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結婚までの7日間 Lucian & Rosalie
3日目 ④
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…まぁ、次々と現れたもんだ。
アストン、お父様とミランダ姫、とどめが…助けてやったのに、あっさりと裏切った男か…。
笑える。
まさしくドッキリ。
などと思ったからか、口元が綻んだ。
俯いていたが、どうやらその男には見えたのだろう。
「おい、なに開き直ってんだ!」
怒鳴って、私へ威嚇したはずの男の黄色い歯が、カチカチと不自然な音を立てたことに、ハッとして顔を上げると、その男の襟首をつかんだロイが…いやルシアン殿下がジワジワと首を締めあげている。
いつもの冷静なルシアン殿下じゃない姿に私は動揺した。
私のせいだ。ルシアン殿下の冷静さを失わせているは私だ。
【おまえのひとつひとつの言動に、時折たまらなくイラつくんだ。そしてイラつく自分に…より腹が立つ。】
また、その言葉が胸に刺さる。
やっぱり、私はルシアン殿下には相応しくないのだろうか…。
ダメです。ここでそんな目立つような行動はしては…ルシアン殿下!
私の心の叫びは、口にできなかった。
疑われている私は、極力…ロイになっているルシアン殿下と係わり合いがあってはならない。
でも…このままでは…
どうしていいのか、戸惑っていた私の耳に、ルシアン殿下を窘める声が
「ロイ…やめとけ。」
そう言ったのはナダルだった。
だが、ロイは…その手を緩めることはなく、ナダルはもう一度
「…ロイ。」
と呼び、止めようとロイの手に触れたが、そのナダルの手をロイは跳ねのけた。
一瞬顔を歪めたナダルだったが、口元に笑みを浮かべ
「そう怒るな。確かに…この男はジャスミンを追いかけまわし、おまえから何度も殴られ、ましてや王都では、ジャスミンを廃屋に連れ込み襲おうとした糞野郎だ。俺だって、おまえと同じように殺したいと思っているさ!この男を殺すのは簡単だ。それは後でもできる。
それよりも、ルチアーノだろう?
こいつがルシアンの回し者か、確かめるほうが先だろう?!なぁ、ロイそうだろう?!」
ナダルは私へと視線を移し
「ガキのくせに腕が立つのは、おそらく…貴族のガキだ。ましてやその容姿は…北の国の者。ルシアンの生まれ育ったブラチフォード国という可能性も大。いくら、ジャスミンを助けてくれたその腕が欲しいとはいえ…簡単に仲間には入れられなかった。だが、最強剣士トーナメントに出るという話を聞いて…気が変わったんだ。
最強剣士トーナメントに出ようなんて言う男は大概が金だ。だが金に困っているとは思えない育ちのいいガキが、金が欲しいとからと、最強剣士トーナメント出るというのは…なんだかピンと来なかったが…だが、あの下手糞な刺繍を見た時、その女の思いと、その刺繍を大事に持っているガキの思いに…感じたんだ。女と生きるために、金が欲しかったんだとな。その為にこいつは命を懸けていると。だから俺はこいつが絶対欲しいと思った。だが、失敗は許されない。だから…殺しを頼んだ。その覚悟を見せてもらいたくてな。
ところが…ガキが殺したと言っていた男が、ノコノコとこの町に帰ってきたんだ。
確かめるだろう?確かめなきゃいけないだろう?!
俺はガキに言ったんだ…金が欲しいなら男を殺せと!
仲間に入る証の為に殺せと!
貴族の飾りのような剣はいらない、殺戮を知っている剣が必要だから!
俺はガキに求めたんだ。
惚れた女の為に、悪魔になれる剣を…。
ところが、ガキが始末したと言っていた男が、目の前に現れたんだぞ!確かめないと、俺たちの仲間に入れていいのか…確かめないと…。失敗はできないんだ!おまえやジャスミンの為に失敗はできない!」
最初は冷静に話していたはずのナダルの語尾が大きく震えていた。
ナダルは…愛というものに、憧れている。
純粋なんだ。だから私の思いを感じたのかもしれない。
ナダルを操る黒幕が憎い。ナダルの気持ちを利用するそいつが…憎い。
でも、どうしたらいいのだろう。
下手なことは言えない。
お父様やミランダ姫、そしてルシアン殿下にも疑いを持たれては、元も子もない。
どうする…。
何も言えないまま、私はナダルを黙って見ていた。
そんな私に、ナダルは
「アストンや、このじぃさんは、あの方の片腕のリドリー伯爵が、連れてこられた者だがら信用できる。だがおまえは違う。俺が見つけた…。だから俺の責任だ。ルチアーノ…おまえは何者だ。ルシアンの犬か?」
アストン、お父様とミランダ姫、とどめが…助けてやったのに、あっさりと裏切った男か…。
笑える。
まさしくドッキリ。
などと思ったからか、口元が綻んだ。
俯いていたが、どうやらその男には見えたのだろう。
「おい、なに開き直ってんだ!」
怒鳴って、私へ威嚇したはずの男の黄色い歯が、カチカチと不自然な音を立てたことに、ハッとして顔を上げると、その男の襟首をつかんだロイが…いやルシアン殿下がジワジワと首を締めあげている。
いつもの冷静なルシアン殿下じゃない姿に私は動揺した。
私のせいだ。ルシアン殿下の冷静さを失わせているは私だ。
【おまえのひとつひとつの言動に、時折たまらなくイラつくんだ。そしてイラつく自分に…より腹が立つ。】
また、その言葉が胸に刺さる。
やっぱり、私はルシアン殿下には相応しくないのだろうか…。
ダメです。ここでそんな目立つような行動はしては…ルシアン殿下!
