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花ラプの話とか
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進級して間もない頃、フローラはアメリア主催のお茶会に呼ばれていた。キラキラしてる中、中身の煤けたのが交じるのは、場違いにもほどがあると声を大にして言いたい!
(うっさいわぼけぇ! ほんとに大きな声で叫ぶな!)
「本日はお招き……」
「フローラ様、今日は身内しか居ませんので無礼講で」
「はぁ、そう仰って頂ければ有り難いですが……」
このお茶会にはグレイスもいて、ふと脇を見るとシンシアの姿まであった。
「女子会というのでしたっけ? 一度やってみたかったのですわ!」
「えっと? ではジュリエッタ様は……?」
「君も知っての通り、中に居るのがリッキーなのでな。まぁ誘った所で『めんどい』で済まされてしまうのだがね」
「りっくんが何かすみません……」
「いや、大丈夫だ。色々裏が分かったからか、腹を割って話す機会も増えてな」
「そうですわ。」
「へえ? りっくんとはどんな話を?」
フローラが聞くと、二人は顔を見合わせてから、
「「『花ラプ』のお話」」「だな」「ですわ」
「りっくん何やってんのぉおおおお!?」
風呂オラさんの努力水の泡?
(かもね!?)
「主人公なんだってね?」
「違います! 何かの間違いなんです!」
「私とアーチボルド様を取り合うんですって?」
「しません! 邪魔なんてとんでもない!」
「でも確か、逆ハーレム? というのだったか、達成していたんじゃないのかい?」
「現実のお話ではありません! 虚構で御座います!」
「では妄想の中ではそういうこともありうると?」
「夢は夢! 現実は現実! です!」
うちはうち! よそはよそ! みたいね。
(しゃらっぷ!)
とまぁ、喪女さんがテンパってると、二人がくすくす笑っている。
(あらぁ? もしかしてからかわれた?)
「実はですね? リッキー様が出ておられる時間はとても少なかったんですが、その短い時間は私達にとって掛け替えのない時間だったのですよ」
「うむ。初めてリッキーが表に出てきた時は困惑したし、当然衝突もした。しかしリッキーはとても強くてな? 剣術や体術、何に置いても我々の遠く及ぶものでは無く、あっさり制圧されてしまった」
「マジで何やってんの、りっくん!?」
「そればかりか順応力も応用力も凄く、本来彼の居た世界には無かったとされるはずの魔法に置いてでさえ、我々は圧倒されてしまっていた」
「え? ……チート様なのかしら?」
このメンツでだれが分かんだよその言葉?
「ちー……? が何を意味するかは分からないが、何にせよ、我々では葉が立たなかった。そこなシンシアでさえね」
「マ・ジ・デ?」
「(……コクリ)」
顔をしかめつつ、肯首でかえすシンシア。すっげー悔しそう。
「たとえ中身が別人だったとしても、身体能力では大したことのないはずのジュリエッタ嬢なのに、何故そんなに強いのか疑問だった。そしたら『魔法を身体強化に使ってるだけだ』ってね」
「え? そんなこと出来るんですか?」
「普通はそれに特化した修行や学問を修めた者でないと無理だろうね」
「りっくんて……」
「初めてリッキー様と会ったすぐ後、またしても急に入れ替わったジュリエッタ様から色々聞かされたのですわ」
「衝撃的だったね。何せ『自分は恐らく昏睡病によって死んでいる』なんて聞かされたのだから」
「わぁ……」
実際そうだから何とも言えないな。
「まぁそのおかげで昏睡病の罹患者をマークすることが出来たのだけどね」
(そうなんだねぇ……。でもだとすると気になってたことがあるんだよねぇ)
「ジュリエッタ様は何故、ご自身が死んでいると認識されているのに、ご自身で動かれていたんでしょうか? 他にそんな事例があったりします?」
「「………………」」
二人が渋い顔をして黙りこくる。
(あれ!? 私変なこと言った!?)
大丈夫だ。風呂オラさんは元からして変だが、今の発言に変なところはない。
(何時ものディスり合いの手、どーも!)
「何と言ったら……良いのでしょうね」
「うむ……。そうだね……」
「えっと? 聞き辛い事でしょうか?」
「『女になんてなってられるか』と、主導権を明け渡された、と聞いた」
「りぃっくぅん!? いや、男の子からしてみれば、目覚めたら女になってった、なんてそう思っちゃうかも知んないけどさぁ! 明け渡すって何!?」
「他にも『花ラプ』の情報を色々聞いたそうだよ。でもどういう情報かなど細かい内容までは教えて貰えなかった。『まだ駄目』ってね」
「フローラ様、心当たりはありますでしょうか?」
りっくんてコラボ先のゲームしかしてないはずだよな? 色々知り過ぎてね? 喪女さん、心当たりあんの?
