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89ヘンリーは・・・
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「そんだけ出して貰えれば酒が飲めるからな。俺たちくらいの戦士隊じゃ10日に一遍飲めるか飲めないかで言えば、飲めないやつの方が多いくらいなんだぞ。それが荷物を運ぶだけで2日に一遍は飲めるようになるんだ。流石に朝持ってこなけりゃダメだとかになれば仕事的にキツイが、夜中以外いつでも良いとなれば喜んでやるさ」
「そりゃ翌日分にすれば良いだけだから昼でも夕でも良いけど、古くて黒くなりかけてるのはダメだからな。前に試した事があるけど粗悪品みたいに腕が赤くなって、すげえ痒くてヒドイ目にあったからな」
「袋で受け取るんじゃなくて全部出して改めればいいさ。中身は肉屋の脂箱みたいなところに移させて袋は持って帰らせる。誰かが立ち会って古いヤツは金を払えないって返せば良い。そうすれば変なものが混じる事も無いだろ?」
確かに確認した物だけなら安心出来るしゴミに金を払う事も無いが、ただの勘違い君と思っていたヘンリーにしたら良く考えている。
「それで、戦士団に依頼を持っていけば良いのか?」
「団に出してもらえれば良いんだけど、出来れば若手限定だとかにしてやって欲しいな。中堅どころのヤツらにも悪くない話だから、制限掛けねぇと若手より先にそっちに回っちまう」
「そうなのか?普通に稼げてるんじゃないのか?」
「中堅どころのヤツラの力なら山盛りの荷車で持って来るぞ?エドに取っちゃ良い話だが、それじゃ俺たちみたいな下のヤツラは稼げなくなっちまう」
確かに自分たちで稼ぐ手段のある人たちには、キチンと本職で頑張ってもらえば良い訳だな。
こいつらとは違うけど、金が欲しくて無茶する若手がこれから出ないとも限らないのだし、割の良いバイトみたいなものだからベテラン勢に適応するのも違う話だ。
「そしたら昼過ぎにでも依頼を出しに行くか。ヘンリーはお供な」
「うっ俺か?」
「お前の案なんだから当たり前だろ」
「副団長に会わなきゃいけないんだぞ」
そう言う事か、単純にファリアさんに会いたくないんだな。
こいつらに取ったら、未だに自分たちを無礼討ち出来る人だからな。まあ俺の手前問答無用で切る事は無いけど、こいつらの事は団の恥としてしか見ていないから、俺の元でしっかり更生されていないと判断されたら、切られるんじゃないかと言う心配があるんだろう。そう思うならしっかりしていろと言いたいがな。
「更生の兆しなしで切られないと良いな」
「ノ~~~~~~~」
この世界にノーと言う単語は存在していないのでタダの雄たけびだ。
と言うかそういう態度を直さない限り、いつまで経っても命の危険は無くならないと思うんだけどな。
他の四人に比べるとヘンリーの軽さだけが気になるので、たまにはファリアさんの所にお使いに出すのが良いのかも知れないけど・・・マジで切られるかも。
出合った時に比べれば尖がっていたところも少しは改善されているので、今では良いムードメーカーとなって来ているのだが、如何しても昔の癖が顔を出す所が直りきらない。
スズメ100まで踊り忘れず。小さい時からの習慣は抜けないと言う諺だが、ヘンリーよ、キミのためにあるような言葉だと思う。
「昼までに今日分の準備は全部終わらせるから、そのつもりで頑張ってね」
「本当に行かなきゃダメか?」
「ファリアさんにお前だけ変わりませんねって報告されたくなければな」
「・・・・それは・・・マズイだろ」
「きちんとしてれば良いだけだ。しっかりやっている姿を見せればファリアさんの印象も良くなるだろ」
拾った時から見ればマシになっているとは報告してやろうとは思うが、こいつ取り繕うのが下手だからな~
戦士団への依頼を出すために中央区にある本部に向かわなければならないので、作業を終えた俺は慌ただしく荷物をまとめた。
荷物とはなんぞや?それはロウソクである。転んでもタダでは起きない男、それがエドワードなのだ。原料を運んでもらって作るロウソクの製作のためには費用が掛かる。その依頼に掛かる費用はロウソクで回収するつもりでいるのだ。
現状の住宅事情の中で灯明で事足りるにも関わらず、ロウソクにそれ程の価値があるのか?それはある。それは明るさの勝負だからだ。
灯明の明るさとロウソクの明るさでは、ロウソクの方が明るいのだ。
当然の事だが、かがり火のような大きな火が焚けない家の中では、灯明が無ければ移動すら困難になるが、ロウソクであれば移動補助に留まらず文化進展も望めるのだ。
一般で言えば日中にしか出来なかった内職仕事だが、戦士団にとっては武具の手入れに酒盛りも明るい中で出来るだろう。