私の心の叫びは、口にできなかった。
疑われている私は、極力…ロイになっているルシアン殿下と係わり合いがあってはならない。
でも…このままでは…
どうしていいのか、戸惑っていた私の耳に、ルシアン殿下を窘める声が
「ロイ…やめとけ。」
そう言ったのはナダルだった。
だが、ロイは…その手を緩めることはなく、ナダルはもう一度
「…ロイ。」
と呼び、止めようとロイの手に触れたが、そのナダルの手をロイは跳ねのけた。
一瞬顔を歪めたナダルだったが、口元に笑みを浮かべ
「そう怒るな。確かに…この男はジャスミンを追いかけまわし、おまえから何度も殴られ、ましてや王都では、ジャスミンを廃屋に連れ込み襲おうとした糞野郎だ。俺だって、おまえと同じように殺したいと思っているさ!この男を殺すのは簡単だ。それは後でもできる。
それよりも、ルチアーノだろう?
こいつがルシアンの回し者か、確かめるほうが先だろう?!なぁ、ロイそうだろう?!」
ナダルは私へと視線を移し
「ガキのくせに腕が立つのは、おそらく…貴族のガキだ。ましてやその容姿は…北の国の者。ルシアンの生まれ育ったブラチフォード国という可能性も大。いくら、ジャスミンを助けてくれたその腕が欲しいとはいえ…簡単に仲間には入れられなかった。だが、最強剣士トーナメントに出るという話を聞いて…気が変わったんだ。
最強剣士トーナメントに出ようなんて言う男は大概が金だ。だが金に困っているとは思えない育ちのいいガキが、金が欲しいとからと、最強剣士トーナメント出るというのは…なんだかピンと来なかったが…だが、あの下手糞な刺繍を見た時、その女の思いと、その刺繍を大事に持っているガキの思いに…感じたんだ。女と生きるために、金が欲しかったんだとな。その為にこいつは命を懸けていると。だから俺はこいつが絶対欲しいと思った。だが、失敗は許されない。だから…殺しを頼んだ。その覚悟を見せてもらいたくてな。
ところが…ガキが殺したと言っていた男が、ノコノコとこの町に帰ってきたんだ。
確かめるだろう?確かめなきゃいけないだろう?!
俺はガキに言ったんだ…金が欲しいなら男を殺せと!
仲間に入る証の為に殺せと!
貴族の飾りのような剣はいらない、殺戮を知っている剣が必要だから!
俺はガキに求めたんだ。
惚れた女の為に、悪魔になれる剣を…。
ところが、ガキが始末したと言っていた男が、目の前に現れたんだぞ!確かめないと、俺たちの仲間に入れていいのか…確かめないと…。失敗はできないんだ!おまえやジャスミンの為に失敗はできない!」
最初は冷静に話していたはずのナダルの語尾が大きく震えていた。
ナダルは…愛というものに、憧れている。
純粋なんだ。だから私の思いを感じたのかもしれない。
ナダルを操る黒幕が憎い。ナダルの気持ちを利用するそいつが…憎い。
でも、どうしたらいいのだろう。
下手なことは言えない。
お父様やミランダ姫、そしてルシアン殿下にも疑いを持たれては、元も子もない。
どうする…。
何も言えないまま、私はナダルを黙って見ていた。
そんな私に、ナダルは
「アストンや、このじぃさんは、あの方の片腕のリドリー伯爵が、連れてこられた者だがら信用できる。だがおまえは違う。俺が見つけた…。だから俺の責任だ。ルチアーノ…おまえは何者だ。ルシアンの犬か?」
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