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ロザリーとアデリーナ
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「っ…!」
大きな声を出したくはなかった。
だからゆっくりと左手を使って、体を起こして木に凭れ、大きく息を吐いた。
ダメだ…。指先は動くが右腕は持ち上げることも出来ない。
肩が…右肩が外れている。
どうする?
左手に剣を持ち変えることは、おそらく無理だ。もうアデリーナ様は眼の前…間に合わない。
覚悟はあった…でもなにもできないまま死ぬのだけは…ごめんだ。
ぐっと睨みつけると、アデリーナ様はにっこりと笑い
「残念だったわね。力を使えなくて」
「…力?」
何を言われたのか、わからなかった。
「あらら…その浄化の力よ。ねぇ、その力はやっぱりブラチフォード王家の力なの?前世の力が現世でも使えるの?」
呆然とする私に、わざとらしく溜め息を吐くと
「ローラン王は、ブラチフォード国から感じる清廉な気配をすごく気にして、それで計画が早まったというのに…その持ち主がそんな力があるとは知らなかったとは…20年ほど前から時間をかけて計画を立てて来たのに、とんだお笑い種だわ。」
そう言って、私の剣を踏みながら、私の肩が外れた事を確認しているのだろう。
嬉しそうに何度も剣を踏みつけ
「まぁ、そんな面倒なことを言う方だけど…ローラン王がいたから、簡単にブラチフォード国に入り込めたのよね。それにしてもあの時はついていたわ。画策した事が裏目に出て、愛するスミラ様を死なせたローラン王に(スミラ様とまたお会いしたくありませんか?)と誘いの言葉をかけることができたのは…本当についていたわ。」
…痛い。
剣を踏みつけるその振動が、肩に響く。
意識が遠のきそう。ダメ…意識を保っていないと…殺される。
荒い息を吐きながら、アデリーナ様へと視線を移すと、剣を踏みつけていた足が私の手を踏みつけてきた。
「うっ…!!」
抑えていた叫びが思わずもれ、その声にアデリーナ様がクスリと笑いながら
「あら、ごめんなさい。ちょっとやりすぎたかしら?でもあなたがその肩の痛みで気を失うんじゃないかと思ってね。私はまだあなたと話をしたいの。だって800年振りに再会できたんですもの。」
そう言って、私の手から離れた剣を持ち
「それに、あなたはいろいろ知りたいんじゃない?」
私がゆっくりと頷くと、満足そうにアデリーナ様は微笑みながら
「ここ20年あまりは楽しかったわ。まず…計画の一歩目は、王大后と王妃に近づくことだった。本当はあのふたりのおばさんの顔を見たら、殺すつもりだったのよ、だって私の大事なルシアンを殺そうと計画を立てていたんですもの。でもローラン王があのふたりは使えるから、まだ殺すなと仰るものだから…我慢したわ。
確かにローラン王の仰るとおり、あのふたりのおばさん達は役に立った。
でも私は、あのふたりのおばさんが忌み嫌ったスミラ様と瓜二つだったから、あのおばさんふたりに、近づくのって大変だったのよ。
だから久しぶりに容姿を変え、こう囁いてやったの。
『ブラチフォード国王陛下は、この国をあの黒髪と赤い瞳のルシアン王子に委ねるお気持ちです。私は陛下から、ルシアン王子宛てのその密書を預かり…もう驚いてしまって、とりあえず王大后様と王妃様に、お知らせしたほうが良いかと思い参上致しました。』
もう大慌てで、可笑しかったわよ。
本当は毒殺を考えていたんだけど…ローラン王がまた…どうしてもスミラ様が殺された剣で、ブラチフォード王を殺りたいって仰るものだから、面倒だったんだけど、おばさんふたりに
『この薬は頭をぼんやりさせ、眠くなる薬です。ぼんやりとして眠いだけなら、お体に負担はかかりませんし、なによりルシアン王子にこの国を任せようなんて、そんな恐ろしいことを考えられる時間がありません。』とね。
あの二人のおばさんは喜んで、私が作った薬をブラチフォード王に飲ませていたわ。余程、ルシアン王子にこの国を取られるのではないかと不安だったようね。
人の心が色として見えるブラチフォード王に対して、うまくいったのはあのふたりが、もともと心の色がくすんでいたと言うことと、それに殺意がなかったからかもしれないわね。」
やはり…そうだったんだ。
この数年、体調を崩されていた国王陛下の代わりに、公務を王太子様やルシアン王子がやっていらしたが、ある日を境にベットから起き上がれなくなるほど、容態が悪化したのは、そのせいだったか。
人の心が見える陛下だ、陛下の体調が万全であれば…いや、今更そんなことを考えてもしょうがない。
