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14.ヒーロー
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どうして、ビアードが教会にいるの…?
私は彼が気になってしょうがなかった。彼は無口で私達から少し離れた所に滞在している。
だってビアードは…本名、ビアード・ロリックは、少女漫画でミュウ皇女の真のヒーローとして出てくる人物だからだ。が、神権側の人間ではなく神権と王権どちらも全くの関係ない人物として扱われていて、第三勢力として、現れる人物だ。
自然と私は少女漫画のシーンを思い起こされる。
ミュウ皇女とビアードは昔からの幼馴染みでちょっとした町でたまたま出会いそして物語が動く。
彼はミュウ皇女の元にこっそりと通い二人は、心を通わせた後それがばれ、マリス第二皇子とアリーゼ第一皇子がミュウ皇女を閉じ込める。そして、シルバー王女は不穏な動きをし、2つの権力を争わせた後ビアードを連れた組織が...という展開になる。
でも、そこまではどの組織にも所属せず、ビアードは、農奴として立ち位置を持ち、引き連れる組織も民衆だ。そして、その物語は3年後の筈だし。
途端私は少しゾッとした気分になった。
物語が急速に動いている?
急に不安になってくる。
そしたら、私は一体どうなるのかしら。
私は、中身は転生者。だけど、この世界の肩書きは悪役だ。もしかすると、自分は何もしなくてもこの世界から排除される運命なのかもしれない。そう思うと途端、体が震えてくる。あれ、今まで、こんなこと考えたことなかったのに。
「この教会の成り立ちを説明する前に、まず、神権の事について説明しましょうか」
すると、バニ様が、集団の前にいて、廊下にあるキリストの銅像の横に立っていた。
「神権とは、教皇の名の元に生まれた組織です。神に与えられた特権を駆使する者達。王権より長く続く権力で、王権は、そのおぼしめしより産まれました。現在は、二つの権力が対になって、神聖カリーテナ帝国を動かしています。私も、その神権側の人間なのですが、王権の属領に所属しており、この教会で、司祭の称号を持ち、動かしております。人々は迷っております。私達、教会はそのような人々の迷いを、導いております。神の示唆の元にです」
「…迷う人達を導く」
「ええ」
バニ様は、手を胸に当てる。それに、ビアードは、手を組んだ。
まるで、バニ様のいう事に、賛同するかのように。彼は、相当この神権に容れ込んでいるようだ。
「す、素敵です。バニ様。神権の方々は、み、民衆に沿った考え方をお持ちなんですね」
「有難うございます。ミュウ皇女様…完璧とは、言えませんが、そのようになるよう頑張っております」
バニ様は、流暢に言葉を流す所為か、ミュウ皇女以外にも、バニ様に感心した面持ちでいた。
マークも、家庭教師の方も。
けれど、私は何故か、さっきから、違和感を持っている。
何故だろう。…あ。そうか、何で私、ビアードが現れた事にこんなにも動揺しているのかわかった。
王権と神権は、この神聖カリーテナ帝国では、基本的に、対立している。ということだから。
それに、少女漫画では、ビアードは、物語のヒーローであり、根底を根こそぎ動かす役目だ。
だから、彼が神権側に居る事は、私にとって、立ち位置が危うくなる存在…。私は、王権側の人間だから、…ビアードが神権側にいるのに、何かしら裏があるのではないか?と思えてきた。
牽制に似た、責任感みたいなものが、湧いてくる。
何でしょう。それで、何か、私のなかにどす黒いものが渦巻いて、
「……裏切りなんて常なのに。そんな人達を、本当に神様、が、導いてくださる、というのかしら?」
ふと、そんな風に声を洩らしてしまった。
…え?あ。
気付いた時には遅かった。足を踏み入れると、カツーンと、自分のハイヒールが、廊下中に、音を立てる。私はその音に反応し下を見て顔を上げると、皆、私の方を見ていた。…大分、響いてしまったらしい。
「シ、シルバー王女様?」
先に、私の様子を聞いてきたのは、ミュウ皇女だった。ミュウ皇女は、顔が真っ青だ。誰も何も声を発さないけれど、皆私を畏怖な目で見ている。…そんな気がした。
「…申し訳ありません。バニ様」
私は、すかさず、バニ様に頭を深く下げた。すると、
「いいえ。シルバー王女様。私は気にしておりません。寧ろ、私は良い意見だと思います。神権と王権…、薄暗い背景があるので、中々言い出しにくい事だと思うのに、それを言って頂けるなんて」
バニ様は笑顔で私に答えた。
「確かに、神の定義は、人によって違うでしょう。例えば、この創造物を見てください。」