(うーん? コラボの時に手伝ってもらった時、色々教え込んだからかな? ……りっくん判断で、現時点では開示できない情報だと判断したのかも?)
おい、可哀想なことしてやんなよ? 男が乙女ゲーのノウハウ聞いてどうしろってんだ??
(……冷静に考えられる今だから分かる。正直すまんかった。今度謝ろう)
「えっと、その前にお聞き致しますが、ジュリエッタ様が妙に協力的になった、とかは御座います? 何について、かは言わなくてもお分かりかと思いますが……」
「「………………」」
二人共視線を逸らせてすこし頬を染めた!
(絵になんなぁ! コンチクショウが! でもこれで決まりね)
「理由については大体把握しました。私の方でもお二人に開示できる情報ではないので、差し控えたいと思います」
「そんな……どうしてでもですの?」
「そうだ。知っているというなら教えて欲しい」
「では交換条件として、それぞれ意中の方とは今どんな感じですか?」
「は、はひっ!?」「なっ……!」
「それをお教え願えるなら、その進捗状況によってはお教えできる、とお答えしましょう」
「そんな恥ずかしい思いをした上で、更に聞けない可能性まであるのか!?」
「あんまりですわ!?」
「ですのでお答えできないと……。ちなみに私がお二人に協力していたのも、りっくんと同じ理由です」
そうなん?
(多分ね。フローレンシアが転生者だった場合とか、ゲームの趣向としては別格貴族の美男子共を落とす、ってとこから骨肉の争いになりそうじゃない? それを阻止、ってことだと思う。)
「む……そうなのか」「なるほど……? ですわ」
「お二人の恋の行方が順調であれば、情報を開示できる日も近くなろうというものです。応援しておりますので、頑張って下さい」
フローラが詐欺師スマイルで二人を応援すると
(はいはいはい! 異議あり!! 異議あーり!!)
却下します。
(おま、横暴過ぎね?)
仕方ないなぁ。フローラがゲスさを完全にカモフラージュした笑みで、二人を応援する旨を伝えると
(……何だろう。微妙に反論できないや)
二人は綺麗な照れ顔を見せてくれたのだった。
(ま、これ見れたから良いにしておこう。あ、そーだ)
「グレイス様。こちら、何時もの物にございます」
「はっ……! おお、何時も済まないね! して今回は……?」
「恐らく毎回大人味、というワードを用いると『どうやら市井の菓子の大人味とやらは僕には向かないようだ』等と逃げ道を用意されるかと。ですので今回は普通に美味しいお菓子に致しました」
「ふむ」
今回は美味しいだけのお菓子ということで、大人ぶって涙目になるサイモンを見れないと、少々がっかりするグレイスのテンションは低めだ。
「しかしながら秘策が御座いまして……」
「ひ、秘策かい!?」
「ええ。何時もの可愛らしい笑みで頬張るサイモン様に『これは本当は大人向けのお菓子なんだよ』と」
「と? どうなるんだい!?」
「そうすればサイモン様も『大人味』に慣れてきた、と勘違いなさるのですわ」
「そ、そうか……そうだね。サイモンならそう思うはず……」
「今回は可愛い顔を見るだけになるかも知れませんが、その次にはまた『大人味』トラップが効果を発揮するのです」
「お、おおお! フローラ嬢! 君は策士だね!」
「ええグレイス様。今後ともよしなに……」
「うむうむ!」
「ずるいですわ、ずるいですわ! フローラ様、私には何か助言ありませんの??」
「勿論御座いますとも。アーチボルド様は体を鍛え上げる事を最上の喜びとしておられます」
「ええ、そうですわね。それが……?」
「食べ物の中には積極的に摂ることで、速やかに筋肉の栄養になる物が御座います」
「まぁ! そうなんですの!?」
「更には疲れにくくなる成分を含んだ食材まで御座いますのよ? そのようなものを差し入れてくれるアメリア様の事をアーチボルド様はどう思われるでしょうか……?」
「!! その情報を是非私に!」
「な、なぁフローラ嬢? その情報は私も知りたい……のだが?」
「ええ、勿論お教えしますわよ」
「そうか! 助かる!」
「シンシアは……」
「必要ありません。坊ちゃまは何をしても絵になりますので」
「ですよね。分かります」
そしてサムズアップし合う二人。こうしてフローラは、かつて怯えた相手に媚を売り、
(うぉぃ)
純真な乙女達を順調に悪の道へと引きずり込んでいくのだった。
(言い方! 悪意が溢れかえってるわ!?)
