上 下
53 / 65

神罰!

しおりを挟む
ほお、迫真の拳、これ程とは。
そこへ、さくらの戦闘力に、恐れをなした部下一名が蒼白な顔で逃げ込んでくる。
目配せをする鯨羽。
直属の部下一名が進み出て、青龍刀をひと薙ぎする。
!!!
怯え切った表情のまま「敵前逃亡」した部下は首をはね落とされる。

「逃げる奴はこうなる!さっさと日本女を囲み殺せい!!」
正に前門の虎、後門の狼となった。
瞬間、(マジで殺るのかよ…)と言う引き気味の反応を見せた男達であったが、それでもさくらをどうにか包囲する陣形を作る。
ぐっ…
一直線に鯨羽目指し突貫していたさくらであったが、周囲の敵を的確に排除しつつも進撃速度は鈍る。
「っオイ!さくら!先走りし過ぎだっての!」
「うむ。」
芦屋英雄とリーであった。
「…また湧いて来たか。」
舌打ちする。
「ッらあ!!久々踊るぜ!ケンカ十段!」
「ウァチャーオオオオオオオオオ!!」

「何だこいつら!」
「バケモノ追加かよ!グアっ!!」
「さくら、今のうちにその、中ボスを!肝心の女の子達にはおっさんが回ってる。」
「わかってる!ありがと!」
目の前の5名を薙ぎ払い、遂に鯨羽の前に立つ!
「許さない…。今現在の彼女達はもちろん、過去に華国に拉致した女性達の居場所も吐かせてやる。」
「くくく…ハネ返るな日本鬼子。
所詮は女、どうにもならぬ性差と言うもの…。」
さくらの飛び横蹴りが鯨羽の顔面に炸裂。
…ッッ!!
ぐらつく鯨羽。
さくらは比較的女性としては長身とは言え167センチ。
体重は内緒との事だが、あの胸はともかくとして筋肉で引き締まった70キロ前後といったところであろう。
一方の鯨羽、目測で身長190超え、分厚い体躯は優に110キロは超えよう。
速攻で決める!
喉仏に足刀!
頭が下がった所に右上段廻し。
あとは膝を破壊…。

ずわっと囲まれるブルース・リー。
十数名は…いやもっといるか。
「モノマネ野郎が、挽肉にして犬に喰わせてやれ!」
一気に殺到する敵。
華国武術の見本市のような凶器。使い手も並ではない。
だがリーは、敵の優位が存在しないかのように、悠々と薙ぎ倒していく。
そして…
一つの武具を拾い上げる。
「あっ…。」
自らも数多の敵を叩き伏せながら、芦屋は視線の隅の光景に軽く声を上げた。
ヌンチャクじゃねーか!
「ォアーチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャーアッッ!!!」
なすすべもなく、泥人形の様に薙ぎ倒されていく華国マフィア?達。
それはそうだ。
だってブルース・リーにヌンチャクだぞ。ヌンチャク。
どう考えても負ける気しねえだろ。
何故か笑みを浮かべつつ、芦屋英雄は目の前のヘビー級の敵を前蹴りで消しとばす!

拉致された日本人少女達が居るコンテナ4台。
そこへ、ウィリー・アダムスは走る。
案の定…20名ほどの敵。
そして…全員がライフルを。
「ふむ。なるほどな。」

「オラ!キリスト野郎!さっさと手を後ろに組んで跪け!」
「そんなにステーキになりてえか?」

「唯一…」
「あ!?」
「唯一神ヤハウェになり代わり、またこの日本の現人神である陛下の拳として…圧倒的レッドパージを!!!」
色々矛盾しまくりだろ、と突っ込む間もなく、男達は瞬時に間合いを詰められ、拳を握った両腕を水平に広げた状態で全身をコマの様に高速回旋させるウィリー。
拳の竜巻に巻き込まれた男達はなすすべもなく吹き飛んでいく。
「十の災い『Locust plague(イナゴ)』!!」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい

一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。 しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。 家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。 そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。 そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。 ……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──

