52 / 84
火に渦巻くは歴史の咎
ep.39 だって気まぐれですから
しおりを挟む
「何か臭うな」
センリは何かに気づいたようでクロハとは違う視点で2人を見ていた。
やがてその女給仕2人は対面した。顔を見た瞬間、互いに驚いて小さく仰け反った。その反応までほとんど同じなので見分けがつかない。
「あの、どちら様でしょうか?」
最初に話しかけたのはクロハが困らせたほうの女給仕。
「あなたこそどちら様でしょうか? 私にそっくりですけど」
「え? そんなことを言われましても……」
そっくりそのまま言い返されて困らされたほうの女給仕は再び困った。
「そなたらは双子ではないのか?」
「いいえ。違います」
「いいえ。違います」
クロハの問いに2人はほぼ同時に答えた。
「うお、なんじゃ今のは。息ぴったりではないか」
「双子じゃないとすると残るは姉妹の線だが……」
「私に姉や妹はいません」
「私は姉妹ではありません」
センリの問いかけに対しても2人は似たような内容で返した。
「ということはどちらかが偽物ということじゃ」
「ち、違いますっ! 私は本物ですっ!」
「え? 私は偽物ではありませんっ!」
クロハに見つめられると2人は口々に否定した。
「嘘をついているのは彼女です。私はアルテ様のお食事をこうして運んでいますが彼女はそうではありません」
「彼女こそ嘘をついています。そもそもアルテ様は部屋で夕食を召し上がることはございません」
「違いますっ! 私はこのお仕事をずっとしてきました。昨日だって一昨日だって。アルテ様とお話ができれば私が本物であることが分かるはずです」
「騙されてはいけませんっ! 彼女はアルテ様とお話ができれば証明できると言っていますが、会わせてしまったら必ず危害を加えるはずです」
「それはあなたのほうでしょう! どうかみなさん私のことを信じてください」
「本物は私です。どうか信じてください」
本物か偽物か。女給仕2人は最終的な選択をセンリとクロハに委ねた。
「……むうう。聞けば聞くほど見れば見るほど分からなくなってくるのう」
クロハは2人の顔を交互に見ながら頭を悩ませた。
「おいおい、まだ分かってないのか」
「む? なら主はもう分かったというのか?」
「ああ。目で見るな。臭いを嗅げ」
「臭いじゃと?」
センリの助言でクロハは2人の臭いを嗅いだ。しかしよく分からないと首を捻った。
「馬鹿か。そういうことじゃない」
センリは言いながら料理の載った手押し車に近づいた。そこで台の上からよく冷えた葡萄酒の瓶を手に取って栓を抜いた。
「あ、あのそれはアルテ様への……」
女給仕に注意されるもお構いなしでセンリは空のグラスをひっくり返して葡萄酒を注いだ。3分の1ほど注いだらグラスに口をつけて一口味見した。
「さすがに悪くないな」
宝石のような赤紫色の葡萄酒を楽しむセンリを見てクロハは眉をひそめた。
「主よ。早うどちらが偽物か教えておくれ」
「そう急かすな。俺は今考えているんだ。どうしてこんな場所に……魔族の手駒がいるのか、とな」
「な、なんじゃとッ! それは誠かッ!」
クロハは目を見張って2人の女給仕を改めて観察した。見つめられる2人は信じられないと言わんばかりの表情をしていた。
「上手く皮を被っているようだが、臭いは隠しきれなかったようだな」
センリはグラスを回しながら葡萄酒に自身の魔力を溶け込ませた。それを今度は料理を運んでいないほうの女給仕に向けた。
「わ、私が偽物とおっしゃられるのですか!」
グラスを向けられた女給仕は強張った顔で声を上げた。
「これを飲め。それではっきりする」
「こ、これは……」
センリは葡萄酒の入ったグラスをその女給仕に渡した。見た目はただの葡萄酒で特に変わった様子はない。センリの魔力が溶け込んでいることはまだ誰も知らない。
「こ、これを飲めばいいのでしょう。それではっきりすると言うのなら構いません。ただしこれを飲み干して何も起きなかった場合は彼女が偽物ということでいいのですね?」
センリは何も言わず小さくうなずいた。
「……ではいただきます」
女給仕は意を決してその葡萄酒を一気に飲み干した。周りの者が見守る中でグラスを口から離した彼女は何も起こらなかったことに笑みを浮かべた。
