63 / 214
揺れ動く心
しおりを挟む
その場に留まることはできなかった。
眠られているミランダ姫を抱きしめ、誰かに言い訳するかのように「…ミランダ姫をお部屋に…」と繰り返し言いながら、どこにも逃げる場所などないのに、どこにも泣ける場所などないのに…
私は……逃げ出した。
「…なにをやっているんだろう。」
彷徨い歩いていた私の足は、ミランダ姫のお部屋と続く長い廊下で、行き場がない事に、ようやく気がついたかのように止まったが、それでも涙を溜めた眼は、まだあきらめきれずに、泣いても良い場所を探し、辺りを見回していた。
だが廊下の窓に映った自分の姿に…大きく見開き
…止まった。
「ぁ…あぁ…」
長い廊下の窓ガラスに映っていたのは…ミランダ姫を抱えた騎士。
「私は…ほんとに…なにをやってんだろう。」
唇を噛んだ。涙が零れないように強く、強く。
紺色の騎士の服を着た私が、泣くわけには行かない。
こんな姿を誰かに見られたくない。
だって、私は騎士だもの。
ミランダ姫のそして…そして…ルシアン王子の騎士だから…
カッコ悪いところは見せられない。
泣くのなら、泣きたいのなら…ロザリーに戻ってから。だから…泣いちゃダメだ!
更に唇を噛み、私はゆっくり歩き出すと、眠っていらっしゃるはずのミランダ姫の小さな唇から「おじいさま…」と陛下を案じる声が零れた。
夢の中でも、姫は…心休まる事はないんだ。
自分の力の無さが情けなかった。
重い足をただひたすら動かして、ようやくミランダ姫の部屋に辿りつくと、真っ青な顔で、座り込んでいる…先客がいた。
「……ハリル?」
オロオロとするキャロルさんの横で、頭を下げたのは…ウィンスレット家の家令ハリルだった。
「どうして…ここに?」
「奥様から、ここにシリル様が何れ戻られるはずだからと…」
ハリルはそう言って、封書を私へと差し出した。
「母上から?……なにがあった?」
ハリルは乾いた唇を湿らせ、
「よくわからないのですが…ただ昨夜遅く、旦那様が屋敷を出られ…」
「ま、待て、父上が昨夜遅く屋敷を出られたと?」
「はい。でも今だお帰りにはならなくて、連絡もなくて心配しておりましたら…今朝、騎士団から城内での出来事を知らせてきたのでございます。そのお話を聞かれ奥様は顔色を変えられて、このお手紙をシリル様に、必ずミランダ姫のところに戻って来られるはずだから、届けるようにと仰られて。」
ミランダ姫をキャロルさんに預けると、表書きに書かれた文字が乱れていたことが眼に入り、嫌な予感が背中に走った。
****
昨夜、ルシアン殿下とあなたが城にいないということは、陛下や王太子ご夫妻が狙われる危険性が高い。だから私が代わりに城に行かねばならないと仰って、城へと向かわれました。
ですが…
今朝ほど、騎士団からの知らせでは、城に向かわれたはずの旦那様の事をどなたもご存知ないのです。陛下や王太子ご夫妻をお守りすることなく、行方知れずということは、誇り高き騎士の旦那様にとっては不本意なこと。
騎士としての誇りこそが、旦那様のアイデンティティなのです。だから今、国の危機に、妻として、人生のパートナーとして…誇り無き死を旦那様に迎えさせることはできません。
もしこの手紙を読むことが出来たら、どうか旦那様に…誇り高き騎士の道を歩めるように、助けてください。
戦いに赴くあなたの心に、不安の欠片さえも残してはいけないとわかっていながら…ごめんなさい。
****
ところどころ、インクが滲んだ文字に、本当のお母様の気持ちが溢れているのに…気丈に書かれた手紙が悲しかった。
「無理をなさって…」
その封書を握り締め、眼を瞑った。
冷静に…冷静に状況を判断しなくては…
お父様を殺そうとするのなら、ルシアン王子同等の腕の者か、あるいは小隊(30人)並みの人数が必要だろう。だが、私とルシアン王子が城に来るまでの間、それだけの人数と争ったあとなどなかった…だから昨夜、城に向かう途中で襲われたとは思えない。いや城内でもだ。あれば城の中の者とて気づくはず…。
敵の手に落ちた?!
