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結婚までの7日間 Lucian & Rosalie
5日目③
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人を殺めれば憎しみが生まれ、そしてそれはまた、新たな憎しみを生み、やがてそれは、終わりのない大きな闇へとなってゆく。
だから、私もそしてルシアン殿下も、剣ですべてが解決できるとは思っていない。
だが、剣で切りかかってくる者がいれば、悲しく、そして虚しいことだとわかっていても…剣を抜くしかない。
でもこれは、上に立つ者の使命。そう…これは使命。
カタン
椅子を引き、キャロルさんが立ち上がり
「ではロザリー様、参りましょうか。」
と言いながら、キャロルさんは歩き出した。
「…ぁ、あの、やっぱり!エステは…やるのでしょうか?」
「もちろんです!それとも…エステの前にウエディングドレスの手直しをお聞きしていたほうがよろしいですか?」
「…今…何と言われました?」
キャロルさんは、私以上にキョトンとした顔で
「ウェディングドレスの手直し…と言いましたが?」
「手直し?」
「剣を使うのには…」
「剣を使う?!」
大きな声で言った私に、キャロルさんは困惑した顔で
「警備が手薄になったように見せかけた結婚式に、敵方を誘い込み、城に閉じ込め一掃されると…お聞きしたのですが?」
「だ…誰から…ですか?」
「ミランダ姫からですが…」
「ミランダ姫…?!」
「それでミランダ姫から、ウエストの切り替えがなく、スカートが大きくふんわりと膨らんだプリンセスラインの、ウエディングドレスでは、思うように剣は使えないだろうから、ロザリー様と相談していい方法を考えてと…」
ミランダ姫…。
怒っていらっしゃると思っていた。
先ほどだって、ムッとした顔でいらしたから…。
……嬉しい。
この方法しか考えられなかった私の気持ちを…わかっておいでだったんだ。
やれる。これで…思う存分やれる。
私の口元に笑みが浮かんだんだろうか、キャロルさんがにっこり笑い
「ロザリー様は、ミランダ姫の事が気にかかっておいでだったんですね。確かに…ミランダ姫はルシアン殿下とロザリー様のご結婚式を楽しみにしておいででしたから…ご心配だったんですね。」
「…キャロルさん…。」
「でも、あの方は…見かけ通りの幼い王女様ではありません。4倍近く年上の私なんかよりも、ずっと先を見ていらっしゃる方です。だからわかっておいです。一番、残念だと思っていらっしゃるのは、ルシアン殿下とロザリー様だと。だからそのおふたりが決められたのなら、周りはその決断について行きます。」
「キャロルさん…でも、色々準備をしてもらっていたのに…無駄になってしまって…ごめんなさい。」
「もう~、だから、言っているじゃないですか。一番残念だと思っているのはルシアン殿下とロザリー様だから、そのおふたりが決められたのなら…ついて行きますって!」
「キャロルさん…。」
「でも!」
「…でも?」
「例え、剣を持っていても…女性は美しくなくてはなりません!どんな時でも女は美しくなくてはならないのです。これは…譲れませんから。」
「…は、はい?」
「な、なんですか?!その惚けた声は…。だから言っているじゃないですか!髪がバサバサ、肌がカサカサは許せませんって…はぁ~。」
大きなため息を何度か付いたキャロルさんは、
「とりあえず…行きましょう。」
「…どこへ?」
「お風呂でございます!手直しのお話は、お風呂でみ~っちりとお手入れをしながら、ウエディングドレスをどうすれば動きやすいのか、検証致しましょう。」
「は、はい!」
「お任せください。このキャロルは出来る女でございます。」
にっこり笑った、キャロルさんの微笑みが微妙に怖い。
きっと…キャロルさんは気が付いている。
・
・
「ブラチフォード国から、あの幻の美容液を手に入れましたから」
・
・
私がほんの少し、結婚式をやりたかった事を…だからわざと…
・
・
「行きますよ!ロザリー様!」
・
・
ありがとうの気持ちは…この危機を乗り越えること…だから…今は…
「はい~!よろしくお願いします!」
私の声に、キャロルさんが笑った。
だから、私もそしてルシアン殿下も、剣ですべてが解決できるとは思っていない。
だが、剣で切りかかってくる者がいれば、悲しく、そして虚しいことだとわかっていても…剣を抜くしかない。
でもこれは、上に立つ者の使命。そう…これは使命。
カタン
椅子を引き、キャロルさんが立ち上がり
「ではロザリー様、参りましょうか。」
と言いながら、キャロルさんは歩き出した。
「…ぁ、あの、やっぱり!エステは…やるのでしょうか?」
「もちろんです!それとも…エステの前にウエディングドレスの手直しをお聞きしていたほうがよろしいですか?」
「…今…何と言われました?」
キャロルさんは、私以上にキョトンとした顔で
「ウェディングドレスの手直し…と言いましたが?」
「手直し?」
「剣を使うのには…」
「剣を使う?!」
大きな声で言った私に、キャロルさんは困惑した顔で
「警備が手薄になったように見せかけた結婚式に、敵方を誘い込み、城に閉じ込め一掃されると…お聞きしたのですが?」
「だ…誰から…ですか?」
「ミランダ姫からですが…」
「ミランダ姫…?!」
「それでミランダ姫から、ウエストの切り替えがなく、スカートが大きくふんわりと膨らんだプリンセスラインの、ウエディングドレスでは、思うように剣は使えないだろうから、ロザリー様と相談していい方法を考えてと…」
ミランダ姫…。
怒っていらっしゃると思っていた。
先ほどだって、ムッとした顔でいらしたから…。
……嬉しい。
この方法しか考えられなかった私の気持ちを…わかっておいでだったんだ。
やれる。これで…思う存分やれる。
私の口元に笑みが浮かんだんだろうか、キャロルさんがにっこり笑い
「ロザリー様は、ミランダ姫の事が気にかかっておいでだったんですね。確かに…ミランダ姫はルシアン殿下とロザリー様のご結婚式を楽しみにしておいででしたから…ご心配だったんですね。」
「…キャロルさん…。」
「でも、あの方は…見かけ通りの幼い王女様ではありません。4倍近く年上の私なんかよりも、ずっと先を見ていらっしゃる方です。だからわかっておいです。一番、残念だと思っていらっしゃるのは、ルシアン殿下とロザリー様だと。だからそのおふたりが決められたのなら、周りはその決断について行きます。」
「キャロルさん…でも、色々準備をしてもらっていたのに…無駄になってしまって…ごめんなさい。」
「もう~、だから、言っているじゃないですか。一番残念だと思っているのはルシアン殿下とロザリー様だから、そのおふたりが決められたのなら…ついて行きますって!」
「キャロルさん…。」
「でも!」
「…でも?」
「例え、剣を持っていても…女性は美しくなくてはなりません!どんな時でも女は美しくなくてはならないのです。これは…譲れませんから。」
「…は、はい?」
「な、なんですか?!その惚けた声は…。だから言っているじゃないですか!髪がバサバサ、肌がカサカサは許せませんって…はぁ~。」
大きなため息を何度か付いたキャロルさんは、
「とりあえず…行きましょう。」
「…どこへ?」
「お風呂でございます!手直しのお話は、お風呂でみ~っちりとお手入れをしながら、ウエディングドレスをどうすれば動きやすいのか、検証致しましょう。」
「は、はい!」
「お任せください。このキャロルは出来る女でございます。」
にっこり笑った、キャロルさんの微笑みが微妙に怖い。
きっと…キャロルさんは気が付いている。
・
・
「ブラチフォード国から、あの幻の美容液を手に入れましたから」
・
・
私がほんの少し、結婚式をやりたかった事を…だからわざと…
・
・
「行きますよ!ロザリー様!」
・
・
ありがとうの気持ちは…この危機を乗り越えること…だから…今は…
「はい~!よろしくお願いします!」
私の声に、キャロルさんが笑った。
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