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結婚までの7日間 Lucian & Rosalie
4日目④
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ミランダ姫そして、ルシアン殿下を前にして、私は緊張からか、思わずゴクンと息を呑んだ。
「どうしたの?叔父様と私に話があるって…あっ!ドレスの件なら大丈夫よ。ロザリーがいない間。ちゃんとキャサリンがお針子に、「ミランダ。」」
ミランダ姫の話を止められたルシアン殿下に、ミランダ姫はキョトンとした顔で…
「叔父様?」
「…どうやら…ロザリーは結婚式でドレスは着てはくれないようだ。」
目を見開き、私を見られたミランダ姫に、そして寂しげな顔のルシアン殿下に
「…すみません。でも、数日でバウマン公爵を取り押さえ、戴冠式と結婚式を無事終わらせることは難しい話です。それどころか、もし仕留めることができず、手負いにしてしまえば、状況は悪いほうへ変わると思います。バウマン公爵の計画は、表立ってルシアン殿下に剣を向ける事ではなく、戴冠式でロイをルシアン殿下として、ローラン国王として、その後ろで操る傀儡政権を狙っているのですから、こちらから先に剣を向ければ…」
「…だから?」
…と私の話の途中で、ルシアン殿下は言われた。
「殿下?!」
苦し気に顔を歪ませ
「だから…!」
そんな顔をさせたいわけじゃない。でも…ここは譲れない。
「だから…どうだと仰るのですか。ならばお教えください。戴冠式や結婚式前に、どうやってバウマン公爵を押さえるのか?」
「ロザリー!」
「殿下!」
「や、やめてよ。二人ともやめてよ…。」
私とルシアン殿下の言い争う声を止める、ミランダ姫の震える涙声に、私は俯き、ルシアン殿下は唇を噛まれた。
「なんで…こんなことになっちゃうのよ。」
そう言われ、私の胸に飛び込み、小さな拳を振り上げ
「どうして!あんなに楽しみにしていたじゃない!わかってるの?!戴冠式で争いを起こせば、その後に執り行う結婚式はできないわよ!」
そう言われて、私の胸を叩いていた手は、私の腰に回り
「血で汚れた聖堂じゃ…できないじゃない…わかってるの?結婚式はできないのよ。」
私は銀色に輝くミランダ姫の髪に触れ
「はい。でも私はたった一日の為に、その後の幸せな時間を捨てたくはないのです。」
「ロザリー…。」
私の言葉に、部屋の中に留まっていた空気が、ゆっくりと流れだした気がした。
その空気の流れを、ルシアン殿下がまるで心に取り込むように、大きく息を吸い込まれ
「…侯爵。そこに控えておるのだろう。」
ルシアン殿下はお父様を呼ばれた。扉が静かに開き、掠れた声が
「…はい。」
「悪いがミランダを頼む。」
「叔父様…。」
「ロザリーと二人で話がしたい。ミランダ、すまないが席を外してくれ。」
お父様は顔を歪め私を見、そしてミランダ姫は小さな声で「ロザリーのバカ」と言って、走って行かれた。
わかっている。私を思ってくださるお気持ちをないがしろにしていることは…でも…。
二人だけになった部屋、ルシアン殿下は私の腕を取り
「なぜ?騎士でいようとする。おまえは私の妃だ。」
「妃だからです。」
「ロザリー…。」
「妃だから…。ローラン国の王となる方の妃だから…。その方のために、その方が治める国の為に、この体も思いも使いたいのです。」
私の言葉に、ルシアン殿下が私の腕を強く握られ
「…罠を張るのは…戴冠式ではないという事か…結婚式にバウマンを…。」
「戴冠式を無事に終えることが一番大事、王となられたルシアン殿下に刃を向ければ…反逆者としてバウマン公爵を押さえることができます。」
「戴冠式で俺が王となることで、バウマンにもう己には先がないと思わせ、その心を利用し、結婚式を襲わせ…反逆者として殲滅させるつもりか…。」
「はい。」
ルシアン殿下が私を握る手が緩んだ。
「おまえは…俺を…最低の男にしようとする。愛する女の夢を…台無しにさせる男に…。」
苦しいと…
ルシアン殿下の心が言ってる。
でも、ルシアン殿下は私の夢を台無しになんかしていない。
「ルシアン」
私の声は自然と愛する人の名を呼んだ。
苦し気に歪んだルシアン殿下の顔が…今度は泣きそうに歪んだ。
「ルシアン。私の夢はもう半分叶っている。」
「ロザリー…。」
「あなたのたったひとりの妃になる夢は叶った。あとの半分は…あなたが国の王になり、この国の民を幸せと導き、そのお手伝いができること。あなただって、わかっているのでしょう。バウマンを反逆者として裁くことが一番だと。なら…躊躇しないで。」
「…おまえは…。」
そう言われて、両手で私の頬を包み
「おまえは…最高の騎士で、最高の妃だ。だが…俺の気持ちがわからない女だ!」
