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4.護衛のマーク
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…ほッ。とりあえず、……一段落乗り越えられた…。
私は、顔をこねくり回し、今の状態を整えた。
主人公、ミュウ王女視点で、話を読んでいた時、それは、彼らは悪役にされていたから。二人の恐ろしさを私は身に染みていた。
私は、城を回っている途中、外が見える、廊下に差し掛かっており、そこを歩きながら、少女漫画の事を考える。物事を考える時は、こういう風に歩きながら、するのが一番だ。もう先程全部、護衛さんから、お城の説明は、ほぼほぼ終わったし。説明を聞きつつ、少女漫画の事を考えていたのだ。
「神聖帝国の少女~奪還する愛と国~」の少女漫画、主人公、ミュウ皇女は、16歳で、小さい頃に、家族に見向きもされず、一人過ごしていた所から始まる。人当たりがよく、侍女や、側近、平民の人達には愛されていたが、そんな、彼女の笑顔の裏にはほの暗い気持ちを抱えていた。
どうして、自分はこんなにも家族に、愛されないの…?と。
彼女は、第一皇子や、第二皇子が仲悪い事を知っていたし、その婚約者である悪役令嬢シルバー王女も何か、自分には笑顔で接してくれているが、裏がある事に気付いており、それを見て心を痛めていた。
だから、王権の崩壊に導いてしまう事も察しており、そんな時に、家族からの愛を求めて、第一皇子や、第二皇子から紹介された婚約者にすがったり、おべっかを使うが、それで、婚約者の愛は得られるものの、表面的なものばかりで上手くいかず、逆に彼女は心が荒んでいってしまう。
すると、幼少の時…、まだ平民…農奴の頃に、会った、思い出の男の子に再会し、二人は本当の愛を育んでいく。
だけど、それに気付いた皇子達に邪魔をされるし、婚約者や、周りの男からは罵られ、そして、ミュウ皇女にはふさわしくない相手だった為、ミュウ皇女は反省の為、部屋に監禁されるのだ。
それが、彼女が、自分の兄弟を見限ってしまうきっかけと、笑顔の裏に隠された第一皇子と第二皇子の本心を知り、家族の間には愛などなく、自分は権力の象徴だけに見られていると気付いてしまう。その時の彼等の台詞がこう。
『……所詮、あの国王と、横槍の女から産まれた人間か。お前など、ただの繋ぎの代物としか見ていなかった。いなくなっても大丈夫なんだぞ』
『ははッ。面白いよねェ。やっぱ、可愛い顔してェ裏でどす黒いこと考えていたんだァ…あの組織に媚びて、崩壊を目論むなんてやるじゃン」
違う。と叫んでも聞いては貰えなかったのだ。
その時の二人の顔が怖くて……もう自分はトラウマになってしまっていたのを覚えている……。
そして、ミュウ皇女は、その台詞にショックを受け、彼女は閉じこもってしまうが、そこで、何故かシルバー王女が、謎の愛人を動かし、国内で、ある組織同士の権力抗争を謀る。
それで、国が一気に崩壊へと導いていき、王権から派遣された第一皇子や、第二皇子がやった、横暴な戦争自体に、国民の不安が悪化。(そして、裏じゃ兄弟同士で争っていたとも判明)それで、国家権力が減っていき、そして、ミュウ皇女を救うべく動いた、ヒロインの、ヒーローがいる組織がそれに加わり戦争に発展。ヒーローがいた、組織が打ち勝ち、それで、第一皇子と、第二皇子は、ミュウ皇女を束縛した罪で捕まり、シルバー王女は愛人に裏切られ、同じように没落の道を辿るのだ。
シルバー王女はあまり出番がなかったが、彼女が黒幕というのを、ミュウ皇女は知り、監獄に入れられている所を、最終幕で、会うようになった。そして、何故そんな事をするのか聞くと、彼女の境遇と、単に気に入らないからやっただけ。と曖昧にした返事を返す…が。