今度は、キリスト教の隣にある絵画を手のひらで、指すバニ様。その絵画には、下に悪魔、上に天使がおり、天使が悪魔に成敗をくらわしている。そんな絵に思えた。
「シルバー王女様は、この悪魔と天使、どちらが悪で、どちらが、善と思われますか?」
「…、天使が善で、悪魔が悪。かしら。そのままね」
「そうですね。しかし、絵画には、…創作には人が挟みます。もしかしたら、これを描いた画家は、逆に描いたかもしれない。だけど、その画家が悪として描いていなくても、見た人にとっては、それが悪だったり、それが正義だったりします。個人的な正義、悪魔は、人が決めるのです。それで、ここに、懺悔する人の殆どが、善悪に迷っております。私がここにいる理由は、それを、受け入れることではなく、その人の思考を流してあげる事です。思想を操るのではなくね。止まったままでは、辛いでしょうし。 それが、この教会の意義だと、私は、思っております。…シルバー王女様は、それが聞きたかったのでしょう?」
バニ様は、遠回しに言った、私の聞きたい事を言ってくれた。…彼にとっての教会はそれなのだろう。…でも、
「その人が悪の思考を持っていても、流すというの?」
すると、バニ様は少し目を見開いて、そうして、悲しそうにした。
「いいえ。ここは、懺悔をする場所ですから、己の罪を認める為の場所…だから、滅多にそのような者は来ませんよ。でも、それは思いついていませんでした。...確かに、人間の心の内はわからないですし、そんなこともありえるのかもしれませんね......それに関しては何もしない、いえ、できないが正解でしょうか。中立的な立場を望みたいので」
自分の胸の服をバニ様は掴んだ。
「…中立的な立場…、バニ様、善も悪も持ってない人は、どうすれば良い?それ故に、悩む人は、居ると思うの」
「そうですね、それが本当に、一番難しいことなのです。 下手をすれば、悪魔に成りうる可能性が高いのですから。実は、私は、それに関しては答えを持っておりません。 ですが、大半の方は、このような者達です」
「…それだと、基本的に、民衆は、全員悪魔ということになるわ。 所詮、ヒーローだと思っていても、それが誰かにとっては悪魔になる」
「ええ。でも、逆もあり得るのですよ。もしかして、ここに居る人達は寧ろ天使で、そのヒーローが、それが誰かにとって天使になる可能性もあるのです」
バニ様は私を見据える。
「 私は、好きな方を選べば良いと思います。天使になるか、悪魔になるか。だけど、基本的な考え方は、私はそれを聞くだけです。中立的な立場であり続ける事。それは、懺悔の前にも、きちんとお知らせはしています。貴女は、きっと私を…、神権を疑っているのでしょう。基本、貴女の所属している組織の基盤は、王権なのだから。だけど、私は、王権の領に所属しているのもありますが、民衆の声を、荒げるような、先導行為な真似はしませんよ。私の神は、天使に近い存在でありたいですから。まあ、だけど、一番、それを判断するのは、聞いてみるって事ですよ。天使になりたいか。悪魔になりたいか。気になる人にね。私は、いつもそれで、人々を導いております」
天使になりたいか。悪魔になりたいか。聞く…。要はコミュニケーションをとりなさいってことかしら……。
「…バニ様ごめんなさい。わかりましたわ。有難う。他の方々も、ごめんなさいね」
「だ、大丈夫です。シルバー王女様ッ」
私は皆の方を見ると、彼らは頷いてくれた。ビアードも特に疑問に思ったわけではなく、同じようにしてくれた。
「私も喋りすぎました。ちょっと、休憩して、最後に、私のお気に入りの場所を、紹介しましょう」
私は彼が気になってしょうがなかった。彼は無口で私達から少し離れた所に滞在している。
だってビアードは…本名、ビアード・ロリックは、少女漫画でミュウ皇女の真のヒーローとして出てくる人物だからだ。が、神権側の人間ではなく神権と王権どちらも全くの関係ない人物として扱われていて、第三勢力として、現れる人物だ。
自然と私は少女漫画のシーンを思い起こされる。
ミュウ皇女とビアードは昔からの幼馴染みでちょっとした町でたまたま出会いそして物語が動く。
彼はミュウ皇女の元にこっそりと通い二人は、心を通わせた後それがばれ、マリス第二皇子とアリーゼ第一皇子がミュウ皇女を閉じ込める。そして、シルバー王女は不穏な動きをし、2つの権力を争わせた後ビアードを連れた組織が...という展開になる。
でも、そこまではどの組織にも所属せず、ビアードは、農奴として立ち位置を持ち、引き連れる組織も民衆だ。そして、その物語は3年後の筈だし。
途端私は少しゾッとした気分になった。
物語が急速に動いている?