「いいわね、諦めないその眼。でもその眼が絶望に翳るのを見たいわ。」
荒い息が次々と出てきて、声が出なかった。
そんな私を面白そうに、じっと見ながら「でも次は…うまく行かなかった。」と言って、剣先を私の手のひらに、文字を書くように動かしながら
「王太子があの眼を持っていると思っていたの。だから私が作った者を次々に、王太子の下へ送り込んだわ。あの王太子って、ぼんやりした坊ちゃんだと思っていたんだけど…あの坊ちゃん…気づいたのよ。
だから…ミランダ姫を私達の配下から離すために、あの王太子は…
『甲高い声がうるさい。』
『可愛げない、話し方が気に入らない。』なんて言ってね。
ミランダ姫があの眼を持っている事に、気づかれないように…臭い芝居をしてくれたの。」
そう笑って、パチパチと拍手をして
「でもね。こちらもミランダ姫があの眼を持っている事に、すぐに気が付いた。
そうしたら…今度はこう言ったのよ。
『民や…ミランダを殺さないでくれ。ローラン王や、おまえが……人ではない事は絶対に言わないから…取引をしよう。』
力もないただの人間のくせに…私達に取引を持ち込むなんて…本来なら生かしてはおかないところよ。でも、王太子と王太子妃には、陛下とミランダ姫を殺した犯人になってもらわなくてはならなかったから……頷いてやったわ。今でも思い出したら…ムカつくわ!」
剣先で私の頬を叩き
「まぁ、いつでも殺せる者の話はもういいわ。それより、問題はあなたよ。
ローラン王がスミラ様の心を奪ったブラチフォード王を殺すのにも…
私がロイの生まれ変わりのルシアン王子を手に入れるのにも…あなたが邪魔なの。
でも…その力…800年前にはなかったわよね…どうして?そんな力を得たの?
それだけじゃないわ。あなたの力が…この60日足らずで…強くなったのはどうして?」
何も答えようがない私に…
「あぁ~そうだったわね。自分でもわからなかったんだわね。最後だから聞きたかったんだけど、残念だわ。」
アデリーナ様は【最後だから】と言う言葉をまた小さく呟くと、酔ったように眼を瞑り
「本当はこの手で、その細い首を締め上げたい。あなたがジワジワと私の手の中で、死んで逝くのを見たい。だけど、その力が増した理由がわからないから、あなたに触れるのは危険だものね……残念。でも800年前の借りはかえさせてもらうわ。違うやり方で…。」
そう言って、剣を振り上げたアデリーナ様に、私は笑みを浮かべた。
大きな声を出したくはなかった。
だからゆっくりと左手を使って、体を起こして木に凭れ、大きく息を吐いた。
ダメだ…。指先は動くが右腕は持ち上げることも出来ない。
肩が…右肩が外れている。
どうする?
左手に剣を持ち変えることは、おそらく無理だ。もうアデリーナ様は眼の前…間に合わない。
覚悟はあった…でもなにもできないまま死ぬのだけは…ごめんだ。
ぐっと睨みつけると、アデリーナ様はにっこりと笑い
「残念だったわね。力を使えなくて」
「…力?」
何を言われたのか、わからなかった。
「あらら…その浄化の力よ。ねぇ、その力はやっぱりブラチフォード王家の力なの?前世の力が現世でも使えるの?」
呆然とする私に、わざとらしく溜め息を吐くと
「ローラン王は、ブラチフォード国から感じる清廉な気配をすごく気にして、それで計画が早まったというのに…その持ち主がそんな力があるとは知らなかったとは…20年ほど前から時間をかけて計画を立てて来たのに、とんだお笑い種だわ。」
そう言って、私の剣を踏みながら、私の肩が外れた事を確認しているのだろう。
嬉しそうに何度も剣を踏みつけ
「まぁ、そんな面倒なことを言う方だけど…ローラン王がいたから、簡単にブラチフォード国に入り込めたのよね。それにしてもあの時はついていたわ。画策した事が裏目に出て、愛するスミラ様を死なせたローラン王に(スミラ様とまたお会いしたくありませんか?)と誘いの言葉をかけることができたのは…本当についていたわ。」
…痛い。
剣を踏みつけるその振動が、肩に響く。
意識が遠のきそう。ダメ…意識を保っていないと…殺される。
荒い息を吐きながら、アデリーナ様へと視線を移すと、剣を踏みつけていた足が私の手を踏みつけてきた。
「うっ…!!」
抑えていた叫びが思わずもれ、その声にアデリーナ様がクスリと笑いながら
「あら、ごめんなさい。ちょっとやりすぎたかしら?でもあなたがその肩の痛みで気を失うんじゃないかと思ってね。私はまだあなたと話をしたいの。だって800年振りに再会できたんですもの。」
そう言って、私の手から離れた剣を持ち
「それに、あなたはいろいろ知りたいんじゃない?」
私がゆっくりと頷くと、満足そうにアデリーナ様は微笑みながら