「とても美味しかったです。さあ、これでもう分かっていただけましたか? 私は正真正銘本物で彼女が偽……ゴボッ!」
言い切る前に女給仕は口から液状のものを吐き出した。それは血でも胃の内容物でもなく黒く濁った液体だった。
「な、なぜ、か、体が……ゴボッ」
「人間には効かない毒を混ぜておいた。お前はもう終わりだ」
「ど、毒、だと……貴様はいったい……」
女給仕はその場に倒れて苦しそうに胸を押さえた。
センリの魔力は魔族にとっての猛毒。一度体に取り入れたが最後。逃れる術はない。
「ま、まさか……こんな形で……。だが……このまま黙って……死ぬわけには……ッ!」
最後の力を振り絞ってその女給仕はセンリに襲いかかった。口が大きく裂けて隠していた牙を剥き出しにしている。それは間欠泉の時の化け物を彷彿とさせた。
センリは素早く魔術障壁を張って攻撃を弾くと、次に地面から漆黒の鎖を出現させて彼女を縛り上げた。
「か、体が、動かな……」
「牙を向ける相手はよく考えるんだな」
センリは一歩一歩近づいて彼女の額に手を置いた。次の瞬間、彼女の体が発火した。
「キエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!」
彼女は甲高い声で叫んだ。浄化を思わせる白い炎に包まれて苦しみ悶えている。
「うるせえな。黙れ」
センリは喉を掴んで膨大な量の魔力を一気に流し込む。すると偽物の女給仕は瞬く間に灰化して崩れ落ちた。縛るものを失った漆黒の鎖はスッと煙のように消え失せた。
「これではっきりしたな。どちらが本物か」
「は、はい……」
衝撃的な光景だったのか本物の女給仕は腰を抜かしてしまった。
「主よ。少しやりすぎじゃ。本物が怯えてしまったではないか」
「問題ない。それよりもあんたには聞きたいことがある。あいつとここのお姫様の関係についてだ」
センリの質問に女給仕はスッと目を伏せた。
「……大変申し上げにくいのですがやはり私の口からは……」
「なら本人に直接聞くしかないな。さっさと立って案内しろ」
「え……?」
「料理が冷めるぞ。いいのか?」
「あ、それは……」
女給仕は自分の仕事を思い出して何とか立ち上がり手押し車を押した。本人に案内するつもりがなくても、センリとクロハは彼女の後に勝手についていった。
ふと廊下の途中で足を止めた女給仕。振り返って2人に困り顔を見せた。
「あの、この先には強力な魔術障壁が張ってあります。ですからどうか近寄らないでください。非常に危険ですので」
彼女はそう警告したのだが、そんなことは気にせず2人はずかずかと歩いてその強力な魔術障壁に近づいた。
「ほほう。これがその」
興味本位でクロハが手で触れるとバチッと火花が散った。
「うおっ! バチッと言うたぞ」
「当たり前だろ。強力な魔術障壁と聞いておいて普通に触れる馬鹿がどこにいる」
「ここにおるぞ」と腰に手を当てる呑気なクロハ。
「……もういい。あんたはここから先どうやって行くんだ?」
「いえ。私はここから先には行きません」
女給仕は廊下の壁に目を向ける。そこには謎の紐があった。彼女がそれを引っ張って放すと遠くのほうからチリンチリンと鈴の音が聞こえてきた。
しばらくして廊下の奥からアルテが歩いてやってきた。女給仕の隣にいる2人を見るや否や眉をひそめる彼女。歓迎はされていないようだ。
「あの、アルテ様。これは」
「センリ様とクロハ様。このような場所に何のご用でしょうか?」
アルテは女給仕の言葉を遮って小首を傾げた。
「さきほど城内に魔族の手下がおったのじゃ。これは由々しき事態であろう?」
「そうですか。困りましたね」
「驚きはないのじゃな」
「ええ。ああいった輩はたまに来るので。もう慣れました」
「慣れたと言うてもな。被害があるじゃろう?」
「怪我人は時々出ますけど、これまで命に関わる怪我を負った方はいません」
そういう問題ではないと言いたげなクロハ。
「ここには城内を巡回する兵や魔術師がいますし、元々この城には薄い魔術障壁が何重にも張られていますのでああいう輩のほとんどは触れただけで死にます。通り抜けたところで力が大幅に削られているので対処も容易です」
「そもそもなぜそいつらがここに来る?」
「センリ様。それは私にも分かりません。何しろ化け物の考えることですから。おそらくはただの気まぐれでしょう」
