が思い出される。
劇の中の女王はその地位の魅力を説き、傭兵を引き留めようとした。しかし最終的に傭兵は彼の故国を選び、国に帰る――という結末に、青国勢は盛り上がり、その愛国心を称えた。逆に紅国勢らしき観客からは、ブーイングが起きていたりする。
「悪役は倒せていないし、女王様とも結ばれていない、傭兵も何も手に入れていない……」
「よくあることです。それに、ローズ女王陛下は同性愛者です。つまり、劇はしょせん創り物ということです」
フィロシュネーは本物の英雄の言葉に「女王陛下の同性愛嗜好を軽はずみにわたくしに話していいの?」と首をひねりつつ、「現実ってそんなものよね」と頷いたのだった。
「姫殿下にはこちらの特別席を用意しております」
ミランダが手を引いて、案内してくれる。
「特別席はステージの目の前に設けられているため、劇を見るには最適な場所に位置しています」
特別席のテーブルは装飾され、上質な生地で覆われた椅子が用意されていた。周囲には花々が飾られていて、飾りの外側に旗が並んでいる。
空色の盾の中に銀色の三日月と星が描かれた旗は、王兄ハルシオンの旗。
寄り添う旗は青地で、中央にカントループ商会の紋章が描かれている。
木目が美しいテーブルに、料理が並べられる。
温もりの感じられる木製の容器に盛られた赤身肉、大きな赤海老。緑の葉っぱにのったウインナー。
小さな皿に盛られた白、赤、黄色の香辛料。
赤ピーマン、黄色いピーマン、焼肉、キノコの順に刺された串焼き。
白い貝殻に乗った貝には旗がたてられた盛り付けには、味だけではなく見た目でも楽しませようという心意気を感じる。
カリッと焼き上げた生地の内側に、彩り鮮やかな赤い野菜や黄色いコーンがたっぷりと盛り付けられている料理が、目を惹く。
半透明の生地で葉っぱをぐるりと巻いた巻物も、気になる。食べて見ると、上品な味わいで美味しい。中にたくさんの具がいっぱい入っていた。じゅわっと中からあったかなタレが溢れて、具の味とタレが混ざって、味わい深い。
夕映えの茜の空に、夜を待てない先取りの花火が打ち上げられて咲く。
その様子を見上げる人々の姿は、印象的だった。
「このようなお祭りは、人々の絆を深め、様々な文化や伝統を共有する場として、とても大切なイベントです」
木製ジョッキを傾けながらサイラスが語るので、フィロシュネーはそっと頷いた。
「サイラス、それはお酒ね? 美味しい?」
大人はお酒が好きだ。
酔うのは楽しくて、気持ちいいらしい。フィロシュネーは興味を抱いた。
「まあまあです」
手を伸ばすと、あげませんよというようにジョッキが遠ざけられる。
「まあまあってなんです、お酒に失礼ではなくて?」
「俺はなぜ酒に礼を尽くさねばならないのですか。とても美味しいです」
目を細めて言い直してくれる男の首には、しなやかで滑らかな黒い皮紐のペンダントがある。
ペンダントトップはシャツの内側に隠れて見えないが、先ほどまではなかった。
「お仕事のご褒美?」
「姫は観察眼に優れておいでですね」
どんなお仕事をしたのだろう。好奇心をそそられるフィロシュネーの耳に、劇の開幕を知らせる声と、拍手が聞こえた。
劇の女王様は悪役にならず、台本通りにちゃんとヒロインを演じていた。
* * *
「お気をつけて。移ろいの術を得意とするのです、あの呪術師は。ルビーに触れてはなりません」
舞台の上で、ク・シャール紅国の女王アリアンナ・ローズが悪の呪術師にその命を脅かされつつ、気丈な声を響かせている。
そんな美しい女王を華麗に助けるのが、青国と空国で『黒の英雄』と呼ばれる傭兵だった。
「ご自分の活躍を観るのって、どんな気分ですの? 嬉しい? 恥ずかしい? 今のお気持ちは?」
フィロシュネーはわくわくしながら傍らの『本物』に問いかけた。
「俺を使って金稼ぎするなら、興行収入の一部は俺にくれてもいいのではないでしょうか」
「あとで交渉してごらんなさいな……」
「ちなみに、現実の呪術師はルビーに魔力を貯めて引き出すのを好んでいただけなので、ルビーには触れても大丈夫です」
本人が現実と作り話の違いを説明してくれる。贅沢だ。
劇の中では、倒れた呪術師のそばに寄った女王の騎士が、呪術師の頭に手を伸ばしていた。女王の騎士は、女性だった。ミランダに少し似ていて、親近感が湧く。
女王の騎士が手を伸ばした先には、真っ赤なルビーを中央に輝かせる黄金のサークレットがあった。
「これがあれば、私は特別な存在になれる」
女王の騎士は強い力に魅了され、サークレットを頭に填めた。そして、呪術を使って逃亡した。
劇中の設定によると、呪術師はサークレットのルビーに魂を宿していて、サークレットを填めたことで女王の騎士は呪術師に体を乗っ取られてしまったらしい。
フィロシュネーは思わず小さな声で呟いた。
「ちょっと。悪役が倒せてないじゃない?」
隣に座っていたサイラスが小声を返してくれる。
「よくあることです」
「そ、そうなの」
――悪役が倒せないのはよくあることらしい。
ひとまず女王を助けた傭兵は、女王アリアンナ・ローズとひとしきり甘い空気を醸し出した。
(これを観てわたくしが気落ちするですって?)