いや…お父様ほどの腕の方を攫うようなリスクを犯すくらいなら、どんな手段を使ってでも殺したほうが安心だ。
では…どこかに潜んでいらっしゃる?
ならばなぜ…出ていらっしゃらない?
私やルシアン王子が城に戻ったことは、城内の騒ぎでわかるはず。
出て行きたくても……出れない?
出てこれない場所とは…どこだろう?
いやどういう状況なのだろう?
出てこれない…あっ!…
ぁ…息が止まりそうだった。
まさか…
でも…そうだったなら…お父様は出てこれない。
「…ハリル。」
「はい。」
「母上にご心配は無用。父上はやはり敬愛する騎士です。と伝えてくれ。」
「はい。」
ハリルは立ち上がると、頭を下げて部屋を飛び出していった。
私はハリルが飛び出して行った扉を見ながら
「キャロルさん、私は少しミランダ姫から離れますが、誰が来ても…この部屋には通されませんように。」
「は、はい。」
「それは、例え…」
そう言って、キャロルさんへと振り向いたと同時だった。
ドンドン!扉を叩く音が部屋に響き、私は張り詰めた心に、(落ち着け…まだ敵が動くのには早い。)と言い聞かせ、軽く息を吐いて扉に手をかけようとしたが、扉が開くのも待ちきれないように、先程部屋を出たハリルの声が、扉越しに聞こえてきた。
「た、た、大変でございます!!ルシアン王子が…王子が!陛下のお部屋で突然意識を失われたそうです…皆が!騒いでおります!」
握っていた封書が…手の中から落ちていった。
眠られているミランダ姫を抱きしめ、誰かに言い訳するかのように「…ミランダ姫をお部屋に…」と繰り返し言いながら、どこにも逃げる場所などないのに、どこにも泣ける場所などないのに…
私は……逃げ出した。
「…なにをやっているんだろう。」
彷徨い歩いていた私の足は、ミランダ姫のお部屋と続く長い廊下で、行き場がない事に、ようやく気がついたかのように止まったが、それでも涙を溜めた眼は、まだあきらめきれずに、泣いても良い場所を探し、辺りを見回していた。
だが廊下の窓に映った自分の姿に…大きく見開き
…止まった。
「ぁ…あぁ…」
長い廊下の窓ガラスに映っていたのは…ミランダ姫を抱えた騎士。
「私は…ほんとに…なにをやってんだろう。」
唇を噛んだ。涙が零れないように強く、強く。
紺色の騎士の服を着た私が、泣くわけには行かない。
こんな姿を誰かに見られたくない。
だって、私は騎士だもの。
ミランダ姫のそして…そして…ルシアン王子の騎士だから…
カッコ悪いところは見せられない。
泣くのなら、泣きたいのなら…ロザリーに戻ってから。だから…泣いちゃダメだ!
