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第二話 偽りの玉座
参章:四 目撃談1
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清香のその体験は、北にある碧国からの帰途で起きた。
彼女の仕える滄の宮城は、天界の東に位置している。北にある碧と滄の国境には、異界へ繋がる鬼門が存在し、禍の象徴だと噂される鬼の坩堝があった。
もちろん碧の宮城へ向かうために、鬼門に近づく必要はない。鬼の坩堝を迂回するように道が作られている。人々が禍に満たされた恐ろしい土地に踏み込むことは、決してないのだ。
碧国から帰途についたのは、清香を含め五人の女官と、警護として付き添う二人の衛兵だった。滄の二番目に生まれた太子が訪碧した為に、彼女達は太子の身の回りの世話を担うために、同じように碧を訪れた。
太子の碧国訪問が済むと、本人は時間を惜しむように天馬を繋いだ滄庇車で帰途についた。清香達も二番目の太子が多忙であることは了解しているので、それを羨むこともない。
徒歩での帰路は長い道のりだが、滅多に遠出することのない女官にとっては息抜きにもなるひとときだった。
事件が起きたのは夕刻。鬼の坩堝を迂回する道が終わりに差し掛かった頃だろうか。近頃は天帝の加護がもたらす光が費え、昼夜の区別がつかない。空は常に暗雲に閉ざされ、世界は薄闇に呑まれたように暗いのだ。
輝きを失くした空。それでも迂回する道の彼方に鬼門が聳えているのは、隠しようがない。鬼の坩堝には、常に真っ黒な柱が天高く突き上げているのだ。
艶やかにさえ見える、漆黒の円柱。
滄の宮城からも眺めることができる巨大な黒柱だが、こんなに近い所で目にするのは清香も初めてだった。迫り来る黒い闇に吸い込まれそうで、思わず口数が少なくなってしまう。
目を背けたくなるような、禍々しい光景。
暗黒の柱の正体を、清香は知らない。
噂によれば、鬼門を治める闇呪の主が、その身に与えられた呪をもって世の鬼を集めていると言われている。
闇呪の主――滄の国に生まれた、三番目の太子。
そんな忌まわしい宿命を与えられなければ、清香が彼の世話を務めることがあったのかもしれない。そんなことを考えて、清香は思わず頭を振った。
闇呪の主は、生まれながら冷酷無比で残忍な人物であると言う。
彼に嫁いだ姫君達が、惨い死を迎えたことは誰もが知っている事実だ。
宿命が彼を悪しき行いに駆り立てているのかどうかは判らない。それでも、既に同情や哀れみをかける理由は、どこにも残されていなかった。
清香は黒柱から顔を背けるように、前に続く道を眺める。
その時、迂回路が交わる道の先で、何かがきらりと視界の片隅で煌めいた気がした。
初めに立ち止まったのは、先陣を行く衛兵だった。
「何かしら」
誰かの呟きを聞いた気がする。先頭に立っていた男が様子を見てくると駆け出した。清香達も不安を抱くことはなく、早足に男の後に続く。
一行は、その少女と出会い、言葉を失った。
歪みのない、濡れたように真っ直ぐに伸びた長髪は、煌めく金色を湛えている。
少女は苦しげに肩を上下させて、喘ぐように呼吸していた。道中で幾度も転んだのだろうか。細い手足には、あちこちに擦り傷や切り傷が出来て、血を滲ませている。
清香達が出会った時も、両手を地について身を起こそうとしている処だった。
白い夜着の上に、身を隠すように羽織った山吹の単。
単は滄と緋の国の人間が好んで身にまとう衣装だが、袖は肩から強い力で引き裂かれたように破れている。
夜着も乱れており、白い足が露になっていた。
足先は裸足のままで、履物もなく走り続けたのか、血まみれになっている。
清香は金髪の示す意味を捉える前に、少女の痛々しい姿が目に焼きついた。
まるで乱暴された女が、命からがら逃げ出してきた様な、そんな哀れな姿に見えたのだ。
苦しげに身を起こした少女は、ようやく清香達の存在に気がついたようだ。
怯えるように見開かれた瞳は涙に濡れている。薄闇の中で、金色に輝く虹彩が閃く。
清香はその時はじめて、彼女の髪色と瞳が何を意味しているのかを考えた。一気に我に返ると、素早く少女に歩み寄った。
「どうなさったのですか」
手を差し伸べた清香に、彼女は激しく頭を振った。恐ろしい目に合ったのは疑いようがないだろう。錯乱していてもおかしくはない。
清香は彼女が羽織る乱れた単を間近に見て、それが上質な織物であることに気がついた。どこかの姫君であることは間違いない。
「とにかく、傷の手当てをしなければ」
「触らないでっ、……触らないで、下さい」