急に不安になってくる。
そしたら、私は一体どうなるのかしら。
私は、中身は転生者。だけど、この世界の肩書きは悪役だ。もしかすると、自分は何もしなくてもこの世界から排除される運命なのかもしれない。そう思うと途端、体が震えてくる。あれ、今まで、こんなこと考えたことなかったのに。
「この教会の成り立ちを説明する前に、まず、神権の事について説明しましょうか」
すると、バニ様が、集団の前にいて、廊下にあるキリストの銅像の横に立っていた。
「神権とは、教皇の名の元に生まれた組織です。神に与えられた特権を駆使する者達。王権より長く続く権力で、王権は、そのおぼしめしより産まれました。現在は、二つの権力が対になって、神聖カリーテナ帝国を動かしています。私も、その神権側の人間なのですが、王権の属領に所属しており、この教会で、司祭の称号を持ち、動かしております。人々は迷っております。私達、教会はそのような人々の迷いを、導いております。神の示唆の元にです」
「…迷う人達を導く」
「ええ」
バニ様は、手を胸に当てる。それに、ビアードは、手を組んだ。
まるで、バニ様のいう事に、賛同するかのように。彼は、相当この神権に容れ込んでいるようだ。
「す、素敵です。バニ様。神権の方々は、み、民衆に沿った考え方をお持ちなんですね」
「有難うございます。ミュウ皇女様…完璧とは、言えませんが、そのようになるよう頑張っております」
バニ様は、流暢に言葉を流す所為か、ミュウ皇女以外にも、バニ様に感心した面持ちでいた。
マークも、家庭教師の方も。
けれど、私は何故か、さっきから、違和感を持っている。
何故だろう。…あ。そうか、何で私、ビアードが現れた事にこんなにも動揺しているのかわかった。
王権と神権は、この神聖カリーテナ帝国では、基本的に、対立している。ということだから。
それに、少女漫画では、ビアードは、物語のヒーローであり、根底を根こそぎ動かす役目だ。
だから、彼が神権側に居る事は、私にとって、立ち位置が危うくなる存在…。私は、王権側の人間だから、…ビアードが神権側にいるのに、何かしら裏があるのではないか?と思えてきた。
牽制に似た、責任感みたいなものが、湧いてくる。
何でしょう。それで、何か、私のなかにどす黒いものが渦巻いて、
「……裏切りなんて常なのに。そんな人達を、本当に神様、が、導いてくださる、というのかしら?」
ふと、そんな風に声を洩らしてしまった。
…え?あ。
気付いた時には遅かった。足を踏み入れると、カツーンと、自分のハイヒールが、廊下中に、音を立てる。私はその音に反応し下を見て顔を上げると、皆、私の方を見ていた。…大分、響いてしまったらしい。
「シ、シルバー王女様?」
先に、私の様子を聞いてきたのは、ミュウ皇女だった。ミュウ皇女は、顔が真っ青だ。誰も何も声を発さないけれど、皆私を畏怖な目で見ている。…そんな気がした。
「…申し訳ありません。バニ様」
私は、すかさず、バニ様に頭を深く下げた。すると、
「いいえ。シルバー王女様。私は気にしておりません。寧ろ、私は良い意見だと思います。神権と王権…、薄暗い背景があるので、中々言い出しにくい事だと思うのに、それを言って頂けるなんて」
バニ様は笑顔で私に答えた。
「確かに、神の定義は、人によって違うでしょう。例えば、この創造物を見てください。」
今度は、キリスト教の隣にある絵画を手のひらで、指すバニ様。その絵画には、下に悪魔、上に天使がおり、天使が悪魔に成敗をくらわしている。そんな絵に思えた。
