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結婚までの7日間 Lucian & Rosalie
3日目 ⑥
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「あ、あの…」
私の声に、ミランダ姫は淡々とした声で
「この町の生き残りの三人は、先々代ローラン王の子供と言う話だったわよね。赤い瞳のロイは…そうかもしれないけど…。でもナダルは違う。それは…どういうことなのかしら…。どうやら、まだ裏があるみたいね。」
ナダルを見ていらしたミランダ姫は、私へと視線を移すと
「それより…なんで叔父様とぎこちないの?喧嘩でもした?叔父様も、ロザリーも恋愛偏差値が低いから、もう~心配。」
茫然とする私に、上目遣いで私に向かってにっこり笑らわれると
「まぁ、どうせロザリーは相変わらず騎士道まっしぐらのカッチカッチで、オマケに…」
今度はナダルとアストンに目をやり
「相変わらず…無自覚のたらしで叔父様をヤキモキさせてるんでしょう。」
「えっ?相変わらず?無自覚の…たらし?!」
「叔父様の気持ちもわかるんだけど…でもねぇ~今は、こちらが先よね。まぁ、ふたりには後で、じっくりと恋の指南をしてあげるから…でもあんまり拗らせないでよ。」
そう言って、ニヤリと笑われると、突然大きな声で
「じぃちゃん!お腹空いた!!」
……じぃちゃん…?!
王家の姫が、どこで覚えられたのか、さすが…日頃のご趣味の成果なのだろうか。
私なんかの芝居は、足元にも及ばないな。
緊張していた私の口元に、笑みが浮かんだ。
それは…
ミランダ姫が、部屋の空気に押しつぶされそうな私の為に、空気を変えようとされていることに、私の心が感じたからだ。
その空気をお父様も感じたのだろう、まるで合図でもしたかのように、お父様は慌てて、ミランダ姫の下に走りよると、本当の孫のように抱き上げ
「そうか、なにか食べような。…ミ・ミ。」
だか、ミランダ姫をミミと、軽々しく呼べないお父様のガチガチの演技は、怪しげな恰好と相重なって、また笑ってしまった。
そんな私を、ナダルが戸惑うような視線で見ているのを感じる。
ここで、声をあげて笑うのは、マズかったかな。
腕が立つ者が欲しい、でも今ひとつ、私は信用できない…と思っているのだろうか?
ナダルの肩をアストンが腕を回し外へと連れ出そうとしたが、その腕を振り払い
「本当なんだな。その話は本当なんだな!」
ナダルは私にそう言った。
「信じたくなければ、信じなくてもいいです。私は手を引くだけのこと。」
「…なら、もう一度チャンスをやる。この男を殺れ。」
ナダルはそう言って、フレデリックという男を指差した。
「ヒィ~!なんでだよ。俺は!俺は王家の犬がいると教えに来たんだぜ!礼は言われても、殺されるなんて…そりゃないだろう?!」
薄い笑みを浮かべたナダルは
「剣の腕は半人前のくせに、女だけは一人前のおまえにはヘドが出ていた。それでも、人が足りないので、我慢してやっていたんだぜ。なのに、おまえはとうとうジャスミンにまで、手を出そうとしやがって!そんなおまえに…礼?礼を言えというのか?」
青ざめたフレデリックに、クスクスと笑うと
「礼…か…。そうだな。やっぱり礼は言わないとな。役に立たなかったおまえが、ようやく俺の役に立つんだ。ありがとな。じゃあ、ルチアーノに切られて死んでくれ。」
「…おい…おい!ナダル!」
フレデリックの必死な声が、もうナダルには、聞こえていないのか、ナダルは私に向かってまた言った。
「殺れよ。仲間になりたいのなら殺せ。」
父親に裏切られ、国に裏切られたナダルには、人を信用し、また信用される事は、幸せでもあり、恐怖でもあるのだろうか?
