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勇者と冥王のママは暁を魔王様と
第十一章・人間の王11
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「ゼロス、頑張ってください。後もう少しですよ!」
「うん、だいじょうぶ!」
ゼロスはそう言うと私の両肩に立ってイスラの腕に向かって手を伸ばします。
「うーんっ、あとちょっと、もうちょっとっ……」
ゼロスはピンッと背筋を伸ばします。
小さな指先が後少しで届きそう。
「うーんっ、ブレイラ、せのびしてもいい?」
「構いませんよ。あなたこそ、そんな高い場所で怖くありませんか?」
「だいじょうぶ。ぼく、たかいのへいきなの。ぴょんってできるから」
「そうでしたね、あなたは高い所からも飛べましたね」
「うん!」
ゼロスは大きく頷いて、私の肩でうーんっと背伸びをします。
あと少し、あと少しで届きそう。
でもその時、――――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ。
低い地鳴りがして、また地下神殿が揺れだしました。
今までにない大きな揺れに、ぐらりぐらりっと私の体が傾いて、ダメですっ、落ちる!!
「っ、ゼロス、あなたはイスラの腕を!!」
咄嗟に声を上げました。
私がイスラの上から落下するのと、ゼロスが私の肩から跳んだのは同時。
「ブレイラ!」
ハウストの声がして力強い両腕に受け止められました。
私が落下した瞬間、肩乗り合体は素早く解散したのです。
ハウストは落下した私を受け止め、イスラは危うげなく飛び降りて着地しました。
「ハウスト、ありがとうございますっ。ゼロスは?!」
「あそこだ」
ハウストが指す方にゼロスがいました。
ゼロスの小さな背中が着地のポーズを取っています。さすが冥王ですね、高い場所からかっこよく飛び降りたようです。
その姿に安堵しながらも緊張を覚える。ゼロスの腕の中には果たしてっ。
「ゼロス、イスラの腕はっ……」
「とれた~!! あにうえのうで、とれた~!!」
ゼロスがイスラの左腕を掲げました。
私の肩から跳んだ際に見事に取ってくれたのです。
水晶に閉じ込められた左腕がキラキラと輝いて、胸がいっぱいになって苦しいくらい。
「ゼロスっ、よく頑張ってくれました!」
「ぼく、がんばった~!!」
ゼロスがイスラの左腕を持って駆け寄ってきます。
感激する私にゼロスが照れ臭そうに笑いました。
「ありがとうございますっ。ほんとうに、ありがとうっ……」
「えへへ。ブレイラ、どうぞ!」
「はい」
私はゼロスからイスラの腕を受け取りました。
両手にイスラの腕の重み。胸に切なさがこみあげて両腕で抱きしめて頬を寄せます。
私がずっと、ずっと取り戻したかったもの。
「イスラの腕、ようやく取り戻せましたっ……。よかった、ほんとうにっ、……よかったですっ」
涙が込み上げました。
私にとってこれは勇者の腕ではないのです。イスラの左腕なのです。
私はイスラの左腕を抱いて、イスラと向き合いました。
「イスラ、あなたの腕、あなたの力です。ここに」
「ああ、俺の腕だ。ありがとう、ブレイラ」
イスラは私を見つめ、次に私が大切に抱いている自分の腕を見ます。
イスラは照れたように、でも嬉しそうに笑んでくれました。
その笑顔に私も嬉しくなってイスラに笑いかけました。イスラの笑顔は私を幸せな気持ちにしてくれるもの。
「あなたの喜びは私の喜びです」
「ああ」
イスラは深く頷くと、次はハウストとゼロスを見ました。
「ハウストとゼロスも……ありがとう」
改めて礼を言ったイスラにハウストは目を細め、ゼロスは満面の笑顔になります。
「魔界に帰ったらくっつけるぞ」
「やった~! あにうえのうで、よかった~!」
こうして私たちはイスラの腕を取り戻しました。
しかし、――――ゴゴゴゴゴゴッ。
またも地下神殿が震動しました。
しかもそれは収まる気配はなく、次第に強くなっていきます。
頭上からはパラパラと砂や小石が落ちてきて妙な焦りを覚えます。
「ハウストっ……」
「ああ、限界が近い。急ぐぞ」
「はいっ。イスラ、ゼロス、急いで地上に戻りましょう!」
ハウストが私を庇いながら誘導してくれます。
私もイスラの左腕を庇うように抱きながら、イスラとゼロスを連れて駆け出しました。
しかし。
「ブレイラ、伏せろ!」
「わあっ!」
ガラガラガラッ、ガシャーーン!!!!
