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Season1
巨人ーMonsterー2
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「!?ナナシさん!!こっちへ!!」」
ナナシを押すように横の部屋に避難し巨人の拳はなんとか回避した。
「お前の相手は私だ!!」
エストレアが魔力の刃を出現させて攻撃し、注意を向けた。巨人は深く傷ついたもののすぐにその傷は塞がってしまう。
ポラリスとナナシが入ったのは食糧庫の隣の厨房であった。ポラリスはすぐに立ち上がってエストレアの加勢に行こうとする。しかし物陰から現れた影に妨げられた。
「!?」
おそらくここの料理人だったのだろう。不意に横から現れたアンデットに押し倒され、上に乗られる。
槍を探すも厨房に入った時に遠くに落としてしまっていた。ポラリスはなんとか素手でアンデットの攻撃を抑える。ナナシは腰が抜けて立てない様子だった。
「ナナシさん!!早く逃げてください!!」
「で、でも兵隊の旦那が……」
「僕なら大丈夫です!!それよりも庭園のみんなにあの巨人のことを知らせてシリウスさん達を呼んできてください!!」
大丈夫、というもののポラリスはとても長くは持ちそうになかった。
「ナナシさん!!早く行って!!」
いまだに立ち上がらないナナシに叫ぶ。その声に飛び上がるようにナナシは駆け出した。
腕の体力が限界を迎え、力が抜けて来る。ポラリスは死を覚悟し目を瞑った。しかしその時は一向にやってこず、逆にアンデットの攻撃が弱まるのを感じた。
「!!ナナシさん!!」
目を開けるとそこにはナナシがポラリスの槍でアンデットの胸を貫いている姿が見えた。
「……あんたは命の恩人だからな……」
ポラリスの手を引き立ち上がらせると槍を渡した。
厨房の外に出るととエストレアと巨人は廊下の壁を突き破って中庭で激戦を繰り広げていた。
「……刃の嵐……」
空中に飛び、多くの魔力の刃が竜巻のように巨人を襲った。
エストレアが着地した瞬間であった。刃の竜巻から抜け出た巨人が襲いかかる。
「!?剣の盾!!」
二本の巨大な剣が現れ、巨人の拳を何とか防ぐ。しかし剣の盾も拳の猛攻にヒビが入り始めていた。
すると、巨人の後ろから瓶が投げられた。巨人は攻撃を一時止め、そちらを振り向く。
そこにはポラリスが瓶を持って立っていた。
「エストレアさん!!一度立て直しましょう!!」
瓶をもう2本投げる。一本は頭に命中したが腹部に向かったもう一本は腕で振り払われた。
瓶には油が入っており、いつの間にか巨人の側に立っていたナナシが火打ち石で火花を起こすと燃え上がった。
その隙にエストレアはポラリスと共に一度室内に避難した。
走る中、ポラリスは巨人の動きに違和感を覚えた。
ナナシを押すように横の部屋に避難し巨人の拳はなんとか回避した。
「お前の相手は私だ!!」
エストレアが魔力の刃を出現させて攻撃し、注意を向けた。巨人は深く傷ついたもののすぐにその傷は塞がってしまう。
ポラリスとナナシが入ったのは食糧庫の隣の厨房であった。ポラリスはすぐに立ち上がってエストレアの加勢に行こうとする。しかし物陰から現れた影に妨げられた。
「!?」
おそらくここの料理人だったのだろう。不意に横から現れたアンデットに押し倒され、上に乗られる。
槍を探すも厨房に入った時に遠くに落としてしまっていた。ポラリスはなんとか素手でアンデットの攻撃を抑える。ナナシは腰が抜けて立てない様子だった。
「ナナシさん!!早く逃げてください!!」
「で、でも兵隊の旦那が……」
「僕なら大丈夫です!!それよりも庭園のみんなにあの巨人のことを知らせてシリウスさん達を呼んできてください!!」
大丈夫、というもののポラリスはとても長くは持ちそうになかった。
「ナナシさん!!早く行って!!」
いまだに立ち上がらないナナシに叫ぶ。その声に飛び上がるようにナナシは駆け出した。
腕の体力が限界を迎え、力が抜けて来る。ポラリスは死を覚悟し目を瞑った。しかしその時は一向にやってこず、逆にアンデットの攻撃が弱まるのを感じた。
「!!ナナシさん!!」
目を開けるとそこにはナナシがポラリスの槍でアンデットの胸を貫いている姿が見えた。
「……あんたは命の恩人だからな……」
ポラリスの手を引き立ち上がらせると槍を渡した。
厨房の外に出るととエストレアと巨人は廊下の壁を突き破って中庭で激戦を繰り広げていた。
「……刃の嵐……」
空中に飛び、多くの魔力の刃が竜巻のように巨人を襲った。
エストレアが着地した瞬間であった。刃の竜巻から抜け出た巨人が襲いかかる。
「!?剣の盾!!」
二本の巨大な剣が現れ、巨人の拳を何とか防ぐ。しかし剣の盾も拳の猛攻にヒビが入り始めていた。
すると、巨人の後ろから瓶が投げられた。巨人は攻撃を一時止め、そちらを振り向く。
そこにはポラリスが瓶を持って立っていた。
「エストレアさん!!一度立て直しましょう!!」
瓶をもう2本投げる。一本は頭に命中したが腹部に向かったもう一本は腕で振り払われた。
瓶には油が入っており、いつの間にか巨人の側に立っていたナナシが火打ち石で火花を起こすと燃え上がった。
その隙にエストレアはポラリスと共に一度室内に避難した。
走る中、ポラリスは巨人の動きに違和感を覚えた。
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