俺だけステータスが見える件~ゴミスキル【開く】持ちの俺はダンジョンに捨てられたが、【開く】はステータスオープンできるチートスキルでした~

平山和人
ファンタジー
平凡な高校生の新城直人はクラスメイトたちと異世界へ召喚されてしまう。 異世界より召喚された者は神からスキルを授かるが、直人のスキルは『物を開け閉めする』だけのゴミスキルだと判明し、ダンジョンに廃棄されることになった。 途方にくれる直人は偶然、このゴミスキルの真の力に気づく。それは自分や他者のステータスを数値化して表示できるというものだった。 しかもそれだけでなくステータスを再分配することで無限に強くなることが可能で、更にはスキルまで再分配できる能力だと判明する。 その力を使い、ダンジョンから脱出した直人は、自分をバカにした連中を徹底的に蹂躙していくのであった。

スキルスティール〜悪い奴から根こそぎ奪って何が悪い!能無しと追放されるも実はチート持ちだった!

KeyBow
ファンタジー
 日常のありふれた生活が一変!古本屋で何気に手に取り開けた本のタイトルは【猿でも分かるスキルスティール取得法】  変な本だと感じつい見てしまう。そこにはこう有った。  【アホが見ーる馬のけーつ♪  スキルスティールをやるから魔王を倒してこい!まお頑張れや 】  はっ!?と思うとお城の中に。城の誰かに召喚されたが、無能者として暗殺者をけしかけられたりする。  出会った猫耳ツインズがぺったんこだけど可愛すぎるんですが!エルフの美女が恋人に?何故かヒューマンの恋人ができません!  行き当たりばったりで異世界ライフを満喫していく。自重って何?という物語。  悪人からは遠慮なくスキルをいただきまーーーす!ざまぁっす!  一癖も二癖もある仲間と歩む珍道中!

親友に彼女を寝取られて死のうとしてたら、異世界の森に飛ばされました。~集団転移からはぐれたけど、最高のエルフ嫁が出来たので平気です~

くろの
ファンタジー
毎日更新! 葛西鷗外(かさい おうがい)20歳。 職業 : 引きこもりニート。 親友に彼女を寝取られ、絶賛死に場所探し中の彼は突然深い森の中で目覚める。 異常な状況過ぎて、なんだ夢かと意気揚々とサバイバルを満喫する主人公。 しかもそこは魔法のある異世界で、更に大興奮で魔法を使いまくる。 だが、段々と本当に異世界に来てしまった事を自覚し青ざめる。 そんな時、突然全裸エルフの美少女と出会い―― 果たして死にたがりの彼は救われるのか。森に転移してしまったのは彼だけなのか。 サバイバル、魔法無双、復讐、甘々のヒロインと、要素だけはてんこ盛りの作品です。

神様に転生させてもらった元社畜はチート能力で異世界に革命をおこす。賢者の石の無限魔力と召喚術の組み合わせって最強では!?

不死じゃない不死鳥(ただのニワトリ)
ファンタジー
●あらすじ ブラック企業に勤め過労死してしまった、斉藤タクマ。36歳。彼は神様によってチート能力をもらい異世界に転生をさせてもらう。 賢者の石による魔力無限と、万能な召喚獣を呼べる召喚術。この二つのチートを使いつつ、危機に瀕した猫人族達の村を発展させていく物語。だんだんと村は発展していき他の町とも交易をはじめゆくゆくは大きな大国に!? フェンリルにスライム、猫耳少女、エルフにグータラ娘などいろいろ登場人物に振り回されながらも異世界を楽しんでいきたいと思います。 タイトル変えました。 旧題、賢者の石による無限魔力+最強召喚術による、異世界のんびりスローライフ。~猫人族の村はいずれ大国へと成り上がる~ ※R15は保険です。異世界転生、内政モノです。 あまりシリアスにするつもりもありません。 またタンタンと進みますのでよろしくお願いします。 感想、お気に入りをいただけると執筆の励みになります。 よろしくお願いします。 想像以上に多くの方に読んでいただけており、戸惑っております。本当にありがとうございます。 ※カクヨムさんでも連載はじめました。

処理中です...