価格しだいでロウソクは売れる事間違いなし。誰だ売れるか悩んでいたヤツは。
「エド。急に腹が痛くなってきた」
「向こうで便所を借りれば良いから行くぞ」
「じゃあ頭が痛くなってきた」
「大丈夫だ。痛くなる頭が無い」
「ぅおい」
「準備が出来たから行くぞ」
「そりゃ翌日分にすれば良いだけだから昼でも夕でも良いけど、古くて黒くなりかけてるのはダメだからな。前に試した事があるけど粗悪品みたいに腕が赤くなって、すげえ痒くてヒドイ目にあったからな」
「袋で受け取るんじゃなくて全部出して改めればいいさ。中身は肉屋の脂箱みたいなところに移させて袋は持って帰らせる。誰かが立ち会って古いヤツは金を払えないって返せば良い。そうすれば変なものが混じる事も無いだろ?」
確かに確認した物だけなら安心出来るしゴミに金を払う事も無いが、ただの勘違い君と思っていたヘンリーにしたら良く考えている。
「それで、戦士団に依頼を持っていけば良いのか?」
「団に出してもらえれば良いんだけど、出来れば若手限定だとかにしてやって欲しいな。中堅どころのヤツらにも悪くない話だから、制限掛けねぇと若手より先にそっちに回っちまう」
「そうなのか?普通に稼げてるんじゃないのか?」
「中堅どころのヤツラの力なら山盛りの荷車で持って来るぞ?エドに取っちゃ良い話だが、それじゃ俺たちみたいな下のヤツラは稼げなくなっちまう」
確かに自分たちで稼ぐ手段のある人たちには、キチンと本職で頑張ってもらえば良い訳だな。
こいつらとは違うけど、金が欲しくて無茶する若手がこれから出ないとも限らないのだし、割の良いバイトみたいなものだからベテラン勢に適応するのも違う話だ。
「そしたら昼過ぎにでも依頼を出しに行くか。ヘンリーはお供な」
「うっ俺か?」
「お前の案なんだから当たり前だろ」
「副団長に会わなきゃいけないんだぞ」
そう言う事か、単純にファリアさんに会いたくないんだな。
こいつらに取ったら、未だに自分たちを無礼討ち出来る人だからな。まあ俺の手前問答無用で切る事は無いけど、こいつらの事は団の恥としてしか見ていないから、俺の元でしっかり更生されていないと判断されたら、切られるんじゃないかと言う心配があるんだろう。そう思うならしっかりしていろと言いたいがな。
「更生の兆しなしで切られないと良いな」
「ノ~~~~~~~」
この世界にノーと言う単語は存在していないのでタダの雄たけびだ。
と言うかそういう態度を直さない限り、いつまで経っても命の危険は無くならないと思うんだけどな。
他の四人に比べるとヘンリーの軽さだけが気になるので、たまにはファリアさんの所にお使いに出すのが良いのかも知れないけど・・・マジで切られるかも。
出合った時に比べれば尖がっていたところも少しは改善されているので、今では良いムードメーカーとなって来ているのだが、如何しても昔の癖が顔を出す所が直りきらない。
スズメ100まで踊り忘れず。小さい時からの習慣は抜けないと言う諺だが、ヘンリーよ、キミのためにあるような言葉だと思う。
「昼までに今日分の準備は全部終わらせるから、そのつもりで頑張ってね」
「本当に行かなきゃダメか?」
「ファリアさんにお前だけ変わりませんねって報告されたくなければな」
「・・・・それは・・・マズイだろ」
「きちんとしてれば良いだけだ。しっかりやっている姿を見せればファリアさんの印象も良くなるだろ」
拾った時から見ればマシになっているとは報告してやろうとは思うが、こいつ取り繕うのが下手だからな~
戦士団への依頼を出すために中央区にある本部に向かわなければならないので、作業を終えた俺は慌ただしく荷物をまとめた。
荷物とはなんぞや?それはロウソクである。転んでもタダでは起きない男、それがエドワードなのだ。原料を運んでもらって作るロウソクの製作のためには費用が掛かる。その依頼に掛かる費用はロウソクで回収するつもりでいるのだ。
現状の住宅事情の中で灯明で事足りるにも関わらず、ロウソクにそれ程の価値があるのか?それはある。それは明るさの勝負だからだ。
灯明の明るさとロウソクの明るさでは、ロウソクの方が明るいのだ。
当然の事だが、かがり火のような大きな火が焚けない家の中では、灯明が無ければ移動すら困難になるが、ロウソクであれば移動補助に留まらず文化進展も望めるのだ。
一般で言えば日中にしか出来なかった内職仕事だが、戦士団にとっては武具の手入れに酒盛りも明るい中で出来るだろう。
価格しだいでロウソクは売れる事間違いなし。誰だ売れるか悩んでいたヤツは。
「エド。急に腹が痛くなってきた」
「向こうで便所を借りれば良いから行くぞ」
「じゃあ頭が痛くなってきた」
「大丈夫だ。痛くなる頭が無い」
「ぅおい」
「準備が出来たから行くぞ」
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