まぁ本当は悪の道だなんて生易しい闇……あいや、これはフローラの全く知らない話だったな。
(え? また何かあるの!? ……ちょ、静かになるなぁ! 何があるのぉお!?)
(うっさいわぼけぇ! ほんとに大きな声で叫ぶな!)
「本日はお招き……」
「フローラ様、今日は身内しか居ませんので無礼講で」
「はぁ、そう仰って頂ければ有り難いですが……」
このお茶会にはグレイスもいて、ふと脇を見るとシンシアの姿まであった。
「女子会というのでしたっけ? 一度やってみたかったのですわ!」
「えっと? ではジュリエッタ様は……?」
「君も知っての通り、中に居るのがリッキーなのでな。まぁ誘った所で『めんどい』で済まされてしまうのだがね」
「りっくんが何かすみません……」
「いや、大丈夫だ。色々裏が分かったからか、腹を割って話す機会も増えてな」
「そうですわ。」
「へえ? りっくんとはどんな話を?」
フローラが聞くと、二人は顔を見合わせてから、
「「『花ラプ』のお話」」「だな」「ですわ」
「りっくん何やってんのぉおおおお!?」
風呂オラさんの努力水の泡?
(かもね!?)
「主人公なんだってね?」
「違います! 何かの間違いなんです!」
「私とアーチボルド様を取り合うんですって?」
「しません! 邪魔なんてとんでもない!」
「でも確か、逆ハーレム? というのだったか、達成していたんじゃないのかい?」
「現実のお話ではありません! 虚構で御座います!」
「では妄想の中ではそういうこともありうると?」
「夢は夢! 現実は現実! です!」
うちはうち! よそはよそ! みたいね。
(しゃらっぷ!)
とまぁ、喪女さんがテンパってると、二人がくすくす笑っている。
(あらぁ? もしかしてからかわれた?)
「実はですね? リッキー様が出ておられる時間はとても少なかったんですが、その短い時間は私達にとって掛け替えのない時間だったのですよ」
「うむ。初めてリッキーが表に出てきた時は困惑したし、当然衝突もした。しかしリッキーはとても強くてな? 剣術や体術、何に置いても我々の遠く及ぶものでは無く、あっさり制圧されてしまった」
「マジで何やってんの、りっくん!?」
「そればかりか順応力も応用力も凄く、本来彼の居た世界には無かったとされるはずの魔法に置いてでさえ、我々は圧倒されてしまっていた」
「え? ……チート様なのかしら?」
このメンツでだれが分かんだよその言葉?
「ちー……? が何を意味するかは分からないが、何にせよ、我々では葉が立たなかった。そこなシンシアでさえね」
「マ・ジ・デ?」
「(……コクリ)」
顔をしかめつつ、肯首でかえすシンシア。すっげー悔しそう。
「たとえ中身が別人だったとしても、身体能力では大したことのないはずのジュリエッタ嬢なのに、何故そんなに強いのか疑問だった。そしたら『魔法を身体強化に使ってるだけだ』ってね」
「え? そんなこと出来るんですか?」
「普通はそれに特化した修行や学問を修めた者でないと無理だろうね」
「りっくんて……」
「初めてリッキー様と会ったすぐ後、またしても急に入れ替わったジュリエッタ様から色々聞かされたのですわ」
「衝撃的だったね。何せ『自分は恐らく昏睡病によって死んでいる』なんて聞かされたのだから」
「わぁ……」
実際そうだから何とも言えないな。
「まぁそのおかげで昏睡病の罹患者をマークすることが出来たのだけどね」
(そうなんだねぇ……。でもだとすると気になってたことがあるんだよねぇ)
「ジュリエッタ様は何故、ご自身が死んでいると認識されているのに、ご自身で動かれていたんでしょうか? 他にそんな事例があったりします?」
「「………………」」
二人が渋い顔をして黙りこくる。
(あれ!? 私変なこと言った!?)
大丈夫だ。風呂オラさんは元からして変だが、今の発言に変なところはない。
(何時ものディスり合いの手、どーも!)
「何と言ったら……良いのでしょうね」
「うむ……。そうだね……」
「えっと? 聞き辛い事でしょうか?」
「『女になんてなってられるか』と、主導権を明け渡された、と聞いた」
「りぃっくぅん!? いや、男の子からしてみれば、目覚めたら女になってった、なんてそう思っちゃうかも知んないけどさぁ! 明け渡すって何!?」
「他にも『花ラプ』の情報を色々聞いたそうだよ。でもどういう情報かなど細かい内容までは教えて貰えなかった。『まだ駄目』ってね」
「フローラ様、心当たりはありますでしょうか?」
りっくんてコラボ先のゲームしかしてないはずだよな? 色々知り過ぎてね? 喪女さん、心当たりあんの?
