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山岡家で

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「「あ、」」

母と一緒に来た山岡家。入ってすぐ斜め横にある数人用の席で、ラーメンを食べている安田先生と矢部先生と目が合った。軽く「こんにちは」と挨拶しつつ、発券機の前に立つが、すぐ後ろにいる先生方が気になりすぎて、何を食べようか中々に決まらない。「早くしてよ」と母が怒りを感じ始めたので、塩の並にする事にした。先生の座る席の隣にある席に、母と向かい合って座る。

「…誰?先生?」

母が小さい声で聞いてきた。

「先生だよ、社会の矢部先生と数学の安田先生」

と、母より小さい声で答えた。「そうなの」と話はそこで終わり、母はスマホを弄り出した。
私もスマホを取り出し、ゲームを始める。
すると先生の席に、餃子とご飯2つを店員さんが持ってきた。

「サービス券溜まってて良かったですね」

「本当にねー!」

先生2人の愉快そうな声が聞こえる。
サービス券溜まっていたんだなぁ、と思いながらスマホに目を落としたが、あれ、まてよ…?
薄い記憶だけど先生2人のラーメンめちゃくちゃ大きかった気がする。多分大盛りだろう…
その上に餃子とご飯食べるのか!?あの大食い佐藤先生以上の食べっぷりじゃない!?いや、佐藤先生はもっと食べるのかしら…???
そんな事を悶々と考えていると私達の所にもラーメンが来た。にんにくも沢山入れて食べていると、食べ終わったのか先生方が席を立った。
ぺこりと頭を下げると、先生2人も頭を下げて店を出た。


「…餃子と白米ってさぁ…なんかダサくない?」

「ちょっと何言ってるか分からないんですけど」
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