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おまけ短編
1:聖なる夜に、永遠の約束 1
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マスティアの暦はミアの生まれた元世界と等しい。時間の考え方も変わらない。単位こそ異なっても、十進法を理解していれば、日常生活で困ることはなかった。
マスティアの十二月二十五日。
聖なる夜。
こちらの世界では、聖者によって聖なる双書がもたらされた日とされている。シルファの過去を知った今となっては、ミアには聖者の伝承が後付けの作り話であると理解できるが、マスティアの人々にとっては、心穏やかに過ごす大切な記念日だった。
シルファも王国の作法にならって、記念日は王宮の離れで静かに過ごすようだ。
聖なる夜は、マスティアの教会が信仰する聖なる白の書に記された、自然と共に生きるという規範に基づいている。ささやかな幸福に心を傾ける日で、王国は眠りについたようにひっそりとした様子になる。店も市場も閉まり、往来に出る人が少ないのだと、ドラクルの後任でやってきた司祭が教えてくれた。
(今日は十二月二十日だから、あと五日)
ミアは今日もいつもと変わらず教会で雑用を担っている。癖のある長い黒髪を後ろに一つにまとめ、動きやすいワンピースで朝から炊事や洗濯などに精を出していた。
教会の敷地は広く、厳かな聖堂の奥には、孤児達の学び舎となる校舎があり、衣食住を提供する建物もあった。洗濯物を干し終えてから、ミアは再び炊事場に戻る。昼食に使う野菜を仕分けながら、壁に貼られたマスティアの暦を見た。
(クリスマスみたいに、贈り物やホームパーティーをしたら怒られるのかな)
シルファと一緒に過ごせるなら、そんな風に過ごしてみても良いと思うが、どうにも雰囲気がわからない。粛々とおとなしく過ごすことが美徳とされるなら、諦めるしかない。
マスティアに来て一年以上は経っているが、ミアは聖なる夜を過ごすのは初めてだった。シルファが魔力を取り戻し、晴れて思いを通わせた後、しばらく元世界に還っていたからだ。昨年のクリスマスは、両親や弟と一緒に過ごしていた。
元世界に戻った当初は大変な騒ぎになり、憔悴していた両親には申し訳なく、思い出すだけで胸が痛む。けれど、両親はミアの帰宅を泣いて喜び、以前と同じ気力を取り戻すと、ミアが打ち明けたマスティアでの話を疑わなかった。なぜ信じてくれたのか、はっきりとした理由はわからないが、ミアを見ていればわかると、父も母も笑っていた。
数ヶ月を共に過ごし、ミアがマスティアへ戻る決意をすると、両親は引き止めることはなく送り出してくれた。いつかシルファを連れてこいと言われたが、その件については両親と約束をしなかったし、シルファにも伝えていない。
くすぐったくなるような、複雑な気持ちがしたのだ。自分でも良くわからないが、恥ずかしかったのもしれない。
(とりあえず、今年の聖なる夜は様子をうかがうしかないかな)
去年の家族とのクリスマスを思い出しながら、ミアはこちらの聖なる夜にも思いを巡らせる。
二十五日の当日は静謐に過ぎるとしても、巷では二十四日は前夜祭として、無礼講の勢いで盛り上がるらしい。
教会でもご馳走やプレゼントを用意して、子供たちとパーティーを催すことになっている。
子どもたちが楽しみにしているのは、ミアにも伝わってきた。炊事場の暦にも表れていて、その日までをカウントダウンするように、過ぎた日にバツ印が書き込まれている。
前日ならクリスマスのように振舞えそうだが、残念ながらシルファは王家の前夜祭に参加することになっている。相当に大掛かりな祝典らしく、ミアの相手をしているような余裕はなさそうだ。
十二月に入ってからは、公爵の責務として、シルファはその祝典準備にも追われている。いつもにも増して、慌ただしい日々だった。
ミアも教会で行われる子供たちとのささやかな前夜祭に向けて、司祭と準備を進めていた。
「あ! これ、すごい! 綺麗なニンジン。すごく赤い」
街の人々も前夜祭に向けて教会にいつも以上の差し入れをしてくれる。ミアは今朝、教会に届けられたニンジンを手に取ってしげしげと眺めた。
マスティアで生育する動植物もミアを混乱させることはない。見慣れた色や形をしており、味も同じだが、手にしたニンジンは見たことがないほど赤かった。
「それは催事用の赤ニンジンですね」
ドラクルの後任となったグリゴリ司祭が笑いながら、傍らに歩み寄ってきた。白い司祭の衣装に、赤みがかったブロンドが目にも鮮やかで、少し白いものが混じり始めている。
ミアよりずっと年配の紳士だった。いつも柔和な微笑みをたやさず、子供たちもすぐに懐いた。エメラルドのような碧眼が印象的で、身長はミアとあまり変わらない。
教会の炊事場で、二人が肩を並べる。味覚を取り戻してからは、ミアも食事の用意を手伝えるようになった。
「赤ニンジンですか? はじめて見ました」
「普段はあまり出回っていません。色鮮やかで、料理に彩りを添えてくれるので、祝い事で用いられます」
「たしかに見栄えしますね」
そういえば元世界でもお正月に登場する色の濃いニンジンがあったなと、ミアは頷いた。でも、さすがにここまで赤いものは見たことがない。
ミアが届けられた野菜を仕分けて貯蔵庫に運ぼうとしていると、グリゴリが声をかける。
「ミアは、本当に前夜祭もこちらで過ごしていて大丈夫なのですか?」
「え? はい、もちろんです」
グリゴリは口元に手を当てて、言葉を選びながら続ける。
「――自国に帰ったりはしないのですか」
「自国?……あ、はい。こちらにいますよ」
ミアは自分の立場を思いだして、あわてて頷く。
「では、王家の前夜祭には参加しないのですか」
「わたしがですか? わたしは招待されていないし……、ただの居候のような者なので」
こちらの世界での立場は、ここに来た時と変わらない。世間ではシルファが後見している、風変わりで信心深い小国の姫君と思われている。信心深いのは、教会に出入りしているせいだろう。
晴れて片思いが実り、シルファと思いを通わせただけで、日々は何も変わらない。
「しかし、Dサクリードがお独りで参加するとは思えませんが」
「どうしてですか?」
「公爵ともなれば、祝典には女性を伴っていくのが慣例です。正妻、または愛人などを」
「愛人?」
「爵位のあるものが社交の場に一人で赴くということは、相手を求めているという意味と同じですから」
「相手を?」
「ええ。ですから、その……」
グリゴリは言葉を詰まらせる。ミアは今まで考えもしなかった自分の立場を思う。もしかして世間ではシルファの愛人と思われているのだろうか。
(いや、でも、それって恋人と何が違うんだろう。単に言い方の問題?)
「わたしはシルファにも何も言われていないので、前夜祭は教会で子供たちと一緒に過ごすつもりです」
「――そうですか。わたしとしてはありがたいですし、子供たちも喜びます」
目じりに浅いしわを寄せて、グリゴリがほほ笑んだ。ミアも笑って見せたが、胸に滲んだ一筋の憂慮で笑顔がこわばりそうになり、籠に詰めた野菜を運ぶふりをして踵を返す。
「貯蔵庫になおしてきますね」
「はい、お願いします」
グリゴリの声を背後に聞きながら、ミアはふうっと吐息が漏れる。
(シルファは、誰か他の人を連れていくのかな……)
野菜を貯蔵庫へと運びながら、ミアは少し気持ちが暗くなるのを感じた。
王家の祝典。
たしかにミアはそういう場には不慣れで、居心地が悪くなるだけだ。シルファが自分を誘わないのは、彼なりの配慮なのだと察しがつく。
けれど――。
(誰と……?)
