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妖虎

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あの激闘から一週間経った。
もう医者もOKを出さざるを得ず、鍛錬を再開する神崎高志。
まあ、3割程度の突き蹴り、特種鍛錬の基本からであったが。
パアホテル社長の好意で、この聖ヤシオリ病院のVIPルームをあてがわれている。
ありがたいと言うか、申し訳ないと言うか…。
今日はこれで締めよう。
高志は正中線の深化鍛錬に。
目醒めてからだが、時折りこの鍛錬をしていると、異様に五感が極まる時がある。
この状態をいかなる時も適宜使い分けられるようになれば…。
?今日は聴覚が異常に冴える。
極論、この病棟内のあらゆる音や声が聞こえてしまう程に。
そして…意識はウィリーと芦屋、リーとの会話に…
「他ならぬ、川上社長の親類の娘さんとなれば、行かざるを得まい。」
「うむ。」
「そうだよなー。さくらもブチ切れてる。
仮に赤の他人達でも、女の子達がそんな風に拉致られる寸前となりゃな。
特にさくらは女性への暴力には過剰なまでにアレだし。この俺だってな。」
「うむ。」
「当然、高志には内緒だ。先生に上手いこと伝えてもらうしかあるまい。
ケンが場所を特定してくれた…ここの…。」

聞こえちまったんだよなぁ。

とは言え、確かに今の俺では足手纏い。
大人しく布団に潜っておくか。


そして、再び某倉庫。
「鯨羽さん、もう15分で入港との事で。」
「よし、『商品』出荷の準備…。」
「じゃー余裕で間に合うね。」
ぐわっと扉が開く。
!!!
パーカーにハーフパンツの軽装の女性。
むろん牧野さくらであった。
が、その表情は。
さながら獰猛な雌虎のような…!
「来たか、迫真の残党…」
女とて油断も容赦もしない。
鯨羽は指を鳴らす。
100名は優に超えようかという男たちが、それぞれの凶器を携えて立ちはだかる。
「お前にはいい話だ。
今日は誰も銃器を持ってない。
だがそれは、貴様らレベルの使い手相手に、ろくに人を撃ち殺した経験もない奴らに持たせても悪手だからだ。
結局そう言う奴らは銃に心理的に頼り、心身が硬直してしまう。
反面今日の面子はそれぞれの武器に習熟…」
爆ぜるような音がして、6~7名の男達が一気に消し飛ぶ。
!!!??
「なんか勘違いしていないか?
この腐れ(ピーッ)どもが!」
もう迫真会の誰も知らないような、さくらの獰猛な笑み。

「我々日本人を舐めるなよ。
古来陛下の剣となり盾となり、かつては元帝国を海の藻屑とし
近年は清とロシア帝国を撃破。
最強国アメリカも最後まで苦しめた最強の戦闘民族。
死屍累々の上に築かれた大アジアに冠たる神の国日本。
対するに貴様らはなんだ?
結局先の大戦も偉そうにしているが(ピーッピーッピーッ)!!!」

「この売女が!」
吠えた男も含め、再び消し飛んでいく強者達。
迫真空手、遼虎脚、弍式!!
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