咄嗟にハウストに抱き寄せられました。
でも目の前の現実に愕然とする。天井の一部が崩落して、地上に通じている穴を埋めてしまったのです。閉じ込められてしまいました。
「そんな、帰り道が……」
呆然と瓦礫の山を見上げました。
こうしている間にも微震動は続いています。地下神殿が崩落するのは時間の問題です。
「塞がれたか」
「どうする、壊すか?」
腕を組んで瓦礫を見上げているハウストに、イスラが右拳を握ります。
そんな二人にゼロスも並びました。
「ぼくも、じょうずにえいってできるよ! ちちうえとあにうえと、いっしょにえいってするの!」
ゼロスも張り切って両腕をぐるぐるします。やる気満々でした。
積もった瓦礫を破壊しながら突き進む気なのです。しかも拳で。
そんな方法は無茶でした。ここは最深部で地上から最も遠い場所、きっと神殿が崩落する方が早いでしょう。
しかし今、三人はまったく動じた様子はありません。
不思議ですね、悲壮感とは縁遠い三人に私の焦りも薄くなっていきます。
気持ちが落ち着いた私の耳に、地下最深部にずっと響き続けていた音が届きました。
「あっ、もしかして!」
ハッとして思わず声を上げました。
驚いて振り返った三人に、私は意気込んで提案します。
「神殿の水路を使いましょう! この神殿全体には薬草を育てる為の水路が張り巡らされています。私の予想が確かなら、ここの水路は奥の院の植物園にも繋がっています!」
これは予想です。
でも限りなく確信がありました。
なぜなら、ここで育てられている薬草や植物はとても高度な知識と技術を必要とするものです。もちろん管理の行き届いた水路も必要で、おそらく神殿の水路は循環していると考えていいでしょう。奥の院の植物園にある池はきっとこの水路と繋がっているはずです。
「なるほど、水路か。悪くないな」
ハウストが水路に目を向けて、その頑丈な造りと水流の早さを確認します。
瓦礫を破壊して突き進むより水路を使った方が早く地上へ出られるはず。しかし確認を終えたハウストが心配そうな顔で私を見ました。
「……どうしました?」
「お前は俺が背負って泳ぐ。……だが、途中で水中を潜ることもあるだろう。俺やイスラやゼロスは長く呼吸を止めることもできるが」
「ありがとうございます。覚悟の上です」
私は真剣な顔で答えました。
ここで一番の不安要素は間違いなく私です。
水路の途中で潜水することになった時、問題は潜水時間の長さでした。ただでさえ私は泳ぐことが不得手なので、水中で呼吸を止める行為自体に慣れていません。もし、私が耐え切れなくなったら……。
想像するだけで全身の血の気が引きました。でもここで躊躇っている暇はないのです。
「うん、だいじょうぶ!」
ゼロスはそう言うと私の両肩に立ってイスラの腕に向かって手を伸ばします。
「うーんっ、あとちょっと、もうちょっとっ……」
ゼロスはピンッと背筋を伸ばします。
小さな指先が後少しで届きそう。
「うーんっ、ブレイラ、せのびしてもいい?」
「構いませんよ。あなたこそ、そんな高い場所で怖くありませんか?」
「だいじょうぶ。ぼく、たかいのへいきなの。ぴょんってできるから」
「そうでしたね、あなたは高い所からも飛べましたね」
「うん!」
ゼロスは大きく頷いて、私の肩でうーんっと背伸びをします。
あと少し、あと少しで届きそう。
でもその時、――――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ。
低い地鳴りがして、また地下神殿が揺れだしました。
今までにない大きな揺れに、ぐらりぐらりっと私の体が傾いて、ダメですっ、落ちる!!