「ここ20年あまりは楽しかったわ。まず…計画の一歩目は、王大后と王妃に近づくことだった。本当はあのふたりのおばさんの顔を見たら、殺すつもりだったのよ、だって私の大事なルシアンを殺そうと計画を立てていたんですもの。でもローラン王があのふたりは使えるから、まだ殺すなと仰るものだから…我慢したわ。
確かにローラン王の仰るとおり、あのふたりのおばさん達は役に立った。
でも私は、あのふたりのおばさんが忌み嫌ったスミラ様と瓜二つだったから、あのおばさんふたりに、近づくのって大変だったのよ。
だから久しぶりに容姿を変え、こう囁いてやったの。
『ブラチフォード国王陛下は、この国をあの黒髪と赤い瞳のルシアン王子に委ねるお気持ちです。私は陛下から、ルシアン王子宛てのその密書を預かり…もう驚いてしまって、とりあえず王大后様と王妃様に、お知らせしたほうが良いかと思い参上致しました。』
もう大慌てで、可笑しかったわよ。
本当は毒殺を考えていたんだけど…ローラン王がまた…どうしてもスミラ様が殺された剣で、ブラチフォード王を殺りたいって仰るものだから、面倒だったんだけど、おばさんふたりに
『この薬は頭をぼんやりさせ、眠くなる薬です。ぼんやりとして眠いだけなら、お体に負担はかかりませんし、なによりルシアン王子にこの国を任せようなんて、そんな恐ろしいことを考えられる時間がありません。』とね。
あの二人のおばさんは喜んで、私が作った薬をブラチフォード王に飲ませていたわ。余程、ルシアン王子にこの国を取られるのではないかと不安だったようね。
人の心が色として見えるブラチフォード王に対して、うまくいったのはあのふたりが、もともと心の色がくすんでいたと言うことと、それに殺意がなかったからかもしれないわね。」
やはり…そうだったんだ。
この数年、体調を崩されていた国王陛下の代わりに、公務を王太子様やルシアン王子がやっていらしたが、ある日を境にベットから起き上がれなくなるほど、容態が悪化したのは、そのせいだったか。
人の心が見える陛下だ、陛下の体調が万全であれば…いや、今更そんなことを考えてもしょうがない。
「いいわね、諦めないその眼。でもその眼が絶望に翳るのを見たいわ。」
荒い息が次々と出てきて、声が出なかった。
そんな私を面白そうに、じっと見ながら「でも次は…うまく行かなかった。」と言って、剣先を私の手のひらに、文字を書くように動かしながら
「王太子があの眼を持っていると思っていたの。だから私が作った者を次々に、王太子の下へ送り込んだわ。あの王太子って、ぼんやりした坊ちゃんだと思っていたんだけど…あの坊ちゃん…気づいたのよ。
だから…ミランダ姫を私達の配下から離すために、あの王太子は…
『甲高い声がうるさい。』
『可愛げない、話し方が気に入らない。』なんて言ってね。
ミランダ姫があの眼を持っている事に、気づかれないように…臭い芝居をしてくれたの。」
そう笑って、パチパチと拍手をして
「でもね。こちらもミランダ姫があの眼を持っている事に、すぐに気が付いた。
そうしたら…今度はこう言ったのよ。
『民や…ミランダを殺さないでくれ。ローラン王や、おまえが……人ではない事は絶対に言わないから…取引をしよう。』
力もないただの人間のくせに…私達に取引を持ち込むなんて…本来なら生かしてはおかないところよ。でも、王太子と王太子妃には、陛下とミランダ姫を殺した犯人になってもらわなくてはならなかったから……頷いてやったわ。今でも思い出したら…ムカつくわ!」
剣先で私の頬を叩き
「まぁ、いつでも殺せる者の話はもういいわ。それより、問題はあなたよ。
ローラン王がスミラ様の心を奪ったブラチフォード王を殺すのにも…
私がロイの生まれ変わりのルシアン王子を手に入れるのにも…あなたが邪魔なの。
でも…その力…800年前にはなかったわよね…どうして?そんな力を得たの?
それだけじゃないわ。あなたの力が…この60日足らずで…強くなったのはどうして?」
何も答えようがない私に…
「あぁ~そうだったわね。自分でもわからなかったんだわね。最後だから聞きたかったんだけど、残念だわ。」
アデリーナ様は【最後だから】と言う言葉をまた小さく呟くと、酔ったように眼を瞑り
「本当はこの手で、その細い首を締め上げたい。あなたがジワジワと私の手の中で、死んで逝くのを見たい。だけど、その力が増した理由がわからないから、あなたに触れるのは危険だものね……残念。でも800年前の借りはかえさせてもらうわ。違うやり方で…。」
そう言って、剣を振り上げたアデリーナ様に、私は笑みを浮かべた。
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