それは裏切られた時の、あの悲しみと恐怖が体に染み込んでいるからか…。
部屋にいるみんなが、私を見ている。
アストンの目がこの場を凌ぐ為には、男を切れと…言っているのを感じる。
あの男は、どういう理由でこちら側にいるのかわからないが、相変わらずだ。
お父様の目も、 ミランダ姫の目も私が男を切っても、切らなくても、私の決断を支持されるおつもりだ。
そして…仮面の下の赤い瞳は…。
丸腰の男を殺せば、私が一生苦しむから…やめろと言っていらっしゃる。
仰るとおり、恐らく私は苦しむだろう。
剣を抜くのならば、命をかけて、主君の描く国を守る為、民を守る為に、誇り高く戦いたい。
そんな気持ちを持っていなければ、ただの人殺しだ。
ならば…私は…
みんなが見つめる中、私は剣を抜いた。
私の声に、ミランダ姫は淡々とした声で
「この町の生き残りの三人は、先々代ローラン王の子供と言う話だったわよね。赤い瞳のロイは…そうかもしれないけど…。でもナダルは違う。それは…どういうことなのかしら…。どうやら、まだ裏があるみたいね。」
ナダルを見ていらしたミランダ姫は、私へと視線を移すと
「それより…なんで叔父様とぎこちないの?喧嘩でもした?叔父様も、ロザリーも恋愛偏差値が低いから、もう~心配。」
茫然とする私に、上目遣いで私に向かってにっこり笑らわれると
「まぁ、どうせロザリーは相変わらず騎士道まっしぐらのカッチカッチで、オマケに…」
今度はナダルとアストンに目をやり
「相変わらず…無自覚のたらしで叔父様をヤキモキさせてるんでしょう。」
「えっ?相変わらず?無自覚の…たらし?!」
「叔父様の気持ちもわかるんだけど…でもねぇ~今は、こちらが先よね。まぁ、ふたりには後で、じっくりと恋の指南をしてあげるから…でもあんまり拗らせないでよ。」
そう言って、ニヤリと笑われると、突然大きな声で
「じぃちゃん!お腹空いた!!」
……じぃちゃん…?!
王家の姫が、どこで覚えられたのか、さすが…日頃のご趣味の成果なのだろうか。
私なんかの芝居は、足元にも及ばないな。
緊張していた私の口元に、笑みが浮かんだ。
それは…
ミランダ姫が、部屋の空気に押しつぶされそうな私の為に、空気を変えようとされていることに、私の心が感じたからだ。
その空気をお父様も感じたのだろう、まるで合図でもしたかのように、お父様は慌てて、ミランダ姫の下に走りよると、本当の孫のように抱き上げ
「そうか、なにか食べような。…ミ・ミ。」
だか、ミランダ姫をミミと、軽々しく呼べないお父様のガチガチの演技は、怪しげな恰好と相重なって、また笑ってしまった。
そんな私を、ナダルが戸惑うような視線で見ているのを感じる。
ここで、声をあげて笑うのは、マズかったかな。
腕が立つ者が欲しい、でも今ひとつ、私は信用できない…と思っているのだろうか?
ナダルの肩をアストンが腕を回し外へと連れ出そうとしたが、その腕を振り払い
「本当なんだな。その話は本当なんだな!」
ナダルは私にそう言った。
「信じたくなければ、信じなくてもいいです。私は手を引くだけのこと。」
「…なら、もう一度チャンスをやる。この男を殺れ。」
ナダルはそう言って、フレデリックという男を指差した。
「ヒィ~!なんでだよ。俺は!俺は王家の犬がいると教えに来たんだぜ!礼は言われても、殺されるなんて…そりゃないだろう?!」
薄い笑みを浮かべたナダルは
「剣の腕は半人前のくせに、女だけは一人前のおまえにはヘドが出ていた。それでも、人が足りないので、我慢してやっていたんだぜ。なのに、おまえはとうとうジャスミンにまで、手を出そうとしやがって!そんなおまえに…礼?礼を言えというのか?」
青ざめたフレデリックに、クスクスと笑うと
「礼…か…。そうだな。やっぱり礼は言わないとな。役に立たなかったおまえが、ようやく俺の役に立つんだ。ありがとな。じゃあ、ルチアーノに切られて死んでくれ。」
「…おい…おい!ナダル!」
フレデリックの必死な声が、もうナダルには、聞こえていないのか、ナダルは私に向かってまた言った。
「殺れよ。仲間になりたいのなら殺せ。」
父親に裏切られ、国に裏切られたナダルには、人を信用し、また信用される事は、幸せでもあり、恐怖でもあるのだろうか?
それは裏切られた時の、あの悲しみと恐怖が体に染み込んでいるからか…。
部屋にいるみんなが、私を見ている。
アストンの目がこの場を凌ぐ為には、男を切れと…言っているのを感じる。
あの男は、どういう理由でこちら側にいるのかわからないが、相変わらずだ。
お父様の目も、 ミランダ姫の目も私が男を切っても、切らなくても、私の決断を支持されるおつもりだ。
そして…仮面の下の赤い瞳は…。
丸腰の男を殺せば、私が一生苦しむから…やめろと言っていらっしゃる。
仰るとおり、恐らく私は苦しむだろう。
剣を抜くのならば、命をかけて、主君の描く国を守る為、民を守る為に、誇り高く戦いたい。
そんな気持ちを持っていなければ、ただの人殺しだ。
ならば…私は…
みんなが見つめる中、私は剣を抜いた。
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