『でも、ほら…、貴女は、確かに、たくさん人に、愛されるけど…。本当に血が流れている兄弟には、誰にも愛されない。それどころか牢屋にいれて、とぐろに巻かれたものを、見ないようにしている…。…所詮、…貴女の人間性なんて、そんなものなのよ。」
と、いうような台詞で終わってしまうのだ。
最終的には、二人の皇子は、兎に角生かしてはいけない危ない存在だと国民からの認識があったので、断罪され絞首刑で死刑。ヒロインが元平民という肩書きもあったせいか、持ち上げられ、彼女が女王として即位する事になり、1000年も続く、巨大国家になったというオチだった。
これが、3人の王族が行く末であり、神聖カリーテナ帝国の未来である。ちなみに、この時、ヒロイン、ミュウ皇女が、16歳。アリーゼ第一皇子が20歳。マリス第二皇子が18歳。そして、私、シルバー王女が、19歳の頃か。
というのは、まだまだ3年先。
しかし…と私は物耽る。頭に何か引っかかっているから。
それでも、16歳になった彼女、シルバー王女は、アリーゼ第一皇子とマリス第二皇子、どちらと結婚する。っていうのはなかったな。何で王妃にならずに、崩壊の方を目指したんだろ。彼女も、あの二人に、ミュウ王女と同じような扱いにされていたのかな。確かに、何もするなよ。みたいな感じで先程脅された感じだし。
うーん。と、考え込む。
でも、あの二人には才があって、国を動かす事に長けていたのは事実だ。それに彼らを手懐けられたら、ミルシルド王国に復讐だって出来たんじゃ…。大国の王妃として存在する事が、向こうの国にとっての対等な存在であることに、なることができるし…。
それでも、やはり選ばなかったのは、二人の仲の悪さを見てたからだし、愛人の方がよかったから?
私は、少女漫画のシルバー王女の気持ちを考えてみた。自分はミュウ皇女側の人間だし、確実にミュウ皇女の気持ちの変化しかわからないからな…。
それに、ミュウ皇女は途中で部屋に閉じ込められてて…それを救う為に動いた、ヒーローの組織形成部分や、戦争の所はカットされてて、私はミュウ皇女が泣いていて、ヒーローが部屋のドアを開けて助けに来る所しか見ていない。だから、彼の仲間と、自分の愛人、シルバー王女のやっている事がよくわかっていないのだ。
でも、もしかして、その仲の悪さや裏があることが、二人の皇子に対して、荒む理由とか?いやそれか、元々彼等がサイコパスで、人に興味がなかった説もあるし。
……どちらにせよ、二人の対策を考えとかないといけない…。
今の所、大国の王女っていう肩書きはあるが。何かあるかもしれないしな…。
…でも第一皇子と第二皇子。どちらかと婚約はしないといけないけど…それによってストーリーが変わってしまう事ってあるのかしら…?
勿論私は没落したくないし、愛人と共に権力争いなんかしないつもりだけど。というかそもそも愛人の存在わかんないし。だけど、大国、ミルシルドっていう肩書きを持つ為、それでまた二人が、争い合うっていう展開にもなりそうだな。今のまんまだと。そもそも、今、少女漫画のどこらへんなのか、確認する必要もある。
ふー。と溜息つく。そしたら、後ろから、大分歩かれましたので…休憩をしますか…?と、護衛のマークの声が聞こえてきた。なので、私は後ろを振り向く。
彼は、夕暮れに染め上げられたせいか、髪で暗くかかっていた陰が、より一層暗くなっていた。だけど、その光が、照らしているせいと、一緒に歩いていた所為か、なんか大分彼に慣れていて、彼への陰鬱が消えているように思えた。
マーク…。そういや、城の中を、ミュウ皇女が歩いていた時、シルバー王女に会った際後ろに付けていたわね……。まあ基本城の中は平和だったし、一人で、シルバー王女が、庭で侍女つれて、たそがれている時もあったけど……。