フィロシュネーは奇跡で覗いたハルシオンの言葉を思い出して、複雑な気持ちになった。
(ただの劇じゃない。何に対して気落ちするというのです、ハルシオン様)
「私の国を救ってくれたそなたは勇気と忠誠心にあふれた優れた戦士です。今ここで私は、女王としてそなたをわらわの騎士に任じます。これからは紅国を守るため、共に戦ってください」
しかし、傭兵は女王の申し出に対して、首を横にした。これには、観客の中で紅国の旗を持っている民は「無礼な」と眉を寄せた。
「麗しの女王陛下、俺は青国人です。俺の帰る場所は青国なのです」
劇中の傭兵が気高く声を響かせると、観客の中で青国の旗を持っていた民が「そうだぞ、黒の英雄は青国の英雄なのだ」と嬉しそうに旗を振る。
(そうよ、そうよ。黒の英雄は、わたくしの国の英雄ですもの。愛国心があるのよ)
フィロシュネーは旗を振る民と一緒になってニコニコした。
「帰らないで。呪術師は逃げてしまいました。あの邪悪は討たねばなりません。そなたの力が必要なのです。他国人であるそなたのために、我が国の身分制を説明します」
女王様は、紅国の階級について説明する。
王室は、王や女王、その家族などが所属する階級。王族は最高の権力を持っている。
貴族は、地位や財産を持つ人々。王室に続く高位の身分で、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵と階級がある。
教会は、教皇や司教、修道士、修道女などが所属する階級。彼らは精神的な権力を持ち、社会において重要な役割を果たしている。
裕福な商人階級も、王室や貴族階級と同等の社会的地位を持つことがある。
一般民衆は貴族階級以外の人々で、農民や手工業者、商人などが含まれる。彼らは貴族階級に比べて社会的地位が低く、権力や特権を持っていない。
(説明は、ちょっと眠たくなっちゃうわね)
「女王の騎士は正式な爵位を持ちませんが、女王からの命令を直接受け取る特別な騎士。貴族階級の中で特別な地位にあります」
紅国の階級構造は、空国や青国とそう大きくは違わないようにフィロシュネーには思われた。
違いがあるとすれば、空国や青国に教会がないくらいだろうか。
『シュネー、王族は神の一族なんだよ。我々は、特別なんだ』
父である青王クラストスの、気弱そうでお人好しそうな笑顔が思い出される。
劇の中の女王はその地位の魅力を説き、傭兵を引き留めようとした。しかし最終的に傭兵は彼の故国を選び、国に帰る――という結末に、青国勢は盛り上がり、その愛国心を称えた。逆に紅国勢らしき観客からは、ブーイングが起きていたりする。
「悪役は倒せていないし、女王様とも結ばれていない、傭兵も何も手に入れていない……」
「よくあることです。それに、ローズ女王陛下は同性愛者です。つまり、劇はしょせん創り物ということです」
フィロシュネーは本物の英雄の言葉に「女王陛下の同性愛嗜好を軽はずみにわたくしに話していいの?」と首をひねりつつ、「現実ってそんなものよね」と頷いたのだった。
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