「本当に気まぐれか? あいつはあんたを狙っているように見えたが」
「気のせいでしょう。だって気まぐれですから」
アルテはわざとらしく微笑む。
「じゃあこの障壁はなんだ?」
「用心のために父が用意してくださいました。夜は危ないですからね」
「この密度の障壁を用心のためにか」
尋常ではない魔力が込められた魔術障壁。それは魔族どころか使用人すらも通さない強力なものであった。
センリは何かに気づいたようでクロハとは違う視点で2人を見ていた。
やがてその女給仕2人は対面した。顔を見た瞬間、互いに驚いて小さく仰け反った。その反応までほとんど同じなので見分けがつかない。
「あの、どちら様でしょうか?」
最初に話しかけたのはクロハが困らせたほうの女給仕。
「あなたこそどちら様でしょうか? 私にそっくりですけど」
「え? そんなことを言われましても……」
そっくりそのまま言い返されて困らされたほうの女給仕は再び困った。
「そなたらは双子ではないのか?」
「いいえ。違います」
「いいえ。違います」
クロハの問いに2人はほぼ同時に答えた。
「うお、なんじゃ今のは。息ぴったりではないか」
「双子じゃないとすると残るは姉妹の線だが……」
「私に姉や妹はいません」
「私は姉妹ではありません」
センリの問いかけに対しても2人は似たような内容で返した。
「ということはどちらかが偽物ということじゃ」
「ち、違いますっ! 私は本物ですっ!」
「え? 私は偽物ではありませんっ!」
クロハに見つめられると2人は口々に否定した。
「嘘をついているのは彼女です。私はアルテ様のお食事をこうして運んでいますが彼女はそうではありません」
「彼女こそ嘘をついています。そもそもアルテ様は部屋で夕食を召し上がることはございません」
「違いますっ! 私はこのお仕事をずっとしてきました。昨日だって一昨日だって。アルテ様とお話ができれば私が本物であることが分かるはずです」
「騙されてはいけませんっ! 彼女はアルテ様とお話ができれば証明できると言っていますが、会わせてしまったら必ず危害を加えるはずです」
「それはあなたのほうでしょう! どうかみなさん私のことを信じてください」
「本物は私です。どうか信じてください」
本物か偽物か。女給仕2人は最終的な選択をセンリとクロハに委ねた。
「……むうう。聞けば聞くほど見れば見るほど分からなくなってくるのう」
クロハは2人の顔を交互に見ながら頭を悩ませた。
「おいおい、まだ分かってないのか」
「む? なら主はもう分かったというのか?」
「ああ。目で見るな。臭いを嗅げ」
「臭いじゃと?」
センリの助言でクロハは2人の臭いを嗅いだ。しかしよく分からないと首を捻った。
「馬鹿か。そういうことじゃない」
センリは言いながら料理の載った手押し車に近づいた。そこで台の上からよく冷えた葡萄酒の瓶を手に取って栓を抜いた。
「あ、あのそれはアルテ様への……」
女給仕に注意されるもお構いなしでセンリは空のグラスをひっくり返して葡萄酒を注いだ。3分の1ほど注いだらグラスに口をつけて一口味見した。
「さすがに悪くないな」
宝石のような赤紫色の葡萄酒を楽しむセンリを見てクロハは眉をひそめた。
「主よ。早うどちらが偽物か教えておくれ」
「そう急かすな。俺は今考えているんだ。どうしてこんな場所に……魔族の手駒がいるのか、とな」
「な、なんじゃとッ! それは誠かッ!」
クロハは目を見張って2人の女給仕を改めて観察した。見つめられる2人は信じられないと言わんばかりの表情をしていた。
「上手く皮を被っているようだが、臭いは隠しきれなかったようだな」
センリはグラスを回しながら葡萄酒に自身の魔力を溶け込ませた。それを今度は料理を運んでいないほうの女給仕に向けた。
「わ、私が偽物とおっしゃられるのですか!」
グラスを向けられた女給仕は強張った顔で声を上げた。
「これを飲め。それではっきりする」
「こ、これは……」
センリは葡萄酒の入ったグラスをその女給仕に渡した。見た目はただの葡萄酒で特に変わった様子はない。センリの魔力が溶け込んでいることはまだ誰も知らない。
「こ、これを飲めばいいのでしょう。それではっきりすると言うのなら構いません。ただしこれを飲み干して何も起きなかった場合は彼女が偽物ということでいいのですね?」
センリは何も言わず小さくうなずいた。
「……ではいただきます」
女給仕は意を決してその葡萄酒を一気に飲み干した。周りの者が見守る中でグラスを口から離した彼女は何も起こらなかったことに笑みを浮かべた。
「とても美味しかったです。さあ、これでもう分かっていただけましたか? 私は正真正銘本物で彼女が偽……ゴボッ!」
言い切る前に女給仕は口から液状のものを吐き出した。それは血でも胃の内容物でもなく黒く濁った液体だった。
「な、なぜ、か、体が……ゴボッ」
「人間には効かない毒を混ぜておいた。お前はもう終わりだ」
「ど、毒、だと……貴様はいったい……」
女給仕はその場に倒れて苦しそうに胸を押さえた。
センリの魔力は魔族にとっての猛毒。一度体に取り入れたが最後。逃れる術はない。
「ま、まさか……こんな形で……。だが……このまま黙って……死ぬわけには……ッ!」
最後の力を振り絞ってその女給仕はセンリに襲いかかった。口が大きく裂けて隠していた牙を剥き出しにしている。それは間欠泉の時の化け物を彷彿とさせた。
センリは素早く魔術障壁を張って攻撃を弾くと、次に地面から漆黒の鎖を出現させて彼女を縛り上げた。
「か、体が、動かな……」
「牙を向ける相手はよく考えるんだな」
センリは一歩一歩近づいて彼女の額に手を置いた。次の瞬間、彼女の体が発火した。
「キエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!」
彼女は甲高い声で叫んだ。浄化を思わせる白い炎に包まれて苦しみ悶えている。
「うるせえな。黙れ」
センリは喉を掴んで膨大な量の魔力を一気に流し込む。すると偽物の女給仕は瞬く間に灰化して崩れ落ちた。縛るものを失った漆黒の鎖はスッと煙のように消え失せた。
「これではっきりしたな。どちらが本物か」
「は、はい……」
衝撃的な光景だったのか本物の女給仕は腰を抜かしてしまった。
「主よ。少しやりすぎじゃ。本物が怯えてしまったではないか」
「問題ない。それよりもあんたには聞きたいことがある。あいつとここのお姫様の関係についてだ」
センリの質問に女給仕はスッと目を伏せた。
「……大変申し上げにくいのですがやはり私の口からは……」
「なら本人に直接聞くしかないな。さっさと立って案内しろ」
「え……?」
「料理が冷めるぞ。いいのか?」
「あ、それは……」
女給仕は自分の仕事を思い出して何とか立ち上がり手押し車を押した。本人に案内するつもりがなくても、センリとクロハは彼女の後に勝手についていった。
ふと廊下の途中で足を止めた女給仕。振り返って2人に困り顔を見せた。
「あの、この先には強力な魔術障壁が張ってあります。ですからどうか近寄らないでください。非常に危険ですので」
彼女はそう警告したのだが、そんなことは気にせず2人はずかずかと歩いてその強力な魔術障壁に近づいた。
「ほほう。これがその」
興味本位でクロハが手で触れるとバチッと火花が散った。
「うおっ! バチッと言うたぞ」
「当たり前だろ。強力な魔術障壁と聞いておいて普通に触れる馬鹿がどこにいる」
「ここにおるぞ」と腰に手を当てる呑気なクロハ。
「……もういい。あんたはここから先どうやって行くんだ?」
「いえ。私はここから先には行きません」
女給仕は廊下の壁に目を向ける。そこには謎の紐があった。彼女がそれを引っ張って放すと遠くのほうからチリンチリンと鈴の音が聞こえてきた。
しばらくして廊下の奥からアルテが歩いてやってきた。女給仕の隣にいる2人を見るや否や眉をひそめる彼女。歓迎はされていないようだ。
「あの、アルテ様。これは」
「センリ様とクロハ様。このような場所に何のご用でしょうか?」
アルテは女給仕の言葉を遮って小首を傾げた。
「さきほど城内に魔族の手下がおったのじゃ。これは由々しき事態であろう?」
「そうですか。困りましたね」
「驚きはないのじゃな」
「ええ。ああいった輩はたまに来るので。もう慣れました」
「慣れたと言うてもな。被害があるじゃろう?」
「怪我人は時々出ますけど、これまで命に関わる怪我を負った方はいません」
そういう問題ではないと言いたげなクロハ。
「ここには城内を巡回する兵や魔術師がいますし、元々この城には薄い魔術障壁が何重にも張られていますのでああいう輩のほとんどは触れただけで死にます。通り抜けたところで力が大幅に削られているので対処も容易です」
「そもそもなぜそいつらがここに来る?」
「センリ様。それは私にも分かりません。何しろ化け物の考えることですから。おそらくはただの気まぐれでしょう」
「本当に気まぐれか? あいつはあんたを狙っているように見えたが」
「気のせいでしょう。だって気まぐれですから」
アルテはわざとらしく微笑む。
「じゃあこの障壁はなんだ?」
「用心のために父が用意してくださいました。夜は危ないですからね」
「この密度の障壁を用心のためにか」
尋常ではない魔力が込められた魔術障壁。それは魔族どころか使用人すらも通さない強力なものであった。
0
お気に入りに追加
30
あなたにおすすめの小説
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
魔銃士(ガンナー)とフェンリル ~最強殺し屋が異世界転移して冒険者ライフを満喫します~
三田村優希(または南雲天音)
ファンタジー
依頼完遂率100%の牧野颯太は凄腕の暗殺者。世界を股にかけて依頼をこなしていたがある日、暗殺しようとした瞬間に落雷に見舞われた。意識を手放す颯太。しかし次に目覚めたとき、彼は異様な光景を目にする。
眼前には巨大な狼と蛇が戦っており、子狼が悲痛な遠吠えをあげている。
暗殺者だが犬好きな颯太は、コルト・ガバメントを引き抜き蛇の眉間に向けて撃つ。しかし蛇は弾丸などかすり傷にもならない。
吹き飛ばされた颯太が宝箱を目にし、武器はないかと開ける。そこには大ぶりな回転式拳銃(リボルバー)があるが弾がない。
「氷魔法を撃って! 水色に合わせて、早く!」
巨大な狼の思念が頭に流れ、颯太は色づけされたチャンバーを合わせ撃つ。蛇を一撃で倒したが巨大な狼はそのまま絶命し、子狼となりゆきで主従契約してしまった。
異世界転移した暗殺者は魔銃士(ガンナー)として冒険者ギルドに登録し、相棒の子フェンリルと共に様々なダンジョン踏破を目指す。
【他サイト掲載】カクヨム・エブリスタ
パーティーから追放され婚約者を寝取られ家から勘当、の三拍子揃った元貴族は、いずれ竜をも倒す大英雄へ ~もはやマイナスからの成り上がり英雄譚~
一条おかゆ
ファンタジー
貴族の青年、イオは冒険者パーティーの中衛。
彼はレベルの低さゆえにパーティーを追放され、さらに婚約者を寝取られ、家からも追放されてしまう。
全てを失って悲しみに打ちひしがれるイオだったが、騎士学校時代の同級生、ベガに拾われる。
「──イオを勧誘しにきたんだ」
ベガと二人で新たなパーティーを組んだイオ。
ダンジョンへと向かい、そこで自身の本当の才能──『対人能力』に気が付いた。
そして心機一転。
「前よりも強いパーティーを作って、前よりも良い婚約者を貰って、前よりも格の高い家の者となる」
今までの全てを見返すことを目標に、彼は成り上がることを決意する。
これは、そんな英雄譚。
かつてダンジョン配信者として成功することを夢見たダンジョン配信者マネージャー、S級ダンジョンで休暇中に人気配信者に凸られた結果バズる
竜頭蛇
ファンタジー
伊藤淳は都内の某所にあるダンジョン配信者事務所のマネージャーをしており、かつて人気配信者を目指していた時の憧憬を抱えつつも、忙しない日々を送っていた。
ある時、ワーカーホリックになりかねていた淳を心配した社長から休暇を取らせられることになり、特に休日に何もすることがなく、暇になった淳は半年先にあるS級ダンジョン『破滅の扉』の配信プロジェクトの下見をすることで時間を潰すことにする.
モンスターの攻撃を利用していたウォータースライダーを息抜きで満喫していると、日本発のS級ダンジョン配信という箔に目が眩んだ事務所のNO.1配信者最上ヒカリとそのマネージャーの大口大火と鉢合わせする.
その配信で姿を晒すことになった淳は、さまざまな実力者から一目を置かれる様になり、世界に名を轟かす配信者となる.
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる