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Chap.10 DRINK ME, EAT ME

Chap.10 Sec.11

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 エントランスホールの中央階段上。ハウスの1.5階の高さにある中央棟への入り口。そこから先はサクラの領域。かつては博士とのもので、幼少期からハウスを知るセトですら内情を明確に捉えていない。

 ティアの私室は4階東。セトは出てすぐ左のエレベーターで2階まで下がると、はやる心で娯楽室の前を進み、中央棟への入り口まで急いだ。限りなく早い到着であったと思うが、ステンドグラスが映るディスプレイの前には誰もいない。ミヅキに確認しようとしたが、意識の端に引っかかりを覚えて左を向いた。中央階段の下、黄色い塊が。

——黄色のセーター、着てたでしょ?

 頭に残っていたティアの発言。

「——ウサギ?」

 呼びかけると、その塊は大げさなくらい跳ね、ぱっと勢いよく人の形を取り戻した。最下段で、うつむくように座っていたのだと知る。立って振り向き、こちらを見上げる顔は驚きに満ちていた。
 まだ何もしていない(するつもりもない)というのに、こちらの顔を見た途端、驚きの表情が泣きそうな顔に取って代わったかと思うと——まさかの、逃げ出した。

「はっ? ……お、おい! 待て!」

 ウサギは外への扉に迷いなく走って行く。セトは階段をすっ飛ばして手すりから飛び降り、脊髄反射のようにして追いかけ(こういうの前にもあったぞ!)、あっというまに距離を縮めた。開錠のために扉に伸ばされた細い手首をつかむと、痛みを訴えるような小さな悲鳴があがった。うっかり力任せに引き止めてしまった。後悔からすぐに手を離したが、そのせいでウサギはまたしてもどこかへ逃げようとするので、とっさに——

 バンッ。行く手を遮る目的で扉についた両腕が、思いのほか大きな音を立てた。
 腕のあいだで、びくりと震えあがって息を呑んだウサギの眼が……どう見てもおびえきっている。
 強い自責の念と、(これは俺だけが悪いのか?)どこか釈然としない気持ちがせめぎ合い、何も言えずに黙した。10秒間。何を言うべきか分からずにいたが、時が止まったように固まっているウサギがこのまま泣いてしまうのを恐れて、仕方なく、

「……悪かった。驚かせたな」

 謝罪した。不本意ではあったが。

 謝りのワードに反応したウサギは、しかし解放する気のない両腕に戸惑ったようすでこちらを見上げてくる。顔色が悪い。ホールの青白い光のせいだと思いたい。

「……先に言っとくけど、俺は怒ってねぇからな」

 例の質問が出そうなので、先手を打って答えた。怯えの浮かんでいた顔が、少しずつ落ち着いていく。その唇が開くまでは時間を要した。

「……おこってない」
「ああ、怒ってねぇよ」
「……どうして」
「? ……なんで俺が怒ると思ってんだ?」
「………………」
「俺が常に怒ると思ってんのか? ……なんでそんな認識になってんだよ」

 それなりに配慮して接しているつもりなのに。まったくもって納得がいかない。
 本当に怒っていないのか、疑念の残る目が探るように見つめてくる。

「……せとは、おこってない……」
「ああ」
「……どうして、いるの?」

 それは当然の問いではあったかも知れない。どうしてセトがタイミングよく現れたのか。疑問に思う気持ちは理解できる。ただ、その答えを——彼女が中央棟から出た場合、通知するようミヅキに指示していたということを——口にするのは、何故かためらわれた。

「……偶然、通っただけだ」
「……グウゼン……?」
「たまたま、はからずも、偶発的に」
「……?」
「——とにかく、怒ってねぇから。逃げんなよ」
「……にげる?」
「お前、俺から逃げて外に行こうとしてたろ」
「…………はい」
「怒ってねぇんだし、逃げる必要ねぇだろ?」
「…………」
「逃げねぇって約束しろよ。そしたら放してやるから」
「…………わたし、にげない」
「ん」

 追い込んでいた両腕を解くと、ウサギは何か思い違いをしていたと察したような表情の変化を見せた。怯えは完全に消失して、セトの心情をうかがうように見上げる。誤解がなくなったことに安堵して、セトは深く意味を考えずにそのセリフを唱えた。

「とりあえず、俺の部屋に移動しようぜ」

 イシャンが来る可能性だけでなく、誰が来たとしても面倒な気がするので、早く私室に戻ったほうが良い。そんな意図から誘ったわけだが、それを聞いた彼女の目許は奇妙な強張りを見せた。しかし、セトは気づかずに、なるべく早く戻りたいという思いから彼女の腕を——今度は配慮して力を入れず——掴み、引いた。そのまま私室に戻るため歩き始めると、彼女は引かれるまま素直に足を動かした。

