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閑話(おまけ):クラウディア始祖生誕祭
158:ルキア・ベリウス
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ルキアは姉のヘレナがもたらした話を思いだして、吹きだしそうになるのをこらえた。王宮の執務室に設けられた端末を見ながら、こみあげた可笑しさに肩が震える。
これまでにも想像を絶する変化球を投げることがあったが、サイオンの王女が持つ素直な滑稽さは、洞察力のするどいルキアの想像を完全に上回ってくるのだ。
「ルキア、今朝からいったい何なんだ」
朝からヘレナの話を思いだしては肩を震わせるルキアに、ルカも気づいていたらしい。目に余るといいたげに、執務室の奥から蛍光の青さをもった印象的な瞳がこちらを睨んでいる。
「申し訳ありません、殿下。おもしろい話を耳にしたので、つい」
「いつもこの時期はピリピリしているおまえにしては珍しいな」
皇家の始祖生誕祭に向けて、例年忙殺される時期である。今年も例外ではなかったが、ルキアはふと自分の気のはり方が変化していることに気づいた。
(これは殿下の影響だな)
パルミラでの一件がもたらした変化は、誰よりもルカに作用しているだろう。サイオンを自由へ導く道を手に入れ、ディオクレアの野望の芽も摘まれた。
永く彼を脅かしていたものが断たれて、ようやく皇太子としての立場に余裕がうまれたのだ。
(私はずっと殿下のことを見誤っていたのかもしれない)
いつからか、ルキアはルカに対して危うさを抱くようになっていた。いつか、彼の父親であったカリグラのように、ルカの心が折れてしまうのではないかと。
けれど、今は出会ったばかりの頃を思いだす。ルキアが第一皇子であるルカと初めて会ったのは、ちょうど始祖生誕祭だった。
皇帝ユリウスを支える宰相であった父は、ルカに頼れる兄姉を贈ると言ってヘレナとルキアを紹介した。
ルカは驚くほど素直な少年だった。皇帝ユリウスに似た青い瞳をきらきらと輝かせて、二人に屈託なく笑った。疑似的な存在とはいえ、自分に兄姉ができることが嬉しくてたまらなかったのだろう。
(あの頃の殿下は天使のようだった)
無垢な心で、世界を美しいものだと信じていた。当時はまだ彼の母であるユリアの不貞がささやかれることもなく、カリグラもルカを可愛がっていた。数年もたたないうちに、それらの満ち足りた日々はくつがえり、まるで夢か幻であったかのようにルカは美しい世界を失っていく。
「クラウディアの粛清」という愚行をおかし、ユリアとルカから心がはなれていく父親。
ルキアはカリグラに愛されようと懸命だった頃の彼を知っていたし、それが嘆きにかわり、諦めとなっていく様子も見ていた。
ルカの抱えていた父カリグラへの憧憬。どんな仕打ちを受けても、腕に抱かれて笑いあった日々は失われなかったはずである。
カリグラの狂気が暴走した、成人披露の夜までは。
あの日を境に、ルカは決定的に変わってしまった。ルキアが彼に危うさを抱くようになったのも、その頃だったかもしれない。
立ちなおって大人になったのだと言えばそうなのだろう。子どものように泣くこともなく、笑うこともなくなっていた。
出会った頃の輝くような笑顔は封印されたまま、ルカは父親を討つ決意をかためていく。ルキアには成す術がなく、その道の先に彼の安息があるはずなのだと言いきかせた。
ルキアは姉のヘレナと非力さを嘆いたことがある。兄姉のように傍にあっても、皇太子となった彼の孤高さが身に染みた。
ぴんと張りつめた細い糸の上を歩くように。
どんな時も、ルカの心が緩むときはない。どこかで糸が切れれば、カリグラの二の舞になるのかもしれない。ルキアにとって、ルカはそんな危うさのある皇太子だった。
(私はずっと殿下に偏見を抱いていた)
それが間違いだったのだと、今になってわかる。ルキアはルカを弱き者と決めつけていた。彼を政争から守るために躍起になっていたが、ルカの見ている世界は、細い糸の延長にだけあるようなものではなかった。彼なりに広い世界を感じながら、前を向いて歩いていたのだ。
