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05[ざまぁ短編]悪役にされた令嬢は冷酷で不浄と噂の伯爵の元に嫁ぐ~嫁ぎ先の彼は優しくて私は元居た所より幸せです~

[短編]

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「ヨルダ、お前は義理の妹であるリサを苛めていたそうだな。お前はこの家から追放だ」
「そんな!」
  貴族の邸宅の部屋の中でヨルダは義父であるバースラック・シリーに言われる。父親に庇われ、その父方の実の娘でありヨルダの義理の妹ーリサは、ヨルダを見て鼻で笑った。
「ふんっお姉さまの癖に調子に乗るからいけないのよ!」
「可哀想にリサは今まで耐えていたのだな」
「お義父様怖かったですぅ」
 リサはメソメソ泣きながらバースラックにすがりついた。
「お母様、お母様ならわかって…」
 ヨルダは自分の本当の母に頼る。すると母はヨルダから目を反らし、
「黙って」
 と、ヨルダに向かって言った。
 ヨルダはそんな様子の実の母の態度にショックを受ける。
「ふん。リサが優しいからと思い付け上がるからいけないのだ。お前は今からこの家を出ろ。そして、今から私が決める婚約者の元に嫁ぎにいくのだ」
「……」
 「暫く部屋に閉じ籠ってろ」
 ヨルダは父にそう言い渡された。

✕✕✕
 そうして、ヨルダは父の命令でイサヤ・マーチという伯爵の元へ嫁ぎに行くことになり、家を追放された。
 ヨルダは今馬車に乗っており彼の家に向かっている最中だった。
 しかし、父はヨルダを悪者のように扱ったが、ヨルダは義理の妹のリサを虐めたことなどなかった。
(私は要らない子だったんだわ…)
 ヨルダはそう考える。義理の父や妹、そして本当の母親でさえ自分のことは嫌いだった。その事実はヨルダにとって苦しいものだった。
ヨルダは行き先の写真の男性を見た。
その男性はリサが言うには不躾で冷酷な肥った男性だ。ということらしい。しかし、ヨルダにとってはそんなことどうでも良かった。
(…私はもう誰も信じない。何もかも…)
 ヨルダはそう思っていた。
(…でも、この人何処かでみたことあるような)
 ヨルダはイサヤを見て思ったが気のせいだろうとヨルダは考えた。
すると、暫く立ち、家が見えた。
そして、馬車が止まりヨルダは玄関の前で止まった。
ヨルダが馬車から降りると男性と使用人が待っていた。
 すると、男性が近づき、その男性がヨルダに話し掛けた。
「わざわざお越し頂きありがとうございます。ヨルダ様。私が伯爵貴族のイサヤ・マーチです。宜しくお願いします」
「…え?」
 すると、ヨルダはついそう漏らした。
(…この方がイサヤ・マーチ様?ぜんぜん写真と違うような)
 ヨルダに話し掛けたイサヤ・マーチという男は、写真の肥った男と違い、痩せており、引き締まった身体を持つ男だった。
(面影があるような気がするけど、失礼だけど聞かなきゃいけないわよね)
イリヤヨルダは写真と全く違う身なりの男性で、ヨルダは写真みて何回も確認する。
「あの、失礼ですがイリヤ様で間違いないですか」
「ええ。そうですが」
  ヨルダが目の前の男性にそういうと男性はそう言った。
 「あの、写真と全く違うのでびっくりしたのですが」
 と、ヨルダはイサヤに写真を見せるとああ。と返事をした。
「…これは昔の写真です。昔は肥っていたのですが、最近痩せまして、何ヵ月も婚約に時間が掛かったのでその時ままの写真を使ってしまったんです」
 イリヤはヨルダにそう言った。ヨルダは納得はしなかったけどそうなんですね。とは言った。
「やはり、肥っている男性は嫌ですか?」
「え、いえ」
「でも気を抜くとすぐ肥るので変わらないだろうと思ってました…。そのことをふくめ邸宅の中でお話ししましょう」
「….はい」
 ヨルダとイサヤは二人で喋ることになった。

✕✕✕
 そうしていると、ヨルダはイサヤと共に過ごすにつれ、ヨルダはイサヤと少しずつ距離が近くなっていった。
 ヨルダとイサヤは学園に通っており、二人共まだ学生だ。
だからそのことで意気投合したりして心が通じあっていった。
  イサヤはもうこの歳で貴族の仕事を始めておりヨルダもそれに手伝うことになっていた。
 すると、ヨルダの機転でマーチ家に莫大な富が入ってきて、それによってバースラックが財産を狙いに押し寄せてきた。

 しかし、ヨルダとイサヤはそれを二人で跳ね返し、二人はいつまでも幸せに暮らした。


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