じわりと心が翳る。
(――去年も、誰かと一緒に参加したのかな)
ミアはそれ以上は考えないと、大きく深呼吸した。歩調に勢いをつけて野菜の入った籠を運ぶ。
胸に浮かんだ我ままな気持ちを、振り払うように。
マスティアの十二月二十五日。
聖なる夜。
こちらの世界では、聖者によって聖なる双書がもたらされた日とされている。シルファの過去を知った今となっては、ミアには聖者の伝承が後付けの作り話であると理解できるが、マスティアの人々にとっては、心穏やかに過ごす大切な記念日だった。
シルファも王国の作法にならって、記念日は王宮の離れで静かに過ごすようだ。
聖なる夜は、マスティアの教会が信仰する聖なる白の書に記された、自然と共に生きるという規範に基づいている。ささやかな幸福に心を傾ける日で、王国は眠りについたようにひっそりとした様子になる。店も市場も閉まり、往来に出る人が少ないのだと、ドラクルの後任でやってきた司祭が教えてくれた。
(今日は十二月二十日だから、あと五日)
ミアは今日もいつもと変わらず教会で雑用を担っている。癖のある長い黒髪を後ろに一つにまとめ、動きやすいワンピースで朝から炊事や洗濯などに精を出していた。
教会の敷地は広く、厳かな聖堂の奥には、孤児達の学び舎となる校舎があり、衣食住を提供する建物もあった。洗濯物を干し終えてから、ミアは再び炊事場に戻る。昼食に使う野菜を仕分けながら、壁に貼られたマスティアの暦を見た。
(クリスマスみたいに、贈り物やホームパーティーをしたら怒られるのかな)
シルファと一緒に過ごせるなら、そんな風に過ごしてみても良いと思うが、どうにも雰囲気がわからない。粛々とおとなしく過ごすことが美徳とされるなら、諦めるしかない。
マスティアに来て一年以上は経っているが、ミアは聖なる夜を過ごすのは初めてだった。シルファが魔力を取り戻し、晴れて思いを通わせた後、しばらく元世界に還っていたからだ。昨年のクリスマスは、両親や弟と一緒に過ごしていた。
元世界に戻った当初は大変な騒ぎになり、憔悴していた両親には申し訳なく、思い出すだけで胸が痛む。けれど、両親はミアの帰宅を泣いて喜び、以前と同じ気力を取り戻すと、ミアが打ち明けたマスティアでの話を疑わなかった。なぜ信じてくれたのか、はっきりとした理由はわからないが、ミアを見ていればわかると、父も母も笑っていた。
数ヶ月を共に過ごし、ミアがマスティアへ戻る決意をすると、両親は引き止めることはなく送り出してくれた。いつかシルファを連れてこいと言われたが、その件については両親と約束をしなかったし、シルファにも伝えていない。
くすぐったくなるような、複雑な気持ちがしたのだ。自分でも良くわからないが、恥ずかしかったのもしれない。
(とりあえず、今年の聖なる夜は様子をうかがうしかないかな)
去年の家族とのクリスマスを思い出しながら、ミアはこちらの聖なる夜にも思いを巡らせる。
二十五日の当日は静謐に過ぎるとしても、巷では二十四日は前夜祭として、無礼講の勢いで盛り上がるらしい。
教会でもご馳走やプレゼントを用意して、子供たちとパーティーを催すことになっている。
子どもたちが楽しみにしているのは、ミアにも伝わってきた。炊事場の暦にも表れていて、その日までをカウントダウンするように、過ぎた日にバツ印が書き込まれている。
前日ならクリスマスのように振舞えそうだが、残念ながらシルファは王家の前夜祭に参加することになっている。相当に大掛かりな祝典らしく、ミアの相手をしているような余裕はなさそうだ。
十二月に入ってからは、公爵の責務として、シルファはその祝典準備にも追われている。いつもにも増して、慌ただしい日々だった。
ミアも教会で行われる子供たちとのささやかな前夜祭に向けて、司祭と準備を進めていた。
「あ! これ、すごい! 綺麗なニンジン。すごく赤い」
街の人々も前夜祭に向けて教会にいつも以上の差し入れをしてくれる。ミアは今朝、教会に届けられたニンジンを手に取ってしげしげと眺めた。
マスティアで生育する動植物もミアを混乱させることはない。見慣れた色や形をしており、味も同じだが、手にしたニンジンは見たことがないほど赤かった。
「それは催事用の赤ニンジンですね」
ドラクルの後任となったグリゴリ司祭が笑いながら、傍らに歩み寄ってきた。白い司祭の衣装に、赤みがかったブロンドが目にも鮮やかで、少し白いものが混じり始めている。
ミアよりずっと年配の紳士だった。いつも柔和な微笑みをたやさず、子供たちもすぐに懐いた。エメラルドのような碧眼が印象的で、身長はミアとあまり変わらない。
教会の炊事場で、二人が肩を並べる。味覚を取り戻してからは、ミアも食事の用意を手伝えるようになった。
「赤ニンジンですか? はじめて見ました」
「普段はあまり出回っていません。色鮮やかで、料理に彩りを添えてくれるので、祝い事で用いられます」
「たしかに見栄えしますね」
そういえば元世界でもお正月に登場する色の濃いニンジンがあったなと、ミアは頷いた。でも、さすがにここまで赤いものは見たことがない。
ミアが届けられた野菜を仕分けて貯蔵庫に運ぼうとしていると、グリゴリが声をかける。
「ミアは、本当に前夜祭もこちらで過ごしていて大丈夫なのですか?」
「え? はい、もちろんです」
グリゴリは口元に手を当てて、言葉を選びながら続ける。
「――自国に帰ったりはしないのですか」
「自国?……あ、はい。こちらにいますよ」
ミアは自分の立場を思いだして、あわてて頷く。
「では、王家の前夜祭には参加しないのですか」
「わたしがですか? わたしは招待されていないし……、ただの居候のような者なので」
こちらの世界での立場は、ここに来た時と変わらない。世間ではシルファが後見している、風変わりで信心深い小国の姫君と思われている。信心深いのは、教会に出入りしているせいだろう。
晴れて片思いが実り、シルファと思いを通わせただけで、日々は何も変わらない。
「しかし、Dサクリードがお独りで参加するとは思えませんが」
「どうしてですか?」
「公爵ともなれば、祝典には女性を伴っていくのが慣例です。正妻、または愛人などを」
「愛人?」
「爵位のあるものが社交の場に一人で赴くということは、相手を求めているという意味と同じですから」
「相手を?」
「ええ。ですから、その……」
グリゴリは言葉を詰まらせる。ミアは今まで考えもしなかった自分の立場を思う。もしかして世間ではシルファの愛人と思われているのだろうか。
(いや、でも、それって恋人と何が違うんだろう。単に言い方の問題?)
「わたしはシルファにも何も言われていないので、前夜祭は教会で子供たちと一緒に過ごすつもりです」
「――そうですか。わたしとしてはありがたいですし、子供たちも喜びます」
目じりに浅いしわを寄せて、グリゴリがほほ笑んだ。ミアも笑って見せたが、胸に滲んだ一筋の憂慮で笑顔がこわばりそうになり、籠に詰めた野菜を運ぶふりをして踵を返す。
「貯蔵庫になおしてきますね」
「はい、お願いします」
グリゴリの声を背後に聞きながら、ミアはふうっと吐息が漏れる。
(シルファは、誰か他の人を連れていくのかな……)
野菜を貯蔵庫へと運びながら、ミアは少し気持ちが暗くなるのを感じた。
王家の祝典。
たしかにミアはそういう場には不慣れで、居心地が悪くなるだけだ。シルファが自分を誘わないのは、彼なりの配慮なのだと察しがつく。
けれど――。
(誰と……?)
じわりと心が翳る。
(――去年も、誰かと一緒に参加したのかな)
ミアはそれ以上は考えないと、大きく深呼吸した。歩調に勢いをつけて野菜の入った籠を運ぶ。
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