サイオンの王女は、その道をより明らかにしただけで、彼女との出会いの前からルカには芯をとおす強さがあった。ルキアはありもしないカリグラの影を重ねて、ルカの本来の資質を見落としていた。
危ういという幻想を作りあげて、そのフィルターを通して皇太子を見ていた。
(殿下は変わってしまったわけではなかった)
スーと過ごす日々の中で、彼はくつろいだ様子で笑うようになった。社交辞令として作られたほほ笑みではない、うちとけた笑顔。
何も失われてはいなかったのだ。
世界の美しさを信じていた皇子は、ずっと彼の中で生きていた。
スーが思いださせたのだと、彼女と笑うルカを見て気づいた。
「殿下、お言葉を返すようですが、私は例年、この時期にピリピリしていたつもりはございませんが」
「王宮ではこの時期のおまえの笑顔が怖いと噂になっているのに?」
ルカが愉快な噂だといいたげに笑う。
「それは被害妄想ですね。この程度の職務で私が気をはることはありませんので」
「………たしかにそうだな」
ルカはあっさりとルキアの力量を認めてしまう。
「生誕祭に向けて、殿下もあまりご自宅へお戻りになっておりませんが、きっとこの激務のあとには良いことがありますよ」
はじめの話に戻してヒントを出すと、ルカはすぐに思い至ったようだった。
「――なるほど、そういうことか」
「はい」
サイオンの王女がらみであることに気づいたのだろう。
ルカのまとう空気が華やかさを増した気がする。
(ああ、殿下は嬉しいのだな)
ルキアはおかしくなる。スーを迎えてからのルカはとてもわかりやすい。もしかすると無垢な瞳を輝かせていた幼少の頃よりわかりやすいのかもしれない。
すこし刺激するとすぐに独占欲や嫉妬心をあおることができたし、逆に機嫌をよくするのも簡単だった。
(昔と何も変わっておられない)
そう考えると、自分やヘレナは今も彼にとってかけがえのない兄姉なのだろうか。
――ルキアが私の兄上になってくれるのか?
嬉しそうな笑顔で、自分を慕ってくれた帝国の第一皇子。
守りたいと思ったあの時の気持ちは、今も色褪せることなくルキアの胸の内にある。
もう危うさを感じることもない。
いずれ帝国を背負って立つ皇太子の未来に、素直に期待ができた。それが何ものにもかえがたい幸運なのだと、ルキアはあらためて思った。
これまでにも想像を絶する変化球を投げることがあったが、サイオンの王女が持つ素直な滑稽さは、洞察力のするどいルキアの想像を完全に上回ってくるのだ。
「ルキア、今朝からいったい何なんだ」
朝からヘレナの話を思いだしては肩を震わせるルキアに、ルカも気づいていたらしい。目に余るといいたげに、執務室の奥から蛍光の青さをもった印象的な瞳がこちらを睨んでいる。
「申し訳ありません、殿下。おもしろい話を耳にしたので、つい」
「いつもこの時期はピリピリしているおまえにしては珍しいな」
皇家の始祖生誕祭に向けて、例年忙殺される時期である。今年も例外ではなかったが、ルキアはふと自分の気のはり方が変化していることに気づいた。
(これは殿下の影響だな)
パルミラでの一件がもたらした変化は、誰よりもルカに作用しているだろう。サイオンを自由へ導く道を手に入れ、ディオクレアの野望の芽も摘まれた。
永く彼を脅かしていたものが断たれて、ようやく皇太子としての立場に余裕がうまれたのだ。
(私はずっと殿下のことを見誤っていたのかもしれない)
いつからか、ルキアはルカに対して危うさを抱くようになっていた。いつか、彼の父親であったカリグラのように、ルカの心が折れてしまうのではないかと。
けれど、今は出会ったばかりの頃を思いだす。ルキアが第一皇子であるルカと初めて会ったのは、ちょうど始祖生誕祭だった。
皇帝ユリウスを支える宰相であった父は、ルカに頼れる兄姉を贈ると言ってヘレナとルキアを紹介した。
ルカは驚くほど素直な少年だった。皇帝ユリウスに似た青い瞳をきらきらと輝かせて、二人に屈託なく笑った。疑似的な存在とはいえ、自分に兄姉ができることが嬉しくてたまらなかったのだろう。
(あの頃の殿下は天使のようだった)