 私室まで、話題もなく無言で進んで行く。ドアの前で足を止めたウサギに、ちらりと横目を落とす。黒い目はドア横の壁を眺めていた。何もないそこに、何かを探すように。

「……入んねぇのか?」

 開いたドアの先、照明がいた室内を示すと、ウサギはそろりとした足取りで歩を進めた。半歩遅れて入りながら、ウサギが見つめていた壁を確認してみる。もちろん何もないので、何かを眺めていたわけではないと思われる。セトに見えないものでも見ていない限り。

 背後でドアが閉まると、ようやく人心地ひとごこちがついた。ここに置いておけばイシャンは間違いなく手が出せない。ウサギを殺すという話が本気がどうか定かではないが、用心するに越したことはない。
 安心していると、こちらを見上げる視線に気づいた。どうしたらいいか分からない、とでも言いたげな。

(そういや……結局サクラさんとどうなってんだ……?)
 見る感じ服の乱れはない。整えられている可能性もあるので外見で分かるはずもない。しかし夕飯を終えてから3時間は経っている。そう考えると……推測しようとする思考を止めた。

「……シャワー、浴びるか?」
「………………」
「……風呂?」
「………………」
「……なんで黙ってんだよ」
「せとが、すきなほうで……だいじょうぶ」
「……俺? いや、お前の話なんだけど」
「……?」

 ゆっくりとウサギの首が傾いた。何を疑問に思っているのか分からない。シャワーや風呂の質問は以前にもしているので、理解できるはずだった。

「俺じゃなくて、お前自身が、シャワー使いたいか? ……って訊いてんだよ」
「…………わたしは、つかいたい、です」
「ん。なら好きに使えよ。服とかも前のが残ってるから、適当に着りゃいいし」
「…………はい」
「……俺の言ってること、ほんとに分かってるか?」
「……はい」
「ならいいけどよ……」

 なんだ? この感じ。
 変な空気に考えを巡らせつつ、浴室の方を指さしてウサギを促した。動揺しているセトとは逆に彼女は感情が見えず、すんなりと浴室へ消えていった。

 見送ってから様子を再度思い起こしてみるが、怖がっている感じはない。かといって表情がやわらかいわけでも当然ない。根本的に彼女の思考や行動はセトの予想をこえていく。すぐ逃げるのだけは本気でやめさせたい。あれは少しむかつく。

 虚空に向けてため息を吐きながら、ベッドではなくリクライニングチェアに腰を下ろした。頭部のヘッドセットは上がっている。バーチャル空間に入ることなく、横にあった端末を引き寄せて、自身の管理下であがってきている問題の確認をした。

(ティアのやつ……射撃トレーニング全然やってねぇな……)

 しばらくの間そうして端末と向かい合っていた。他の問題点について、ミヅキから提案されている対応策を選んでいると、浴室のドアが開く気配がした。端末から顔を上げる。きょろりと見回していたウサギの目がこちらに止まった。狭い歩幅でセトの右手までやってくると、

「……シャワー、ありがとう」
「おう……つか、服は?」
「?」
「ローブで寝るのか?」
「……ふくは、いる?」
「いや、別に好きに寝りゃいいけど……」

 無防備すぎないか。という意見は口にできなかった。恐れられるのは腹立つが、警戒されないのも……微妙な気持ちになる。ひどく身勝手な話だ。
 まだ言葉が続くと思って待っているらしきウサギに、「なんでもねぇよ」短く伝えて端末に向き直った。

「………………」
「………………」
「………………」
「………………」

 いやまて。なんだこれ。

「……お前、寝ないのか?」

 横でじっと待機している存在に目を流して問うと、黒い双眸が悩むようにまたたいた。

「……わたし、ねる」
「だよな? ……俺は起きてるし、ベッド使えばいいって……分かってるか?」
「……べっどへ、いく。わたし、わかる」
「ああ、分かってんのか。……なら、おやすみ」

 当たり前の流れで言った寝る前の挨拶。それを聞いたウサギの顔が困惑に染まった。そのリアクションに、(……ん?)セトのほうも同じ困惑に染まっていく。

「なんだ? どうした?」
「……せとは、べっどへ、いかない?」
「……おう」
「どうして?」
「……俺はここで起きてるし、ベッドはお前に貸してやるつもりだから……?」
「………………」

 困惑が、思い詰めたような表情へと。
 ——なぜ。

「なんだよ? どうしたんだよ?」

 分からない。どうしてそんな顔をするのか、何を悩むことがあるのか。理解が及ばず問いかけると、まるで叱られた子供みたいな目がこちらを見返した。泣く直前のように顔をくしゃりとして、

