80 / 233
第三話 失われた真実
第四章:4 深く刻まれた気持ち
しおりを挟む
冬の訪れを示すように、深夜の外気が冷たい。朱里は寝間着の上に簡単な上着を羽織って、自室から続いているベランダへ出ていた。
今日一日を振り返りながら、色々なことに考えを巡らせる。
放課後に起きた衝撃的な出来事の余韻が冷めないまま、朱里は遥と共に、無事に学院から帰宅した。
遥に刺し貫かれた女性のその後も気になったが、どこか現実感を欠いている。彼女との出会いで明らかになったこと。夢で辿る光景と符号する女性の顔貌。語られた言葉。確かに彼女との出会いは朱里に新たな憂鬱の種を撒いてくれた。
けれど、それ以上に胸に深く刻まれているのは、朱里の語ることを初めから拒絶している遥の態度だった。
泣きたいような気持ちで帰宅すると、麒一と麟華が朱里に一つの提案をしてきた。遥をこの邸宅に滞在させるというのだ。理由を聞いてみると、ただ最善の策であるという。おそらく彼らの世界の事情が関わっているのだろう。朱里に窺い知ることが出来るのはそれだけだった。例え具体的に説明されても、理解できないに違いない。
朱里は理由について、深く追求しなかった。
遥を邸宅に迎えることについて、自分が肯定的であることは否定しない。少し前までなら、小躍りしたいくらい喜んだだろう。けれど、今は自分の中であらゆる事情が交錯していて、手放しに喜ぶことが出来なくなっていた。
複雑な思いに駆られてしまう。
遥の示した拒絶を目の当たりにして。
彼を好きになってはいけないと釘を刺されながら、彼の身近で過ごす日々を強いられる。
傍にあれば、朱里はその立ち位置を変えることが出来ない。既に遥への想いが、すぐに切り捨てられるような簡単な気持ちではないと判っている。
判っていても。
近くにいなければ、いつかこの胸に巣食っている想いが費えるのかもしれない。それが、わずかな希望だった。
出口のない箱庭の中で見つけた隠し扉のように、朱里にとってはわずかに残された逃げ道だったのだ。
一過性の熱病。
綺麗な思い出となって刻まれるだけの初恋。
本当は気持ちを自覚したときから、切ない思い出として終わることを期待していたに違いない。
どこかで綺麗な恋心を思い描いていた自分。
届かない想いに苦悩することも、いつか懐かしい思い出になるだけなのだと。
叶わなかった初恋として、美しい思い出になると。
そんな幻想を抱いていた。
今はもう、綺麗事だけを思い描くことが出来ない。手に入らない想いを追い続けて、自分は奈落の底まで落ちていく。道を踏み外してしまうのかもしれない。
(――こわい……)
遥への想いが。
こんなにも思い詰めてしまう自分が。
胸の奥底に刻まれた罪悪がある。理由が失われたまま、ただ強く。
――この想いは世界を滅ぼす。
手を離さなければ人々を苦しめる。全てが失われてしまう。
朱里は羽織っている上着の前を掻き合わせるように、強く両手に力を込めた。どこからか胸に去来する想い。それは不自然なくらいに、朱里の中に芽生えた遥への想いと交わっていくのだ。何の齟齬もなく、自分の気持ちとして。
深く刻まれている。
(私は……)
その先を考えることが恐ろしくて、朱里は凍えるように身を小さくする。
既に全てが憶測ではなくなりつつある。自分の中にある、たしかな証。
この想い。
(私が、朱桜なのかもしれない)
夢の中で見た光景。朱桜が闇呪に抱く想いは、手に取るように辿ることが出来る。
彼女は闇呪に惹かれていた。自分が遥を想うように。
(……嫌だ)
思い過ごしだと目を逸らしたい。ただの偶然なのだと。
全てが自分の妄想で、何の根拠もない夢を見ているのだと。
(夢を見るのがこわい……)
鮮明な夢はごまかすこともままならないほど、いつか朱里に真実を突きつけるのかもしれない。強すぎる気持ちも、想いと共に湧き上がる罪悪も、輪郭を持たない感情の全てが、形になってしまうのかもしれない。
「朱里ったら」
ふいに背後で呼ばれて、朱里ははっと振り返った。