「っ、ゼロス、あなたはイスラの腕を!!」
咄嗟に声を上げました。
私がイスラの上から落下するのと、ゼロスが私の肩から跳んだのは同時。
「ブレイラ!」
ハウストの声がして力強い両腕に受け止められました。
私が落下した瞬間、肩乗り合体は素早く解散したのです。
ハウストは落下した私を受け止め、イスラは危うげなく飛び降りて着地しました。
「ハウスト、ありがとうございますっ。ゼロスは?!」
「あそこだ」
ハウストが指す方にゼロスがいました。
ゼロスの小さな背中が着地のポーズを取っています。さすが冥王ですね、高い場所からかっこよく飛び降りたようです。
その姿に安堵しながらも緊張を覚える。ゼロスの腕の中には果たしてっ。
「ゼロス、イスラの腕はっ……」
「とれた~!! あにうえのうで、とれた~!!」
ゼロスがイスラの左腕を掲げました。
私の肩から跳んだ際に見事に取ってくれたのです。
水晶に閉じ込められた左腕がキラキラと輝いて、胸がいっぱいになって苦しいくらい。
「ゼロスっ、よく頑張ってくれました!」
「ぼく、がんばった~!!」
ゼロスがイスラの左腕を持って駆け寄ってきます。
感激する私にゼロスが照れ臭そうに笑いました。
「ありがとうございますっ。ほんとうに、ありがとうっ……」
「えへへ。ブレイラ、どうぞ!」
「はい」
私はゼロスからイスラの腕を受け取りました。
両手にイスラの腕の重み。胸に切なさがこみあげて両腕で抱きしめて頬を寄せます。
私がずっと、ずっと取り戻したかったもの。
「イスラの腕、ようやく取り戻せましたっ……。よかった、ほんとうにっ、……よかったですっ」
涙が込み上げました。
私にとってこれは勇者の腕ではないのです。イスラの左腕なのです。
私はイスラの左腕を抱いて、イスラと向き合いました。
「イスラ、あなたの腕、あなたの力です。ここに」
「ああ、俺の腕だ。ありがとう、ブレイラ」
イスラは私を見つめ、次に私が大切に抱いている自分の腕を見ます。
イスラは照れたように、でも嬉しそうに笑んでくれました。
その笑顔に私も嬉しくなってイスラに笑いかけました。イスラの笑顔は私を幸せな気持ちにしてくれるもの。
「あなたの喜びは私の喜びです」
「ああ」
イスラは深く頷くと、次はハウストとゼロスを見ました。
「ハウストとゼロスも……ありがとう」
改めて礼を言ったイスラにハウストは目を細め、ゼロスは満面の笑顔になります。
「魔界に帰ったらくっつけるぞ」
「やった~! あにうえのうで、よかった~!」
こうして私たちはイスラの腕を取り戻しました。
しかし、――――ゴゴゴゴゴゴッ。
またも地下神殿が震動しました。
しかもそれは収まる気配はなく、次第に強くなっていきます。
頭上からはパラパラと砂や小石が落ちてきて妙な焦りを覚えます。
「ハウストっ……」
「ああ、限界が近い。急ぐぞ」
「はいっ。イスラ、ゼロス、急いで地上に戻りましょう!」
ハウストが私を庇いながら誘導してくれます。
私もイスラの左腕を庇うように抱きながら、イスラとゼロスを連れて駆け出しました。
しかし。
「ブレイラ、伏せろ!」
「わあっ!」
ガラガラガラッ、ガシャーーン!!!!
咄嗟にハウストに抱き寄せられました。
でも目の前の現実に愕然とする。天井の一部が崩落して、地上に通じている穴を埋めてしまったのです。閉じ込められてしまいました。
「そんな、帰り道が……」
呆然と瓦礫の山を見上げました。
こうしている間にも微震動は続いています。地下神殿が崩落するのは時間の問題です。
「塞がれたか」
「どうする、壊すか?」
腕を組んで瓦礫を見上げているハウストに、イスラが右拳を握ります。
そんな二人にゼロスも並びました。
「ぼくも、じょうずにえいってできるよ! ちちうえとあにうえと、いっしょにえいってするの!」
ゼロスも張り切って両腕をぐるぐるします。やる気満々でした。
積もった瓦礫を破壊しながら突き進む気なのです。しかも拳で。
そんな方法は無茶でした。ここは最深部で地上から最も遠い場所、きっと神殿が崩落する方が早いでしょう。
しかし今、三人はまったく動じた様子はありません。
不思議ですね、悲壮感とは縁遠い三人に私の焦りも薄くなっていきます。
気持ちが落ち着いた私の耳に、地下最深部にずっと響き続けていた音が届きました。
「あっ、もしかして!」
ハッとして思わず声を上げました。
驚いて振り返った三人に、私は意気込んで提案します。
「神殿の水路を使いましょう! この神殿全体には薬草を育てる為の水路が張り巡らされています。私の予想が確かなら、ここの水路は奥の院の植物園にも繋がっています!」
これは予想です。
でも限りなく確信がありました。
なぜなら、ここで育てられている薬草や植物はとても高度な知識と技術を必要とするものです。もちろん管理の行き届いた水路も必要で、おそらく神殿の水路は循環していると考えていいでしょう。奥の院の植物園にある池はきっとこの水路と繋がっているはずです。
「なるほど、水路か。悪くないな」
ハウストが水路に目を向けて、その頑丈な造りと水流の早さを確認します。
瓦礫を破壊して突き進むより水路を使った方が早く地上へ出られるはず。しかし確認を終えたハウストが心配そうな顔で私を見ました。
「……どうしました?」
「お前は俺が背負って泳ぐ。……だが、途中で水中を潜ることもあるだろう。俺やイスラやゼロスは長く呼吸を止めることもできるが」
「ありがとうございます。覚悟の上です」
私は真剣な顔で答えました。
ここで一番の不安要素は間違いなく私です。
水路の途中で潜水することになった時、問題は潜水時間の長さでした。ただでさえ私は泳ぐことが不得手なので、水中で呼吸を止める行為自体に慣れていません。もし、私が耐え切れなくなったら……。
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