(うーん? コラボの時に手伝ってもらった時、色々教え込んだからかな? ……りっくん判断で、現時点では開示できない情報だと判断したのかも?)
おい、可哀想なことしてやんなよ? 男が乙女ゲーのノウハウ聞いてどうしろってんだ??
(……冷静に考えられる今だから分かる。正直すまんかった。今度謝ろう)
「えっと、その前にお聞き致しますが、ジュリエッタ様が妙に協力的になった、とかは御座います? 何について、かは言わなくてもお分かりかと思いますが……」
「「………………」」
二人共視線を逸らせてすこし頬を染めた!
(絵になんなぁ! コンチクショウが! でもこれで決まりね)
「理由については大体把握しました。私の方でもお二人に開示できる情報ではないので、差し控えたいと思います」
「そんな……どうしてでもですの?」
「そうだ。知っているというなら教えて欲しい」
「では交換条件として、それぞれ意中の方とは今どんな感じですか?」
「は、はひっ!?」「なっ……!」
「それをお教え願えるなら、その進捗状況によってはお教えできる、とお答えしましょう」
「そんな恥ずかしい思いをした上で、更に聞けない可能性まであるのか!?」
「あんまりですわ!?」
「ですのでお答えできないと……。ちなみに私がお二人に協力していたのも、りっくんと同じ理由です」
そうなん?
(多分ね。フローレンシアが転生者だった場合とか、ゲームの趣向としては別格貴族の美男子共を落とす、ってとこから骨肉の争いになりそうじゃない? それを阻止、ってことだと思う。)
「む……そうなのか」「なるほど……? ですわ」
「お二人の恋の行方が順調であれば、情報を開示できる日も近くなろうというものです。応援しておりますので、頑張って下さい」
フローラが詐欺師スマイルで二人を応援すると
(はいはいはい! 異議あり!! 異議あーり!!)
却下します。
(おま、横暴過ぎね?)
仕方ないなぁ。フローラがゲスさを完全にカモフラージュした笑みで、二人を応援する旨を伝えると
(……何だろう。微妙に反論できないや)
二人は綺麗な照れ顔を見せてくれたのだった。
(ま、これ見れたから良いにしておこう。あ、そーだ)
「グレイス様。こちら、何時もの物にございます」
「はっ……! おお、何時も済まないね! して今回は……?」
「恐らく毎回大人味、というワードを用いると『どうやら市井の菓子の大人味とやらは僕には向かないようだ』等と逃げ道を用意されるかと。ですので今回は普通に美味しいお菓子に致しました」
「ふむ」
今回は美味しいだけのお菓子ということで、大人ぶって涙目になるサイモンを見れないと、少々がっかりするグレイスのテンションは低めだ。
「しかしながら秘策が御座いまして……」
「ひ、秘策かい!?」
「ええ。何時もの可愛らしい笑みで頬張るサイモン様に『これは本当は大人向けのお菓子なんだよ』と」
「と? どうなるんだい!?」
「そうすればサイモン様も『大人味』に慣れてきた、と勘違いなさるのですわ」
「そ、そうか……そうだね。サイモンならそう思うはず……」
「今回は可愛い顔を見るだけになるかも知れませんが、その次にはまた『大人味』トラップが効果を発揮するのです」
「お、おおお! フローラ嬢! 君は策士だね!」
「ええグレイス様。今後ともよしなに……」
「うむうむ!」
「ずるいですわ、ずるいですわ! フローラ様、私には何か助言ありませんの??」
「勿論御座いますとも。アーチボルド様は体を鍛え上げる事を最上の喜びとしておられます」
「ええ、そうですわね。それが……?」
「食べ物の中には積極的に摂ることで、速やかに筋肉の栄養になる物が御座います」
「まぁ! そうなんですの!?」
「更には疲れにくくなる成分を含んだ食材まで御座いますのよ? そのようなものを差し入れてくれるアメリア様の事をアーチボルド様はどう思われるでしょうか……?」
「!! その情報を是非私に!」
「な、なぁフローラ嬢? その情報は私も知りたい……のだが?」
「ええ、勿論お教えしますわよ」
「そうか! 助かる!」
「シンシアは……」
「必要ありません。坊ちゃまは何をしても絵になりますので」
「ですよね。分かります」
そしてサムズアップし合う二人。こうしてフローラは、かつて怯えた相手に媚を売り、
(うぉぃ)
純真な乙女達を順調に悪の道へと引きずり込んでいくのだった。
(言い方! 悪意が溢れかえってるわ!?)
まぁ本当は悪の道だなんて生易しい闇……あいや、これはフローラの全く知らない話だったな。
(え? また何かあるの!? ……ちょ、静かになるなぁ! 何があるのぉお!?)
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