無垢な心で、世界を美しいものだと信じていた。当時はまだ彼の母であるユリアの不貞がささやかれることもなく、カリグラもルカを可愛がっていた。数年もたたないうちに、それらの満ち足りた日々はくつがえり、まるで夢か幻であったかのようにルカは美しい世界を失っていく。
「クラウディアの粛清」という愚行をおかし、ユリアとルカから心がはなれていく父親。
ルキアはカリグラに愛されようと懸命だった頃の彼を知っていたし、それが嘆きにかわり、諦めとなっていく様子も見ていた。
ルカの抱えていた父カリグラへの憧憬。どんな仕打ちを受けても、腕に抱かれて笑いあった日々は失われなかったはずである。
カリグラの狂気が暴走した、成人披露の夜までは。
あの日を境に、ルカは決定的に変わってしまった。ルキアが彼に危うさを抱くようになったのも、その頃だったかもしれない。
立ちなおって大人になったのだと言えばそうなのだろう。子どものように泣くこともなく、笑うこともなくなっていた。
出会った頃の輝くような笑顔は封印されたまま、ルカは父親を討つ決意をかためていく。ルキアには成す術がなく、その道の先に彼の安息があるはずなのだと言いきかせた。
ルキアは姉のヘレナと非力さを嘆いたことがある。兄姉のように傍にあっても、皇太子となった彼の孤高さが身に染みた。
ぴんと張りつめた細い糸の上を歩くように。
どんな時も、ルカの心が緩むときはない。どこかで糸が切れれば、カリグラの二の舞になるのかもしれない。ルキアにとって、ルカはそんな危うさのある皇太子だった。
(私はずっと殿下に偏見を抱いていた)
それが間違いだったのだと、今になってわかる。ルキアはルカを弱き者と決めつけていた。彼を政争から守るために躍起になっていたが、ルカの見ている世界は、細い糸の延長にだけあるようなものではなかった。彼なりに広い世界を感じながら、前を向いて歩いていたのだ。
サイオンの王女は、その道をより明らかにしただけで、彼女との出会いの前からルカには芯をとおす強さがあった。ルキアはありもしないカリグラの影を重ねて、ルカの本来の資質を見落としていた。
危ういという幻想を作りあげて、そのフィルターを通して皇太子を見ていた。
(殿下は変わってしまったわけではなかった)
スーと過ごす日々の中で、彼はくつろいだ様子で笑うようになった。社交辞令として作られたほほ笑みではない、うちとけた笑顔。
何も失われてはいなかったのだ。
世界の美しさを信じていた皇子は、ずっと彼の中で生きていた。
スーが思いださせたのだと、彼女と笑うルカを見て気づいた。
「殿下、お言葉を返すようですが、私は例年、この時期にピリピリしていたつもりはございませんが」
「王宮ではこの時期のおまえの笑顔が怖いと噂になっているのに?」
ルカが愉快な噂だといいたげに笑う。
「それは被害妄想ですね。この程度の職務で私が気をはることはありませんので」
「………たしかにそうだな」
ルカはあっさりとルキアの力量を認めてしまう。
「生誕祭に向けて、殿下もあまりご自宅へお戻りになっておりませんが、きっとこの激務のあとには良いことがありますよ」
はじめの話に戻してヒントを出すと、ルカはすぐに思い至ったようだった。
「――なるほど、そういうことか」
「はい」
サイオンの王女がらみであることに気づいたのだろう。
ルカのまとう空気が華やかさを増した気がする。
(ああ、殿下は嬉しいのだな)
ルキアはおかしくなる。スーを迎えてからのルカはとてもわかりやすい。もしかすると無垢な瞳を輝かせていた幼少の頃よりわかりやすいのかもしれない。
すこし刺激するとすぐに独占欲や嫉妬心をあおることができたし、逆に機嫌をよくするのも簡単だった。
(昔と何も変わっておられない)
そう考えると、自分やヘレナは今も彼にとってかけがえのない兄姉なのだろうか。
――ルキアが私の兄上になってくれるのか?
嬉しそうな笑顔で、自分を慕ってくれた帝国の第一皇子。
守りたいと思ったあの時の気持ちは、今も色褪せることなくルキアの胸の内にある。
もう危うさを感じることもない。
いずれ帝国を背負って立つ皇太子の未来に、素直に期待ができた。それが何ものにもかえがたい幸運なのだと、ルキアはあらためて思った。
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