赤い瞳の色が…より赤く見えると思った瞬間。
私の唇はルシアン殿下に塞がれていた。
「どうしたの?叔父様と私に話があるって…あっ!ドレスの件なら大丈夫よ。ロザリーがいない間。ちゃんとキャサリンがお針子に、「ミランダ。」」
ミランダ姫の話を止められたルシアン殿下に、ミランダ姫はキョトンとした顔で…
「叔父様?」
「…どうやら…ロザリーは結婚式でドレスは着てはくれないようだ。」
目を見開き、私を見られたミランダ姫に、そして寂しげな顔のルシアン殿下に
「…すみません。でも、数日でバウマン公爵を取り押さえ、戴冠式と結婚式を無事終わらせることは難しい話です。それどころか、もし仕留めることができず、手負いにしてしまえば、状況は悪いほうへ変わると思います。バウマン公爵の計画は、表立ってルシアン殿下に剣を向ける事ではなく、戴冠式でロイをルシアン殿下として、ローラン国王として、その後ろで操る傀儡政権を狙っているのですから、こちらから先に剣を向ければ…」
「…だから?」
…と私の話の途中で、ルシアン殿下は言われた。
「殿下?!」
苦し気に顔を歪ませ
「だから…!」
そんな顔をさせたいわけじゃない。でも…ここは譲れない。
「だから…どうだと仰るのですか。ならばお教えください。戴冠式や結婚式前に、どうやってバウマン公爵を押さえるのか?」
「ロザリー!」
「殿下!」
「や、やめてよ。二人ともやめてよ…。」
私とルシアン殿下の言い争う声を止める、ミランダ姫の震える涙声に、私は俯き、ルシアン殿下は唇を噛まれた。
「なんで…こんなことになっちゃうのよ。」
そう言われ、私の胸に飛び込み、小さな拳を振り上げ
「どうして!あんなに楽しみにしていたじゃない!わかってるの?!戴冠式で争いを起こせば、その後に執り行う結婚式はできないわよ!」
そう言われて、私の胸を叩いていた手は、私の腰に回り
「血で汚れた聖堂じゃ…できないじゃない…わかってるの?結婚式はできないのよ。」
私は銀色に輝くミランダ姫の髪に触れ
「はい。でも私はたった一日の為に、その後の幸せな時間を捨てたくはないのです。」
「ロザリー…。」
私の言葉に、部屋の中に留まっていた空気が、ゆっくりと流れだした気がした。
その空気の流れを、ルシアン殿下がまるで心に取り込むように、大きく息を吸い込まれ
「…侯爵。そこに控えておるのだろう。」
ルシアン殿下はお父様を呼ばれた。扉が静かに開き、掠れた声が
「…はい。」
「悪いがミランダを頼む。」
「叔父様…。」
「ロザリーと二人で話がしたい。ミランダ、すまないが席を外してくれ。」
お父様は顔を歪め私を見、そしてミランダ姫は小さな声で「ロザリーのバカ」と言って、走って行かれた。
わかっている。私を思ってくださるお気持ちをないがしろにしていることは…でも…。
二人だけになった部屋、ルシアン殿下は私の腕を取り
「なぜ?騎士でいようとする。おまえは私の妃だ。」
「妃だからです。」
「ロザリー…。」
「妃だから…。ローラン国の王となる方の妃だから…。その方のために、その方が治める国の為に、この体も思いも使いたいのです。」
私の言葉に、ルシアン殿下が私の腕を強く握られ
「…罠を張るのは…戴冠式ではないという事か…結婚式にバウマンを…。」
「戴冠式を無事に終えることが一番大事、王となられたルシアン殿下に刃を向ければ…反逆者としてバウマン公爵を押さえることができます。」
「戴冠式で俺が王となることで、バウマンにもう己には先がないと思わせ、その心を利用し、結婚式を襲わせ…反逆者として殲滅させるつもりか…。」
「はい。」
ルシアン殿下が私を握る手が緩んだ。
「おまえは…俺を…最低の男にしようとする。愛する女の夢を…台無しにさせる男に…。」
苦しいと…
ルシアン殿下の心が言ってる。
でも、ルシアン殿下は私の夢を台無しになんかしていない。
「ルシアン」
私の声は自然と愛する人の名を呼んだ。
苦し気に歪んだルシアン殿下の顔が…今度は泣きそうに歪んだ。
「ルシアン。私の夢はもう半分叶っている。」
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「あなたのたったひとりの妃になる夢は叶った。あとの半分は…あなたが国の王になり、この国の民を幸せと導き、そのお手伝いができること。あなただって、わかっているのでしょう。バウマンを反逆者として裁くことが一番だと。なら…躊躇しないで。」
「…おまえは…。」
そう言われて、両手で私の頬を包み
「おまえは…最高の騎士で、最高の妃だ。だが…俺の気持ちがわからない女だ!」
赤い瞳の色が…より赤く見えると思った瞬間。
私の唇はルシアン殿下に塞がれていた。
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