「シルバー王女様は、この悪魔と天使、どちらが悪で、どちらが、善と思われますか?」
「…、天使が善で、悪魔が悪。かしら。そのままね」
「そうですね。しかし、絵画には、…創作には人が挟みます。もしかしたら、これを描いた画家は、逆に描いたかもしれない。だけど、その画家が悪として描いていなくても、見た人にとっては、それが悪だったり、それが正義だったりします。個人的な正義、悪魔は、人が決めるのです。それで、ここに、懺悔する人の殆どが、善悪に迷っております。私がここにいる理由は、それを、受け入れることではなく、その人の思考を流してあげる事です。思想を操るのではなくね。止まったままでは、辛いでしょうし。 それが、この教会の意義だと、私は、思っております。…シルバー王女様は、それが聞きたかったのでしょう?」
バニ様は、遠回しに言った、私の聞きたい事を言ってくれた。…彼にとっての教会はそれなのだろう。…でも、
「その人が悪の思考を持っていても、流すというの?」
すると、バニ様は少し目を見開いて、そうして、悲しそうにした。
「いいえ。ここは、懺悔をする場所ですから、己の罪を認める為の場所…だから、滅多にそのような者は来ませんよ。でも、それは思いついていませんでした。...確かに、人間の心の内はわからないですし、そんなこともありえるのかもしれませんね......それに関しては何もしない、いえ、できないが正解でしょうか。中立的な立場を望みたいので」
自分の胸の服をバニ様は掴んだ。
「…中立的な立場…、バニ様、善も悪も持ってない人は、どうすれば良い?それ故に、悩む人は、居ると思うの」
「そうですね、それが本当に、一番難しいことなのです。 下手をすれば、悪魔に成りうる可能性が高いのですから。実は、私は、それに関しては答えを持っておりません。 ですが、大半の方は、このような者達です」
「…それだと、基本的に、民衆は、全員悪魔ということになるわ。 所詮、ヒーローだと思っていても、それが誰かにとっては悪魔になる」
「ええ。でも、逆もあり得るのですよ。もしかして、ここに居る人達は寧ろ天使で、そのヒーローが、それが誰かにとって天使になる可能性もあるのです」
バニ様は私を見据える。
「 私は、好きな方を選べば良いと思います。天使になるか、悪魔になるか。だけど、基本的な考え方は、私はそれを聞くだけです。中立的な立場であり続ける事。それは、懺悔の前にも、きちんとお知らせはしています。貴女は、きっと私を…、神権を疑っているのでしょう。基本、貴女の所属している組織の基盤は、王権なのだから。だけど、私は、王権の領に所属しているのもありますが、民衆の声を、荒げるような、先導行為な真似はしませんよ。私の神は、天使に近い存在でありたいですから。まあ、だけど、一番、それを判断するのは、聞いてみるって事ですよ。天使になりたいか。悪魔になりたいか。気になる人にね。私は、いつもそれで、人々を導いております」
天使になりたいか。悪魔になりたいか。聞く…。要はコミュニケーションをとりなさいってことかしら……。
「…バニ様ごめんなさい。わかりましたわ。有難う。他の方々も、ごめんなさいね」
「だ、大丈夫です。シルバー王女様ッ」
私は皆の方を見ると、彼らは頷いてくれた。ビアードも特に疑問に思ったわけではなく、同じようにしてくれた。
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