私は、ふと、マークの境遇を聞いてみたくて、彼とお喋りしようと決めた。
「休憩をしますか…?シルバー王女……」
「ああ。大丈夫。ごめんなさい。でも、少し見て回れたけど、やはり広いから一日じゃ回れないわね。」
「はい……。」
マークは、初めて会った時のように弱弱しく喋る。
それで、マークって一体何者なのかしら?というのが疑問を持ち、彼に興味が沸いた。なんか、如何にも戦闘が嫌いって感じの人だもの。前髪で顔は全く、見えないし。
「マークさん。聞いても良いかしら。貴方は、どちらの家系でいらして?」
「はい……。私は…。とある諸侯の貴族です……」
「諸侯?では、貴方は土地を管理する側…上の立場としての位を持っていたのね」
「ええ……」
「でも、どうして王権の護衛に?」
「それは……」
すると、暫く無言になる。それに私はん?と思い、ちょっと不安になる。
「もしかして、言えない、事とか…?」
「いえ…。あの…少し長くなりますが良いですか……」
「ええ?勿論よ。」
「実はですね…、俺はその息子でして…、その跡を継ぐ予定だったのです……。しかし、騎士になると宣言して家を飛び出した所……、マリス皇子に運よく拾って貰い、そこから王族の騎士として、奉公する身になりました……」
そういう方が…珍しい。でも、諸侯から、騎士に転身する事ってあるのか。うーん…でも、元々は諸侯だったのね。それなら、あまり強くはないのかも。すると、彼は頭を私に下げた。
「申し訳ありません……喋りすぎましたね……主君より口数は少なくと、決めているのですが……」
「いいのよ。主従関係ですもの。仲良くなりましょう」
「はい……有難うございます……」
すると、彼がピクリと体を少し動かしたので、私はそれに反応した。
「どうしたの?マーク」
「何方か……見ていらっしゃいますね……我々の事を……」
彼が、その方向を見るので、私も便乗し、彼の後を見た。
彼の見ている方向は廊下の曲がり角で、そこに一人の人間がおり、ひょこっと顔を出し、覗いていたらしく、私達が、其方を向くと、慌てて体を隠した。そして、再びそろーっと私達の方向を壁から、目を覗かせた。
…、あれって、ヒロイン、ミュウ皇女ちゃん?
私は、顔をこねくり回し、今の状態を整えた。
主人公、ミュウ王女視点で、話を読んでいた時、それは、彼らは悪役にされていたから。二人の恐ろしさを私は身に染みていた。
私は、城を回っている途中、外が見える、廊下に差し掛かっており、そこを歩きながら、少女漫画の事を考える。物事を考える時は、こういう風に歩きながら、するのが一番だ。もう先程全部、護衛さんから、お城の説明は、ほぼほぼ終わったし。説明を聞きつつ、少女漫画の事を考えていたのだ。
「神聖帝国の少女~奪還する愛と国~」の少女漫画、主人公、ミュウ皇女は、16歳で、小さい頃に、家族に見向きもされず、一人過ごしていた所から始まる。人当たりがよく、侍女や、側近、平民の人達には愛されていたが、そんな、彼女の笑顔の裏にはほの暗い気持ちを抱えていた。
どうして、自分はこんなにも家族に、愛されないの…?と。
彼女は、第一皇子や、第二皇子が仲悪い事を知っていたし、その婚約者である悪役令嬢シルバー王女も何か、自分には笑顔で接してくれているが、裏がある事に気付いており、それを見て心を痛めていた。
だから、王権の崩壊に導いてしまう事も察しており、そんな時に、家族からの愛を求めて、第一皇子や、第二皇子から紹介された婚約者にすがったり、おべっかを使うが、それで、婚約者の愛は得られるものの、表面的なものばかりで上手くいかず、逆に彼女は心が荒んでいってしまう。
すると、幼少の時…、まだ平民…農奴の頃に、会った、思い出の男の子に再会し、二人は本当の愛を育んでいく。
だけど、それに気付いた皇子達に邪魔をされるし、婚約者や、周りの男からは罵られ、そして、ミュウ皇女にはふさわしくない相手だった為、ミュウ皇女は反省の為、部屋に監禁されるのだ。
それが、彼女が、自分の兄弟を見限ってしまうきっかけと、笑顔の裏に隠された第一皇子と第二皇子の本心を知り、家族の間には愛などなく、自分は権力の象徴だけに見られていると気付いてしまう。その時の彼等の台詞がこう。
『……所詮、あの国王と、横槍の女から産まれた人間か。お前など、ただの繋ぎの代物としか見ていなかった。いなくなっても大丈夫なんだぞ』
『ははッ。面白いよねェ。やっぱ、可愛い顔してェ裏でどす黒いこと考えていたんだァ…あの組織に媚びて、崩壊を目論むなんてやるじゃン」
違う。と叫んでも聞いては貰えなかったのだ。
その時の二人の顔が怖くて……もう自分はトラウマになってしまっていたのを覚えている……。
そして、ミュウ皇女は、その台詞にショックを受け、彼女は閉じこもってしまうが、そこで、何故かシルバー王女が、謎の愛人を動かし、国内で、ある組織同士の権力抗争を謀る。
それで、国が一気に崩壊へと導いていき、王権から派遣された第一皇子や、第二皇子がやった、横暴な戦争自体に、国民の不安が悪化。(そして、裏じゃ兄弟同士で争っていたとも判明)それで、国家権力が減っていき、そして、ミュウ皇女を救うべく動いた、ヒロインの、ヒーローがいる組織がそれに加わり戦争に発展。ヒーローがいた、組織が打ち勝ち、それで、第一皇子と、第二皇子は、ミュウ皇女を束縛した罪で捕まり、シルバー王女は愛人に裏切られ、同じように没落の道を辿るのだ。
シルバー王女はあまり出番がなかったが、彼女が黒幕というのを、ミュウ皇女は知り、監獄に入れられている所を、最終幕で、会うようになった。そして、何故そんな事をするのか聞くと、彼女の境遇と、単に気に入らないからやっただけ。と曖昧にした返事を返す…が。
『でも、ほら…、貴女は、確かに、たくさん人に、愛されるけど…。本当に血が流れている兄弟には、誰にも愛されない。それどころか牢屋にいれて、とぐろに巻かれたものを、見ないようにしている…。…所詮、…貴女の人間性なんて、そんなものなのよ。」
と、いうような台詞で終わってしまうのだ。
最終的には、二人の皇子は、兎に角生かしてはいけない危ない存在だと国民からの認識があったので、断罪され絞首刑で死刑。ヒロインが元平民という肩書きもあったせいか、持ち上げられ、彼女が女王として即位する事になり、1000年も続く、巨大国家になったというオチだった。
これが、3人の王族が行く末であり、神聖カリーテナ帝国の未来である。ちなみに、この時、ヒロイン、ミュウ皇女が、16歳。アリーゼ第一皇子が20歳。マリス第二皇子が18歳。そして、私、シルバー王女が、19歳の頃か。
というのは、まだまだ3年先。
しかし…と私は物耽る。頭に何か引っかかっているから。
それでも、16歳になった彼女、シルバー王女は、アリーゼ第一皇子とマリス第二皇子、どちらと結婚する。っていうのはなかったな。何で王妃にならずに、崩壊の方を目指したんだろ。彼女も、あの二人に、ミュウ王女と同じような扱いにされていたのかな。確かに、何もするなよ。みたいな感じで先程脅された感じだし。
うーん。と、考え込む。
でも、あの二人には才があって、国を動かす事に長けていたのは事実だ。それに彼らを手懐けられたら、ミルシルド王国に復讐だって出来たんじゃ…。大国の王妃として存在する事が、向こうの国にとっての対等な存在であることに、なることができるし…。
それでも、やはり選ばなかったのは、二人の仲の悪さを見てたからだし、愛人の方がよかったから?
私は、少女漫画のシルバー王女の気持ちを考えてみた。自分はミュウ皇女側の人間だし、確実にミュウ皇女の気持ちの変化しかわからないからな…。
それに、ミュウ皇女は途中で部屋に閉じ込められてて…それを救う為に動いた、ヒーローの組織形成部分や、戦争の所はカットされてて、私はミュウ皇女が泣いていて、ヒーローが部屋のドアを開けて助けに来る所しか見ていない。だから、彼の仲間と、自分の愛人、シルバー王女のやっている事がよくわかっていないのだ。
でも、もしかして、その仲の悪さや裏があることが、二人の皇子に対して、荒む理由とか?いやそれか、元々彼等がサイコパスで、人に興味がなかった説もあるし。
……どちらにせよ、二人の対策を考えとかないといけない…。
今の所、大国の王女っていう肩書きはあるが。何かあるかもしれないしな…。
…でも第一皇子と第二皇子。どちらかと婚約はしないといけないけど…それによってストーリーが変わってしまう事ってあるのかしら…?
勿論私は没落したくないし、愛人と共に権力争いなんかしないつもりだけど。というかそもそも愛人の存在わかんないし。だけど、大国、ミルシルドっていう肩書きを持つ為、それでまた二人が、争い合うっていう展開にもなりそうだな。今のまんまだと。そもそも、今、少女漫画のどこらへんなのか、確認する必要もある。
ふー。と溜息つく。そしたら、後ろから、大分歩かれましたので…休憩をしますか…?と、護衛のマークの声が聞こえてきた。なので、私は後ろを振り向く。
彼は、夕暮れに染め上げられたせいか、髪で暗くかかっていた陰が、より一層暗くなっていた。だけど、その光が、照らしているせいと、一緒に歩いていた所為か、なんか大分彼に慣れていて、彼への陰鬱が消えているように思えた。
マーク…。そういや、城の中を、ミュウ皇女が歩いていた時、シルバー王女に会った際後ろに付けていたわね……。まあ基本城の中は平和だったし、一人で、シルバー王女が、庭で侍女つれて、たそがれている時もあったけど……。
私は、ふと、マークの境遇を聞いてみたくて、彼とお喋りしようと決めた。
「休憩をしますか…?シルバー王女……」
「ああ。大丈夫。ごめんなさい。でも、少し見て回れたけど、やはり広いから一日じゃ回れないわね。」
「はい……。」
マークは、初めて会った時のように弱弱しく喋る。
それで、マークって一体何者なのかしら?というのが疑問を持ち、彼に興味が沸いた。なんか、如何にも戦闘が嫌いって感じの人だもの。前髪で顔は全く、見えないし。
「マークさん。聞いても良いかしら。貴方は、どちらの家系でいらして?」
「はい……。私は…。とある諸侯の貴族です……」
「諸侯?では、貴方は土地を管理する側…上の立場としての位を持っていたのね」
「ええ……」
「でも、どうして王権の護衛に?」
「それは……」
すると、暫く無言になる。それに私はん?と思い、ちょっと不安になる。
「もしかして、言えない、事とか…?」
「いえ…。あの…少し長くなりますが良いですか……」
「ええ?勿論よ。」
「実はですね…、俺はその息子でして…、その跡を継ぐ予定だったのです……。しかし、騎士になると宣言して家を飛び出した所……、マリス皇子に運よく拾って貰い、そこから王族の騎士として、奉公する身になりました……」
そういう方が…珍しい。でも、諸侯から、騎士に転身する事ってあるのか。うーん…でも、元々は諸侯だったのね。それなら、あまり強くはないのかも。すると、彼は頭を私に下げた。
「申し訳ありません……喋りすぎましたね……主君より口数は少なくと、決めているのですが……」
「いいのよ。主従関係ですもの。仲良くなりましょう」
「はい……有難うございます……」
すると、彼がピクリと体を少し動かしたので、私はそれに反応した。
「どうしたの?マーク」
「何方か……見ていらっしゃいますね……我々の事を……」
彼が、その方向を見るので、私も便乗し、彼の後を見た。
彼の見ている方向は廊下の曲がり角で、そこに一人の人間がおり、ひょこっと顔を出し、覗いていたらしく、私達が、其方を向くと、慌てて体を隠した。そして、再びそろーっと私達の方向を壁から、目を覗かせた。
…、あれって、ヒロイン、ミュウ皇女ちゃん?
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