「わたし……のむ、できなかった」

 意味の分からないことを、懺悔ざんげに似た響きで小さな唇がこぼした。

「……なんて?」

 聞き返すと、ゆるりと震えた瞳が逃げるように下を向き、

「せとは……たくさん、して、くれた……のに……わたしは、なにも…………だからっ……わたしを……」

 ぽつりぽつりと落ちるワードを注意して聞くが、うまく意味を結べない。ベッドを使いたくないという話ではないようだし、遠慮しているというふうでもない。
 言葉を聞き取るために肩をウサギの方に寄せて、わずかに高い位置でうつむいていたその顔をのぞき込んだ。下がっていた視線が上がり、間近で重なる。不思議なことにそれは、決心がついた目だった。

「わたしを……ドウゾ」

 ——ぷりーず? please? ……ん? 何か頼まれた? 何を?
 意を決して発せられたワードが、頭の中でくるりと回る。
 ——が、どういう意味で言ったのか。何ひとつ推測できずに「は?」問い返すと、ひるんだようにしてウサギは身をすくめた。ひやりと焦りが生まれる。

「いや、怒ったわけじゃねぇからな?」
「………………」
「おいっ! なんでそんな顔すんだよっ……違うって言ってるだろ? 怒ってねぇって。何言ってるか分かんねぇだけで……そうだ、ティア呼ぶか? さっき呑んでたから、まだ起きてるんじゃねぇか? ……あいつなら、お前の言うこと分かるだろうし……」

 精一杯の気遣いで提案してみるが、ティアの名前に反応したウサギは首を振った。早い反応だった。話を理解してほしいわけではないのか、そのためだけにティアを呼ぶことを躊躇したのか。

「……呼ばなくていいのか?」
「……はい」
「………………」
「……せと、」
「ん?」
「……わたしは、なにか、できる?」
「? ……寝ればいいと思うけど……眠くねぇってことか?」
「…………いいえ」
「なら寝とけよ。明かりも消してやるから」

 指先で照明を切り替えた。青いライトを帯びた闇が広がると、ウサギの表情は読みにくくなった。しかし、寝る気にはなったらしく、とろとろとした緩慢な動きでベッドの方へ動いて行く。どことなく肩が落ちているというか……落ち込んでいるような?
 様子をうかがっていると、ウサギは途中で思いついたように振り返って、

「……オヤスミ」
「ああ……おやすみ」

 言葉を交わすと、もう振り返ることなくベッドへと向かった。その身体がシーツにもぐりこんで動かなくなってからも、セトは気になって視線を動かすことができなかった。

(……何が言いたかったのか、全然分かんねぇな……)

 片言のたどたどしいワードを反芻はんすうしてみるが、まったく意味を成さない。なんとなく分かるときもあるが、今夜は文脈が無さすぎて無理だった。あれがほとんど分かるティアは、やはりロキの言うとおり超常の域なのかも知れない。

(翻訳機、ロキに作らせるか……なんか交渉材料になるもんあったか……?)

 ロキが欲しそうな物を自身の所有リストから考えてみる。ティアのワインみたいに、分かりやすい釣りがあればよかったのだが……思いつかない。ロキは、ああ見えて物欲が弱い。と思う。昔から、人にも物にも執着しているようでしていない。つまり飽きっぽい。セトの知るところでは、だが。

(つぅか、あいつはウサギと喋れるんだよな……)

 その事実に、うらやましい——と思いかけて、胸中で即座に否定した。羨ましくない。喋りたいと思っていない。ただ理解したいだけで——いや、それは同義か?——だんだんと混乱してきたので、翻訳機のことは一度見送ろうと決めて、静かに立ち上がった。気分転換も兼ねてシャワーでも浴びようと。ついでにウサギの様子も確認しようとしたが、

——アリスちゃんの寝顔を眺めてずっと欲望と闘ってた、とかじゃないよね?

 ムカつく声が脳裏でひらめき、反抗心が芽生えたのでベッドの横をスルーしようとしたが、結局気になって足を止めてしまった。ちらりと見やるが、視界に入ったのは反対側を向いた黒い頭だけで顔は見えない。
 音を立てずにベッドの向こう側に回ると、横を向いた顔はしっかりと目を閉じて眠っていた。ほっとして、しばらくのあいだ、その寝顔を眺め……

(——違う、シャワーだ)

 見入ってしまった自分に舌打ちをし、素早い動作で本来の目的へと戻った。シャワーを浴びながら、夜通し何をするか思案するつもりでいた。おそらく今夜も——眠れそうにないので。
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