差し伸べた手を払いのけて、彼女は再び激しく頭を振る。長い髪が彼女の動きに合わせて、金色に閃いた。輝きのない世界で、ここだけが光に照らされたように明るい。
清香達が成す術もなく顔を見合わせていると、ガタガタと身を震わせていた少女が、ふと視界に入ったらしい自身の髪に手を伸ばす。
長く地面に広がった金色の一束を掴み、信じられない物を眺めるように顔をひきつらせた。
「そんな――、どうして、どうして。……こんな、こんなことが」
「姫君、いかがなされたのです?」
「っああ、どうして。違う、こんな……、こんな姿では」
何も聞こえず、何も耳に入らない様子で、彼女は悲嘆に暮れているように見えた。自身の身を襲った不幸は未だに止まず、彼女の心を苛み続けているのだろうか。
「どうして……、もう、会えない」
幾度もどうしてと繰り返し、彼女は涙を流し続ける。
「――闇呪……」
まるで乞うような呟きだった。嗚咽に紛れて、言葉が明瞭ではなかったせいなのかもしれない。けれど、清香にははっきりとそう聞き取れた。
男が御車を調達してくると踵を返そうとした瞬間、大きな影が清香達の頭上を過ぎる。
「ひっ……」
その場にいた者は、あまりの光景に腰を抜かしそうになった。
真っ黒な翼が緩やかに旋回している。ゆらりとした残像が流れる不可思議な姿は、どこまでも禍々しい。
現れた二つの大きな影に、清香は身が竦んで動けなかった。
黒鳥は巨大で、苦しげに頭を振る。それでも、懸命に翼を動かして、番のような二羽が少女の上を羽ばたいている。
少女は泣き濡れた顔を上げて、黒鳥を仰いだ。
恐れることもなく、彼女は真っ直ぐに細い腕を伸ばす。
「慰めてくれるの?」
「ひ、姫君?」
触ってはいけません、という清香の声は悲鳴になっていたかもしれない。
「私はもう、消えてしまいたい。――連れて行って、……どこか知らない処へ」
彼女は泣きながら、お願いと訴えた。
巨大な影は思い悩むようにぐるりと旋回し、やがて意を決したように少女に近づいた。黒い影が少女の体を持ち上げる。禍々しい闇に捕らわれても、彼女の長い髪だけが、燐光を放っているかのように輝いていた。
清香は呆然とその光景を見守ることしか出来ない。
影はゆるやかに飛び去り、真っ直ぐ鬼門へと進路を取った。
黒い影が少しずつ遠ざかる。やがて小さな点になると、天へと突き上げる黒柱の影に重なって紛れてしまう。清香には、彼女の行方を見届けることが出来なかった。
彼女の仕える滄の宮城は、天界の東に位置している。北にある碧と滄の国境には、異界へ繋がる鬼門が存在し、禍の象徴だと噂される鬼の坩堝があった。
もちろん碧の宮城へ向かうために、鬼門に近づく必要はない。鬼の坩堝を迂回するように道が作られている。人々が禍に満たされた恐ろしい土地に踏み込むことは、決してないのだ。
碧国から帰途についたのは、清香を含め五人の女官と、警護として付き添う二人の衛兵だった。滄の二番目に生まれた太子が訪碧した為に、彼女達は太子の身の回りの世話を担うために、同じように碧を訪れた。
太子の碧国訪問が済むと、本人は時間を惜しむように天馬を繋いだ滄庇車で帰途についた。清香達も二番目の太子が多忙であることは了解しているので、それを羨むこともない。
徒歩での帰路は長い道のりだが、滅多に遠出することのない女官にとっては息抜きにもなるひとときだった。
事件が起きたのは夕刻。鬼の坩堝を迂回する道が終わりに差し掛かった頃だろうか。近頃は天帝の加護がもたらす光が費え、昼夜の区別がつかない。空は常に暗雲に閉ざされ、世界は薄闇に呑まれたように暗いのだ。
輝きを失くした空。それでも迂回する道の彼方に鬼門が聳えているのは、隠しようがない。鬼の坩堝には、常に真っ黒な柱が天高く突き上げているのだ。
艶やかにさえ見える、漆黒の円柱。
滄の宮城からも眺めることができる巨大な黒柱だが、こんなに近い所で目にするのは清香も初めてだった。迫り来る黒い闇に吸い込まれそうで、思わず口数が少なくなってしまう。
目を背けたくなるような、禍々しい光景。
暗黒の柱の正体を、清香は知らない。
噂によれば、鬼門を治める闇呪の主が、その身に与えられた呪をもって世の鬼を集めていると言われている。
闇呪の主――滄の国に生まれた、三番目の太子。
そんな忌まわしい宿命を与えられなければ、清香が彼の世話を務めることがあったのかもしれない。そんなことを考えて、清香は思わず頭を振った。
闇呪の主は、生まれながら冷酷無比で残忍な人物であると言う。
彼に嫁いだ姫君達が、惨い死を迎えたことは誰もが知っている事実だ。
宿命が彼を悪しき行いに駆り立てているのかどうかは判らない。それでも、既に同情や哀れみをかける理由は、どこにも残されていなかった。
清香は黒柱から顔を背けるように、前に続く道を眺める。
その時、迂回路が交わる道の先で、何かがきらりと視界の片隅で煌めいた気がした。
初めに立ち止まったのは、先陣を行く衛兵だった。
「何かしら」
誰かの呟きを聞いた気がする。先頭に立っていた男が様子を見てくると駆け出した。清香達も不安を抱くことはなく、早足に男の後に続く。
一行は、その少女と出会い、言葉を失った。
歪みのない、濡れたように真っ直ぐに伸びた長髪は、煌めく金色を湛えている。
少女は苦しげに肩を上下させて、喘ぐように呼吸していた。道中で幾度も転んだのだろうか。細い手足には、あちこちに擦り傷や切り傷が出来て、血を滲ませている。
清香達が出会った時も、両手を地について身を起こそうとしている処だった。
白い夜着の上に、身を隠すように羽織った山吹の単。
単は滄と緋の国の人間が好んで身にまとう衣装だが、袖は肩から強い力で引き裂かれたように破れている。
夜着も乱れており、白い足が露になっていた。
足先は裸足のままで、履物もなく走り続けたのか、血まみれになっている。
清香は金髪の示す意味を捉える前に、少女の痛々しい姿が目に焼きついた。
まるで乱暴された女が、命からがら逃げ出してきた様な、そんな哀れな姿に見えたのだ。
苦しげに身を起こした少女は、ようやく清香達の存在に気がついたようだ。
怯えるように見開かれた瞳は涙に濡れている。薄闇の中で、金色に輝く虹彩が閃く。
清香はその時はじめて、彼女の髪色と瞳が何を意味しているのかを考えた。一気に我に返ると、素早く少女に歩み寄った。
「どうなさったのですか」
手を差し伸べた清香に、彼女は激しく頭を振った。恐ろしい目に合ったのは疑いようがないだろう。錯乱していてもおかしくはない。
清香は彼女が羽織る乱れた単を間近に見て、それが上質な織物であることに気がついた。どこかの姫君であることは間違いない。
「とにかく、傷の手当てをしなければ」
「触らないでっ、……触らないで、下さい」
差し伸べた手を払いのけて、彼女は再び激しく頭を振る。長い髪が彼女の動きに合わせて、金色に閃いた。輝きのない世界で、ここだけが光に照らされたように明るい。
清香達が成す術もなく顔を見合わせていると、ガタガタと身を震わせていた少女が、ふと視界に入ったらしい自身の髪に手を伸ばす。
長く地面に広がった金色の一束を掴み、信じられない物を眺めるように顔をひきつらせた。
「そんな――、どうして、どうして。……こんな、こんなことが」
「姫君、いかがなされたのです?」
「っああ、どうして。違う、こんな……、こんな姿では」
何も聞こえず、何も耳に入らない様子で、彼女は悲嘆に暮れているように見えた。自身の身を襲った不幸は未だに止まず、彼女の心を苛み続けているのだろうか。
「どうして……、もう、会えない」
幾度もどうしてと繰り返し、彼女は涙を流し続ける。
「――闇呪……」
まるで乞うような呟きだった。嗚咽に紛れて、言葉が明瞭ではなかったせいなのかもしれない。けれど、清香にははっきりとそう聞き取れた。
男が御車を調達してくると踵を返そうとした瞬間、大きな影が清香達の頭上を過ぎる。
「ひっ……」
その場にいた者は、あまりの光景に腰を抜かしそうになった。
真っ黒な翼が緩やかに旋回している。ゆらりとした残像が流れる不可思議な姿は、どこまでも禍々しい。
現れた二つの大きな影に、清香は身が竦んで動けなかった。
黒鳥は巨大で、苦しげに頭を振る。それでも、懸命に翼を動かして、番のような二羽が少女の上を羽ばたいている。
少女は泣き濡れた顔を上げて、黒鳥を仰いだ。
恐れることもなく、彼女は真っ直ぐに細い腕を伸ばす。
「慰めてくれるの?」
「ひ、姫君?」
触ってはいけません、という清香の声は悲鳴になっていたかもしれない。
「私はもう、消えてしまいたい。――連れて行って、……どこか知らない処へ」
彼女は泣きながら、お願いと訴えた。
巨大な影は思い悩むようにぐるりと旋回し、やがて意を決したように少女に近づいた。黒い影が少女の体を持ち上げる。禍々しい闇に捕らわれても、彼女の長い髪だけが、燐光を放っているかのように輝いていた。
清香は呆然とその光景を見守ることしか出来ない。
影はゆるやかに飛び去り、真っ直ぐ鬼門へと進路を取った。
黒い影が少しずつ遠ざかる。やがて小さな点になると、天へと突き上げる黒柱の影に重なって紛れてしまう。清香には、彼女の行方を見届けることが出来なかった。
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