「麟華、どうしたの?」
いつのまに現れたのか、麟華がベランダから続く開け放したままの窓の前に立っていた。
「こんな夜中なのに、まだ部屋から灯りが漏れているんだもの。ノックしても返事がないから、勝手に入っちゃったわよ」
「あ、ごめんなさい。ちょっと、星を見ていたの」
麟華に夢を見るのが恐いとは言えない。夢で辿る光景が、過ぎた日の出来事だと突きつけられることを恐れてしまう。眠れないのだと素直に言えなかった。
朱里が慌てて取り繕うと、麟華は顔をあげて夜空を眺めてから、目を細めて妹を睨む。
「へぇ、こんなに曇っているのに? 朱里には星空が見えるのね。へえぇ」
皮肉をこめて大袈裟に感嘆しながら、麟華も同じようにベランダへ出てくる。朱里の隣に立って、「こら」と指先で妹の額を弾いた。
「イタッ」
「嘘をつくから、バチを当ててあげたわ」
「もう、私だって色々と考えたいことがあるのっ」
むくれて姉を見上げると、麟華はふっと表情を改める。
「朱里は、黒沢先生がこの家にいるのが嫌なの?」
唐突に聞かれて、朱里は思わずうろたえてしまう。自分の複雑な心境を見抜かれたのかと再び慌てた。
「別に、嫌ということは……」
「だって、朱里の様子がおかしいんだもの。私はもっと喜んでくれるかと思っていたのに」
麟華は残念そうに吐息をついて、ベランダを囲う塀から身を乗り出すようにして、上体を預けた。朱里は遥の滞在を提案された場面を振り返る。既に三人は申し合わせていたようで、遥もただ朱里の様子を見守っていた。
あの時、素直に喜べなかった自覚がある。そのせいだろうか。遥は「すまない」と静かに詫びていた。
朱里は周りに対して思いやりを欠いた態度だったのだと、今更になって反省してしまう。けれど、反省してみるものの、やはり複雑な心境は変わらない。
思わず、麟華にぽつりと漏らしてしまう。
「私、喜んでもいいのかな」
「え?」
麟華は意味が判らないのか、不思議そうに朱里を見た。朱里は秘めていることが出来ず、目の前の姉にぶつけてしまう。
「麒一ちゃんが、先生を好きになっては駄目だって。――でも、私、先生が好きなの」
突然の告白に、さすがの麟華も戸惑っているようだった。すぐに反応がない。朱里はやはり姉にとっても歓迎できない事実なのだと胸が塞ぐ。けれど、一度言葉にすると、想いは更に力を伴って朱里を突き動かした。
「すごく、先生が好き。自分でもいけないって判っているのに止められない。……でも、好きなの。ずっと、傍にいたいと思ってしまう」
麟華を困らせると判っているのに、朱里は想いを語ることがやめられなかった。今まで閉じ込めていた反動なのか、気持ちが急激に上り詰めて涙となって溢れ出てしまう。冗談だとごまかすこともできず、朱里は嗚咽を繰り返した。
今日一日を振り返りながら、色々なことに考えを巡らせる。
放課後に起きた衝撃的な出来事の余韻が冷めないまま、朱里は遥と共に、無事に学院から帰宅した。
遥に刺し貫かれた女性のその後も気になったが、どこか現実感を欠いている。彼女との出会いで明らかになったこと。夢で辿る光景と符号する女性の顔貌。語られた言葉。確かに彼女との出会いは朱里に新たな憂鬱の種を撒いてくれた。
けれど、それ以上に胸に深く刻まれているのは、朱里の語ることを初めから拒絶している遥の態度だった。
泣きたいような気持ちで帰宅すると、麒一と麟華が朱里に一つの提案をしてきた。遥をこの邸宅に滞在させるというのだ。理由を聞いてみると、ただ最善の策であるという。おそらく彼らの世界の事情が関わっているのだろう。朱里に窺い知ることが出来るのはそれだけだった。例え具体的に説明されても、理解できないに違いない。
朱里は理由について、深く追求しなかった。
遥を邸宅に迎えることについて、自分が肯定的であることは否定しない。少し前までなら、小躍りしたいくらい喜んだだろう。けれど、今は自分の中であらゆる事情が交錯していて、手放しに喜ぶことが出来なくなっていた。
複雑な思いに駆られてしまう。
遥の示した拒絶を目の当たりにして。
彼を好きになってはいけないと釘を刺されながら、彼の身近で過ごす日々を強いられる。
傍にあれば、朱里はその立ち位置を変えることが出来ない。既に遥への想いが、すぐに切り捨てられるような簡単な気持ちではないと判っている。
判っていても。
近くにいなければ、いつかこの胸に巣食っている想いが費えるのかもしれない。それが、わずかな希望だった。
出口のない箱庭の中で見つけた隠し扉のように、朱里にとってはわずかに残された逃げ道だったのだ。
一過性の熱病。
綺麗な思い出となって刻まれるだけの初恋。
本当は気持ちを自覚したときから、切ない思い出として終わることを期待していたに違いない。
どこかで綺麗な恋心を思い描いていた自分。
届かない想いに苦悩することも、いつか懐かしい思い出になるだけなのだと。
叶わなかった初恋として、美しい思い出になると。
そんな幻想を抱いていた。
今はもう、綺麗事だけを思い描くことが出来ない。手に入らない想いを追い続けて、自分は奈落の底まで落ちていく。道を踏み外してしまうのかもしれない。
(――こわい……)
遥への想いが。
こんなにも思い詰めてしまう自分が。
胸の奥底に刻まれた罪悪がある。理由が失われたまま、ただ強く。
――この想いは世界を滅ぼす。
手を離さなければ人々を苦しめる。全てが失われてしまう。
朱里は羽織っている上着の前を掻き合わせるように、強く両手に力を込めた。どこからか胸に去来する想い。それは不自然なくらいに、朱里の中に芽生えた遥への想いと交わっていくのだ。何の齟齬もなく、自分の気持ちとして。
深く刻まれている。
(私は……)
その先を考えることが恐ろしくて、朱里は凍えるように身を小さくする。
既に全てが憶測ではなくなりつつある。自分の中にある、たしかな証。
この想い。
(私が、朱桜なのかもしれない)
夢の中で見た光景。朱桜が闇呪に抱く想いは、手に取るように辿ることが出来る。
彼女は闇呪に惹かれていた。自分が遥を想うように。
(……嫌だ)
思い過ごしだと目を逸らしたい。ただの偶然なのだと。
全てが自分の妄想で、何の根拠もない夢を見ているのだと。
(夢を見るのがこわい……)
鮮明な夢はごまかすこともままならないほど、いつか朱里に真実を突きつけるのかもしれない。強すぎる気持ちも、想いと共に湧き上がる罪悪も、輪郭を持たない感情の全てが、形になってしまうのかもしれない。
「朱里ったら」
ふいに背後で呼ばれて、朱里ははっと振り返った。
「麟華、どうしたの?」
いつのまに現れたのか、麟華がベランダから続く開け放したままの窓の前に立っていた。
「こんな夜中なのに、まだ部屋から灯りが漏れているんだもの。ノックしても返事がないから、勝手に入っちゃったわよ」
「あ、ごめんなさい。ちょっと、星を見ていたの」
麟華に夢を見るのが恐いとは言えない。夢で辿る光景が、過ぎた日の出来事だと突きつけられることを恐れてしまう。眠れないのだと素直に言えなかった。
朱里が慌てて取り繕うと、麟華は顔をあげて夜空を眺めてから、目を細めて妹を睨む。
「へぇ、こんなに曇っているのに? 朱里には星空が見えるのね。へえぇ」
皮肉をこめて大袈裟に感嘆しながら、麟華も同じようにベランダへ出てくる。朱里の隣に立って、「こら」と指先で妹の額を弾いた。
「イタッ」
「嘘をつくから、バチを当ててあげたわ」
「もう、私だって色々と考えたいことがあるのっ」
むくれて姉を見上げると、麟華はふっと表情を改める。
「朱里は、黒沢先生がこの家にいるのが嫌なの?」
唐突に聞かれて、朱里は思わずうろたえてしまう。自分の複雑な心境を見抜かれたのかと再び慌てた。
「別に、嫌ということは……」
「だって、朱里の様子がおかしいんだもの。私はもっと喜んでくれるかと思っていたのに」
麟華は残念そうに吐息をついて、ベランダを囲う塀から身を乗り出すようにして、上体を預けた。朱里は遥の滞在を提案された場面を振り返る。既に三人は申し合わせていたようで、遥もただ朱里の様子を見守っていた。
あの時、素直に喜べなかった自覚がある。そのせいだろうか。遥は「すまない」と静かに詫びていた。
朱里は周りに対して思いやりを欠いた態度だったのだと、今更になって反省してしまう。けれど、反省してみるものの、やはり複雑な心境は変わらない。
思わず、麟華にぽつりと漏らしてしまう。
「私、喜んでもいいのかな」
「え?」
麟華は意味が判らないのか、不思議そうに朱里を見た。朱里は秘めていることが出来ず、目の前の姉にぶつけてしまう。
「麒一ちゃんが、先生を好きになっては駄目だって。――でも、私、先生が好きなの」
突然の告白に、さすがの麟華も戸惑っているようだった。すぐに反応がない。朱里はやはり姉にとっても歓迎できない事実なのだと胸が塞ぐ。けれど、一度言葉にすると、想いは更に力を伴って朱里を突き動かした。
「すごく、先生が好き。自分でもいけないって判っているのに止められない。……でも、好きなの。ずっと、傍にいたいと思ってしまう」
麟華を困らせると判っているのに、朱里は想いを語ることがやめられなかった。今まで閉じ込めていた反動なのか、気持ちが急激に上り詰めて涙となって溢れ出てしまう。冗談だとごまかすこともできず、朱里は嗚咽を繰り返した。
0
お気に入りに追加
134
あなたにおすすめの小説
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
愛しき夫は、男装の姫君と恋仲らしい。
星空 金平糖
恋愛
シエラは、政略結婚で夫婦となった公爵──グレイのことを深く愛していた。
グレイは優しく、とても親しみやすい人柄でその甘いルックスから、結婚してからも数多の女性達と浮名を流していた。
それでもシエラは、グレイが囁いてくれる「私が愛しているのは、あなただけだよ」その言葉を信じ、彼と夫婦であれることに幸福を感じていた。
しかし。ある日。
シエラは、グレイが美貌の少年と親密な様子で、王宮の庭を散策している場面を目撃してしまう。当初はどこかの令息に王宮案内をしているだけだと考えていたシエラだったが、実はその少年が王女─ディアナであると判明する。
聞くところによるとディアナとグレイは昔から想い会っていた。
ディアナはグレイが結婚してからも、健気に男装までしてグレイに会いに来ては逢瀬を重ねているという。
──……私は、ただの邪魔者だったの?
衝撃を受けるシエラは「これ以上、グレイとはいられない」と絶望する……。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
【完結】夫もメイドも嘘ばかり
横居花琉
恋愛
真夜中に使用人の部屋から男女の睦み合うような声が聞こえていた。
サブリナはそのことを気に留めないようにしたが、ふと夫が浮気していたのではないかという疑念に駆られる。
そしてメイドから衝撃的なことを打ち明けられた。
夫のアランが無理矢理関係を迫ったというものだった。
【完結】忘れてください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。
貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。
夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。
貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。
もういいの。
私は貴方を解放する覚悟を決めた。
貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。
私の事は忘れてください。
※6月26日初回完結
7月12日2回目完結しました。
お読みいただきありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる