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小犬のワルツ
Chap.3 Sec.1
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「フランソワ!」
朝っぱらから、うるさい声に起こされた。俺の眠りを邪魔するやつは誰だろう——なんて考えるまでもなく、ひとりしかいない。
このダンジュー家に気軽に訪問して、ずうずうしくもフランソワの寝室に入ることを、誰にも咎められない者は、
「……フィリップ……うるさいよ……」
くしゃりと髪の乱れた、ダークブロンドの青年。幼少のみぎりより、小犬のような眼は変わらず、図体だけでかくなったような歳下の幼なじみが、高揚したようすで立っていた。
寝起きの頭で起き上がり、彼の後ろに細い目を送る。ドアのところ、使用人たちが申し訳ない空気を見せてはいるが、どうしようもない。家長である父に許可されている以上、フランソワの意思は黙殺される。
「いつまで寝てるんだ! 早く起きろ! 俺の話を聞け!」
「あ~……うるさいなぁ……朝一番に聞くのが君の声だなんて……今日は最悪な日に違いないねぇ……」
「昨日の女が誰か分かったんだ! ほら見ろ! さっきお前のとこの使用人たちに調べさせて……招待状の記録も貰ってきた!」
「………………」
嫌みも届かない。彼は昔から、夢中になると聴覚が壊れる。落ち着きのない姿は、蝶を追い回す小犬のよう。その辺の壁にぶつかってしまえ。
あきれて物も言えないフランソワは、自身の金の前髪を掻き上げる。ばさばさっとシーツの上に落とされた書類の一枚を、仕方なく手に取った。
「……あぁ、蝶の娘か」
「パピヨン? いや、そんな家名じゃねぇぞ?」
「家名じゃなくて……通り名と言えばいいかなぁ? 二匹の蝶が舞っている、ワインのラベル……分かるね?」
「ああ、最近の美食会では必須のやつだな」
「そうそう。……で、そのワインを手掛けてる……オーナーかつ経営者が、父親なんだよ。君が捜してる、ガラスの靴のお姫様——シンデレラのね」
「なんだとっ? つまりワイン屋ごときがあんな態度取ってきたのか!?」
「ふむ? 今の君の怒りどころはそこだったかなぁ……?」
フランソワの明るいブラウンの眼は、目の前で怒り心頭の青年を映し、疑問にまたたいた。
フィリップはイライラと室内を歩き、
「なめてやがる……大した身分でもないくせに……」
「いや、そんなことはないよ? れっきとした貴族だ。……むしろ、国外から帰ってきた中では、うまく立ち回れているほうだと思うねぇ」
「くそ……あの女、次は絶対に泣かしてやる」
「こらこら、やめなさいよ」
物騒な発言に眉をひそめつつ、メイドが運んで来たワゴンに気を向けた。カフェオレを用意するメイドは、うるんと見つめる目で頬を染めている。おはよう、と笑ってみせれば、恥ずかしそうに応えて、手許へと目を落とした。この子は、まだ手を出していない。うぶな反応が可愛らしく、当分はこの雰囲気を愉しもうかと思っている。
こちらのカフェオレとは別に、フィリップがガタンと音を立てて座ったイスの前には、別の使用人によって珈琲が用意されていた。珈琲のアロマで、苛立ちが多少でも収まればいいのだが。
——それにしても、すこし面白い。
あんなにも女性に興味のなかった彼が、方向性は違えども、こんなにも執着を見せるとは。いったいどんな女性だろうか?
「……んん? おや? フィル、いま君、次はって言ったかな?」
「ガキみたいに呼ぶな」
「……フィリップ、」
「なんだ」
「いま、君、次はって言ったよねぇ? もしかして、もう約束を取り付けたのかい?」
「まだに決まってるだろ、さっき名前が分かったとこなんだぞ」
「……ふむ」
当然のように次がある前提の彼は、とても傲慢だ。しかし、彼の立場を考えるに、否定はできない。彼から誘いを掛けられて、断る家もないだろうと……いや、まてよ?
「フィリップ、よくよく思い出してみたのだけれどね、」
「なんだ?」
「君のお姫様は……箱入り娘だ」
「あぁ?」
「つまりだねぇ……この希望リストを見てもらっても分かるとおり、婚姻をまったく望んでいない、まか不思議なお家の娘さんなんだよ」
ひらりと見せるのは、昨夜に行われた舞踏会のプログラム。彼女の家から返信されたそれには、ダンスの希望者がいっさい書かれていない。これは、非常に珍しいことである。ときどき書類を見たことのあるフランソワからすれば、初めてとも言える。
数多くの希望者をあしらっているフィリップとしても、その事実には驚きなのか、目をまん丸にして、きょとんとしていた。
「……そんな女、いるのか?」
「いるみたいだねぇ……」
「普通は、親が口出すぞ?」
「その親も、婚姻に興味がないか……それとも、それどころではないからか……」
「それどころではない?」
「……ムシュー・パピヨンは、とても有名な愛妻家だ。近年まれに見る、夫人だけを一途に愛している方で……ふふ、君の父君を思うと、信じられないかい?」
変な顔をしていたフィリップに向けて笑いかけると、彼はすこしばかり怖い顔をした。父親の女遊びがひどいことを、彼はあまり快く思っていない。
「まぁ……そんな愛しい奥方様は、どうやらご病気らしい。余命いくばくもないのだろうね、どこに行くにも共にしていると聞くよ」
「……そんな話、あんた誰から聞くんだ?」
「ん~? さて、誰だっただろうねぇ?」
とあるマダムから。とは、さすがに言えない。
カフェオレで口を塞ぎ、フィリップを眺める。彼は考える顔をしている。
「母親が病気なら、むしろ早く婚姻を結びたいものじゃないのか?」
「ふむ? たしかにね?」
「……だったら、」
ニヤッと笑ったフィリップは、なかなか悪い顔をしていた。
姫を捜す王子の顔ではない。
「俺のほうから婚姻前提で付き合いを申し込んだら、親は断らないだろ? あの女も、言いなりになるしかないな?」
「……まぁ、そのとおりかも知れないけれどねぇ……(それは、いわゆる本命デートのお誘いなのを分かっているかい? いないね?)」
「よぅし! それでいくぞ! 次会ったら、あの生意気な口を——」
フランソワの懸念をよそに、意気揚々と作戦を宣言していたフィリップだったが、ふと言葉を止めて沈黙した。
(……ん?)
疑問に思って目を投げると、彼はどこを見ているか分からない顔で固まっていた。その頬は、ほんのり赤いような。
「……フィリップ、もしかして君、熱でもあるかい?」
「はあ?」
声をかけると、何事もないようすで、すぐに反応があった。何言ってんだよと訝しげな感じで、とりたてて風邪っぽくもなく。
(おや、もしかして……これは、ひょっとすると、ひょっとする?)
頭のなかの何かを意識する彼に、予感めいたものを覚える。
今日という日の始まりと、さてもうひとつ始まりそうなものは——果たして?
朝っぱらから、うるさい声に起こされた。俺の眠りを邪魔するやつは誰だろう——なんて考えるまでもなく、ひとりしかいない。
このダンジュー家に気軽に訪問して、ずうずうしくもフランソワの寝室に入ることを、誰にも咎められない者は、
「……フィリップ……うるさいよ……」
くしゃりと髪の乱れた、ダークブロンドの青年。幼少のみぎりより、小犬のような眼は変わらず、図体だけでかくなったような歳下の幼なじみが、高揚したようすで立っていた。
寝起きの頭で起き上がり、彼の後ろに細い目を送る。ドアのところ、使用人たちが申し訳ない空気を見せてはいるが、どうしようもない。家長である父に許可されている以上、フランソワの意思は黙殺される。
「いつまで寝てるんだ! 早く起きろ! 俺の話を聞け!」
「あ~……うるさいなぁ……朝一番に聞くのが君の声だなんて……今日は最悪な日に違いないねぇ……」
「昨日の女が誰か分かったんだ! ほら見ろ! さっきお前のとこの使用人たちに調べさせて……招待状の記録も貰ってきた!」
「………………」
嫌みも届かない。彼は昔から、夢中になると聴覚が壊れる。落ち着きのない姿は、蝶を追い回す小犬のよう。その辺の壁にぶつかってしまえ。
あきれて物も言えないフランソワは、自身の金の前髪を掻き上げる。ばさばさっとシーツの上に落とされた書類の一枚を、仕方なく手に取った。
「……あぁ、蝶の娘か」
「パピヨン? いや、そんな家名じゃねぇぞ?」
「家名じゃなくて……通り名と言えばいいかなぁ? 二匹の蝶が舞っている、ワインのラベル……分かるね?」
「ああ、最近の美食会では必須のやつだな」
「そうそう。……で、そのワインを手掛けてる……オーナーかつ経営者が、父親なんだよ。君が捜してる、ガラスの靴のお姫様——シンデレラのね」
「なんだとっ? つまりワイン屋ごときがあんな態度取ってきたのか!?」
「ふむ? 今の君の怒りどころはそこだったかなぁ……?」
フランソワの明るいブラウンの眼は、目の前で怒り心頭の青年を映し、疑問にまたたいた。
フィリップはイライラと室内を歩き、
「なめてやがる……大した身分でもないくせに……」
「いや、そんなことはないよ? れっきとした貴族だ。……むしろ、国外から帰ってきた中では、うまく立ち回れているほうだと思うねぇ」
「くそ……あの女、次は絶対に泣かしてやる」
「こらこら、やめなさいよ」
物騒な発言に眉をひそめつつ、メイドが運んで来たワゴンに気を向けた。カフェオレを用意するメイドは、うるんと見つめる目で頬を染めている。おはよう、と笑ってみせれば、恥ずかしそうに応えて、手許へと目を落とした。この子は、まだ手を出していない。うぶな反応が可愛らしく、当分はこの雰囲気を愉しもうかと思っている。
こちらのカフェオレとは別に、フィリップがガタンと音を立てて座ったイスの前には、別の使用人によって珈琲が用意されていた。珈琲のアロマで、苛立ちが多少でも収まればいいのだが。
——それにしても、すこし面白い。
あんなにも女性に興味のなかった彼が、方向性は違えども、こんなにも執着を見せるとは。いったいどんな女性だろうか?
「……んん? おや? フィル、いま君、次はって言ったかな?」
「ガキみたいに呼ぶな」
「……フィリップ、」
「なんだ」
「いま、君、次はって言ったよねぇ? もしかして、もう約束を取り付けたのかい?」
「まだに決まってるだろ、さっき名前が分かったとこなんだぞ」
「……ふむ」
当然のように次がある前提の彼は、とても傲慢だ。しかし、彼の立場を考えるに、否定はできない。彼から誘いを掛けられて、断る家もないだろうと……いや、まてよ?
「フィリップ、よくよく思い出してみたのだけれどね、」
「なんだ?」
「君のお姫様は……箱入り娘だ」
「あぁ?」
「つまりだねぇ……この希望リストを見てもらっても分かるとおり、婚姻をまったく望んでいない、まか不思議なお家の娘さんなんだよ」
ひらりと見せるのは、昨夜に行われた舞踏会のプログラム。彼女の家から返信されたそれには、ダンスの希望者がいっさい書かれていない。これは、非常に珍しいことである。ときどき書類を見たことのあるフランソワからすれば、初めてとも言える。
数多くの希望者をあしらっているフィリップとしても、その事実には驚きなのか、目をまん丸にして、きょとんとしていた。
「……そんな女、いるのか?」
「いるみたいだねぇ……」
「普通は、親が口出すぞ?」
「その親も、婚姻に興味がないか……それとも、それどころではないからか……」
「それどころではない?」
「……ムシュー・パピヨンは、とても有名な愛妻家だ。近年まれに見る、夫人だけを一途に愛している方で……ふふ、君の父君を思うと、信じられないかい?」
変な顔をしていたフィリップに向けて笑いかけると、彼はすこしばかり怖い顔をした。父親の女遊びがひどいことを、彼はあまり快く思っていない。
「まぁ……そんな愛しい奥方様は、どうやらご病気らしい。余命いくばくもないのだろうね、どこに行くにも共にしていると聞くよ」
「……そんな話、あんた誰から聞くんだ?」
「ん~? さて、誰だっただろうねぇ?」
とあるマダムから。とは、さすがに言えない。
カフェオレで口を塞ぎ、フィリップを眺める。彼は考える顔をしている。
「母親が病気なら、むしろ早く婚姻を結びたいものじゃないのか?」
「ふむ? たしかにね?」
「……だったら、」
ニヤッと笑ったフィリップは、なかなか悪い顔をしていた。
姫を捜す王子の顔ではない。
「俺のほうから婚姻前提で付き合いを申し込んだら、親は断らないだろ? あの女も、言いなりになるしかないな?」
「……まぁ、そのとおりかも知れないけれどねぇ……(それは、いわゆる本命デートのお誘いなのを分かっているかい? いないね?)」
「よぅし! それでいくぞ! 次会ったら、あの生意気な口を——」
フランソワの懸念をよそに、意気揚々と作戦を宣言していたフィリップだったが、ふと言葉を止めて沈黙した。
(……ん?)
疑問に思って目を投げると、彼はどこを見ているか分からない顔で固まっていた。その頬は、ほんのり赤いような。
「……フィリップ、もしかして君、熱でもあるかい?」
「はあ?」
声をかけると、何事もないようすで、すぐに反応があった。何言ってんだよと訝しげな感じで、とりたてて風邪っぽくもなく。
(おや、もしかして……これは、ひょっとすると、ひょっとする?)
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