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エピローグ
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ラウム王国のとある村。ある小屋の中で少女は震えていた。
何故こんなことになったのか。少女は思い出す。
始まりは何も変わらぬ朝であった。少女は毎日の日課である餌やりをしに家畜の下へと向かう。するとそこで目にしたのは首をへし折られて息絶えた牛達の姿であった。
少女は泣き叫びながら村に戻るとそこには角の生えた人型の魔物、鬼が村人達を次々と嬲り殺していた。
少女は何とか両親と合流するものの逃げ惑ううちにはぐれ、今は村の小屋に身を潜めていた。
しかし、少女の気配を察知したのか先ほどから鍵をかけた扉が激しく揺れている。
少女は怯えて耳を塞ぐも扉を叩く音は次第に大きく、早くなっていきついに扉は音を立てて外れ、倒れた。
少女は迫るオーガの巨大な手になす術は無く、訪れるその瞬間まで目を瞑ることしかできなかった。
その時、ぐさりと肉を裂く音とともにオーガの悲鳴が響き渡ったと思うとすぐにその声は消え失せ、どさりと何か重いものが倒れる音がした。
少女は恐る恐る目を開くとそこには血に伏すオーガと槍を手に少女の前に立つ人影があった。
「間に合ってよかった。大丈夫かい?」
人影はしゃがんで少女の前に手を差し出すと少女はその顔を見つめた。
一部が白く染まった赤毛にブラウンと紅色の瞳。
少女は差し出された手を取ると、自分だけの英雄と共に歩み始めた。
何故こんなことになったのか。少女は思い出す。
始まりは何も変わらぬ朝であった。少女は毎日の日課である餌やりをしに家畜の下へと向かう。するとそこで目にしたのは首をへし折られて息絶えた牛達の姿であった。
少女は泣き叫びながら村に戻るとそこには角の生えた人型の魔物、鬼が村人達を次々と嬲り殺していた。
少女は何とか両親と合流するものの逃げ惑ううちにはぐれ、今は村の小屋に身を潜めていた。
しかし、少女の気配を察知したのか先ほどから鍵をかけた扉が激しく揺れている。
少女は怯えて耳を塞ぐも扉を叩く音は次第に大きく、早くなっていきついに扉は音を立てて外れ、倒れた。
少女は迫るオーガの巨大な手になす術は無く、訪れるその瞬間まで目を瞑ることしかできなかった。
その時、ぐさりと肉を裂く音とともにオーガの悲鳴が響き渡ったと思うとすぐにその声は消え失せ、どさりと何か重いものが倒れる音がした。
少女は恐る恐る目を開くとそこには血に伏すオーガと槍を手に少女の前に立つ人影があった。
「間に合ってよかった。大丈夫かい?」
人影はしゃがんで少女の前に手を差し出すと少女はその顔を見つめた。
一部が白く染まった赤毛にブラウンと紅色の瞳。
少女は差し出された手を取ると、自分だけの英雄と共に歩み始めた。
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