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第一話 天落の地
第5章:1 不穏な影1
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いつもどおり登校すると、始業開始までに出会うことが少ない佐和の姿が教室にあった。朱里は自分の席に鞄を置くと、既に生徒達に囲まれている彼女の元へ歩み寄った。
「おはよう、佐和。今日は部活の朝練なし?」
声をかけてから、朱里はすぐに愚問であることに気付いた。
「どうしたの? それ」
佐和は石膏で固められた左腕を肩からの包帯で吊っている。骨折しているのだ。朱里は一瞬、既に治った昨日の怪我を佐和が肩代わりさせられたのかと焦った。そんな代償が必要ならば、自然に治っていくのを持つほうが良いに決まっている。
「おはよ、朱里。昨日さ、部活でやっちゃったんだよね」
佐和の言葉で、朱里はすぐに思い違いだと考えを改める。佐和は苦笑しながら、朱里の腕を見た。
「せっかく朱里がかばってくれたのに、これじゃあ意味がないよね」
「そんなこと関係ないよ」
朱里は思わず既に完治している自分の腕に掌を当てた。学院は十月を間近に控えて、丁度冬服へと移行していく衣替えの時期である。学院内には夏服と冬服が混在していた。朱里は既に冬服を着用していたので、腕は長袖に隠れている。昨日の今日で跡形もなく消えている傷跡の不自然さは、それで誤魔化すことができた。
「だけど、部活でそんな大怪我をするなんて」
朱里が佐和の石膏で固められた腕を心配そうに眺めると、佐和は照れくさそうに笑った。
「全力疾走していて、こけただけなんだけど。掌をつけばよかったのに、咄嗟に手の甲で支えたもんだから、バキッて。倒れたとき嫌な音が聞こえたもん」
状況を想像するだけでも、朱里は身震いした。周りに集っていた生徒の中に、佐和と同じ陸上部の男子生徒がいて彼女の説明を補足する。
「でも、速水のこけ方はすごかった。俺は丁度目撃したけど、体が吹っ飛んでた。全力疾走の勢いってすごいんだなって、思わず感心したよ」
素直な感想にうけたらしく、佐和は声をたてて笑う。
「あー、たしかに自分でもそれは思った。……でも、不思議なんだよね。思い切り障害物に引っ掛かった気がしたんだけど。でもコース上に障害物とか荷物を置いてあるわけないし。あの感じは何だったんだろう。ちょっと謎かも」
「不自然といえばこけ方が不自然だったような気もするけど。でも勢いがついていたら、あんなもんじゃないか」
二人の会話を聞きながら、朱里は理科室の前で見た女子生徒の光景を思い出していた。辺りを包んでいた暗い陽炎。もしかすると佐和の怪我も繋がっていないだろうか。学院内に蠢いている、この世に有り得ない何か。
それが生徒に危害を加えるのなら見過ごしておくことは出来ない気がする。朱里は言いようのない不安を覚えたが、すぐに考えすぎだと打ち消した。全ての原因をそこに見出すほど、朱里は不穏なモノの正体を知っているわけではない。
学院には遥もいるのだ。彼は得体の知れない何かに有効な力を発揮することが出来る。
「全治二ヶ月は長いよ。体がなまる」
残念そうに呟いて、佐和が石膏に包まれた左腕を撫でている。
それほど事態を深刻に考えていない佐和の様子は、いつものように能天気だった。彼女の怪我は偶然の事故なのだ。朱里は自分の中に芽生えた憶測を吐き出すように、深く吐息をつく。昨日の体験が思った以上に尾を引いているに違いない。少し神経質になりすぎだと気持ちを切り替えようとした時、朱里はギクリと体を強張らせた。
背後から淀んだ何かが迫ってくる。気分が悪くなるほど重苦しい空気。
ざわりと肌を撫でる危機感には、覚えがあった。
朱里はゆっくりと振り返って、あまりの光景に目を瞠る。
「……夏美」
いつのまにか、暗い陽炎が教室を満たすように立ち昇っている。
朱里のすぐ背後には見慣れた小柄な人影が佇んでいた。いつもと同じ光景なのに、息が詰まるほど禍々しい。朱里は鳥肌が立つのを感じながら、思わず一歩後退した。
「朱里、おはよう」
か細い声だった。色白の顔色は蒼ざめて色を失っている。現れた夏美はこの上もなく加減が悪そうだった。今にも意識を手放して倒れてしまいそうである。
教室には黒い靄が充満しているのに、誰も気がついていない。室内はいつもどおりで、生徒達のざわめきが賑やかだった。
朱里は夏美の間近まで歩み寄って、その蝋人形のような顔色を見つめた。
「夏美、顔が真っ青だよ。体の調子が良くないんじゃないの?」
教室を埋め尽くす暗い陽炎がなければ、朱里はこれほど狼狽しなかったのかもしれない。昨日の部活見学が、虚弱な夏美に負担だったのかと考えただけだろう。
「保健室に行って休む?」
朱里は手の先から血の気が引く。禍々しい陽炎が夏美から体力を奪っているような気がして仕方がなかったのだ。弱々しい夏美の状態を偶然だと考える余裕がない。
「朱里」
細い腕をとると、夏美は泣き出しそうな顔で朱里を見た。
「助けて。……私、どうすればいいのか」
「え?」
「夏美、おはよ」
二人の会話を遮るように、後ろから佐和の闊達な声が響いた。
「わ。ちょっと、顔色が悪いよ。大丈夫?」
佐和もすぐに夏美の状態に気がついたようだ。石膏で固められた左腕をものともせず、身軽に傍まで駆け寄ってくる。夏美は目の前に立った佐和を見て、蒼白な顔をひきつらせた。
「ちがう。私は、……そんなこと、望んでいない」
「どうしたの? 夏美」
佐和が歩み寄ると、夏美はガタガタと震え出した。朱里は細い針に貫かれるような寒気を感じた。はっとして辺りを見回す。
どうっと勢いを増して、暗い陽炎が深さを増す。朱里は悪夢のような光景を前にして、身動きできなかった。
黒い靄は密度を増して、生き物のように天井へと駆け上って行く。真っ黒な影の蠢きは、禍を手招きしているように不気味だった。
「やめて。誰か、助けて……とめて」
夏美の細い声が、朱里の脳裏で昨日の女子生徒と結びついた。一心に助けてと訴えていた、かすかな声。
「夏美?」
心配そうに手を伸ばした佐和の真上で、どろどろとした影が淀んでいる。天井に据えられた蛍光灯に、音もなく亀裂が走るのを、朱里は他人事のように見ていた。
「いやぁ、違う」
夏美が悲鳴をあげて顔を伏せた。その声で朱里は呪縛を解かれたように我にかえる。一呼吸送れて、派手な衝撃音と共に頭上の蛍光灯が砕けた。
「佐和っ」
朱里が彼女に手を伸ばすと、それを止めるように自分の体を抱きとめる力があった。
同時にどんっと激しい地鳴りがして、更に教室の窓硝子が砕け散る。あちこちで生徒達が悲鳴をあげていた。朱里は強く引き倒されながら、淀んでいた影が潰されるように四散するのを見た。
「――委員長ってば、信じられないくらい無謀だね」
朱里を引き止めて同じようにその場に転倒したのは、五日ぶりに登校して来た彼方だった。彼は制服をはたきながら立ち上がると、朱里に手を差し出した。
「私より、佐和は?」
朱里が顔を向けると、佐和はその場に立ち尽くしたまま固まっていた。驚きのあまり身動きできなかったようだが、どうやら無傷のようである。佐和は朱里の視線に気付いてようやく我に返ったらしく、引きつってはいたが笑顔を浮かべた。
「昨日から、運勢が最悪みたい」
「おはよう、佐和。今日は部活の朝練なし?」
声をかけてから、朱里はすぐに愚問であることに気付いた。
「どうしたの? それ」
佐和は石膏で固められた左腕を肩からの包帯で吊っている。骨折しているのだ。朱里は一瞬、既に治った昨日の怪我を佐和が肩代わりさせられたのかと焦った。そんな代償が必要ならば、自然に治っていくのを持つほうが良いに決まっている。
「おはよ、朱里。昨日さ、部活でやっちゃったんだよね」
佐和の言葉で、朱里はすぐに思い違いだと考えを改める。佐和は苦笑しながら、朱里の腕を見た。
「せっかく朱里がかばってくれたのに、これじゃあ意味がないよね」
「そんなこと関係ないよ」
朱里は思わず既に完治している自分の腕に掌を当てた。学院は十月を間近に控えて、丁度冬服へと移行していく衣替えの時期である。学院内には夏服と冬服が混在していた。朱里は既に冬服を着用していたので、腕は長袖に隠れている。昨日の今日で跡形もなく消えている傷跡の不自然さは、それで誤魔化すことができた。
「だけど、部活でそんな大怪我をするなんて」
朱里が佐和の石膏で固められた腕を心配そうに眺めると、佐和は照れくさそうに笑った。
「全力疾走していて、こけただけなんだけど。掌をつけばよかったのに、咄嗟に手の甲で支えたもんだから、バキッて。倒れたとき嫌な音が聞こえたもん」
状況を想像するだけでも、朱里は身震いした。周りに集っていた生徒の中に、佐和と同じ陸上部の男子生徒がいて彼女の説明を補足する。
「でも、速水のこけ方はすごかった。俺は丁度目撃したけど、体が吹っ飛んでた。全力疾走の勢いってすごいんだなって、思わず感心したよ」
素直な感想にうけたらしく、佐和は声をたてて笑う。
「あー、たしかに自分でもそれは思った。……でも、不思議なんだよね。思い切り障害物に引っ掛かった気がしたんだけど。でもコース上に障害物とか荷物を置いてあるわけないし。あの感じは何だったんだろう。ちょっと謎かも」
「不自然といえばこけ方が不自然だったような気もするけど。でも勢いがついていたら、あんなもんじゃないか」
二人の会話を聞きながら、朱里は理科室の前で見た女子生徒の光景を思い出していた。辺りを包んでいた暗い陽炎。もしかすると佐和の怪我も繋がっていないだろうか。学院内に蠢いている、この世に有り得ない何か。
それが生徒に危害を加えるのなら見過ごしておくことは出来ない気がする。朱里は言いようのない不安を覚えたが、すぐに考えすぎだと打ち消した。全ての原因をそこに見出すほど、朱里は不穏なモノの正体を知っているわけではない。
学院には遥もいるのだ。彼は得体の知れない何かに有効な力を発揮することが出来る。
「全治二ヶ月は長いよ。体がなまる」
残念そうに呟いて、佐和が石膏に包まれた左腕を撫でている。
それほど事態を深刻に考えていない佐和の様子は、いつものように能天気だった。彼女の怪我は偶然の事故なのだ。朱里は自分の中に芽生えた憶測を吐き出すように、深く吐息をつく。昨日の体験が思った以上に尾を引いているに違いない。少し神経質になりすぎだと気持ちを切り替えようとした時、朱里はギクリと体を強張らせた。
背後から淀んだ何かが迫ってくる。気分が悪くなるほど重苦しい空気。
ざわりと肌を撫でる危機感には、覚えがあった。
朱里はゆっくりと振り返って、あまりの光景に目を瞠る。
「……夏美」
いつのまにか、暗い陽炎が教室を満たすように立ち昇っている。
朱里のすぐ背後には見慣れた小柄な人影が佇んでいた。いつもと同じ光景なのに、息が詰まるほど禍々しい。朱里は鳥肌が立つのを感じながら、思わず一歩後退した。
「朱里、おはよう」
か細い声だった。色白の顔色は蒼ざめて色を失っている。現れた夏美はこの上もなく加減が悪そうだった。今にも意識を手放して倒れてしまいそうである。
教室には黒い靄が充満しているのに、誰も気がついていない。室内はいつもどおりで、生徒達のざわめきが賑やかだった。
朱里は夏美の間近まで歩み寄って、その蝋人形のような顔色を見つめた。
「夏美、顔が真っ青だよ。体の調子が良くないんじゃないの?」
教室を埋め尽くす暗い陽炎がなければ、朱里はこれほど狼狽しなかったのかもしれない。昨日の部活見学が、虚弱な夏美に負担だったのかと考えただけだろう。
「保健室に行って休む?」
朱里は手の先から血の気が引く。禍々しい陽炎が夏美から体力を奪っているような気がして仕方がなかったのだ。弱々しい夏美の状態を偶然だと考える余裕がない。
「朱里」
細い腕をとると、夏美は泣き出しそうな顔で朱里を見た。
「助けて。……私、どうすればいいのか」
「え?」
「夏美、おはよ」
二人の会話を遮るように、後ろから佐和の闊達な声が響いた。
「わ。ちょっと、顔色が悪いよ。大丈夫?」
佐和もすぐに夏美の状態に気がついたようだ。石膏で固められた左腕をものともせず、身軽に傍まで駆け寄ってくる。夏美は目の前に立った佐和を見て、蒼白な顔をひきつらせた。
「ちがう。私は、……そんなこと、望んでいない」
「どうしたの? 夏美」
佐和が歩み寄ると、夏美はガタガタと震え出した。朱里は細い針に貫かれるような寒気を感じた。はっとして辺りを見回す。
どうっと勢いを増して、暗い陽炎が深さを増す。朱里は悪夢のような光景を前にして、身動きできなかった。
黒い靄は密度を増して、生き物のように天井へと駆け上って行く。真っ黒な影の蠢きは、禍を手招きしているように不気味だった。
「やめて。誰か、助けて……とめて」
夏美の細い声が、朱里の脳裏で昨日の女子生徒と結びついた。一心に助けてと訴えていた、かすかな声。
「夏美?」
心配そうに手を伸ばした佐和の真上で、どろどろとした影が淀んでいる。天井に据えられた蛍光灯に、音もなく亀裂が走るのを、朱里は他人事のように見ていた。
「いやぁ、違う」
夏美が悲鳴をあげて顔を伏せた。その声で朱里は呪縛を解かれたように我にかえる。一呼吸送れて、派手な衝撃音と共に頭上の蛍光灯が砕けた。
「佐和っ」
朱里が彼女に手を伸ばすと、それを止めるように自分の体を抱きとめる力があった。
同時にどんっと激しい地鳴りがして、更に教室の窓硝子が砕け散る。あちこちで生徒達が悲鳴をあげていた。朱里は強く引き倒されながら、淀んでいた影が潰されるように四散するのを見た。
「――委員長ってば、信じられないくらい無謀だね」
朱里を引き止めて同じようにその場に転倒したのは、五日ぶりに登校して来た彼方だった。彼は制服をはたきながら立ち上がると、朱里に手を差し出した。
「私より、佐和は?」
朱里が顔を向けると、佐和はその場に立ち尽くしたまま固まっていた。驚きのあまり身動きできなかったようだが、どうやら無傷のようである。佐和は朱里の視線に気付いてようやく我に返ったらしく、引きつってはいたが笑顔を浮かべた。
「昨日から、運勢が最悪みたい」
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