更に唇を噛み、私はゆっくり歩き出すと、眠っていらっしゃるはずのミランダ姫の小さな唇から「おじいさま…」と陛下を案じる声が零れた。
夢の中でも、姫は…心休まる事はないんだ。
自分の力の無さが情けなかった。
重い足をただひたすら動かして、ようやくミランダ姫の部屋に辿りつくと、真っ青な顔で、座り込んでいる…先客がいた。
「……ハリル?」
オロオロとするキャロルさんの横で、頭を下げたのは…ウィンスレット家の家令ハリルだった。
「どうして…ここに?」
「奥様から、ここにシリル様が何れ戻られるはずだからと…」
ハリルはそう言って、封書を私へと差し出した。
「母上から?……なにがあった?」
ハリルは乾いた唇を湿らせ、
「よくわからないのですが…ただ昨夜遅く、旦那様が屋敷を出られ…」
「ま、待て、父上が昨夜遅く屋敷を出られたと?」
「はい。でも今だお帰りにはならなくて、連絡もなくて心配しておりましたら…今朝、騎士団から城内での出来事を知らせてきたのでございます。そのお話を聞かれ奥様は顔色を変えられて、このお手紙をシリル様に、必ずミランダ姫のところに戻って来られるはずだから、届けるようにと仰られて。」
ミランダ姫をキャロルさんに預けると、表書きに書かれた文字が乱れていたことが眼に入り、嫌な予感が背中に走った。
****
昨夜、ルシアン殿下とあなたが城にいないということは、陛下や王太子ご夫妻が狙われる危険性が高い。だから私が代わりに城に行かねばならないと仰って、城へと向かわれました。
ですが…
今朝ほど、騎士団からの知らせでは、城に向かわれたはずの旦那様の事をどなたもご存知ないのです。陛下や王太子ご夫妻をお守りすることなく、行方知れずということは、誇り高き騎士の旦那様にとっては不本意なこと。
騎士としての誇りこそが、旦那様のアイデンティティなのです。だから今、国の危機に、妻として、人生のパートナーとして…誇り無き死を旦那様に迎えさせることはできません。
もしこの手紙を読むことが出来たら、どうか旦那様に…誇り高き騎士の道を歩めるように、助けてください。
戦いに赴くあなたの心に、不安の欠片さえも残してはいけないとわかっていながら…ごめんなさい。
****
ところどころ、インクが滲んだ文字に、本当のお母様の気持ちが溢れているのに…気丈に書かれた手紙が悲しかった。
「無理をなさって…」
その封書を握り締め、眼を瞑った。
冷静に…冷静に状況を判断しなくては…
お父様を殺そうとするのなら、ルシアン王子同等の腕の者か、あるいは小隊(30人)並みの人数が必要だろう。だが、私とルシアン王子が城に来るまでの間、それだけの人数と争ったあとなどなかった…だから昨夜、城に向かう途中で襲われたとは思えない。いや城内でもだ。あれば城の中の者とて気づくはず…。
敵の手に落ちた?!
いや…お父様ほどの腕の方を攫うようなリスクを犯すくらいなら、どんな手段を使ってでも殺したほうが安心だ。
では…どこかに潜んでいらっしゃる?
ならばなぜ…出ていらっしゃらない?
私やルシアン王子が城に戻ったことは、城内の騒ぎでわかるはず。
出て行きたくても……出れない?
出てこれない場所とは…どこだろう?
いやどういう状況なのだろう?
出てこれない…あっ!…
ぁ…息が止まりそうだった。
まさか…
でも…そうだったなら…お父様は出てこれない。
「…ハリル。」
「はい。」
「母上にご心配は無用。父上はやはり敬愛する騎士です。と伝えてくれ。」
「はい。」
ハリルは立ち上がると、頭を下げて部屋を飛び出していった。
私はハリルが飛び出して行った扉を見ながら
「キャロルさん、私は少しミランダ姫から離れますが、誰が来ても…この部屋には通されませんように。」
「は、はい。」
「それは、例え…」
そう言って、キャロルさんへと振り向いたと同時だった。
ドンドン!扉を叩く音が部屋に響き、私は張り詰めた心に、(落ち着け…まだ敵が動くのには早い。)と言い聞かせ、軽く息を吐いて扉に手をかけようとしたが、扉が開くのも待ちきれないように、先程部屋を出たハリルの声が、扉越しに聞こえてきた。
「た、た、大変でございます!!ルシアン王子が…王子が!陛下のお部屋で突然意識を失われたそうです…皆が!騒いでおります!」
握っていた封書が…手の中から落ちていった。
0
お気に入りに追加
1,378
あなたにおすすめの小説
巻き込まれ女子と笑わない王子様
来栖もよもよ&来栖もよりーぬ
恋愛
目立たず静かに生きていきたいのに何故かトラブルに巻き込まれやすい古川瞳子(ふるかわとうこ)(十八歳)。巻き込まれたくなければ逃げればいいのだが、本来のお人好しの性格ゆえかつい断りそびれて協力する羽目になる。だがそのトラブルキャッチャーな自分の命運は、大学に入った夏に遊びに来た海で、溺れていた野良猫を助けようとしてあえなく尽きてしまう。
気がつけば助けたその黒猫と一緒に知らない山の中。
しかも猫はこちらにやって来たことが原因なのか、私とだけ思念で会話まで出来るようになっていた。まさか小説なんかで死んだら転生したり転移するって噂の異世界ですか?
トウコは死に損じゃねえかと助けた猫に同情されつつも、どんな世界か不明だけどどちらにせよ暮らして行かねばならないと気を取り直す。どうせ一緒に転生したのだから一緒に生きていこう、と黒猫に【ナイト】という名前をつけ、山を下りることに。
この国の人に出会うことで、ここはあの世ではなく異世界だと知り、自分が異世界からの『迷い人』と呼ばれていることを知る。
王宮に呼ばれ出向くと、国王直々にこの国の同い年の王子が、幼い頃から感情表現をしない子になってしまったので、よその国の人間でも誰でも、彼を変化させられないかどんな僅かな可能性でも良いから試しているので協力して欲しいとのこと。
私にも協力しろと言われても王族との接し方なんて分からない。
王族に関わるとろくなことにならないと小説でも書いてあったのにいきなりですか。
異世界でもトラブルに巻き込まれるなんて涙が出そうだが、衣食住は提供され、ナイトも一緒に暮らしていいと言う好条件だ。給料もちゃんと出すし、三年働いてくれたら辞める時にはまとまったお金も出してくれると言うので渋々受けることにした。本来なら日本で死んだまま、どこかで転生するまで彷徨っていたかも知れないのだし、ここでの人生はおまけのようなものである。
もし王子に変化がなくても責任を押し付けないと念書を取って、トウコは日常生活の家庭教師兼話し相手として王宮で働くことになる。
大抵の人が想像するような金髪に青い瞳の気が遠くなるほどの美形、ジュリアン王子だったが、確かに何を言っても無表情、言われたことは出来るし頭も良いのだが、何かをしたいとかこれが食べたいなどの己の欲もないらしい。
(これはいけない。彼に世の中は楽しいや美味しいが沢山あると教えなければ!)
かくしてジュリアンの表情筋を復活させるトウコの戦いが幕を上げる。
フェードイン・フェードアウトがチートな転生女子と、全く笑みを見せない考えの読めない王子とのじれじれするラブコメ。
男装魔法使い、女性恐怖症の公爵令息様の治療係に任命される
百門一新
恋愛
男装姿で旅をしていたエリザは、長期滞在してしまった異国の王都で【赤い魔法使い(男)】と呼ばれることに。職業は完全に誤解なのだが、そのせいで女性恐怖症の公爵令息の治療係に……!?「待って。私、女なんですけども」しかも公爵令息の騎士様、なぜかものすごい懐いてきて…!?
男装の魔法使い(職業誤解)×女性が大の苦手のはずなのに、ロックオンして攻めに転じたらぐいぐいいく騎士様!?
※小説家になろう様、ベリーズカフェ様、カクヨム様にも掲載しています。
ズボラ上司の甘い罠
松丹子
恋愛
小松春菜の上司、小野田は、無精髭に瓶底眼鏡、乱れた髪にゆるいネクタイ。
仕事はできる人なのに、あまりにももったいない!
かと思えば、イメチェンして来た課長はタイプど真ん中。
やばい。見惚れる。一体これで仕事になるのか?
上司の魅力から逃れようとしながら逃れきれず溺愛される、自分に自信のないフツーの女子の話。になる予定。
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
【完結】もう一度やり直したいんです〜すれ違い契約夫婦は異国で再スタートする〜
四片霞彩
恋愛
「貴女の残りの命を私に下さい。貴女の命を有益に使います」
度重なる上司からのパワーハラスメントに耐え切れなくなった日向小春(ひなたこはる)が橋の上から身投げしようとした時、止めてくれたのは弁護士の若佐楓(わかさかえで)だった。
事情を知った楓に会社を訴えるように勧められるが、裁判費用が無い事を理由に小春は裁判を断り、再び身を投げようとする。
しかし追いかけてきた楓に再度止められると、裁判を無償で引き受ける条件として、契約結婚を提案されたのだった。
楓は所属している事務所の所長から、孫娘との結婚を勧められて困っており、 それを断る為にも、一時的に結婚してくれる相手が必要であった。
その代わり、もし小春が相手役を引き受けてくれるなら、裁判に必要な費用を貰わずに、無償で引き受けるとも。
ただ死ぬくらいなら、最後くらい、誰かの役に立ってから死のうと考えた小春は、楓と契約結婚をする事になったのだった。
その後、楓の結婚は回避するが、小春が会社を訴えた裁判は敗訴し、退職を余儀なくされた。
敗訴した事をきっかけに、裁判を引き受けてくれた楓との仲がすれ違うようになり、やがて国際弁護士になる為、楓は一人でニューヨークに旅立ったのだった。
それから、3年が経ったある日。
日本にいた小春の元に、突然楓から離婚届が送られてくる。
「私は若佐先生の事を何も知らない」
このまま離婚していいのか悩んだ小春は、荷物をまとめると、ニューヨーク行きの飛行機に乗る。
目的を果たした後も、契約結婚を解消しなかった楓の真意を知る為にもーー。
❄︎
※他サイトにも掲載しています。
君に何度でも恋をする
明日葉
恋愛
いろいろ訳ありの花音は、大好きな彼から別れを告げられる。別れを告げられた後でわかった現実に、花音は非常識とは思いつつ、かつて一度だけあったことのある翔に依頼をした。
「仕事の依頼です。個人的な依頼を受けるのかは分かりませんが、婚約者を演じてくれませんか」
「ふりなんて言わず、本当に婚約してもいいけど?」
そう答えた翔の真意が分からないまま、婚約者の演技が始まる。騙す相手は、花音の家族。期間は、残り少ない時間を生きている花音の祖父が生きている間。
この度、青帝陛下の番になりまして
四馬㋟
恋愛
蓬莱国(ほうらいこく)を治める青帝(せいてい)は人ならざるもの、人の形をした神獣――青龍である。ゆえに不老不死で、お世継ぎを作る必要もない。それなのに私は青帝の妻にされ、后となった。望まれない后だった私は、民の反乱に乗して後宮から逃げ出そうとしたものの、夫に捕まり、殺されてしまう。と思ったら時が遡り、夫に出会う前の、四年前の自分に戻っていた。今度は間違えない、と決意した矢先、再び番(つがい)として宮城に連れ戻されてしまう。けれど状況は以前と変わっていて……。
幸せのありか
神室さち
恋愛
兄の解雇に伴って、本社に呼び戻された氷川哉(ひかわさい)は兄の仕事の後始末とも言える関係企業の整理合理化を進めていた。
決定を下した日、彼のもとに行野樹理(ゆきのじゅり)と名乗る高校生の少女がやってくる。父親の会社との取引を継続してくれるようにと。
哉は、人生というゲームの余興に、一年以内に哉の提示する再建計画をやり遂げれば、以降も取引を続行することを決める。
担保として、樹理を差し出すのならと。止める両親を振りきり、樹理は彼のもとへ行くことを決意した。
とかなんとか書きつつ、幸せのありかを探すお話。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
自サイトに掲載していた作品を、閉鎖により移行。
視点がちょいちょい変わるので、タイトルに記載。
キリのいいところで切るので各話の文字数は一定ではありません。
ものすごく短いページもあります。サクサク更新する予定。
本日何話目、とかの注意は特に入りません。しおりで対応していただけるとありがたいです。
別小説「やさしいキスの見つけ方」のスピンオフとして生まれた作品ですが、メインは単独でも読めます。
直接的な表現はないので全年齢で公開します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる