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1章
25、妖狐がもうひとり?
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「楊釗様、咸白宮に来た宮正の責任者って、あなたですか?」
「いやぁ、まあ、現場の指揮を執っているのは俺だが。俺は責任者じゃなくて面倒な仕事を押し付けられただけだ。おっと、どこに行く? 動くな。宮殿内の調査中だからな」
「楊釗様……」
紺紺は楊釗の指先に視線を流した。
「楊釗様の爪、綺麗ですね」
「な、なにっ。そ、そ、そうか? 俺も実は、き、気に入っている……」
楊釗は口元を袖で隠して赤い顔を背けた。
「素敵です」
「小娘、お、おまっ、おまえ、人前で急に、なんだ……突然褒めやがってッ。驚くだろがぁ……ば、ばかめ。ばかものめ……」
わかりやすく照れている。
紺紺は幻惑の術を使った。
「重要な仕事があるんです。動くなと仰いましたけど、動いていいですよね?」
「おぅっ、重要なら、しょうがないな……」
「ありがとうございます」
「ふ、ふん……」
嬉しそう。術の効き目もよさそうだ。
「おねだりしていいですか? 楊釗様、一緒に来てくださいませんか?」
「にゃにっ。なんでだ」
上目がちに尋ねて袖を引けば、楊釗は目をぱちぱちと瞬かせて三秒、夢うつつを彷徨う顔になった。効いている。
「楊釗様の爪をもっと見ていたいんです。それに……あっちに……貧乳の侍女がいます。侍女は楊釗様のことを格好いいって言ってました」
「こうしてはいられない! 行くぞ! 急げ!」
術は成功だ。侍女なんていないけど。
ふんすふんすと鼻息荒くついてくる楊釗にお礼を言い、紺紺はそっと自分の胸をおさえた。
なんだか、人の心をいいように操る悪女みたい。
『悪女にはならないでね』
都に来た時にもらった霞幽からの手紙が、ふと思い出された。
でも、今は手段を選んでいられない。
紺紺は楊釗の袖をくいくいと引き、宮正たちが今から調べようとしていた棚を指さした。棚には、冶葛がある。
ぎりぎり間に合った、と安堵しながら。
「楊釗様、あの棚は楊釗様がもう先に調べ終えましたよね……? 調べる必要、ないですよね?」
「ああ! あの棚はばっちり俺が調べたッ! ところで侍女はどこだ?」
「あー……、どうしよう。よし、私が侍女です」
「……? ……ハッ! そ、それはお前が俺のことを格好いいと思っているという、コト……っ!?」
楊釗が手で胸を抑えて「きゅんっ!」とか叫んでいる。
きゅんってなんだろう。
若干の罪悪感とやらかした感を抱えつつ、とりあえず棚は守れた。
* * *
常緑の松が貫禄たっぷりに構える、鍾水宮。
そこへ、咸白宮の調査を終えた宮正の集団が入っていく。
「咸白宮を調べましたが、毒物は出てきませんでした」
「彰鈴妃は、無実だと思われます」
宮正は華蝶妃にとって期待はずれであろう調査結果を報告してくれた。
華蝶妃は、機嫌を損ねる様子なく、微笑んだ。
「あら、本当に? まあ、いいでしょう。別室にて結果を待ってもらっていた彰鈴妃には、本日はお帰り願いましょうか。そして……罪人は、裁きましょう。ちょうどいいわ。皆、立ち会うといいでしょう」
最後尾についていった紺紺は、びくりと全身を震わせた。
その声は、脳髄をじぃんと痺れさせるように、甘い。
一言を聞いただけで、心臓がきゅっと掴まれたような心地がする。
このかぐわしい香りはなんだろう。
吸い込むと、鼻の奥から、喉から、胸のあたりから、ふわあぁっと広がる安らぎみたいなものがある。
頭がふわふわする……――あれ、これって?
「ま、また魅了……っ? うそぉ」
紺紺は自分の肩に爪を立てて、唇を噛んで正気を保った。
魅了は、そうと気づかない間は効果に溺れてしまいそうになるが、気づいて抗えば夢から覚めたみたいに効果が薄れていく。
「どういう、こと」
幻惑の術に似た『魅了の術』を使うから、妖狐は胡月妃だと思っていたのに。
後宮では魅了の術は珍しくないのだろうか?
疑問を抱えつつ、気づけば処刑場についていた。
処刑場は外にあり、頭上にはどんよりとした曇り空が広がっている。
「雨萱様っ」
雨萱は処刑台に乗せられていた。
首を固定し、上部に大きな刃がギラリと光る――断頭台だ。
紺紺は傍に寄り、雨萱の手を握った。
血の気が失せた指先は氷のようで、可哀想なほど全身が震えている。
「わ、私じゃない。私じゃないわ。信じて。信じて……!」
その瞳を覗き込むようにして、紺紺は頷いた。
「信じます」
はっきり言ってあげると、雨萱の眼から透明な涙がとめどなくあふれ出した。
紺紺は、十年前に石苞が泣くのを見てから、他人が泣いているのを見るのがとても苦手だ。切なくて、胸がズキズキと痛んでしまって、見ていられなくなる。
「……泣かないで」
手布巾で雨萱の涙を拭い、紺紺は立ち上がった。
視線は、まっすぐに華蝶妃に向ける。華蝶妃は、コバエでも見るかのように冷笑を浮かべた。
「身の程知らずで無礼な侍女ね。その無礼な態度だけで、鞭打ちに値するけれど。あなたは、もっと重い刑に処されたいのかしら? 健気にも上席の侍女頭と一緒に首を刎ねられたいとでも?」
華蝶妃の口元は、愉悦に歪んでいる。
この騒ぎは余興で、まるで盤上遊戯で一方的に敵陣を蹂躙し、悠々と詰めを楽しんでいる、というような眼だ。
紺紺は幻惑の術を使いながら声を張り上げた。
「華蝶妃、ならびに、宮正の皆様。事件について、見解を語りたく存じます」
相手はどうやら、魅了の術の使い手だ。
幻惑の術に気付いて、「お前は妖狐ね!」と言われたりしないだろうか?
内心でハラハラしたが、華蝶妃はすんなりと「わかりましたわ。聞きましょう」と言ってくれた。
考えたのは、まず、「摂取してすぐに症状を起こした、辛い毒」について。
「犯行に使われた毒は、冶葛ではありません。その点をきちんとお調べください」
自信がなくても、あるように振る舞う。
それは、亡国の王族時代に父から教わったことだった。幻惑の術を使う時に、いつも意識していることでもある。
「まず、私は桜綾様の主張を否定させていただきます。桜綾様は、雨萱様が冶葛を所持していて、それを毒として使用した、と仰せなのですよね」
冶葛は南部から東南地方に自生する植物毒だ。
全ての部位に毒があるが、植物体のどの部分を食したかによって中毒症状の出る速さが違うのが特徴。
新鮮な若葉・根の煎汁・葉の乾燥粉末を摂取した場合は速く、根本体では遅い。
「煎じた汁を使えば効果が出るまで速いですが、それでも果物の表面に塗られたものをひとくち齧って即座に症状は出ないと思います。それに、冶葛の汁は甘いと聞いた覚えがありますよ。毒見役の人は、辛いと言っていたのでしょう?」
毒物の知識は、白家の別邸で教育されていた。
それに、お忍びで出かけるときに石苞も「あれは毒草です、これも毒があります、口にしちゃいけませんよお嬢様。というか、そのへんに生えてるものは基本食べちゃいけませんお嬢様」と口を酸っぱくしてお説教していたのだ。
もしかしたら、知識が間違ってるかもしれない。
でも、今この現場で説得力を感じさせ、幻惑の術を成功させれば、紺紺の勝ちだ。
「思うに、桜綾様はご自分が所有していた毒の瓶を『雨萱様が持っていた、使うのを目撃した』と言い張っただけでしょう。そして、何らかの理由で判断力が低下していた人々は、それを言われるがまま信じてしまった……」
もしも華蝶妃が妖狐なら、『何らかの理由』の答えは簡単だ。
幻惑の術。その上位互換的な魅了の術。
そういった、人の心を惑わす術を使ったのだ。
挑戦的に見つめていると、華蝶妃は大振りの羽毛扇をひらき、顔を隠した。
「続けて囀ってごらんなさいな。聞き苦しい鳴き声だけど」
紺紺は頷いた。
「確認ですが、もう一人の皮むき係、華蝶妃の侍女の方は、右利きではないでしょうか?」
「ええ。彼女は右利きですわよ」
「違いますわ」と言われたらどうしようかと思った。
紺紺は薄氷の上で舞っているような気分で言葉を続けた。
「いやぁ、まあ、現場の指揮を執っているのは俺だが。俺は責任者じゃなくて面倒な仕事を押し付けられただけだ。おっと、どこに行く? 動くな。宮殿内の調査中だからな」
「楊釗様……」
紺紺は楊釗の指先に視線を流した。
「楊釗様の爪、綺麗ですね」
「な、なにっ。そ、そ、そうか? 俺も実は、き、気に入っている……」
楊釗は口元を袖で隠して赤い顔を背けた。
「素敵です」
「小娘、お、おまっ、おまえ、人前で急に、なんだ……突然褒めやがってッ。驚くだろがぁ……ば、ばかめ。ばかものめ……」
わかりやすく照れている。
紺紺は幻惑の術を使った。
「重要な仕事があるんです。動くなと仰いましたけど、動いていいですよね?」
「おぅっ、重要なら、しょうがないな……」
「ありがとうございます」
「ふ、ふん……」
嬉しそう。術の効き目もよさそうだ。
「おねだりしていいですか? 楊釗様、一緒に来てくださいませんか?」
「にゃにっ。なんでだ」
上目がちに尋ねて袖を引けば、楊釗は目をぱちぱちと瞬かせて三秒、夢うつつを彷徨う顔になった。効いている。
「楊釗様の爪をもっと見ていたいんです。それに……あっちに……貧乳の侍女がいます。侍女は楊釗様のことを格好いいって言ってました」
「こうしてはいられない! 行くぞ! 急げ!」
術は成功だ。侍女なんていないけど。
ふんすふんすと鼻息荒くついてくる楊釗にお礼を言い、紺紺はそっと自分の胸をおさえた。
なんだか、人の心をいいように操る悪女みたい。
『悪女にはならないでね』
都に来た時にもらった霞幽からの手紙が、ふと思い出された。
でも、今は手段を選んでいられない。
紺紺は楊釗の袖をくいくいと引き、宮正たちが今から調べようとしていた棚を指さした。棚には、冶葛がある。
ぎりぎり間に合った、と安堵しながら。
「楊釗様、あの棚は楊釗様がもう先に調べ終えましたよね……? 調べる必要、ないですよね?」
「ああ! あの棚はばっちり俺が調べたッ! ところで侍女はどこだ?」
「あー……、どうしよう。よし、私が侍女です」
「……? ……ハッ! そ、それはお前が俺のことを格好いいと思っているという、コト……っ!?」
楊釗が手で胸を抑えて「きゅんっ!」とか叫んでいる。
きゅんってなんだろう。
若干の罪悪感とやらかした感を抱えつつ、とりあえず棚は守れた。
* * *
常緑の松が貫禄たっぷりに構える、鍾水宮。
そこへ、咸白宮の調査を終えた宮正の集団が入っていく。
「咸白宮を調べましたが、毒物は出てきませんでした」
「彰鈴妃は、無実だと思われます」
宮正は華蝶妃にとって期待はずれであろう調査結果を報告してくれた。
華蝶妃は、機嫌を損ねる様子なく、微笑んだ。
「あら、本当に? まあ、いいでしょう。別室にて結果を待ってもらっていた彰鈴妃には、本日はお帰り願いましょうか。そして……罪人は、裁きましょう。ちょうどいいわ。皆、立ち会うといいでしょう」
最後尾についていった紺紺は、びくりと全身を震わせた。
その声は、脳髄をじぃんと痺れさせるように、甘い。
一言を聞いただけで、心臓がきゅっと掴まれたような心地がする。
このかぐわしい香りはなんだろう。
吸い込むと、鼻の奥から、喉から、胸のあたりから、ふわあぁっと広がる安らぎみたいなものがある。
頭がふわふわする……――あれ、これって?
「ま、また魅了……っ? うそぉ」
紺紺は自分の肩に爪を立てて、唇を噛んで正気を保った。
魅了は、そうと気づかない間は効果に溺れてしまいそうになるが、気づいて抗えば夢から覚めたみたいに効果が薄れていく。
「どういう、こと」
幻惑の術に似た『魅了の術』を使うから、妖狐は胡月妃だと思っていたのに。
後宮では魅了の術は珍しくないのだろうか?
疑問を抱えつつ、気づけば処刑場についていた。
処刑場は外にあり、頭上にはどんよりとした曇り空が広がっている。
「雨萱様っ」
雨萱は処刑台に乗せられていた。
首を固定し、上部に大きな刃がギラリと光る――断頭台だ。
紺紺は傍に寄り、雨萱の手を握った。
血の気が失せた指先は氷のようで、可哀想なほど全身が震えている。
「わ、私じゃない。私じゃないわ。信じて。信じて……!」
その瞳を覗き込むようにして、紺紺は頷いた。
「信じます」
はっきり言ってあげると、雨萱の眼から透明な涙がとめどなくあふれ出した。
紺紺は、十年前に石苞が泣くのを見てから、他人が泣いているのを見るのがとても苦手だ。切なくて、胸がズキズキと痛んでしまって、見ていられなくなる。
「……泣かないで」
手布巾で雨萱の涙を拭い、紺紺は立ち上がった。
視線は、まっすぐに華蝶妃に向ける。華蝶妃は、コバエでも見るかのように冷笑を浮かべた。
「身の程知らずで無礼な侍女ね。その無礼な態度だけで、鞭打ちに値するけれど。あなたは、もっと重い刑に処されたいのかしら? 健気にも上席の侍女頭と一緒に首を刎ねられたいとでも?」
華蝶妃の口元は、愉悦に歪んでいる。
この騒ぎは余興で、まるで盤上遊戯で一方的に敵陣を蹂躙し、悠々と詰めを楽しんでいる、というような眼だ。
紺紺は幻惑の術を使いながら声を張り上げた。
「華蝶妃、ならびに、宮正の皆様。事件について、見解を語りたく存じます」
相手はどうやら、魅了の術の使い手だ。
幻惑の術に気付いて、「お前は妖狐ね!」と言われたりしないだろうか?
内心でハラハラしたが、華蝶妃はすんなりと「わかりましたわ。聞きましょう」と言ってくれた。
考えたのは、まず、「摂取してすぐに症状を起こした、辛い毒」について。
「犯行に使われた毒は、冶葛ではありません。その点をきちんとお調べください」
自信がなくても、あるように振る舞う。
それは、亡国の王族時代に父から教わったことだった。幻惑の術を使う時に、いつも意識していることでもある。
「まず、私は桜綾様の主張を否定させていただきます。桜綾様は、雨萱様が冶葛を所持していて、それを毒として使用した、と仰せなのですよね」
冶葛は南部から東南地方に自生する植物毒だ。
全ての部位に毒があるが、植物体のどの部分を食したかによって中毒症状の出る速さが違うのが特徴。
新鮮な若葉・根の煎汁・葉の乾燥粉末を摂取した場合は速く、根本体では遅い。
「煎じた汁を使えば効果が出るまで速いですが、それでも果物の表面に塗られたものをひとくち齧って即座に症状は出ないと思います。それに、冶葛の汁は甘いと聞いた覚えがありますよ。毒見役の人は、辛いと言っていたのでしょう?」
毒物の知識は、白家の別邸で教育されていた。
それに、お忍びで出かけるときに石苞も「あれは毒草です、これも毒があります、口にしちゃいけませんよお嬢様。というか、そのへんに生えてるものは基本食べちゃいけませんお嬢様」と口を酸っぱくしてお説教していたのだ。
もしかしたら、知識が間違ってるかもしれない。
でも、今この現場で説得力を感じさせ、幻惑の術を成功させれば、紺紺の勝ちだ。
「思うに、桜綾様はご自分が所有していた毒の瓶を『雨萱様が持っていた、使うのを目撃した』と言い張っただけでしょう。そして、何らかの理由で判断力が低下していた人々は、それを言われるがまま信じてしまった……」
もしも華蝶妃が妖狐なら、『何らかの理由』の答えは簡単だ。
幻惑の術。その上位互換的な魅了の術。
そういった、人の心を惑わす術を使ったのだ。
挑戦的に見つめていると、華蝶妃は大振りの羽毛扇をひらき、顔を隠した。
「続けて囀ってごらんなさいな。聞き苦しい鳴き声だけど」
紺紺は頷いた。
「確認ですが、もう一人の皮むき係、華蝶妃の侍女の方は、右利きではないでしょうか?」
「ええ。彼女は右利きですわよ」
「違いますわ」と言われたらどうしようかと思った。
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